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下げるべきはリノール酸。コレステロールではなかった!
http://www.asyura2.com/0406/health9/msg/588.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2005 年 1 月 22 日 13:33:13:KqrEdYmDwf7cM
 

http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsln/okuyamaHP3.html
(↑このリンクには図・グラフが多数あり)

【本の紹介】

コレステロールは成人病の元凶だと考えていませんか?実は大きな間違いだったのです。コレステロール値が高いほど癌になりにくく、長生きだという証拠がそろってきました。そして動脈硬化や癌、アレルギー過敏症は、リノール酸 (n-6)の摂りすぎが大きな大きな原因でした。α -リノレン酸(n-3 )系脂肪酸はこれらを抑えます。この信じられないような話の証拠を、図にして解説しました(帯書きより)。

日本脂質栄養学会は 2002年9月に、世界に先駆けて「リノール酸摂取を削減する提言」を採択しました( http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsln/teigenAnn02.htm )。このブックレットでは、数々の研究報告を資料として取り上げ、コレステロールについての意識革命を迫るとともにリノール酸過剰摂取の問題点を論じています。成書では全部で61の資料を掲載していますが、ここではその中から8つの資料を抜粋して紹介します。(奥山治美、およびホームページ編集委員)

1.コレステロールを多く食べても、血中コレステロール(TC)値は上がらない!
  【資料5】
2.リノール酸は一時的にコレステロールを下げるが、長期的には下げない!
  【資料8】
3.血中コレステロール値が高いと心臓病は多くなるか? 日本には2種の報告がある!
  【資料18】【資料19】
4.コレステロール値が下がったら、逆に心臓病が増えた!
  【資料28】
5.コレステロール値の高い群ほど癌死亡率が低く、長生き
  【資料34】
6.日本での食事指導は心臓病を増やしていた
  【資料31】
7.動脈硬化の傷害―炎症―虚血説
  【資料58】
8.どこがまちがっていたのだろうか?


 

1.コレステロールを多く食べても、血中コレステロール( TC)値は上がらない!

【資料 5】卵摂取量の多い群では、むしろ総コレステロール値が低いという結果(米国)

Song WO ら (2000) Am Coll Nutr 19:556S-562S

National Health and Nutritional Examination Survey (1988-94年 ). 27,378名の調査

原著者の結論:卵摂取は米国人の食事に重要な栄養的寄与をしており、血清コレステロール( TC)値の上昇に寄与していない。

編者のコメント: TC値の高い人は、日常的に卵摂取を控えているのかもしれない。しかし、卵の摂取が TC値を上げているとする根拠は見あたらない。

コレステロール摂取を増やして 2週間後くらいに測ると血清コレステロール値は上がっている。しかし、長期的にはコレステロール摂取が多くても少なくても、 TC値には影響を与えない(フラミンガム研究)。そもそも、 TC値を下げる必要はないのです(下記資料)。

 

2.リノール酸は一時的にコレステロールを下げるが、長期的には下げない!

【資料 8】Keys 式、Hegsted 式は長期的には成り立たない

  食用油のリノール酸(P )の摂取を増やし、動物性脂肪に多い飽和脂肪酸(S )の摂取を減らすと血清コレステロール値が低下し、心臓病が予防できるとされてきた(コレステロール仮説)。実際 ,鈴木らの研究では、紅花油、バター、紅花油という 1週単位のクロスオーバー試験で (Suzuki S ら(1970) Eiyogaku Zassi 28;194-198 )、高リノール酸紅花油食とバター食の TC値に、約 3倍の差が表れた。ところが、 MRFIT研究 (平均7 年)、およびヘルシンキ研究( 10年)では、“ P/S比を上げ、コレステロール摂取を減らす”、という長期介入試験の結果、 TC値はほとんど変わらなかった。

編者のコメント:身体は食物の変化に対して短期的に血清リポタンパク組成などを変化させるが、長期的には適応変化がおこって新しい平衡状態に達すると考えられる。食事指導が長期的に守れなかったので TC値が変わらなかった、とする考えもあるが、心臓病が有意に増えているので、食事指導は守られたと考えられる(後述、資料 27,29参照)。

 

3.血中コレステロール値が高いと心臓病は多くなるか? 日本には 2種の報告がある!

