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死んだイラク人たちの死体の上に糞を垂れ、車両で踏み潰した【反戦翻訳団】
http://www.asyura2.com/0403/war55/msg/219.html
投稿者 天地 日時 2004 年 5 月 16 日 07:25:04:IVYNMLFehyE6c
 

反戦翻訳団−Antiwar Translation Brigade−
主として反戦運動にかかわる海外記事の翻訳紹介。

http://blog.livedoor.jp/awtbrigade/archives/587671.html

2004年05月13日

【奴等より悪い敵はいない:或る海兵隊員が沈黙を破る】ナターシャ・サルニエ(2004/5/1)
奴等より悪い敵はいない:或る海兵隊員が沈黙を破る

ナターシャ・サルニエ

原文:Chronogram誌5月号
(訳者注:N.Y.州を流れるハドソン川中流域に隣接する地域に無料配布される月刊誌)
http://www.chronogram.com/chronogram/roomforaview/index_2.html
(訳:203号系統)

イラクを巻き込む暴力が増幅していくのを見て、第3海兵大隊第7火器中隊所属のJimmy Massey二等軍曹(31歳)は、沈黙を破って私たちに彼の地で起こっている残虐行為を告白しようと心に決めてきた。12年間の軍歴をもつ海兵隊員であり新兵募集要員そして指導教官でもあるMasseyは30名の狙撃兵小隊を率いていた。「一ヶ月半の間に、私の小隊と私は30名以上の民間人を殺しました。私たちは、村々を占領し検問所を仕切っていました。部下と私は、接近して来る車両に向かって警告射撃を行い、若しそれでも停止しない場合には、何のためらいも無く彼らを蜂の巣にしました」と語る。

イラクへの第一次攻撃に従軍したのち、Masseyは2003年4月18日に軍に別れを告げ、11月に名誉の除隊となった。今ではノースカロライナ州スモーキーマウンテンの家に帰って来ている彼は、イラク地上戦の現実から彼の同胞の目を覆い隠している無知の壁をぶち壊したい、また夜に眠ることが出来ない程の自責の念から脱したい、と願っている。「彼の地で私たちが行ってきたことによって、私の心は苛まれています。罪をあがない続けそして心を癒すための精神的な使命を務めることで、私は再び眠ることができるようになるのです。ブラックウォーター社の傭兵たちが切断され黒焦げにされた記事を新聞で読んだ時、私が思い起こしたのは、イラクの人たちに対して私たちが全く同じことをしていたこと。それだけです。彼らはいつでも、自分の死を貶める者として私たちのことを見ていたことでしょう。私たちは、幾つもの黒焦げの死体を小突きまわし、車から蹴り出し、その人たちの口に煙草をねじ込んだりしたのです」

また別の兵士、昨秋にイラクより帰還した匿名希望の海兵隊員(23歳)は、付け加えてこう述べた。「私たちは、死んだイラク人たちの死体の上に糞を垂れ、そして彼らを車両で踏み潰しました。」

同様の証言を行ってきた複数の海兵隊員たちは、彼らの名前が公になることで海兵隊からの報復を受けることを非常に恐れ続けている。Masseyは彼の証言が他の人たちの告白を鼓舞することを望んでいながら、彼にもまた恐怖にとりつかれる瞬間がある。「私は、何かをする場合にも何かの立場をとる場合にもいつでも積極的な人間なのです。私が海兵隊を離れる時、『私は、今まで自分やってきた事をみんなに伝える積りだ。』と言ってきました。 貴方に申し上げておかなければならないのですが、カリフォルニアからノースカロライナに車で戻る間にも、私は身の危険を感じていたのです」

検問所での殺人

或る場面が繰り返しMasseyの記憶の中によみがえる、そしてそのたびに彼の良心を苛んでいる。まだイラク侵攻開始から間もない2003年4月の初め、バグダッド郊外の路上での事であった。「その日はとても暑く、しかもバグダッドは未だ完全に陥落してはいなかった。一台の赤いKia Spectra(訳者注:起亜自動車のSpectraという乗用車のこと)が私たちの検問所に向かって時速約45マイルの速度で走って来た。私たちがその車の上空に警告射撃を行ったが、止まらない。そこで私たちは車に狙いを定めて全火力で射撃を行いました。私と運転手の目が合いました。そのKiaが私の前に止まった時、乗っていた4人の男性のうち3人は既に撃ち殺され、もう一人も傷ついて血まみれの状態でした。その彼は、彼の兄弟(車を運転していた人)が死んでしまったのを見て、狂ったように手を振りながら崩れ落ち道路の縁石に倒れ込みました。そして私たちが彼の兄弟を車から引きずり出した時、彼は逃げ出しそして絶叫し始めました。「どうして私の兄弟を殺した!?私たちは何もしなかったのに!」

