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しゃがんでこそ、次なる跳躍ができる No.47【2004年9月24日】
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投稿者 とっぽ 日時 2004 年 9 月 26 日 06:36:59:OhNus5n6NGOT.
 

千葉邦雄のニュースの落とし穴

http://www.chibalab.com/news_otoshiana/
しゃがんでこそ、次なる跳躍ができる No.47【2004年9月24日】

■増殖するゾンビーのような日本人

たまたまニュースから流れていたフランスのファッションショーの、流れるように次々と歩いてくるモデルたちを眺めていて、私、千葉邦雄がはっと気が付いたというか、妙な感覚に囚われてしまった。モデルたちのその歩き方といい、その異様なメイクと表情といい、まるでゾンビーが徘徊しているみたいなのだ。スタイリッシュな格好をして、さも目的を持ったかのように、早足でリズミカルに歩いてはいるのだが、その表情はうつろで、どこを見ているのか焦点が定まっていない演出が、リアルでとても不気味なのだ。

私にはその姿が、まるで現代を生きる私たち平凡な生活者の見捨てられた悲しい状況を、見事に象徴しているように思えたのだ。いま私たちの民主主義は、世界で猛威をふるうマネー資本主義に、いやドル帝国主義に無慈悲に囲い込まれて、まるでバクダッドのアブグレイブ刑務所の中で囚われているような状況になりつつある。

おそらくこのファッションデザイナーは、今世界を被いつつあるグローバルなマネー資本主義の産みだす人間排除システムに、流行最先端のパフォーマンスの中で、抗議しているのかもしれない。何しろフランスは、『自然に帰れ』を唱えたジャン・ジャック・ルソーを産みだすことでフランス革命を起こし、そしてあのレジスタンスをも産みだした人間の尊厳に敏感な国なのだ。ここでもう一度拙著の精神物語シリーズから引用したい。

■さあ、意識を失いましょう、ベイビー

「現代人の最大のまちがいは快適さを求めることにあるのだよ」ビッグバンは、またしても会話のポジションを微妙に変化させ始める。さも当然のように、突然話を飛躍させるビッグバンの頭の構造がどんなふうになっているのか、一度なかを覗いてみたい衝動にかられざるをえないのだ。きっとヤクザな手抜き配線になっていることは、まず間違いないと思う。

「《さあ、意識を失いましょう、ベイビー》と、マドンナも魅惑的な声で囁くように歌っているけど、これははっきりいって、悪魔の誘惑だよ。TVコマーシャルでは一日になんべんもこう繰り返している。《簡単に金持ちになろう。努力なしで幸運を手に入れよう。今日こそ一休みして快適に過ごそう》てな具合だ。まあ、多くの普通の人々にとって、悪くないせりふのように聞こえるけど、これが大変な罠なのさ」

「でも、誰だって快適さを求めて生きていると思う」雅章はちょっと不機嫌な感じで反論する。ビッグバンが何がいいたいのか、雅章にはさっぱりつかめなかったからだ。それに雨音のことが気になって、かなり精神的に落ち着きがなくなっていた。正直なところ、とてもビッグバンと哲学的なやりとりをしている気分じゃなかったのだ。

「もちろん、誰だって幸福になりたいって思っているし、快適に暮らしたい、とも思っている。わたしだって、もちろん頭っから否定する気はもうとうない。ただこのことには誰もが必ずと言っていいくらい陥る罠が隠されていることを、とにかく伝えたいのだよ。どんなに快適な状況やモノを手に入れようとも、それを手に入れたと思った瞬間から、あの永遠のダブルバインドというか、進化のパラドックスが働いて、すべての輝きが弱まり始め…次第しだいに淀みはじめるのだ。

■DNAは、快適さを求めていない

「たぶん、これには生物の進化の法則が組み込まれているからにちがいないのだ。やっぱり、この宇宙の法則に、例外は許されないのだよ。快適さの中では、人はゆっくりと死んでゆくしかないのだ。わかってもらえるかな?」

