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合併行員の天国と地獄 メガバンク・サバイバル (2004年08月16−23日号)【AERA発マネー】
http://www.asyura2.com/0406/hasan36/msg/423.html
投稿者 まさちゃん 日時 2004 年 8 月 26 日 11:56:11:Sn9PPGX/.xYlo
 

(回答先: 三井住友、事実上の「買収」提案 株主へ説明責任も (asahi.com) 投稿者 まさちゃん 日時 2004 年 8 月 26 日 11:54:16)

合併行員の天国と地獄 メガバンク・サバイバル (2004年08月16−23日号)
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 かつて10行以上あった都市銀行が3つに集約されようとしている。トップ同士がにこやかに握手しても、現場は別。銀行員も楽じゃない。(アエラ編集部・大鹿靖明、佐藤修史)

   ◇      ◇

 7月下旬の蒸し暑い夜。都心の居酒屋にUFJ銀行の男性行員が集った。30〜40代の5人。旧東海銀行の「同志」たちだ。

 話題は当然ながら、UFJホールディングスと三菱東京フィナンシャル・グループの経営統合問題に集中した。

 「UFJになってから、三和の出身者に好き放題やられた」

 「三菱東京と一緒になっても、俺たちに明日はないぞ」

 暗い会話が続いたところで、こんな声が上がった。

 「だが、考えてみろ。俺たちが受けた屈辱を、今度は三和の連中が味わうんだ」

 瞬時に5人の意気が上がった。

 「そうだ。それだけでも胸がすく!」


 まな板の上の鯉

 出席した1人はこう話す。

 「三和には銀行としての品格がなかった。三菱や住友のようにグループの名門企業と付き合う機会もなく、東海のように名古屋経済圏を支えるという自負心もない。派閥争いはやりたい放題。しかも誰も責任をとらない」

 旧三和、旧東海、旧東洋信託の3銀行が母体となったUFJは、設立から3年余で行き詰まった。組織ぐるみの検査忌避問題が発覚。赤字転落、金融庁の業務改善命令、経営陣刷新と、混迷を極めた。

 資本不足対策としてUFJ信託銀行を住友信託銀行に売却する計画を発表した後、一転、三菱東京との統合に舵を切るが、東京地裁が信託部門の統合について三菱との交渉中止を命令。三井住友フィナンシャルグループがUFJ統合に名乗りを上げた。先行きは不透明だが、はっきりしているのは、UFJが「まな板の上の鯉」ということだ。

 なぜUFJが追い詰められたのか。その背景として、旧三和と旧東海の「旧行意識」の壁や、旧三和内の「派閥争い」を無視するわけにはいかない。

 財閥系銀行と比べ有力なグループ企業を持たず、後発でもある三和は同じ関西が地盤の住友との対抗上、住友以上に「積極的」な営業を展開。関西の新興企業群との関係を強化するとともに、ATM配置の急拡大をテコに個人客獲得にも精力を注いできた。

 かたや東海はトヨタ自動車をはじめ堅実な企業が多い東海地方で「殿様然」とした行風だった。UFJ発足後、旧三和がコンピューターシステムや融資の審査手法、人事評価、幹部人事など、すべてにわたって席巻したのも自然な成り行きだった。


 システム制すれば勝ち

 システムを制する者が銀行を制する――銀行再編でしばしば言われる「格言」である。巨大な情報処理産業である銀行の生命線は、膨大なコンピューターシステムにある。行内用語から顧客情報、事務の進め方まで、すべてがシステムに集約される。

 「東海出身者は、最初の3カ月は仕事の手順に慣れるのに精いっぱい。その間に『ダメ社員』の烙印を押され、気の毒だった。合併1年後には旧三和の『占領政策』が事実上、完了した」

 と三和出身者は言う。

 UFJで法人融資を担当していた東海出身の30代の男性も、三和流に合わせるのに頭を痛めた。東海流とは異なる「法人査定マニュアル」は、A4判で200枚に及んだ。これを一から身につけないと仕事にならない。持ち出し禁止だったが、自宅でこっそり読んだ。持ち帰って紛失し、減俸処分になった同僚もいた。

