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ハゲタカが嗤った日 新生銀行の「隠された真実」 新生銀行は東京三菱に買収される? 浜田和幸
http://www.asyura2.com/0406/hasan36/msg/1101.html
投稿者 TORA 日時 2004 年 10 月 05 日 14:20:37:CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu80.htm

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ハゲタカが嗤った日 新生銀行の「隠された真実」
新生銀行は東京三菱に買収される? 浜田和幸

2004年10月5日 火曜日

◆ハゲタカが嗤った日―リップルウッド=新生銀行の「隠された真実」 浜田和幸
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4797671238/qid=1096945936/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-1387014-7875523

◆新生銀行は東京三菱に買収される?

では、新生銀行の今後の見通しはどうか。高橋は驚くべき見方を語ってくれた。「これはあくまでも僕の予測ですけど、新生銀行はもたないと思うんです。現在の新生銀行の内容は非常によいのですが、日本の金融を考えると、中小企業を育成するための融資が欠かせない。

ところが、新生銀行はインベストメント・バンクに特化しているため、日本の土壌にはなじまないでしょう。そうすると、当然、後を引き継ぐのは東京三菱銀行になる。私の考えでは、裏でシナリオを描いているのは三菱商事です。

長銀を買収したリツプルウッドに出資するかどうかで、三菱の中ではずいぶん割れた。三菱グループ内部が分裂し、東京三菱銀行、三菱重工、三菱白動車、三菱地所は買収に反対した。しかし、商事が押し切ったわけです。だから最終的には、新生銀行がもう一回おかしくなって、東京三菱が仕方ないから引き取るというようなことに征るのかもしれません」

三菱地所が買収に反対したというのは興味深い。三菱地所といえばバブル期にニューヨークのロツクフェラービルを買収したものの、結局三分の一くらいのお金で手放さざるを得なくなった件がトラウマになっているのだろうか。

「そもそも外資のJPモルガンだのゴールドマン・サックスだのが裏で糸を引いていると言うが、三菱商事が買収資金の相当分を出しているわけだから、『外資による買収なんていったって一部じゃないか』という見方もあります」

「金融機関全体が束になっても、やっぱり世論というのは強い。世論にはあの大蔵省を解体させるだけの力があったわけです。この際、日本の金融行政の姿勢の見直しをしっかり行なうことが大事だと思います。きちっとけじめをつけてバブルを終息させる。そういう方向に持っていかないと意味がない。

今回の一連の事件はバブル崩壊という金融行政の失政から始まったのです。私に言わせれば、長銀も犠牲者なのですよ。大蔵省の指導によって、結局BIS規制の問題で分母を減らせ(注・貸し倒れ可能性のある融資を減らせ)ということの至上命令があったでしょう。自已資本率を八%以上にしなければ国際業務が認められなくなったわけです。それが国営銀行みたいな長銀の判断を誤らせたのだと思う。

その長銀が新生銀行として立派に生まれ変われば、バブルの幕引きになるでしょう。しかし、その処理をめぐる政府の対立やその他の金融機関のあいかわらずの現状に、国民の多くは反感を持っている。『お金を預けても利息は貰えない』『税金を八兆円注ぎ込んで』といった不平不満の声が大きくなる一方です。

マスコミ関係者に言わせると、金融庁も世論が怖くて、今まったく動けないみたいですよ。私が『(金融庁が)裁判所に圧力をかけるのではないか』と聞いたら『それをやったらもう最後で、日本の金融機関は全滅する。だから動けないですよ。どうするのですかね』と首を傾げていましたね。とはいえ、マスコミは各杜とも金融庁の動きをいろいろ推察も交えてシミュレーションしているようでした」

世論やマスコミの動きに注意を払いながら、新生銀行をめぐる裁判の行方に神経を集中させているふうの高橋であった。その口ぶりには「転んでもただでは起きない」という思いが冷めた風貌から透けて見える。

