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Re: 朝日新聞2004年4月19日夕刊 高橋源一郎の人生相談
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投稿者 木田貴常 日時 2004 年 4 月 25 日 17:44:00:RlhpPT16qKgB2
 

(回答先: <注意>高橋源一郎本人とはまったく関係ありませんのでご注意下さい。 投稿者 木田貴常 日時 2004 年 4 月 25 日 17:32:40)

朝日新聞2004年4月19日夕刊 高橋源一郎の人生相談

Q わたしたちは、ついこの間、ある国へ行ってきました。そこで、劣化ウラン弾というものがどんなにたいへんな被害を与えているかを調べたり、見捨てられているストリートチルドレンの世話をしたり、「誤爆」で民衆がどんどん殺されていくのを止めるためにもカメラで現場を撮影しようと思いました。周りの人たちも、それはいいことだといってくれました。そしたら、ある日、わたしたちは誘拐され、人質にされてしまったのです。こわかった。死ぬかと思った。でも、やっと解放され、目の前に突き出されたマイクに「これからも同じ活動をしたいと思います」といったら、わたしたちの国のマスコミやいろんな人たちに「反省しろ」とか「謝罪しろ」とか「迷惑をかけるな」とか「ふざけるな」とかいわれています。いったい、どうなっているのでしょう。わたしたちは間違っているのでしょうか? (匿名希望)

A 「匿名希望」さんへ。お気の毒に。あなたの国ではどんなにいいことをするより、他人に(あるいは「お上」に)迷惑をかけないことの方が大事なのでしょう。家に閉じこもって、テレビを見ながら「戦争か、たいへんだなあ」と鼻毛でも抜いている人がいちばん立派なのでしょう。実をいうと、わたしの国でもおなじようなことが起こっています。そのことについて書きます。もしかしたら、あなたたちの役に立つことができるかもしれないから。

その前にひとついっておきますが、わたしは、きわめて穏健な生活保守主義者です。わたしは、わたしの国の政府が信じられないぐらい無能で嘘つきの集団だと思っていますが、だからといって革命を起こそうとは思いません。面倒くさいし。たいへんだし。それどころか、わたしは法律で規定された「国民の義務」を遵守しています。つまり、わたしは「寝食を忘れて」働いて得た収入から毎年何百万もの国税を政府に文句もいわずに納めています。そして、わたしは、その払ったその金で、政府の役人や政治家たちを雇っているのです。わたしは、わたしの義務を完全に果たしました。それ以上の義務はなにもありません。あとは、政府の役人や政治家たちに、彼らの義務を果たしてもらうだけです。つまり、彼らにはするべき仕事をしてもらわなきゃなんない。

ところが、ですよ。信じられないことに、わたしの国の政府の役人や政治家たちは、義務を果たさない。というか、仕事をしたくないっていってるみたいなんですねえ。

□ □ □

実は、わたしの国でもイラクでボランティア活動している人やジャーナリストが誘拐され、人質にされました。そして、やっと解放された。よかったよかった。そしたら、その後、政府のエライ人が「『寝食を忘れて』救出活動をした人」のことを考えろとか文句をいいだしたんですよ。わけがわかんないとは、このことですよね。だって、「国民の保護」は、彼らがいちばん先にやらなきゃならない仕事なんですから。やって当たり前。もしかしたら、政府の人たちは「人質の救済」は「サービス残業」みたいなもので、ほんとはやりたくないのに無理やりやらされたと思ってるんでしょうか。法律を知らないんじゃないですか。

それから「迷惑をかけた」と怒ってる人もいました。ヘンですね。その人はいったいどんな迷惑をかけられたんでしょう。わからない。少なくともわたしはぜんぜん迷惑をかけられてません。でも、人質の人たちのしたことが「迷惑」なら、そういう「迷惑」はどんどんかけてもらいたい。わたしの「血税」はそのために是非使ってもらいたい。大歓迎です。それから、「金がかかったから払ってもらえ」といってる人もいましたが、この人もヘンですねえ。だったら、その前に為替差損で何兆円も国に損をさせた人や誰も来ないホテルを年金基金の金で建てた人に請求書を回しなさいよーーっていったら、自分たちのところにものすごい額の請求書が来るからイヤか。

人質の人たちは、いいことをしようと思って個人で海外へ行ったんです。そしたら、彼らの力を超えたものに拉致された。あのね、そういう時のために、わたしたちは政府とか役人とかを雇っているわけです。「海外危険保険」を税金を出して買ってるわけ。まあ、ガードマンみたいなもんですよ。そしたら「保険は効きません」といわれちゃった。どうやら、わたしたちは詐欺にあったみたいなんですねえ。

□ □ □

アメリカ軍はイラクでがんがん女子ども老人をぶち殺しています。日本政府はもちろん見て見ぬふりです。そんな国の軍隊がのこのこ出かけてイラクの人たちの反感をかい、日本へのテロ危険を増やしてしまったのを、民間のボランティアが(政府の勧告に反して)民衆に向けて活動することで、その危険を減らしてくれたのです。彼らは、日本人の名誉を高め(その結果、日本の安全に寄与し)ました。ブッシュに気に入られることばかり考えているコイズミのような人間だけではなく、いい人間もいることを、イラクの人たちに証明してくれたからです。つまり、バカな政府の犯した過ちを、人質の人たちが償ってくれたのです。10万人軍隊を送るより、彼らの果たした役割の方が大きかった。だったら、政府や一部マスコミは、まず彼らに感謝状を贈るべきではないでしょうか。それが非難の嵐とは。

わたしはわたしの国の人質の人たちにこういいたいです――こんな恩知らずの国のことなんかもう放っておきなさい。(おわかりのことと思いますが、質問も筆者作です)

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