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楽園ハワイで起こっている事(「星川 淳@屋久島発インナーネットソース」より転載) ― 「二枚舌の環境犯罪」 
http://www.asyura2.com/0406/bd36/msg/856.html
投稿者 シジミ 日時 2004 年 8 月 28 日 22:05:34:eWn45SEFYZ1R.
 

気刊「星川 淳@屋久島発インナーネットソース」
http://innernetsource.hp.infoseek.co.jp/


楽園ハワイで起こっている事

★読者の木田早苗さんが、ていねいな解説と訳文を寄せてくれました。
 米軍、いや国営暴力組織というのは、どうしてもこのような横暴に傾くのだと
思います。今回は、まずお知らせのみで、問い合わせなどは文中のメールアドレ
スにどうぞ、とのこと。

  ▼▼▼▼▼▼▼ 引用はじめ ▼▼▼▼▼▼▼

■解説:「楽園ハワイで起こっている事」
 Stop US Bombing of Mauna Kea

楽園ハワイでの出来事をお知らせいたします。

ハワイはアメリカ合衆国の州の中のひとつですが、かつて先住ハワイ民族(Kanaka
Maoli)の王国でありました。現在ハワイ全島でアメリカの軍事基地が拡大されよう
としています。このメールはカウアイ島の先住民活動家のPuanani Rogersさんから送
られてきたものです。

ハワイ島、マウナケアでのアメリカ軍による軍事演習。マウナケアは先住ハワイ民族
(Kanaka Maoli)にとって聖地です。ハワイの神々が宿り神話にも登場しています。
そしてまた、この地域は自然の宝庫でもあります。野生の珍しい鳥や植物が生息して
います。ここで実弾砲撃演習が行われています。大地にはたくさんの穴があき、実弾
はそのまま放置されています。

1990年に長く大きな犠牲(抗議運動の二人の活動家の原因不明の死)の上、砲撃
演習が中止されたカホオラベ島を覚えていらっしゃる方も多いと思います。カホオラ
ベ島も聖なる島、砲撃演習が中止されても、未だに残る不発弾撤去など島の修復のた
めには莫大な費用がかかり、復旧作業は進んでおりません。

神々が宿るとされている先住ハワイ民族(Kanaka Maoli)の聖なる場所で、このよう
にアメリカ軍が砲撃演習をしている事実、その基地が今ハワイ全島で拡大されようと
している事に危機感を感じております。そして先住ハワイ民族の文化をも冒涜してい
るように思えてなりません。

日本人にしてみれば神社で軍事演習が行われているようなものだと思います。もしも
ハワイに少しでも関心があり、この問題を心に留めてくださいましたら幸いです。
皆さんのご意見をお待ちしております。

http://www.anoano.net/top.shtml
mail: kiki@anoano.net


■和訳

原生林の木の下に立って、地球上で稀有な鳥の歌声に耳を傾けていました。すると黒
いヘリコプターの爆音が近づいてきました。それは埃を巻き上げて、まさに機械の悪
魔のように思えました。私達は辛抱強くヘリが立ち去るのを待ち、ハワイで現存する
ハワイミツスイの中で最大種のパリラの最後の1羽の鳴き声が聞こえることを願いな
がら、この絶滅の危機に瀕している鳥たちの鳴き声をテープで流したのでした。

マウナケアの山麓では今、絶滅の危機に瀕している熱帯地方の鳥が死滅しようとして
います。この土地はマウナケアの最後の未開発の森なのですが、ここにハワイで最大
の108,793エーカーという大規模なポハクロア砲撃演習場が作られ、少なくと
も30種の絶滅種の生き物が有刺鉄線の向こう側で危機にさらされています。30種
とは米軍の他のどの基地よりも多い数なので、それらの生き物を保護し観察する為
に、米国農林管理庁ときちんと契約を結ぶことが義務付けられています。それゆえ
に、私達はストレンジロヴィアンという絶滅種の鳥の調査を砲撃演習地内で行って、
パリラやエレパイオ、短耳のフクロウ、プエオ(ふくろう)を探し出していたわけで
す。

私達が問題にしている地域について考えてみてください。そこはこの惑星の中で最も
大規模な火山地帯に囲まれた谷地全体をさし、太平洋において最も高貴で神聖である
ポリネシアの神殿に隣接しています。マウナケア(白い山)は、マウナ ア ワケア
(空の神の山)としても知られており、ハワイの文化では天国という言葉と同意語で
す。昔の格言がそれを証明しています。「驚異の山マウナ ア ワケアは静けさの中に
そびえ立つ。またの名はマウナケア。(kuahiwi ku ha’oi ka maile )」

1950年代より、その静寂は火山谷における米軍の砲撃演習によって甚だしく損な
われてきました。この土地は昔からハワイの先住民であるマオリ族に属するものでし
た。この島は65年もの間ハワイ州から米軍に、たった1ドルでリースされてきまし
た。しかしアメリカ本土の人達は誰もこの軍射撃場の存在を知らないようです。サー
ファーの少女がサメによって片腕をなくすという事件がありましたが、アメリカのメ
ディアがこのことをこぞってとりあげたにも関わらず、ブッシュ大統領の就任を祝う
マウナケアでのB52の砲撃についてはアメリカ人は見向きもしていません。

