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イラク人虐待:スピード審理の軍法会議 真相究明に疑問符 (毎日新聞)
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投稿者 彗星 日時 2004 年 5 月 20 日 09:07:03:HZN1pv7x5vK0M
 

イラク人虐待:スピード審理の軍法会議 真相究明に疑問符

 19日、バグダッドで始まったイラク人収容者虐待事件の軍法会議。次々とショッキングな虐待現場の写真が明るみになる中で、米国の威信は地に落ち、イラク占領統治にも計り知れない打撃を与えた事件の真相究明に世界は注目する。虐待事件は「一部兵士のとっぴな行動」だったのか、それとも「組織的な犯罪」だったのか。この日の審理はメディアに公開されたが、米兵を米軍が裁く展開に、イラク人らの不満は強い。【バグダッド杉尾直哉、山科武司、ワシントン和田浩明】

 ◇命令の有無で食い違い

 ブッシュ米政権は、真相解明に向けた過程の透明性を強調しつつ、事件を「少数による例外的事例」と主張し、国際イメージの回復を目指す。だが、事件は軍情報部など上層部が関与する「組織的犯罪」の疑惑が強まっている。軍法会議がどこまで真相を究明するかは不透明だ。

 軍法会議は裁判官、検察官ともに米軍将校だ。米兵を米軍が裁くことで、ブッシュ政権が繰り返す「徹底調査と厳正処分」が実現するかは疑問だ。ワシントンの民間研究機関「軍事裁判法研究所」によると、軍法会議には公平性の観点から批判があり、検察官は軍以外から出すよう改めた国もあるという。

 19日に有罪を認めたシビッツ技術兵(24)を裁いたのが、最高でも禁固1年の刑しかない「特別軍法会議」だったことも非難の的だ。シビッツ技術兵は米軍の捜査に全面的に協力、その見返りとして、好意的な取り扱いを受けたとの見方がある。17日のバグダッドでの駐留米軍の会見で、アラブ諸国の記者から「1年なんて軽すぎる」との声が飛んだ。

 シビッツ技術兵が軍上層部の命令を否定していることは米政府や軍部にとって都合がよい。「一部の兵士による行動」を印象づける軍法会議をスピード審理で処理し、内外の批判を鎮静化させるブッシュ米政権の狙いが見える。

 だが、「組織ぐるみ」をうかがわせる情報を米メディアが次々と報じている。訴追対象になっているリンディ・イングランド上等兵(21)は米テレビで「命令に従っただけ」と主張した。

 また、タグバ少将の事件に関する報告書は、拘束者の尋問を担当する陸軍情報部が、情報収集を容易にするよう看守役の憲兵らに虐待を奨励・指示したとの関係者の証言に言及している。

 19日の予審尋問で認否を留保した3人のうちの1人、チャールズ・グレイナー技術兵(35)の弁護士は「(兵士らは)命令に従っただけ」と発言した。グレイナー技術兵の証言をどこまで軍法会議が認めるのかが焦点となる。

 ◇シビッツ技術兵 涙の証言

 「どうして(虐待を)してしまったのか、今でも分かりません」。19日開かれた軍法会議で被告席に立ったジェレミー・シビッツ技術兵(24)は、時折、涙で声を詰まらせながら、自らが行った虐待の様子を生々しく語った。

 それによると、シビッツ技術兵は昨年11月3日午後7時から8時ごろ、刑務所内で看守2人が複数の収容者を殴っているのを目撃した。誘われるがままに虐待に加わり、収容者を殴りつけたという。

 さらに、先輩のチャールズ・グレイナー技術兵(35)=虐待容疑で告発済み=に収容者の写真を撮るように言われた。裸の収容者を壁に並ばせ、リンディー・イングランド上等兵(21)=同=が収容者の下半身を指さす写真を撮影したという。

 シビッツ技術兵は「砂袋を収容者の頭にかぶせていたが、撮影のフラッシュの音は収容者にも聞こえたはずだ」と述べた。裁判官の「なぜ撮影したのか」との問いに、「とてもひどい行為で、収容者に恥ずかしい思いをさせるためだった」と答えた。

 このほか、7人の収容者を裸にして人間ピラミッドを作らせるなどこの日の虐待は約2時間続いたという。

 シビッツ技術兵に殴られた男性収容者は、危うく呼吸が止まるほど胸を強打し、床に倒れた。「それを見ていたグレイナー技術兵は『今のパンチは痛かったろうな』と言いました」。シビッツ技術兵はそう述べて右手で顔を押さえ、すすり泣き出した。

 この日の虐待には7人の兵士が加わったという。「誰が責任者か」と尋ねられたシビッツ技術兵は「責任者は分かりません」と答えた。ただし、虐待に加わった最年長者としてイワン・フレデリック3等曹長(37)の名前を挙げた。

 ◇イラク市民は期待ゼロ 米国内向けのショー?

