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北朝鮮:一握りの特権層の対局に飢餓と貧困の2千万民衆 [かけはし2004.08.23号]
http://www.asyura2.com/0406/hasan36/msg/385.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 8 月 23 日 22:36:38:Mo7ApAlflbQ6s
 


―人道復興支援が急務―


経済協力事業の開城工業団地

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の破綻した経済が変化を遂げつつある。一つは韓国・中国からの資本の本格的流入によって。もう一つは崩壊した配給システムに代わる市場経済の無政府的拡散によって。「実利と打算」をよりどころに労働党と軍の特権官僚たちは巧みにこの流れに寄生しながら延命しようと必死になっている。六カ国協議での北朝鮮核問題協議の推移と結末も現下の北朝鮮社会のこうした変化の中に探ることができるだろう。
 四年前の6・15南北共同宣言以降、北朝鮮・金正日は韓国資本による金剛山観光開発、開城(ケソン)工業団地建設、南北間鉄道・道路連結を三大経済協力事業として全面的に受け入れてきた。この事業には韓国政府からこれまでに四千億円規模の南北協力基金が投入され、さらに数千億円規模の予算が同基金として組まれようとしている。
 その柱となっている開城工業団地建設事業の現状はどうなっているのだろうか。同団地はソウルからは軍事境界線をはさんでわずか約七十キロに位置し、韓国・現代グループが推進するこの事業は二〇一二年までに工期を一期から三期に分けて総敷地面積二千六百四十万平方メートルの中に約二千社を誘致する計画。
 すでに第一期分は六月から分譲を開始し進出予定企業が工場建設を開始し、今秋にも稼働予定となっている。事業費約二百億円は韓国土地公社が資金を拠出。北朝鮮は工場用地に関して五十年間の使用権を保証し国内から選抜した労働者を就労させる。電力・通信などインフラ網もすべて韓国が供給し、生産品は直近となるソウルの物流センターに搬入後に出荷することになっている。
 韓国企業は北朝鮮が選抜した就労希望者(軍と党の熱誠者・精粋分子)の中から雇用、賃金は韓国に比べて十分の一以下で、これまで中国や東南アジアへの工場移転を計画していた韓国企業も同団地への移転を図り、すでに千七百社が進出意向を明らかにしているという。

平壌などに韓国企業三十社進出


 こうした進出企業が事業以外の不測の要因で損失を出した場合には、韓国政府(南北協力基金)から二億円を限度に損失額の五〇%から九〇%まで補助が受けられるよう検討されている。すでにピョンヤンなどに進出して事業展開している韓国企業三十社は、今年五月の韓国側アンケート調査の中で六割が「赤字を免れない」としながらも八割が「事業を拡大ないし現状維持する」と回答し短期的動向にとらわれることなく事業環境の好転を確信しているかのようだ。
 同団地が完工すれば韓国側で十万人、北朝鮮側で七十万人の雇用創出が期待され、韓国経済に年間二兆四千億円、北朝鮮に同六百億円の付加価値が生じるというのが韓国側の分析である。こうした中、韓国政府は南北協力基金の増額検討に入り、九月には南北間の技術標準統合のための協議を開始する。また六月の南北経済協力推進委員会では双方が七港ずつを相互に開放することで合意しており、新たに北朝鮮の海州、清津、興南、元山、高城にも韓国船が航路を開くことになる。
 他方で、こうした楽観論や拙速主義に慎重で否定的対応を取る企業も少なくない。だが現代グループはライバルのサムスンの同団地進出を警戒して先行投資を全面化させており、それにならう企業が続いているという実情にある。また本紙(6月28日号)でも指摘されているように、北朝鮮軍部が同事業推進支援を明確にしていることも韓国側の進出意欲に影響しているようだ。

