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２００４年 ５月５日 水曜 □□□□□ □■ （転送歓迎）
［目次］
・虐待を思い出しては、恥がよみがえる／それは私だ
インタナショナル・ヘラルド・トリビューン ５月５日
・国内報道から： 計画的／写真報道まで動かず／殺害も
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☆★Recalling the abuse, reliving the shame
虐待を思い出しては、恥がよみがえる
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インタナショナル・ヘラルド・トリビューン ５月５日 ＮＹＴ
http://www.iht.com/articles/518368.html
バグダッド発／とても恥ずかしくて、ハイデル・サバル・アブドは長年
住み慣れた地域に戻ることができないと感じている。彼はイラクにとど
まることさえ嫌なのだろう。しかし今、全世界がその写真を見た。それ
でもアブドは再び火曜日に見て、中心人物を指さし、カメラに向かって
笑っている３人のアメリカ兵のことを話し始めた。
眼鏡をかけ、黒い帽子と青い手袋をしている男の兵士を指さして、
それはジョイナーだ、と彼は言った。裸にされて帽子をかぶった沢山
のイラク人拘束者の上で彼は腕組みしていた。次に同じ群れをつつき
ながらフレッシュな顔を見せている若い女性を指さして、それはマヤ
嬢だと彼は言った。
彼はもう一枚の写真を凝視した。そこには２人目の女性兵士が歯を
むき出して、黒い帽子（袋）以外は何も身につけてない男の性器を指
さしていた。男は頭の上で指を縛られている。彼はこの女性兵士の名
前を知らなかった。しかし胴の古い傷跡は、間違いなく裸の囚人の身
元を確かめさせるものだった。
「それは私だ」－－彼はそう言って、背を少し曲げて袋をかぶせられ
た写真を軽くたたいた。
アブド（３４歳）は米兵によるイラク人収容者虐待のスキャンダルの
渦中にいたが、それでも彼はわずかながら、この恐ろしいアブ・グレイ
ブ刑務所にいた時間について２時間にわたって説明した。彼はそれを
大部分のイラク人よりも身近に目撃したわけだが、アメリカの占領に
対する特別な怒りを話したのではない。実際、彼は米兵の管理する
刑務所に６ヶ月入れられたが、彼らの多くは経緯を持ってよく待遇して
くれたという。
「その期間のほとんどは、彼らは「黙れ」とさえ言わなかった」と彼は
話した。
それが１１月のある夜、アブ・グレイブでの収容者のケンカに対する
懲罰が虐待に変質した。その夜、彼と他の６人の収容者は殴打され、
裸にされ（アラブ世界では特に恥とされる）、互いに他の背中にまたが
るように積み重なって、オーラル・セックスのマネをさせられた。アメリ
カ人警備員はマジックで彼らの肌に「強姦者」といった言葉を書いた。
殴打場面は別にして苦痛の場面の多くまで、好奇心からカメラに収
められた。彼は女性の警備員の一人に目を向けたので、壁に押しつ
けられてアラビア語の通訳からマスターベーションをするよう命令され
た－－そのことを思いだしては彼は繰り返し詳細に言及した。
「彼女は笑い浮かべながら自身の胸に手をやった」とアブドは話し
た。「もちろん、私にはそんなことはできない。私ができないと告げる
と、彼らは私の腹を殴ったので、地面に倒れこんだ。通訳は、やれ！
やれ！ 殴られるよりマシだ、と指図した。私はどうするんだと尋
ね、要求されたとおりペニスに手をもっていった」。
その間ずっと、かつてサダムの刑務所だった薄暗い部屋をカメラの
フラッシュが照らし、写真が撮られ続けた。その写真はアラブ世界を
激怒させ、イラクにおいてはアメリカのイメージを傷つけ、占領を最悪
のものと考えるようになった。
「それは屈辱だった」と彼は言った。「私たちは自分が生き延びると
は思わなかった。全員が殺されて、生きては外に出られないだろうと
信じていた」。
アブドの話は検証できなかったが、現地の軍高官は、アブドの収容
番号１３０７７は米兵による虐待を申し立てする誓約書を提出した元
収容者の番号と一致していると回答し、その男の話は軍の調査で検
証された報告と一致すると述べた。アブドが語った幾つかのエピソー
ドも、かなりの詳細部分が米兵から得た証言と同じだった。
しかしアブドの話は、ある重要な部分が、タグバ少将による報告書
の要旨および先週ニューヨーカー誌と６０MinutesⅡ（ＣＢＳのTV番組）
での報告と異なっていた。報告書では、刑務所勤務のの憲兵隊がし
ばしば軍の諜報担当将校の情報収集を助けるために収容者を虐待
したと書かれていたが、アブドは良くない挙動＝刑務所内のケンカへ
の懲罰だったようだと述べた。
アブドは細身で５人の子どもの父親であり、南部の都市ナシリヤ出
身のシーア派教徒だ。彼はイラク軍に１８年勤務し、サダムの共和国
防衛隊にいたこともある。しかし、彼の話では、何度か軍務から離脱
し、一般部隊に格下げされた。アメリカ軍が昨年イラクを侵攻したとき
は一般部隊にいた。
米軍が最初に到着したとき、彼は兵士としての身分を知られたくな
かったので、彼に軍歴書をバグダッドの北にあるタジに住む元の指揮
官の家に届けた。しかし後で、年金を得るために、タクシーを使ってそ
