http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2004/iraq4/news/0510-1369.html

ブレア首相も「虐待」謝罪　英軍関与を事実上認める
処罰に言及、批判回避狙う

　【ロンドン１０日共同＝長谷川健司】ブレア英首相は九日、訪問先のパリでテレビ局、国営フランス３のインタビューに「われわれの兵士の虐待を受けたあらゆる人に深く謝罪する」と述べ、イラク人に対する駐留英軍の虐待があったことを事実上認め、謝罪した。首相は関係者の処罰にも言及した。

　英政府はこれまで、虐待報道に対し「調査中」としてきた。しかし、疑惑が相次ぐ中でのあいまいな姿勢に与野党から批判が高まっており、ブレア首相は調査結果の公表を待たずに謝罪するのが得策と判断したとみられる。

　米国で発覚したイラク人虐待事件は、米軍とともにイラク戦争を主導した英国に飛び火し、米英首脳が相次ぎ謝罪する事態に発展した。

　ブレア首相は同テレビで、虐待を「全く容認できない」と批判し「このようなぞっとする行為があったなら、責任がある者は軍の規律に従って処罰される」と述べた。

　しかし首相は虐待の事実を確認したかどうかは明言せず「少数の者の不名誉な行為が大多数の仕事の価値を落とすわけではない」と、例外的な出来事だったと強調した。

　英国防省は、英軍によるイラク人殺傷や虐待の指摘がある三十三件を調査中。

　英紙報道によると、虐待は英軍が駐留する南部バスラ周辺で発生。（１）殴るけるのほか、英兵がイラク人に向け放尿。トラックから投げ落とし、生死も不明（２）頭部に布袋をかぶせ、上から眼球部分を手で突いて苦しめた―などの証言が兵士から出ている。

　一方、大規模戦闘終結宣言後に英軍に殺害されたイラク人十二人の遺族が五日、英高等法院に賠償請求訴訟を起こしている。

（了）　０５/１０

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