声が詰まってしまって、Masseyは話しの続きを低い声で始めるまでに暫らく間を置いた。「私たちは、その車を捜索したが何の武器も出ては来なかった。そこで私たちは衛生兵を呼んだのです。彼らは20分後に到着し死体を道路脇に投げ捨てました。その発砲の後に報道陣がやって来ましたが、私たちは『彼らを速やかに現場から排除するよう』指示されていました。それから少しして、同じ筋書きがあと2台の車で繰り返されました。私たちは更に3人の民間人を殺しました。まったくひどい一日でした」酷く負傷したイラク人たちが「衛生兵を呼んで貰うこともなく、道路の脇に投げ捨てられる」光景を、Masseyは何度も見たのである。

「イラク人たちは救急車で爆弾を運びそしてイラク兵たちは民間人の格好に変装しているのだ、と私たちは聞かされていました。然し何の爆発音も聞いていないことに気が付いた時、これは変だと私たちは思い始めたのです。何の役にもたたない破壊された戦車や設備とゴースト・タウンのような兵舎群を除いては、イラク軍の施設内には何もありませんでしたし」このように彼が語る逆さまの世界の中に、1ヶ月半に渡って彼は居たのである。しばらくの間は、民間人を余りに多く殺傷している事に関して憂慮を述べて来る兵隊が彼の小隊にも何人か居たが、Masseyは「しょうもないこと言うな。ワシらには、やらなならんことがあんのや」と彼らに繰り返して応えていた。

然し4月7日に、Massey彼自身が彼の上官に疑念を述べた。「私は彼に向かって、イラクの地において私たちは皆殺し作戦に加担していること、彼らの文化を破壊し続けていること、多くの民間人を殺戮し続けていること、そう云った感覚を抱いている旨を述べました。彼は何も応えず、立ち去りました。これで自分の軍歴は終わった、と私は判っていました」それから、Masseyが話してくれた、彼の上官が吐き出した侮辱の言葉の豪雨、「君は指揮官としての能力が無い。君はそれを誤魔化し続けている。君は良心的兵役拒否者だ。君は弱虫だ」そう言われながらもMasseyは冷静な表情を保っていた。その後、彼は海軍の精神病医によって心的外傷後ストレス障害及び鬱病と診断され、そして海兵隊は彼に事務仕事を与えた。「退役するまで更に7年以上の期間が残っていましたが、もうこれ以上は海兵隊から金を受け取りたいとは思わない、と彼らに言ったのです」

最良の友人、最悪の敵

米軍の戦術について語りつつ、Masseyは海兵隊が採用した新しい標語を批判する。「海兵隊は次世代の兵士をこのモットーを以て教育しています。それは『最良の友人、最悪の敵』と云うものです。新しい洗脳教育は、新しいモットーを伴って来ます。これは云わば『我々は御前を殺す積りでいるが、それを撤回する積もりでもいる、御前にキャンディをやる用意があるが、御前を縛り上げる用意もある』と云うようなものです。ある日、私たちは市内に入り込み、民間人死傷者が発生するにちがいないような箇所で道路封鎖を行います。そして次の日の朝、私たちは人道的な任務を行うというわけです。自分の兄弟や母親を殺された人たちが態度をひるがえし諸手を挙げて貴方を歓迎するなんて、どうやって期待できます?」

「私は、軍の交戦規則に関して問い合わせを受ける事がしばしばあります。私たちアメリカ人こそが、交戦規則を作っているのです。若し私たちにとってその方が都合が良いのであれば、新しい規則を作って古い方を破棄してしまうことも出来るのです」とのMasseyの言葉に、前述23歳の海兵隊員が同意して述べた。「ある日、海兵隊員がブルドーザーを使って47名のイラク人たちを集団墓地に埋めている所を見た事があります。彼らが民間人なのかどうかは判りませんが、そのようには見えました。ローファーのようなドレス・シューズを履いていましたから。私たちの軍曹が金属探知機を使って爆弾を捜索していました。そうしたら、彼は死体を引っ張り出してはそれらの身に付けている宝石や金をちょろまかしていました。また彼は死人の身分証明書を取り上げては、国に帰った時に見せびらかす記念品としてそれらを海兵隊員たちに売っていましたよ」