高橋は大方の予想を裏切って、アメリカで起こした裁判で勝訴している。そこでアメリカでの裁判に話を向けると、

「これはアメリカの弁護士チームが作った陪審員用の紙芝居です。これでプレゼンしたわけです」と、長銀の秘密工作を裏付ける資料を組み合わせたパネルを持ってきた。

三四枚のカラーパネルの内訳は、イ社が所有していた海外のホテル、リゾート、オフィスビルの写真。これらを長銀がいくらで売却し、その後いくらまで値上がりしたのかというグラフ。これらを見れば、イ社がいくらの損害を被つたのか一目瞭然である。また、長銀の内部資料の英訳も添えられていた。

「アメリカの弁護士は、何も分かっていない陪審員をどうしても説得するために、一種俳優的な役割も演じなくてはいけません。その才能次第で凄い報酬を取る。優秀な弁護士を雇えるかどうかが勝敗の分かれ目になるといっても過言ではないでしょう」

サイパンの裁判では、新生銀行に対する損害賠償請求額は、「一兆円を超えるという額」になった。仮に新生銀行が負ければ、アメリカの裁判では見せしめの効果を狙って請求額の三倍まで賠償させることができる。そうなれば、三兆円の賠償金もありえたわけだから、優秀な弁護士を雇い、これだけのプレゼンテーション資料を作る甲斐があろうというものだ。

実際、BMWが訴えられたケースでは、一審で千倍、二審で五〇〇倍、最高裁までいって一二・五倍の懲罰的賠償が課せられたことがある。(P214〜P217)

◆叱責されたコリンズ

華々しく上場した新生銀行。だが、その後の株価の足取りは冴えない。コリンズもフラワーズも、リップルウッドやニューLTCBパートナーズとは別に、自分のファミリーで運営する投資会社を持っており、新生銀行上場によってそちらでも大きな利益を確保している。

「おいしい汁をたっぷり吸ったので、あとは早々に撤退し、次の獲物を狙っているようだ」。こういった情報が流れると、投資家の間では慎重な動きが生まれ、自分たちもある程度の利益を確保できたのだから、早めに売り抜けよう、との思惑が先行しはじめた。株価はじりじりと下がり始めた。

ビルダーバーガーたちからの怒りの連絡がコリンズの下に続々と寄せられたはずだ。「お前を世界の超エリート集団に迎えてやったのに、このザマはなんだ」新生銀行の二次募集の株では、さらに大きな利益を得る。そのシナリオが狂いかねない。

コリンズを引き立ててきたジョーダンにとっても、これは大きな問題だ。しかも、弁護士ジョーダンの目には、イ杜訴訟は「新生銀行の命取りになりかねない」と映ったようだ。数々のスキャンダルを解決してきたジョーダンのアドバイスは「時間を無駄にするな。一刻も早く先手を打っことだ。転んでもただでは起きるな」であったはず。

うろたえたコリンズは「裁判を止めさせ、投資家の不安を拭い去るにはどうすればいいのか」と、必死で考えた。笑顔を絶やさないようにしていたコリンズが眉問にシワを寄せるようになった理由は、そこにある。

悩み抜いた彼の結論は「訴訟を起こしている管財人との和解しかないだろう」というもの。「それしかない。うまくすれば、和解金も日本政府から引っ張りだせる。いや、引っ張りだしてみせる」。そう確信したコリンズは平成一六年四月一日、新生銀行を訴えていたイ社の管財人やその他の原告との和解交渉を始めたのである。

その後の経緯は本書で明らかにしたとおりである。失敗していれば、「ご苦労さん。もうずいぶんおいしい目をしたのだから、ここらでビジネス稼業からは引退し、念願のアフリカの難民キャンプでの慈善活動に専念してはどうか」と言われたはずのコリンズ。

高橋のお陰で命拾いできたようなものである。逆に、今日成功したことで、「よくやった。次の目標は中国市場だ。不良債権問題で破綻間際の国営銀行がいくつもあるから、その再建を任せる」という、新たな指令がきているはずだ。(P258〜P259)


(私のコメント)
リップルウッドはハゲタカファンドの代名詞的存在ですが、主人公のティモシー・コリンズの背後にはビルダー・バーグと言う秘密結社があるようだ。この日本人には馴染みのない秘密結社はロックフェラーとロスチャイルドの連合体のようなもので、メンバーには当然日本人は一人も含まれていない。

