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テクノロジーは中立ではない
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投稿者 外野 日時 2004 年 10 月 10 日 04:45:02:XZP4hFjFHTtWY
 

(回答先: 携帯で留守宅見られるネットカメラ、11月発売【朝日新聞】これで自ら盗撮機を自宅に着けよう 投稿者 天地 日時 2004 年 10 月 09 日 20:35:25)


 「暴走するプライバシー」 シムソン・ガーフィンケル著

 テクノロジーは中立ではない

 ある会議で出会ったMITの学部生は、わたしに向かって大真面目な顔で、テクノロジーはプライバシーに関して中立なのだと語った。
「テクノロジーはプライバシーを侵害する道具にも、守る道具にもなりますから」
 この学生を見ていて、わたしはかつての自分を思い出した。わたしもMITの学部生だったころ、よく同じようなことをいった。「テクノロジーは中立」という意見は、世界の最先端技術を勉強中の身にはまことに都合がよい。「問題なのはテクノロジーそのものではなく、使う人間のほうだ」とよく考えたものだ。
 しかし、「テクノロジーは中立」という意見はたしかに都合はいいが、間違っている。テクノロジーが人間の個性を奪った実例なら、過去に腐るほどあるではないか。テクノロジーをプライバシーの保護や強化のために利用することもできるが、テクノロジーそのものは反対の方向に進化する傾向がある。個人のプライバシーを守る計画を立て、実際にサービスを導入するのは、プライバシーを破壊する活動よりも手間がかかり、往々にして金もかかる。
 例を挙げて説明してみよう。わたしが卒業を控えた年、MITは5ESSというかなり高価な電子電話交換機を購入した。数年後には構内全域にデジタルISDNが敷設される。ISDN電語機には小型ディスプレイと、十二個以上のボタン、その二倍の数のランプ、本体に内蔵されたスピーカーフォン専用のマイクがあるのだが、電話機の仕様が分かるにつれて、ボタンやランプの機能は、実は「固定されていない」ことが分かった。つまり、5ESSのプログラム次第でボタンやランプの機能が決まるのだ。機能はソフト次第で、好きなように決められるのである。
 となれば残念ながら、ISDN電話機が本来の目的以外に使われる可能性を否定できない。構内オフィスの盗聴、である。盗聴器は、スピーカーフォン用のマイクに仕掛けられる。ISDN電話機をスピーカーフォンとして利用する場合、通常はマイクが音を拾っているとユーザーに知らせるために、マイクの隣の小さな赤いランプが灯る。しかしISDN電話機はソフトで操作が決まるため、マイクと赤いランプのスイッチオンは、それぞれまったく別個の操作となる。5ESSのプログラムを書き換えれば、赤いランプを灯さずにマイクのスイッチを入れることも可能なのだ。逆のプログラムもやはり簡単で、5ESSの指示を受けずにマイクが作動した場合、自動的に赤ランプが灯るように設定することもできる。もちろんAT&Tの目的はプライバシー侵害ではないから、最初からこのように設計された電話はない。
 これとは対照的に、プライバシー保護に配慮した設計もある。たとえば、コンピュータメーカーのシリコン・グラフィックス社がデスクトップワークステーション・シリーズに取り入れた小型ビデオカメラ。これはテレビ会議用のカメラで、モニタの上に設置され、レンズがユーザーの顔をとらえる仕掛けになっている。通常、カメラのシャッターはソフトが制御し、プログラムの指示で録画が始まり、プログラムを切れば録画も止まる。だがこのカメラにはもう一つ、手動のシャッターも付いている。カメラの前に下ろして視界を遮る、スライド式の小さなプラスチック製シャッターだ。手動のプラスチック製シャッター付きのカメラはシャッターのないカメラよりも高くつくが、コンピュータの前に座ったユーザーは、レンズのシャッターを下ろせばカメラに行動をいっさい監視されないと安心できる。ただし悲しいことに、設計段階でこのようによけいな手間をかけるメーカーはあまりない。
 プライバシーを守るテクノロジーには、どうにも避けられない難点がある。テクノロジーがきちんと作動しているかどうか、確認しようがないという点だ。プライバシーが侵害される場合は、ダイレクトメールが送られてきたり、嫌がらせの電話を受けたりと、兆侯を具体的に感じ取れる。インターネットに無断で流された自分の個人情報を発見したり、寝室に仕掛けられた盗撮カメラを見つけるケースもあるだろう。しかしプライバシーが守られているかどうかは、目に見える形では分からない。たとえプライバシー侵害に気づいて阻止したとしても、その方法にテクノロジー面で不備がないかどうか、なかなか確認できない。
 ことプライバシーに関して、テクノロジーは決して中立ではない。むしろプライバシーを侵害する傾向のほうが、圧倒的に強い。そもそもテクノロジーは、プライバシーを侵害する性質がある。テクノロジーが進化すれば、身近な世界を次々と選択したり分類して、簡単に検索できる地球規模のデータベースを作ることができる。個人の決定事項にしても、朝食のシリアルを決めるのであれ、選挙で侯補者を選ぶのであれ、ますます影響を与えないではいられない。このようなテクノロジーの傾向に目をつぶることで、わたしたちはみすみす危険を招こうとしている。

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