 米軍は軍法会議を積極的にメディアに公開する方針を取り、「開かれた米軍」のイメージづくりに躍起となった。しかし、イラク国民の多くは法廷の開始も知らず、現地では「米軍の関心の中心は米国民の反応」との皮肉な見方もある。

 駐留米軍のキミット准将は「軍法会議で、誤った行為がいかに裁かれるかを広く知らせる必要がある」と繰り返し語り、メディアに取材を認める姿勢を示した。

 法廷には、メディア用に34席の傍聴席が設けられた。割り当ては、米国のメディアが20社以上で大半を占めた。アラブ系はイラクの新聞3紙とテレビ1局、「アルジャジーラ」など中東系の衛星テレビ3社だった。

 一方、法廷に入れない記者のために別室に95人分の席と大型テレビを設置。しかし、法廷の様子は「前例がない」ために一般向けにテレビ中継はされなかった。

 バグダッドで軍法会議が開かれることを知らないイラク人は多く、アブグレイブ刑務所で裸にされ写真を撮られる虐待を受けたサダム・サレハ・ラウィさん(29)は「米国で行われるとばかり思っていた。バグダッドであると知っていたら、証人になって米軍がいかに野蛮かを証明したかった」と悔しがった。

 元イラク文化相でイラク弁護士協会のマリク・ハッサン会長は「米軍が犯罪者を身内で裁くのは、イラク人には侮辱でしかない。イラク国内で起きた犯罪はすべてイラクの司法手続きに基づいて裁かれるべきだ」と憤りを隠さない。

 批判は、米政府に近い暫定統治機構「イラク統治評議会」のメンバーからも噴出。ヤワル議長代行は軍法会議で裁きが決まった後、「事件は戦争犯罪として、国際的な法廷で裁かれるべきだ」と不満を述べている。

 軍法会議の行方次第では、6月30日の主権移譲に向け、イラク国民に根強い米軍撤退を望む声がいっそう強まることも予想される。

 バグダッドの人権活動家、サバト・スダニ氏は「軍法会議では、身内に厳しい責任追及を期待できない。民主主義や透明性を訴えながら、虐待の責任をうやむやにするような二重基準がとられる限り、我々は米国への不信感を強めるだけ。米国主導のイラク復興は困難だ」と話す。

 また、イラク政治に詳しいイラク紙「新時代」のハミド・アルガラニ編集長(52)は「中東に新しい秩序を生み出そうという米国の意図はこの事件で危うくなった。親米アラブ国ですら米国支持を口に出せなくなった」と指摘する。

<イラク人収容者虐待事件・軍法会議メモ>

■被告:ジェレミー・シビッツ技術兵(24)

■起訴容疑:(1)虐待の共謀(2)職務怠慢(拘束者保護義務違反)(3)虐待

■裁判の形態:シビッツ被告の場合は、相対的に容疑が軽い事案に適用される「特別軍法会議」。最大量刑は(1)禁固1年(2)減給3分の2(12カ月)(3)最低階級への降格(4)懲戒除隊。殺人、性的暴行など重罪の場合は、「高等軍法会議」で審理。イワン・フレデリック3等曹長(37)ら3人に適用される。

■法廷の構成:判決と量刑の決定は、裁判官か、最低3人からなる陪審のいずれかが行う。陪審裁判となっても、審理の指揮は裁判官が行う。裁判官、陪審、検察官とも米軍人。

■審理の流れ:(1)罪状認否(2)原告、被告代理人による冒頭陳述(3)証拠の提示・審理(4)最終陳述(5)判決、量刑言い渡し。

■審理期間:通常は1〜2日。有罪を認めれば、2日目には刑が確定する可能性がある。

■控訴の場合:事案はワシントン郊外(バージニア州)の控訴裁判所に移る。

毎日新聞 2004年5月20日 2時19分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20040520k0000m030170000c.html

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