の書類を戻してもらいに行ったとき、２００３年６月２４日に逮捕され
た。
バグダッドで、検問所の米兵が車の書類を点検するためにタクシー
を止めた。タクシーの運転手はその書類を持たず、アブドは面倒にま
きこまれたくなくて、タクシーを降りて検問所から立ち去ろうとした。兵
士が叫んだ、「おい、どこに行くんだ？」。私は「運転手じゃない、ただ
の乗客なんだ」と答えた。「なぜ、これが問題なのか」。
（ニューヨークタイムズ）
※ 訳注： 待遇が変わったと証言されている昨年１１月とは、占領
から半年が過ぎて反米レジスタンスが勢いを増してきた時期、あるい
はフセイン拘束に向けて情報収集が強化された時期である。虐待が
特殊なケースでないと言う疑念については、以下の日本での報道を
参照してください。
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☆★国内報道から： 計画的／写真報道まで動かず／殺害も
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●イラク人虐待米軍内部報告 『計画的』と断言
東京新聞 ５月５日
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20040505/mng_____kok_____005.shtml
【ワシントン＝沢木範久】イラクの刑務所で米軍が収容者を虐待して
いた問題で、米紙ロサンゼルス・タイムズは三日、軍の内部報告書の
詳細を初めて報じた。男性だけでなく女性も裸にしてビデオ撮影する
など国際法や軍紀を無視して計画的に虐げていた実態が明らかに
なった。・・・ 米政府は、これまで「虐待に関与したのは少数」（マクレ
ラン大統領報道官）と強調してきた。しかし、報告書では「加虐趣味
の、あくどい、みだらな犯罪的虐待」が「計画的」に行われていたと断
言。収容者を尋問する情報将校が、指揮系統を無視して現場の憲兵
に「自供を得やすい心理状態に追い込め」と命令したとしている。
●イラク人虐待事件の波紋広がる 米軍の信頼急降下
朝日新聞 ５月５日 １４：５８
http://www2.asahi.com/special/iraqrecovery/TKY200405040242.html
なぜこんなに対応が遅れたのか。イラク人虐待事件の波紋が週明
けのワシントンに広がった。米軍は１月に虐待の事実をつかみ、３月
までに内部調査報告書をまとめていた。だが、収監者をいたぶって笑
う米兵の写真が世界に配信されるまで、ブッシュ大統領らは動かな
かった。・・・ 報道官は今回の虐待を「数人による恥ずべき行為」と非
難した。だが、政権側が「例外的な不祥事」とみている間に、米メディ
アは次々と新たな疑惑を報じている。・・・ イラク人収監者への虐待
は憲兵中隊の兵士らによって昨年１０～１２月に多発し、米軍情報部
隊や米中央情報局（ＣＩＡ）が尋問に関与した疑いも浮かんでいる。
●拘束イラク人らの死者25人、３人は米兵などが殺害
日経新聞 ５月５日 １９：４９
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20040505AT3K0502Y05052004.html
【ワシントン５日共同】米国防総省は4日、2002年12月以降、イラク
やアフガニスタンで米軍が拘束、尋問した収容者の中でこれまで25人
が死亡、うちイラク人3人は米兵や中央情報局（ＣＩＡ）関係者により殺
害されたことを明らかにした。・・・ イラク人の3人と合わせ、13人が不
審死といえる。このほか性的暴行1件を含む10件の暴行事件につい
ても捜査が進んでいる。米軍による収容者の虐待、暴行がより広範
囲に行われていた可能性が高まった。・・・
●負傷イラク人を機関銃で殺害の映像 仏テレビ放映
毎日新聞 ５月５日 ０８：４５
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20040505k0000e030005000c.html
フランスのケーブルテレビ、カナル・プリュスは４日夜（日本時間５日
未明）、米軍ヘリコプターが負傷者を含む無抵抗のイラク人３人を機
関銃で殺害する映像を放映した。イラク人虐待問題が国際的に非難
される中、「負傷者の殺害は国際法からみて戦争犯罪」（人権活動
家）と米軍に対する批判が強まっている。・・・
●イラク人虐待： トイレで銃口向けられ 拘束のイラク人証言
毎日新聞 ５月５日
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20040505k0000m030122000c.html
米英軍によりバグダッドなどの施設で約３カ月間、理由も不明のま
ま拘束されていたイラクの民間人男性（２８）が、毎日新聞に対し、施
設内の実情を明らかにした。ドアのないトイレで銃を突きつけられな
がら用を足したり、酷暑の中で水を十分与えられないなど、「ひどい仕
打ちが常態化していた」と話した。【バグダッドで斎藤義彦】 米兵に
よる刑務所内でのイラク人虐待が問題化しているが、虐待は一部で
なく広範に行われていた可能性もある。・・・
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