 努力をしても、窓際に追いやられる東海出身者は多かった。「どうせ偉くなれないぞ」と、あからさまに言われた仲間もいた。

 「支店の数が減り、支店長になれない状況が見えてきた」

 と、この男性は独立。いまは愛知県で不動産業を営んでいる。辞める際、東海出身の支店長はこうつぶやいたという。

 「俺も若かったらなあ……」

 旧三菱銀行も自身のシステムを温存して、旧東京銀行をのみ込んだ。三井住友では、旧住友が制した。一方、3行のシステムを併存させたみずほ銀行は02年4月の接続時に大混乱をきたし、統合作業は今年7月からようやく一部支店で始まったばかり。勝ち負けをはっきりさせず、お互いのカオを立てて譲り合うと、「新秩序」を形成できない。かえって勝者を明確にした方が統合効果は高まるともいえる。


 派閥争い改まらず

 しかし、UFJでは求心力が働かなかった。

 40代の旧東海の行員は、仕事の面で三和勢の力量を認めつつ、

 「何かというと親分、子分の関係が出てくる。旧三和当時からの派閥争いが一向に改まらなかった」

 と指摘する。

 三和が躍進した時代、頭取が代わるたびに側近が入れ代わり、行内を仕切った。その悪弊が払拭できなかったというのだ。

 これに対し、旧三和の東海出身者への評価は実に冷ややかだ。

 「のんびりした『地銀』の印象」「腰が重く、言われたことしか行動できない」

 今回のUFJ銀行の検査忌避は「東京・大手町の本部3階に隠された資料がある」という詳細な告発電話から発覚した。当時の三和出身経営陣に強い不満を持つ内部関係者からの「たれ込み」とみられている。

 金融庁の検査関係者は言う。

 「よく今まで一緒にやれたものです。UFJは結婚当初から家庭内離婚状態だった。人事抗争ばかりしているので、ただでさえ多い不良債権の処理が一向に進まない」


 明日はわが身

 UFJを支配した三和勢は今後どうなっていくのか。

 「優秀な人材から順に、どんどん辞めていくでしょう」

 三和出身で、最近UFJ銀行を辞めて別の会社に転職した男性は、そう話す。

 「もうだめ。残る意義がない。三菱と楽しく仕事はできない」

 「ヘッドハンターを紹介してくれないか」

 三菱東京との統合が報じられた7月14日以後、この男性のもとには現役行員から1週間で十数本の電話がかかってきたという。

 「それまでUFJがどんなにバッシングに遭っても、みんな耐えてきたのだが……」

 リストラされるか、屈辱的な扱いに甘んじるか。自分たちが強いてきた東海出身者の悲哀を間近に見てきただけに、我が身の行く末がよくわかる。

 東京三菱銀行の中堅幹部は自信を見せる。

 「トップ人事、本店所在地、銀行名は、こちら主導で決める。これを機に、行名を『三菱銀行』に戻そうという声が高まっている」

 ただ、旧三和の営業力は金融界では一目置かれてもいる。宿敵だった住友出身の三井住友銀行中堅幹部は言う。

 「三和はけんか慣れしている野武士集団。最初はおとなしくても、いずれ地力を発揮して三菱の手に負えなくなるのでは。うちと統合したら? それは、わが事ながらすごい取り合わせだ」

 当の三菱内部からも、統合に気乗りのしない声が漏れてくる。

 「旧三和とは社風が全然違うので個人的には大反対。派閥抗争好きな点やマスコミを使った情報操作など、旧三和の悪い体質が悪影響を与えないと良いのだが」

 しかも、メガバンクの中で最も健全な財務体質になったのに、統合すればUFJの不良債権を背負い込みかねない。東京三菱のある幹部は苦笑する。

 「UFJに『メーン寄せ』して必死に残高を減らしてきたのに、UFJと一緒になったら、今までの努力が水の泡だ」

 UFJが、三菱東京や三井住友など他行と「並行メーン」になっている貸出先のケースでは、UFJが社内抗争にうつつを抜かしている間に、他行が逃げだし、結果的にUFJの貸出残高が膨れ上がる「メーン寄せ」が進んでいた。それが「元の木阿弥になる」というのだ。


