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「米軍再編計画」と「国連常任理事国入り」動機の不協和音
http://www.asyura2.com/0406/bd37/msg/164.html
投稿者 鷹眼乃見物 日時 2004 年 9 月 25 日 07:37:10:YqqS.BdzuYk56
 

 ブッシュ大統領は、去る8月16日、フォース・トランスフォーメーション(Forth-Transformation)と呼ばれる「米軍再編構想」に基づいて、在外米軍6〜7万人を向こう10年間で削減するという計画を発表しました。これは、先端科学技術を取り入れた軍装備のリニュアル化(近代化・効率化)の推進に合わせて、「テロとの戦い」に即応性をもたせるとともに、本格的なポスト冷戦時代のための全地球的な戦略体制を再構築することが目的です。その具体的な目論見のポイントを推測すると、次のようなことが浮かび上がります。
●地政学上の変化に即応性・即効性がある世界最強の米軍体制を確立する
●「テロとの戦い」を封じ込める覇権体制の確立[「戦争民営化」の本格化/産軍複合体ビジネスの拡大]
●「中東、中央アジア、極東」を睨んだ武力の再編成(この三地域には、未だ手つかずの莫大な石油・天然ガス・ウラン等の埋蔵資源が眠る)[日米安保体制の変更]
●ドイツ→東欧へ米軍を重点・再配置することにより、新欧州体制(拡大EU)の覇権胎動に楔を打つ[欧州安保体制の変更]
 このようなフォース・トランスフォーメーションの最重要軍事拠点としてマークされている場所が極東の日本だと考えられるのです。核弾頭を装備した長距離ミサイル、人工衛星を活用した高度なデジタル通信網、ハイテク装備で固めた新機動部隊等が主役を演じる“新しい時代の国家間戦争”では、長距離による従来型のハンディが実際のハンディではなくなりつつあるのです。今や、日本が極東(中国・北朝鮮)・中東・中央アジア・欧州・ロシアを視野に入れた場合に米軍のためのベストの軍事拠点として重要視されつつあるのです。日本の立地が米国から大きく離れていることも、米本土攻撃のリスクを最小にするという意味で大きなメリットでさえあるのです。このような推測の傍証となる動きとして、9月15日からアメリカで外務・防衛当局の日米審議官級協議が行われましたが、この時にアメリカ側から、沖縄の負担軽減への一定の配慮とともに、第十三空軍司令部(グアム)の第五空軍司令部(横田)への統合、陸軍第一軍団司令部(米ワシントン州)の座間基地(神奈川)への移転など、つまり前方展開する米軍・空海陸三軍の中枢となる司令部をすべて日本に移転し、米軍の拠点体制を日本の基地に集中し強化する案が示されています。陸軍第一軍団司令部(米ワシントン州)の管轄は、従来の範囲で見ても米本土西海岸からアフリカ東岸に至るという途方もなく広い範囲となります。この守備範囲もフォース・トランスフォーメーションで更に広範囲に、あるいは全地球的な規模に拡大される可能性は十分にあると考えられます。
 今、マスコミでは『“普天間”が宙づりのまま日本全体が沖縄化(アジアの基地化)する』という論調が多く見られますが、現実は、単にアジアにおける日本の米軍中枢基地化というだけでは止まらないように思われます。日米の固い絆(片務的で強固な日米同盟)は、目先の出来事として“米軍と自衛隊の緊密化・一体化”を着実に進めつつあります。この先、実際に日本はどのようなターゲット(目標、着地点)へ向かおうとしているのでしょうか?
