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http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20040507k0000m030023000c.html
イラク人虐待：
米大統領が国防長官を叱責
【ワシントン中島哲夫】ブッシュ米大統領は５日、イラク人収監者虐待事件の報告が不十分だったとしてラムズフェルド国防長官を叱責（しっせき）した。ホワイトハウス高官の証言に基づき、米主要メディアが一斉に伝えた。ワシントン・ポスト紙は与党・共和党の議会関係者らの話として、長官が辞任に追い込まれる可能性があると報じている。
この事件はイラク情勢をめぐるブッシュ政権の苦境を耐え難いほどに深めた。１１月の次期大統領選をめぐる重大な不安材料であり、国防長官を「切る」ことで打開を図る選択肢がひそかに検討されている模様だ。
６日付のポスト紙などによると大統領は長官と面談し、アブグレイブ刑務所での虐待に関する報告に「満足していない」ことを伝えた。特に、証拠写真など事件の生々しい実態を報道で初めて知った経緯に、強い不満を表明したという。
この叱責に関する複数の報道は、匿名の高官の発言内容がほぼ同一であり、ニューヨーク・タイムズ紙によれば大統領の承認を受けた情報リークだという。ブッシュ政権高官への大統領の叱責が事実上公表されたのは初めてのことだ。大統領は５日、アラブ圏のテレビに対し「国防長官を信頼している」と語ったが、内心は揺れていることになる。
マクレラン大統領報道官の公式説明も含めて要約すると、事態は（１）今年１月、刑務所勤務の米兵が虐待の証拠写真を上官に提出（２）同月１６日、イラク駐留米軍が「刑務所での虐待容疑」を調査中だと報道発表（３）国防長官が大統領に事件の大枠を報告（４）３月、調査担当の陸軍少将が虐待の実態を報告書にまとめる（５）米ＣＢＳ放送が写真を入手し、米軍当局の要請でしばらく報道を見合わせた後、４月２８日に放映−−という順序で進行した。
大統領が最初に報告を受けた日を特定できないなど不審な点もあるが、写真も３月の報告書も報道されるまで存在を知らなかったというのがホワイトハウスの主張だ。
ラムズフェルド長官は米議会にも具体的な報告をしておらず、７日、マイヤーズ統合参謀本部議長とともに出席する上院軍事委員会の公聴会、上院全体への説明会（非公開）で厳しい追及を受けるのは必至だ。
民主党議員の間からは既に長官の辞任を求める声が出ており、ポスト紙によれば「大統領選までは生き残れない（辞任せざるをえない）かもしれない」と語る共和党スタッフもいる。
毎日新聞 2004年5月6日 18時52分
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。