Masseyによると、対テロ戦争にあたっては海兵隊員には感覚の一層の鈍化が必須であることが、新しい標語に凝縮されていると言う。「貴方はジキル博士とハイド氏のようになる事を強いられます・・・・・。貴方は支離滅裂な精神状態で居なければなりません。30分の内にスイッチを入れたり切ったり、人道的任務をやったりまた止めたりしなければなりません」また付け加えて、「3ヶ月の訓練期間中に海兵隊員たちがその影響下に置かれることになる感覚磨耗技術の中には、さらに害が大きく潜在意識の部分に働きかけるようなものもあります。練兵場から聞こえてくる次のような歌がありますが、実際の訓練はこの歌よりもさらに屈折したものなのです。『校庭にキャンディばらまいて/群がる子供を見定めて/御前のM-50に弾帯を装填し/小さい餓鬼共をなぎ倒せ!』

幽霊部隊

取材を受けた海兵隊員たちの心には、余りに多くの殺人を犯したことが重くのしかかっているようだ。「イラクは南部を酷くやられていました」Masseyが語る。「バグダッドに近づくにつれ、マシになっていきました。(イラク)軍の施設は放棄され、戦車も殆ど使い物にならない状態でした。私が見たのは民間人の死傷者と車両に乗ったカウボーイたち、そして火を噴く銃ばかりでした。大きな戦闘なんか実際には一つも無かったのに、私たちには過剰な武器を与えられそして使用しました」

24歳の海兵隊員で最近イラクより帰還して来たMichael Hoffman兵長は、この点を強く確信して述べている。「私たちは、空中で爆発しては中に仕込まれた88個の地雷をばら撒くような改良された通常兵器を使用しました。私たちはそればかり使った。私なんか、それを使わなかった回数を自分の手で勘定できますよ」

更に秘密度の高い特殊部隊――取り分けタスクフォース121、これはDonald Rumsfeld国防長官によって特にイラク戦のために作られた部隊であり、デルタフォース・海軍SEALSそしてCIAの準軍事組織の要員から構成され、「幽霊部隊」として知られている――の活動は、更に大きな罪を犯したと言えるであろう。Masseyの小隊は、幽霊部隊と共に4回そして特殊部隊と共に1回の強襲作戦を実行した。「私たちは村々に潜入して、サダムの一派と思われる家の扉にC−4爆薬を固定してまるでゲシュタポのように彼らの家々を物色しました。幽霊部隊は、私たちが扉を爆破するまで待機しておりそして家の住人を閉じ込めておいて、それから潜入するのです。彼らは大量の現金の他には決して何も見つける事はありませんでした」家の住人たちがどうなったかって?「幽霊部隊の連中は、住人たちを床の上に転がしたままで私たちの後に捜索を引き継いだかと思います。私たちが撤収してから住人たちがどうなったのかは判りませんが、情報部員の報告で聞いたところでは爆砕された住人も何人か居たようです」

これが、Masseyが加担を拒否した戦争である。即ち、市民と軍隊の間の境界線がはっきりしない戦争、そして兵隊たちが幻の軍隊と戦いながら自分たちに殺された人たちに対しては自分たちの事を救世主と見る事を要求している戦争である。ブラックウォーター社雇兵殺しをこの文脈にあてはめると、これはブッシュ大統領が述べているような「民主主義にむけた前進を止めようとする」試みと言うよりは、イラク人たちに対して犯された残虐行為への報復行動と見えてくる、というのがMasseyの考えである。

「海兵隊員たちは、敵を殺すよう洗脳されていましたが、現在は民間人を殺すよう洗脳されているのです。彼らはもっぱら戦場で敵と対峙する訓練をしてきたものです。しかしイラクでは、どこにも敵などいないのです。」とMasseyは語る。またHoffman兵長も断言する。「海兵隊は戦場で敵と対峙する訓練をしてきたものです。が、イラクでは敵などどこにも居ないのです。訓練の最中では私たちは標的を確認することができたのですが、(実際の戦闘では)私たちは標的を想定していながら決して彼らを確認することが出来ませんでした。私たちは、標的の識別にかんしては何も気にしなくてよい、と言われていました。標的の識別は上層の司令部が行い、私たちはただ標的を与えられて撃つよう命令されるというわけです。自分たちがなにを撃っているのかまったく判らない状態だったのです。あとで司令部のほうから、私たちの撃っている的がなんなのかを教えてくれましたが、それが真実かどうなのかは判りませんでした。」

(原注1)この文章は、Stephan Smithによってフランス語から翻訳されました。
(原注2)Natasha Saulnierはニューヨークを本拠としている独立のジャーナリストで、 Common Dreams, Truth OutそしてGreg Palast.orgを含む幾つかの電脳出版社 と同じようにLiberation, l’Humaniteそしてその他フランスの出版社にも文章を寄せています。

Posted by awtbrigade at 01:09

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