 ここで懸念される米軍再編の動向が杞憂であればよいのですが、過日、小泉首相は“日本が現行憲法体制のまま”で安全保障理事会の常任理事国入りの意志がある主旨の国連演説を行ったことによって、却って、日本国民の心配が増すことになったはずです。かろうじて国際法の守護者たるべき唯一の機関である国連において、その国際紛争回避についての唯一の討議・意志決定機関である安保理・常任理事国入りへの意志表明は、一見、日本も国力と経済力に見合った形で国際紛争の抑止力の責務を果たしたいという意志があるかのように見えるかもしれませんが、それは、逆に小泉首相の本心の決定的な矛盾部分をクローズ・アップすることになったからです。
 小泉首相は、国連演説の直前に行われたブッシュ大統領との単独会見で“大量破壊兵器は存在しなかったが、イラク戦争は正しかったので、今でもアメリカ(ブッシュ政権)を全面的に支持する”と明言しました。しかし、この言説は、その直後に行った国連演説の主旨とまったく矛盾します。国連演説で表明した意志、つまり“日本の現憲法を尊重するまま”ということは、日本が国際紛争解決のために武力行使は行わないこと、言い換えれば戦争によって国際紛争の解決を図る意志がないことを明言したことになるので、どこから見ても、この「二つの意志表明」には矛盾があります。小泉首相がブッシュ政権のイラク戦争を全面的に支持したということ、そして表記のフォース・トランスフォーメーションに日本が全面的に協力するということは、武力行使(戦争)によって国際紛争を解決するというアメリカ政府の意志に対する100%の無条件賛同です。 
 デビッド・オルブライト元国連査察官(科学・国際安全保障研究所・会長)は、2003年9月12日に行われたインタビューで、イランの核開発問題について次のように話しています。(Foreign Affairs Japan/http://www.foreignaffairsj.co.jp/source/CFR-Interview/d_albright.htm)・・・ワシントン(ブッシュ政権)は、懲罰をほのめかす恫喝策、そして懲罰策をとることを主張するばかりで、前向きな(現実的で)変化をもたらす誘引を与えるための優れた政策を持っていない。イランへの政策も、イラクや北朝鮮への政策に見られたブッシュ政権の内部対立(ネオコンと中道派の対立)が影を落とすことになるかもしれない・・・今、米政権内部では、国防省内の情報機関、旧特殊計画室・OSP(現、NGA0=北部ペルシャ湾対策室=NGAO)の職員であるラリー・フランクリン氏らが核開発問題に絡む対イラン政策についての情報を在米ユダヤ人の最大ロビー団体である米イスラエル公共委員会(AIPAC)を通してイスラエルへ渡したというスキャンダルの炎がメラメラと燃え上がっています。
 他方、核開発疑惑については、イラン政府(ハタミ政権)がますます態度を硬化させているため緊張が高まっています。一説では、仮にケリー候補が大統領選を制したとしても民主党内部へもネオコンが浸透しており、この状況が好転することは期待できないようであり、最悪の場合は、2005年・春以降に再び“イラク戦争の二の舞”という悪夢のような世界に我われが巻き込まれる懸念があるようです。(参考、http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20040924/mng_____tokuho__001.shtmlほか)
 このように、わざわざ分析的に、しち面倒臭く現況と背景まで含めて理解するまでもなく、日本がイラク戦争へ加担した経緯と日本のフォース・トランスフォーメーションへの協力姿勢(両者ともに、紛争解決手段として武力行使を行うこと)を前提とすれば、“日本の現憲法を尊重したまま”(紛争解決手段として武力行使は行わない前提)で国連安保理の常任理事国入りを目指すという意志表明は明らかな矛盾です。これは、小さな子どもでもわかることです。なぜなら、それは、あることについてAさんに対して「それはCという意味です」と語りながら、同じことについてBさんへは「それはDという意味です」と臆面もなく語る、嘘つきか詐欺師のような言説だからです。そうでなければ、このように矛盾した内容を平然と語り得る人の頭の中身は空っぽか大錯乱状態のいずれかだと考えられるからです。だから、今、多くの日本国民は小泉首相の真意を心配しながら、訝っているはずです。従って、多くの普通の国民が納得できるように、この矛盾・理由・事情を正直に語らなければならない説明責任が小泉首相にはあるはずです。これも“イロイロ”では困るのです。それとも、このような杞憂に囚われる者の頭の方が錯乱しているのでしょうか?{/face_ang/}

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