深まる北朝鮮の対中経済依存

 今秋以降の開城工業団地建設事業の成否は、北朝鮮側の対応にかかってきている。それを占う指標ともなる南北間経済関係の動向では、総取引額(搬入・搬出)では九一年に一億一千万ドル規模だったのが、〇二年度には六億四千万ドル規模へと伸び以降も前年比三〇%増と着実に拡大している。
 北朝鮮にとっては、六カ国協議の場での大規模な国際支援確保は同事業推進にとってかかせないものとなってきた。「核開発遊戯」のもてあそびを優先する「先軍政治」をなお継続するのか、「実利と打算」に徹して起死回生をはかるのかが問われる局面が到来している。
 中朝関係はどうか。「鮮血で固めた同盟」関係はもはや桎梏(しっこく)となりはて、ここでも「実利と打算」に徹した「資本主義的中朝関係」が芽生えつつある。中国政府は昨年十月の大型訪朝団派遣を通して北朝鮮経済崩壊の惨状をあらためて目のあたりにし、北朝鮮に対して六カ国協議参加のしばりをかけたうえでの国を挙げての支援に踏み切った。
 今年に入ってからは対北朝鮮貿易専門の国策企業である「朝華友聯文化交流公司」を発足させており、毎年三千人規模の商業視察団を訪朝させる計画を立てている。また中朝合弁でピョンヤン市内に外資一〇〇%の外国企業ビジネスセンター建設計画が進められている。中国は九六年以降、北朝鮮の最大貿易国となっており、昨年の両国間貿易総額は初めて十億jを突破、中でも食糧・石油の対北朝鮮輸出が激増し北朝鮮の対中経済依存が深まっている。また一昨年のヤンビン逮捕騒動(北朝鮮が中国系オランダ人ヤンビンを新義洲経済特区開発責任者に任命しようとしたのを中国が実力阻止した)は、中国が北朝鮮・金正日による無軌道で投機的な資本主義手法(買売春からギャンブルまで何でもありの実利路線)導入を牽制する意志を明確にしたものだ。
 九〇年代に北朝鮮東北部に建設された経済特区(羅津・先鋒)で香港資本が建設したカジノホテルで中国の新興ブルジョア「成金」族が遊行三昧に明け暮れている実情を中国は快く思っていない。そして中国は対北朝鮮経済本格支援構想を中国国内で著しく立ち後れている東北地区のインフラ再開発構想と将来的に連動させようとの意図がありこの地域への日本・韓国の開発投資や企業誘致にも乗り出そうとしている。
 ロシアはどうか。北朝鮮へのエネルギー供給に着目しているロシア極東の電力資本グループは、これまでの訪朝協議を経て昨年末から北朝鮮に向けた送電線の基本設計に着手し、北朝鮮国内での予備調査に入ろうとしている。また旧ソ連の支援で建設され、その後老朽化している北朝鮮国内の主要火力発電所四カ所の再建・近代化事業をロシアが請け負うことを、〇一年に朝ロ間で合意しており、北朝鮮側の経済復興がその前提条件ともなっている。

脱北者がアジア全域に十万人

 そして崩壊した配給システムに代わる市場経済の無政府的拡散の実情はどうなっているのか。以下は二年前に脱北して日本入りした在日朝鮮人の証言をアジアプレス・インターナショナルの石丸次郎氏が紹介したものだが、北朝鮮国内ではエリート層に属して社会を観察していた当人の指摘は簡潔で的を射たものとなっているので要約して引用する。
 「北朝鮮の経済システムの根幹は計画経済と配給制だった。このシステムがうまく機能している間は忠誠心を発揮すれば出世の道が開かれ配給も優遇された。七〇年代に入ってからこのシステムは次第に麻痺し人民は外貨を稼ぐことを求められカネを重視するようになった。配給制が揺らぎ計画経済全般が機能低下し、必然的に闇の市場経済を招来した。体制はこれを敵視したが、下からの市場経済の拡大は止めようがなくなった」
 「十年前に配給制はほぼ壊滅した。原始的市場経済の急速な増殖は国中を金もうけに走らせた。権力を持つ者が特権を使って有利に商売を進める。例えばコメ商売は軍や行政の幹部たちが国際支援食糧を市場に横流ししてボロもうけしている。彼らは情報を察知して先物買いや売り惜しみなどもして利を得ている。投資家が出現し、いまや外国貿易まで国家の枠から離れて行われることも珍しくない。この十年の間に『トンチュ』と呼ばれるブルジョアジーが出現し、既存の特権階級に匹敵する力を持つ者もいる」
 「軍も党組織も警察機関も、特権によって経済的利益を得ることに血眼だ。これらの組織間の勢力争いは熾烈だが、それは金正日に取り入って分配競争に勝とうという争いだ。四十代の若い世代のテクノクラートたちの多くは、朝鮮革命や指導者への忠誠心競争に価値を置かない。市場経済システムが発展し外に向かっても開かれた体制になることが、国家にとっても自分にとっても利益だと考えて行動している。このような新しい世代こそが破綻した北朝鮮の経済を復旧させていくのではないか」。
 こうした北朝鮮の実体経済の推移に韓国・中国の経済支援がどうリンクしていくのかは予断を許さないし葛藤と激変の要素が増大することだけは確実だ。証言の中ですでに七〇年代から配給システムが麻痺し始めたという指摘は重要だ。これは「ソ連・東欧が崩壊して交易できなくなったから北朝鮮経済が疲弊した」と外的要因説に与する人たちの錯誤を明らかにするとともに、スターリニズムと儒教的価値規範を巧みに融合させた主体思想という名の愚民化政策こそが今日の破綻を招いたことを明らかにしている。
 ここで指摘されている一握りの特権階層の対極には、弱肉強食と化した無政府的市場経済の拡散の下で貧困と奴隷的屈従を強いられている二千万民衆が存在する。だが彼ら彼女らはこの愚民化政策から抜け出ようと必死にもがいている。東北・東南アジア全域に滞留する十万人ともいわれる北朝鮮難民(脱北者)こそはその体現者といえるだろう。この二千万民衆の生の声と苦悩に一ミリでも接近し応えようとする闘いこそが今日における日朝連帯の核心だ!
 北朝鮮核問題をめぐる六カ国協議では米朝間の核をめぐる「大げさな立ち回り」のみが焦点化されているがこれを「場外乱闘」として冷徹に認識すれば、六カ国協議の本質、六カ国協議に求められていることは、北朝鮮という経済的破綻に瀕したした人道支援対象国に対する人道復興支援のための国際会議としての役割を自覚して「飢餓と貧困を強いられている二千万北朝鮮民衆のために」何をなすべきかを追求することだろう。
(04年8月1日 荒沢 峻)

http://www.jrcl.net/web/frame04823d.html

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