「そごう」のトルコへの出店失敗を巡り、同社が水島広雄元会長（９２）ら旧経営陣３人に対し、民事再生法に基づく損害賠償を求め、東京地裁が約１６億２５００万円の賠償を認めた決定について、水島元会長らが取り消しを求めた訴訟の判決が２８日、東京地裁であった。

　浅香紀久雄裁判長は「当時の経済情勢から見て、出店計画を断念すべき事情は認められず、取締役としての義務違反があったとは言えない」と述べ、賠償を認めた決定を取り消した。

　判決は、トルコへの出店が決定された１９９１年には、トルコ大統領も出店を歓迎しており、計画を推進したことには問題がなかったと指摘。その後、土地買収に当たった現地法人について、信用性などに疑問が生じたものの、買収資金の融資を中止することは計画断念に匹敵するため、融資を続けたことや直ちに回収しなかったことも、取締役の裁量権の範囲内と判断した。

　そごうは２０００年７月に経営破たんし、民事再生法の適用を申請。同年９―１０月、水島元会長ら旧経営陣１９人に対し、トルコへの出店失敗のほか、水処理プラント製造販売会社との架空取引や違法配当の損害賠償など総額１１２億円を求める手続き（査定の申し立て）を行った。東京地裁は同年１２月、「取締役としての注意義務に違反した」などとして１７人に総額６０億２０００万円の賠償を認める決定をしたため、水島元会長ら１７人は決定を取り消す訴えを起こしていた。

　そごうは２００３年１月、再生手続きを終えた。

(2004/9/28/13:06　読売新聞　無断転載禁止)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040928i404.htm

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