「ということは、つまり、ぼくたちは 幸せのあり方 を何かしら勘違いしているってこと?」と雅章は驚きながらも、素直な気持ちで聞いた。

「人間の体のシステム、つまりDNAは、快適さを求めていないのだよ」

「じゃあ、一体何を求めているの?」雅章は反射的に言った。

「自由と冒険だよ」ビッグバンはあっさりと言ってのけた。

「絵に書いたような答えですね」雅章はがっかりしてしまった。そんな風な抽象的な答えは、小さい頃から何万回も耳にタコができるくらい聞いてきたからだ。

「そんなにがっかりしないで、よく聞いてほしいな。つまり、幸せだろうが何だろうが、何かを手に入れるということは、危険を受け入れることを覚悟することから、すべてが始まるってことなんだ。結婚だろうが、友情だろうが、ビジネスだろうが、冒険だろうが、とにかくそれを周りに勇気をもって宣言して、具体的な責任を、自分自身に明確にすることでのみ、すべての夢を現実として手にすることが可能となるのだよ」雅章を優しく見つめながら、ビッグバンは言った。

「でも責任という言葉を聞いただけで、もう幸せどころじゃなくなるかもしれない。たぶん、皆そうだと思うけど…」急に萎縮したように、雅章は小さな声になっていう。

「その気持ちはわかるよ。確かに、責任というと、皆義務的なニューアンスを思い浮かべて、消極的になってしまったり、つい非難されているように感じたりしてしまうかもしれない。でも、もし意識の高いレベルでそれをとらえて自分のものにすることが可能なら、責任とは本当は素晴らしいものなのだよ。明るく積極的にとらえれば、不思議な魔法のエネルギーに満ちたものになるのだ。

■反応を決定する能力

「あえて相対的にいうなら、責任とは、 反応を決定する能力 なのだよ。そう考えれば、きみはすべての物事に対して、つまりビジネスやSEXや環境変化やジョギングや車の運転等のすべてに対して、素早く反応する集中力と、ワクワクドキドキする生命力を取りもどすことができるのだ。もう一度、きみのその手に、熱く燃える心を取りもどすことができるのだよ。いいかね、成功法則の中でも、とくに重要な部分だから、しっかりと心して憶えておいてほしいな」

「やっぱり、芝に水を巻くスプリンクラーみたいに、八方美人じゃダメだってこと?」雅章は頷くようにつぶやいた。

「だろうね。心ここにあらずでは、何ごとも成し遂げられないんだ」ビッグバンは相変わらず空中の一点を見つめたまま言う。思わず雅章もつられて、その何もない空間をじっと見つめてしまう。もしかしたら視覚では捕らえられない、何かが存在するのかもしれない…少なくてもビッグバンにとっては。

「世の中の風潮どおり、ぶらぶら歩きながら、《わたしはNOと言えない女の子》というブロードウェイ・ミュージカルの歌を歌っていたら…結局のところ、いまの日本にとってのODAみたいに、結局のところ犠牲者として、永遠に奪われ続けるってこと?」

「たぶんね。ところで『アウトサイダー』を書いて一躍有名になったイギリスの作家コリン・ウイルソンを知っているかな?」

■自分の梯子

いつものビッグバンらしく、やはり話の流れを無視したわけのわからない展開だった。

「ええ、学生の頃に何冊か…」すっかり困惑しながらも、なんとか雅章は答えることができた。

「『自分の梯子』というコンセプトを憶えているかな?」

「ぜんぜん」雅章は肩をすくめて言った。憶えていないものは、おぼえていないのだ。

「だろうね」ビッグバンは、聞いた自分が馬鹿だったみたいな、そんなふうな大きなため息をついてから、また続けた。

「つまり、その内容はこうなのだ。梯子のいちばん下にいるのは、低い肉体的な自分だ。そこに留まっているかぎり、意識と精神を目ざめさせる必要はまずない。梯子の中ほどにいるのは情緒的な自分だ。ここにたどり着くには多少の意識を必要とする。怒ったり、泣いたり、喜んだり、穏やかな気持ちになったり、楽観的な精神状態になったりもできるけど、結局のところ、これらは感情に過ぎない。