◎ハワイ:米軍の植民地

アメリカが、ハワイ王国と国際条約を結んでおきながら後になってこの自治国家を整
理廃止してしまったこと、それに続いて米軍がパールハーバーを奪い取ってしまった
ことから、ハワイ王国とマオリの人々は、米国の領地侵略によって占領された他の先
住民族たちと同じ運命にずっと悩まされて来ました。土地の乱用、文化遺産の大量破
壊と軽視といった問題です。アメリカが冒涜し、汚した砲撃演習用地や軍射撃地の多
くが、ハワイ文化にとって重要な聖地にあるということは決して偶然ではないので
す。聖なる道標であるカホオラベの島が荒廃してしまったこともそれを裏付けていま
す。

破壊の進んだハワイは、現在、改革と承認のプロセスの途中であるとも言えますが、
しかしながら、今もその文化を軽視されている状態です。アメリカがハワイの自治国
家を違法的に廃止し、それを一世紀にもわたって隠しつづけている為に、ハワイの先
住民たちは他の先住国家のようにまだ承認されていないということを何人のアメリカ
人が知っているでしょうか?アロハ精神を破壊し、ハワイの文化を搾取盗用するよう
な略奪行為を行ったにも関わらず、アメリカはその事にはそっぽを向いてきました。

◎二枚舌の環境犯罪

第二次世界大戦以来、米軍はハワイの広大な土地を獲得しました。ハワイの上院議員
ダニエル・イノウエはその時期に、批判をうまくかわしながら、軍の規模拡張を可能
にしました。愛国心と経済発展を建前にして、軍に対し色々とうまく融通してあげた
のです。ところが今日、そのような軍の植民地主義の費用のツケが、表面化しつつあ
ります。島全体に不発弾が埋まっているカホアラベの島では、それを修復する為に納
税者たちは五億ドルもの金を負担しなくてはなりませんでした。また、危機に瀕した
分水嶺マクアバレーでは、錆びたナパーム弾の銃身がまだ地中に残っています。

パホクロア演習場の中心部は51000エーカーもあり、ワシントンDCより広いも
のですが、この火山谷を修復しようというプランは未だかつて発表されたことはあり
ません。実際ここは今も不発兵器の保管場所となり続けており、劣化ウランのような
放射性物質を含んでいるかもしれません。

イノウエと上院議員ダニエル・アカカは最近ストライカー(空母)部隊の拡大に関す
る案を議会に提出しました。その案とはポハクロアに隣接する23,000エーカー
の地域を演習場用地としてさらに獲得するというものです。その細則を読むと、議員
達の意図は、軍用機の増加に対処するためポハクロアの滑走路を広げること、サドル
ロードを絶滅の危機に瀕する鳥たちの生息地へ移すこと、パールハーバーの小型版軍
港としてコナのカワイハエ湾を獲得することである事が述べられています。

これらの案はその地域に生息する絶滅種に多大なダメージを与えるだけでなく、ハワ
イの重要な科学研究にも影響を与える事でしょう。ポハクロアが生み出す粉塵は、マ
ウナロアの有刺鉄線の上空地点の地球の温暖化と太陽光放射を観測している国立海洋
大気局の観測所に障害を与えることでしょう。またマウナケアの頂上にある天体観測
所の視界を妨げることにもなるでしょう。これらの観測所は、この惑星の他の地域で
行われているような自然破壊の行為を避ける為に、という理由からこのような僻地に
建てられたというのに…。

◎地球ガイアの魔法の力

少しの間、魔法使いのマントに身を包んで、惑星的な観点から考えてみましょう。地
球戦争をしようとして、このようにガイアの大洋火パワー(ocean-fire power)を虐
待するということは、人間という種を危機に陥れているように見えます。ガイアは、
ポハクロアの砲撃演習の直後に、ハワイの沿岸に巨大な波を起こし、家々を押し流
し、街に洪水をもたらしたのです。マオリの人々はこのように自然の神々、特にマウ
ナケアの雪の女神であるポリアフと、山の名前にもなっている空の神ワケアを深く信
じ、尊敬しているのです。

いったい誰がこの軍隊文化とキチガイじみた拡張工事計画にブレーキをかけてくれる
でしょうか?ワシントンDCでないことは明白です。もちろん催眠術をかけられた消
費大国アメリカ国民でもありません。彼等はアメリカ大陸から離れた外の世界で何が
起きているかなんてなにも知らないんですから。ハワイとマウナケアの危機は、本当
に長大な生存問題となってきています。絶滅種の生き物たちの命だけでなく、地球を
大切にする地域文化までもが絶滅させられようとしているのです。

  ▲▲▲▲▲▲▲ 引用おわり ▲▲▲▲▲▲▲

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