このビルダーバーグの実態は謎のままで、多くのマスコミの記者が取り上げようとするとクビになったり左遷されたりで、欧米の記者もビビって書けないでいるほどの秘密結社らしい。しかし彼らがやってきたことは政府などの文書で発表されているのもあり、アメリカ政府やヨーロッパ諸国の政府をも動かす秘密組織だ。

ティモシー・コリンズという男はビルダーバーグの常任理事のジョーダンのパシリで、その無名の彼が各国政府のVIPと話をつけて日本に乗り込んできた。気の毒なのは彼の矢面に立つ日本の官僚や政治家達であった。彼らは、さまざまな方面からの圧力に屈して、リップルウッドの思いのままに日本の銀行や企業や不動産などを二束三文で売り払うように圧力をかけられた。

その模様などはこの「ハゲタカが笑った日」にも書かれているのですが、野党議員も厳しい質問を浴びせかけるのですが、歴代金融大臣などはただひたすら、ごまかし答弁で逃げ回るばかりで、本当の実態は明らかにされない。仕方なく歴代の政治家のごとくアメリカの高官の前に出ると何も言えなくなり、ひたすら米高官の意見を拝聴して来る。

根本的にはアメリカ軍が4万数千人も常駐して日本人に銃口を突きつけている以上、日本政府がアメリカに逆らえないのは当然なのだ。だから私などはアメリカがあまりにも理不尽な要求を突きつけてきたら、アメリカ軍に日本からお引取り願うのが一番いい交渉方法だと思うのですが、私のような左翼でない反米保守論者は少数派だ。

しかしリップルウッドのような政治的圧力で日本でぼろ儲けをやり続ければ、多くの日本人も反米的になって、いつしかその不満が爆発する時がくるかもしれない。だからこそ私も「株式日記」で警鐘を鳴らしているのですが、ネット上では世論に影響を与えるほどにはならない。一年前の日記でも次のように書いて警告しました。

◆新生銀行、来年早々「1兆円上場」のハゲタカの野望 2003年11月30日
http://www.asyura.com/0311/hasan32/msg/209.html

ゼロ金利解除もペイオフの強行も私は一貫して反対してきた。そして公的資金で不良債権を買い取り一気に金融問題を片付けることを提案してきた。しかし中途半端な対策しか出来ず、金融政策は迷走している。新生銀行にしてもリップルウッドに売った後も1兆2000億円も公的資金を投入した勘定になる。外資に売ったところで国が身軽になったわけではないのだ。このように我々の税金がハゲタカ外資の手に渡ってゆく。この事をずっと「株式日記」で訴えているのですが、日本国民はおとなしい。

しかしおとなしい日本国民が怒りはじめたらブレーキが利かない恐れがあります。北朝鮮問題がいい例だろう。去年の9月17日以前は拉致問題は大した問題となってはいなかった。ところが金正日がそれを認め、拉致被害者が帰ってきたとたん大騒ぎになった。おそらく北朝鮮の崩壊まで怒りは収まらないだろう。このような新生銀行のようなケースが続けばいずれは火が付くに違いない。そして日米安保体制にまで影響が及ぶだろう。

◆日本政府はいつまでアメリカに貢ぎ続けるのか 2004年1月9日
http://www.asyura.com/0311/hasan32/msg/674.html

新生銀行のことについては何度か日記に書いてきましたが、予想外に早く1兆円上場をすることが決まりました。5年余りで10億円が1兆円となって返って来るわけですから、最初からリップルウッドに1兆円を差上げたのも同じだ。何故リップルウッドが長銀を買収したのかも不透明で説明責任はなされていない。瑕疵担保責任なども後になって明らかにされたもので、柳沢金融担当大臣はアメリカに脅されたと言われている。

これはモデルケースの一つにすぎず、第二第三の新生銀行がこれから次々上場される。あおぞら銀行や東京スター銀行だ。いずれもハゲタカ外資に買収され、不良債権は日本政府がつぎ込んだ金で処理されている。当初の外資のふれこみでは企業再建技術に優れているからと言うことだったが、何のことはなく、単に経営姿勢がドライなだけで、特に優れた経営術を持っているわけではない。だからこそ再上場を早くして資本を回収しようとする。


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