意識を目ざめさせたり、深く思考したりしなくとも、たやすくこの状態にはなることができる。さらに梯子を登ればのぼるほど、自己実現の可能性が高くなる。梯子を登るためには、思考力と想像力と集中力が必要なのだよ。そんな風にどんどん登っていくと、ついに純粋な至高体験に到達することができるのだ。わたしたちは誰かに求愛しているとき、みな梯子の一番上に行くことができるんだ。新しい恋に夢中になると、他人との関わり合いにとつぜん夢中になり、街の騒音さえ、ラブソングに聞こえてくる。

だれしも誰かの愛を得ようとするとき、わたしたちはワクワクしながら、さまざまな事を想像し、頭をフル回転させる。その結果として、意図せずにして、梯子を登る行為に多くの時間をついやすことになる。その体験が、あまりにも生きいきと輝いて刺激的だったために、もう一度、そんな体験をするためなら何だってしようと、とんでもない勘違いしてしまう。結局のところ、新しい恋のような《外の刺激》のほうにその源を求めて、限りなく同じ過ちを繰り返してしまうってわけなのだ。この辺のところは、 きみは体験済み だよね?

■「魔法の鍵」は自分の中にある

「もちろんきみたちは、そんな愚かなことを今後も繰り返す必要はないのだ。自分の梯子は、きみの中にあるんだよ。《外の刺激》は、あくまで自分の中に梯子があることを思い出させてくれるに過ぎないんだよ。日本の国旗のような、赤く燃えるような情熱を見つけだすための魔法の鍵は、結局のところ、梯子は自分の中にあると知ることなのだ。そうすれば、コリン・ウイルソンの言う通り、いつでも好きなときに、わたしたちは自分の中の梯子を登っていくことができるのだよ。少し話が長くなってしまったけど、そういうことなのだ。少しは『自分の梯子』の意味をわかってもらえたかな?」

「前回の、突然の妻の家出体験以来、ようやく、少しだけわかるように成長できたと思うけど、正直なところ、まだちょっと頭が痛いかな。恋愛遍歴を懲りずに繰りかえしてきた張本人としては、やはり…」感動で全身が小刻みに震えるのを感じながらも、雅章はそう答えた。この自分の梯子のことが、もう少し早く認識できていたら、もしかしたら空虚な愛の遍歴を無意味に繰り返さずに済んだかもしれないのだ。でも今だからこそ、人を傷つけるだけの空虚なエゴイズムに振りまわされた放浪の果てに、雅章をして、ようやく悟りとして理解できるようになったのかもしれなかった。苦難の末に、ようやく至高の声がなんとか聞こえるように進化することができたのだ。

もちろん自分だけじゃなく多くの現代人も、この真実を理解できなくて、外の現象に果てしなく振り回されているのだ。元気のない日本の社会に、このことを少しでも伝えていくことが、日本人としての雅章が選んだ究極の仕事ではなかったのか?…。気が小さく平和意識の強い日本民族を守っていくために、気持ちを奮い立たせるようにして雅章は立ち上がったのではなかったのか?黒沢明監督の映画《七人の侍》のように…。まあ、そんなわけで雅章は、思い切ってビッグバンに聞いてみた。

「でも、未だにほとんどの日本人は、ほんの少し前のぼくと同じように、誰かや何かが、自分を幸せにするのだ、あくまで幸せは外側にあるのだと信じきっているんです。いつのまにか自分で自分の国を守ることを、久しくしなくなったために、他の人が自分を幸せにしたり不幸にしたりするという 幻想 を、もはや誰も否定できなくなってしまったんです。だから、このままでは、日本は内部から静かに崩壊していくような気がするんです…」

「このままなら、そうなる可能性は高い」ビッグバンは瞑想スタイルをやめて、部屋の中をゆっくりと歩き始めた。心ここに在らずといった風な表情で、深く思案しているみたいだった。

「今の日本を憂いて、滑り落ちてしまった梯子を、もう一度登りはじめる何人かの侍魂を持った者たちがあらわれるなら、まだ、決して復興するには遅くないと思うよ。今日の日本を、梯子の上に押し上げることを可能にするのは、内面に 隠された意志の力なのだ よ。内面に梯子が存在していることは、現代の教育では秘密にされてしまっている。アメリカナイズされた物質資本主義の奴隷国家では、敗戦後の56年という長い歳月、それはまさしく日本民族にとってアンタッチャブルなことだったのかもしれない。今の日本の奪われつづける情けない状況は、まさに国家意志という内面の意志の力が弱まりきって、梯子から滑り落ちてしまった状態なのだよ。長い歳月のあいだに、日本は世界一愛国心のない、エゴの固まりのような人種に成り果ててしまったんだよ。