 合併初日の一撃

 統合後の主導権争いによる悲喜劇はUFJに限った話ではない。

 さくら銀行出身で三井住友の30代行員が言う。

 「合併は『住友化』だった」

 合併初日、新たな上司となった住友出身の部長が出勤すると、住友出身者がガバッと立ち上がり、

 「おはようございます!」

 と、一斉にお辞儀をした。住友の流儀だった。残されたさくら出身者は何事かと慌てて腰を上げ、頭を下げた。以後、業務の方法は住友流になった。最初の朝の挨拶で、一撃されていたのである。

 融資先も旧住友系が優先されていると感じる。三井鉱山、カネボウと、三井住友がメーンバンクで産業再生機構に支援を仰いだ大型案件も旧さくら系が目立つ。

 みずほフィナンシャル・グループは旧富士、旧第一勧業、旧日本興業の3行がシステムやトップ人事でバランスをとってきた。持ち株会社は旧富士の前田晃伸社長、法人向けのみずほコーポレート銀行は旧興銀出身の斎藤宏頭取、個人取引中心のみずほ銀行は旧一勧出身の工藤正頭取という具合だった。


 9割が支店長になれず

 ところが、今年2月のみずほ銀行頭取人事でそのバランスが微妙に崩れた。工藤氏が糖尿病を理由に任期途中で退任を申し出、後任に一勧出身の森信博氏を推薦したが、3人のトップと2人の社外取締役からなる「指名委員会」が推薦したのは、一勧出身ながら、別の杉山清次氏だった。関係者によると、工藤氏はあくまで森氏を推したが、2人の社外取締役が棄権する中、前田、斎藤の両トップが杉山氏を推し、2対1で決した、とされる。

 「旧一勧勢力はいまだに『D』(旧第一銀行)、『K』(旧勧業銀行)のたすきがけ人事をやろうとして、富士や興銀の出身者に甘く見られた。しかも、前田さんが工藤―森ラインの背後に歴代の一勧幹部の影響力を感じ取った」

 と、一勧出身のみずほOBは指摘する。旧3行でトップを分け合う形は温存されたが、実態は次第に富士支配が鮮明になっている。

 「安田(富士の前身)という田んぼに生える稲穂が、みずほかな」

 こんな戯れ言が行内に流れる。

 3行統合で一般行員のポストも減った。バブル期前後の同期入社は1000〜1500人。

 一勧出身者は嘆く。

 「今後は10人中9人が支店長になれない計算」

 UFJの場合、いま自分の身の上を最も案じているのは在京の行員たちだろう。東京本部に勤める女性行員は不安げだ。

 「名古屋地区の東海出身者は三菱も重宝するだろう。関西の三和出身者も同様。でも、東京の特に管理部門は真っ先にリストラ要員でしょう」


 UFJ1万人削減説

 ある大手コンサルタント会社は三菱とUFJが統合し、コスト競争力のある三井住友並みに経費削減した場合――という前提で試算をした。三菱+UFJの業務純益に占める経費を三井住友並みに圧縮するには3000億円、人件費から換算して「1万人削減」が必要になるという結果になった。UFJグループ(3万4269人)を対象にすれば3人に1人の割合だ。

 ただ、日本の労使慣行のなかで米国並みの「首切り」は簡単ではない。裏を返せば、統合でもさほど効率化は進まないことになる。

 みずほ出身の小説家、江上剛さんも統合による拡大路線に批判的だ。

 「どうしてメガバンクになろうとするのか、経営哲学というものが全く感じられない。いまの銀行経営者には『規模の追求』しかノウハウがないのだろう」

 統合で巨大銀行になっても、UFJは人事抗争で自滅、みずほはシステム障害で大混乱に陥った。近年の金融大編成によって海外列強と戦える態勢になったわけではなく、国民や貸出先企業への大きなサービス改善が図られたわけでもない、という。

 「UFJを吸収したメガバンクは大きな価格支配力をもつ金融コングロマリットになる。公正取引委員会のような第三者の権限を強化しないと、取引先の選別が進み、中小企業や小口預金者は泣きをみるだろう」

(08/25)

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