まあ、そんなわけだからグローバルスタンダードというアメリカの仕組んだ金融ビッグバンと DIGITAL 情報革命と、これから本格的にはじまる新たな防衛産業ビッグバンに巻き込まれて、独特で繊細な日本文化やら日本民族の伝統的な美しい価値のすべてが、いま崩壊の危機にさらされているわけだ。

■日本国家の梯子

「だからといって、この日本の歴史的クライシスに、すべての国民が刀を抜く必要はないのだよ。日本民族は基本的には協調的で勤勉な農耕民族だから、それを活かすきめ細かな製品やソフトを産みだす加工貿易なりに精を出してもらって、全人口の僅か数パーセントの人間だけが、国家のためにサイバー武士となって、 目に見えない戦い を行なえばそれでいいような気がするのだ。もちろん彼らには、意志の力を最高に高めてもらって、 日本国家の梯子 を登りつめてもらわねばならない。そのための準備と訓練を、今すぐ日本は始めなければならないのだ。そしてその一人に、わたしはきみを選んだのだよ」

ビッグバンはそう言うと、雅章のほうにゆっくりと近づいてきて、父親のような優しい笑顔を浮かべたまま、雅章の肩にそっと手を置いた。

「と、とても嬉しいです。でも本当のところ、いまだに自信がないのです。こんなぼくでも、訓練しだいで本当に大切な何かを成し遂げたり、あるいは、国家のために梯子を登りつめたりすることができるのでしょうか?」相変わらず自信なげに、雅章は聞いた。

「もちろんできる」いかにも確信に満ちた態度で、ビッグバンはきっぱりとそう言い切った。そしてこんどは雅章の肩を軽くポンと叩いた。

「ゴルフだって、何度もなんどもスイングの訓練をすることで、狙った方向に玉が飛んでいってくれるようになるんだよ。つまり、単純な反復こそが魔法なのだよ」とビッグバンは言うと、雅章に待っててくれ、というような合図を独特のジェスチャーでしてみせると、部屋から足早に去っていった…。

(拙著『永遠なる日本が見える我が家のパーフェクト・ビーチ』からの引用終わり)

この引用部分で扱った「自分の梯子」というテーマは、ちょっと簡単には説明しにくい部分であり、とても精妙で密かな世界なのだ。どんなにわかりやすく説明したつもりでも、やはり、伝わりにくい精神主義の至高ワールドといえるのかもしれない。よくわからない。それでも私の言葉足らずの物語で、なんとか伝われば…私としては、とても嬉しい。

■みんなで渡れば怖くない「皆失業化社会」の到来

バブル崩壊直後の1990年、東証平均株価が大暴落したお正月に、私たちの社会の失業者はまだ134万人に過ぎなかった。それから御用学者やお抱え言論人たちは「 IT 革命」が新たな雇用を産みだすやら、「介護保険制度」が失業を失くすやらが高々と唱えられたが、何の効果もないばかりか、逆に失業者がどんどん増えていったのだ。にもかかわらず竹中平蔵経済担当大臣は、何のためらいも後ろめたさも見せることなく「ニュービジネス分野で500万人雇用創出」すると、ヌケヌケとホラを吹き続けている。

竹中平蔵氏の500万人雇用創出のなかには、たぶん、会社をリストラされて仕方なく自分の家庭の家事手伝いをしているのを、ハウスメードの「家事サービス業」に従事したことにしてカウントしているのではないか、としか思えないような、あまりにも根拠のないインチキ発表なのである。今起きている失業は景気循環による失業ではなくて、社会構造の変質による「ジョブレス」時代の到来なのである。企業がイノベーションを加速し、マネー資本主義が加速してドル帝国主義が日本を占領すればするほど、失業者が爆発的に膨張する。

景気がどんなに回復しても、社会の安定化に最も大切な雇用が限りなく失われ、流動化していく流れになる。今後私たち人間は、地域や社会から確実に排除され、切り捨てられていくのである。すべての企業は利益の計上できるあいだにリストラを過激におこない、すべてのサラリーマンが日常的に「リストラ予備軍」として扱われてしまう。いまやトヨタのカンバン方式が、人間在庫に対しておこなわれているのである。

■4と9の奇妙な白昼夢

でも今回は、これぐらいにしておく。今回私が言いたいのは、むしろ逆の視点なのである。私たちがままならない状況に陥っているのは、むしろ私たちの日常的習慣が、現在という不幸を呼び込んでいる可能性が高いかもしれないのだ。というのは、妙な白昼夢を、椅子に腰掛けてボンヤリしているときに、見てしまったのだ。ほんの一瞬のあいだに、大体こんな感じのあらすじの夢を見たのだ。

部屋がいくつもあるビルの廊下を、私は足早に歩いているのだが、何処からかとても悲しげな声が聞こえてくる。しかし、それが何処からなのかは皆目わからない。しかし私は、何故かいきおいよく廊下を何度も曲がりながらも歩き続けている。自分がどんな目的で歩いているのかはわからない。とにかく違和感のような気分に囚われたまま、悲しい声のしてくる在り処を求めて、聞き耳を立てながら早足で歩いている。そこでふと気が付く。どの部屋の番号も、9と4が付いているのだ。いや、そうじゃない。すべての部屋の番号が9と4だけで成り立っていて、それ以外の番号は何処にもないのだ。

なんとも嫌な建物である。目の前にある何回目かの4号室のドアを、私は思い切って開いてみた。その部屋の中には、大勢の男女子供が所狭しと集まっていた。そして皆寂しそうにうな垂れて、その不運をすすり泣いていた。首から上には皆、顔の変わりに4の数字が例外なく乗っかっていたのだ。圧倒されて立ち尽くしている私の傍に、細身の老人風のひとりが近づいてきて、懇願するように、こう言った。「私たちは何も悪いことをしていないのに、4という数字が付いているだけで、これまで虐待され、どの場所でも、嫌われ見捨てられてきた。だから、もしあなたが、不遇な私たち4を大切にして、愛してもらえるなら、あなたの人生を、誰よりも幸運で満たしてあげられると思う。これ、ウソじゃないよ」

4の数字の老人は、私にそれだけ言うと、くるりと背中を向けて、何ともいえない寂しそうな足取りでゆっくりと足を引きずるように皆のいる所に戻っていった。そして次の瞬間、その白昼夢はいきなり消滅してしまう。たぶん、ほんの一瞬のあいだの夢だったのだと思う。私のなかの潜在意識が、うたた寝の意識が混濁した一瞬の隙を狙って、勝手に白昼夢を描いてみせただけなのかもしれない。それとも、いつか何処かで聞いた話を、記憶が勝手に、いささかのアレンジを加えて再生しただけなのかも知れない。確かにほとんどの日本人は、4と9の数字を不吉ととらえて偏見を持ってしまっている。これは間違いない。だとすると、とにかく幸運を呼び込みたいなら、4と9の数字を、どうやら私は大事にしなければならないのかもしれない。

その白昼夢を見るちょっと前に、私は何気なくサン・テグジュペリの星の王子さまの絵本を、ボンヤリと眺めていたのだ。そこには、一匹のけものをのみこもうとしたウワバミの絵が描いてあった。その本には「ウワバミというものは、そのえじきをかまずに、まるごと、ペロリとのみこむ。すると、もう動けなくなって、半年のあいだ、眠っているが、そのあいだに、のみこんだけものが、腹のなかでこなれるのである」と書いてあった。

下にある絵が、そのウワバミが、ゾウを飲みこんでこなしているウワバミの絵である。帽子のように見えるかもしれないけど、ゾウをのみこんだウワバミの絵なのである。4と9とウワバミはもしかしたら親戚なのだろうか(笑)。 やれやれ

うわばみにのみこまれたゾウ

《主な参考文献および記事》

(本記事をまとめるにあたり、次のような文献および記事を参照しました。ここに、それらを列記して、著者に感謝と敬意を表すると共に、読者の皆様の理解の手助けになることを願います。)

★ 星の王子さま サン・テグジュペリ 内藤 濯訳  (岩波書店 2000)

『終』

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