3−1 血中コレステロール値の高い群では心疾患が多いという典型的な報告

【資料 18】TC 値と心疾患の相関−日米における見かけ上の類似性

一般的解釈: TC値と心臓病の関係は、日米でよく似ている。したがって、米国で考えられているように、日本でも高 TC血症は危険因子である、とされている。

編者のコメント:この図を見ると高 TC血症は心疾患の危険因子であり、これを下げることが治療につながると考えやすい。しかし、この図にはいくつかの問題点があり、一般集団には適用できない。

 垂井報告では家族性高コレステロール血症( FH)の割合は一般集団の 20倍多く、また合併症調査であって、他と異質である。 NIPPON Dataは異常に TC値の高い群(FH など)の存在が指摘されている。小玉報告の対象は被爆者であり、一般集団ではない。小西報告はカットポイント上、下の発症率の比較であり、横軸が他と異なる。

日本の心疾患発症率は米国の 4分の1 ほどであり、TC値、 200mg/dlの発症率を 1として標準化したこの図は、誤解を招きやすく不適切である。

MRFIT の集団も心疾患危険因子の高い群であり(TC 値が上位10〜 15%以内)、一般集団とは異なる。この集団でも総コレステロール値と心疾患死亡率の相関は若齢層で高く、老年層で低い(おそらく家族性高コレステロール血症の割合が異なる)( Kannelら, 1986)。FH のより詳しい説明は本書参照。

 

3−2 血中コレステロール値が高くても心疾患は増えないという報告

【資料 19】 B 群報告 (TC値と心疾患の相関が認められないか、あっても低いもの)

編者のコメント: 国民の大部分を占める一般集団を対象としたこれらの調査では、TC 値と心疾患イベントには相関が無いか、あってもわずかである。多くの場合、総死亡率、癌死亡率について負の相関が認められている( TC値の高い群の方が、死亡率が低い)ことに留意する必要がある。


4.コレステロール値が下がったら、逆に心臓病が増えた!

【資料 28】 TC 値の低下は、逆に心疾患死亡率、総死亡率の上昇を伴っていた −フラミンガム研究    

Anderson KM et al. (1987) JAMA 257:2176-80

最初の14年間に TC値の変化を評価し、続く18年間の死亡率を評価した。

心疾患と癌の病歴の無い男性( 1,959名)、女性( 2,415名)、31 〜65歳を対象とした。 TC値低下群の解析は、 TC値不変群とTC 値上昇群の両群を対照とした。比例ハザードモデル係数が0.11 ということは、14 年間でTC値が 14mg/dl低下したときに CHD死亡率が11 %上がることを意味している。

編者のコメント:血清コレステロール値が低下した群では、心疾患死亡率、総死亡率が有意に高かった。一般常識と異なるこれらの結果は、医療の現場では適切に評価されておらず、今でもコレステロール値を下げる努力を続けているケースが多い。

 

5.コレステロール値の高い群ほど癌死亡率が低く、長生き

【資料 34】 八尾市民(健康診断受診者、 40歳以上)の平均 8.9年の追跡結果

    Iso H ら. (1994) J Clin Epidemiol 47:961-969

八尾市民、 12,187名、40-69 歳について、1975-1984 年に基準データを集め、1988 年まで、平均8.9 年間の死因を調査した。

編者のコメント: 家族性高コレステロール血症(FH )の割合が比較的少ない一般集団では、TC 値と心疾患の関係は明確ではない。そして、男性ではTC 値が高い群ほど癌死亡率、総死亡率が低かった。女性も同様の傾向が認められた。

 このような結果は他にも多くあり、「コレステロール値の高いほうが長生きなのに、なぜコレステロール値を下げるのか」、という大きな問題提起となっている。

 

 

6.日本での食事指導は心臓病を増やしていた

【資料 31】 日本脂質介入試験( J-LIT)の地域対照追跡調査

                                  吉池、田中ら、(2001) The Lipid 12:281-289

TC 値が220-299 mg/dl で35〜 70歳の4,918 名を通常の条件(usual care )で6年間追跡した。

開始時 TC値    mg/dl

220-239

240-259

260-279

280-299

高脂血症薬

使用率(%)

 開始時

2.6

3.6

5.3

5.2

  6年後

9.5

16.6

25.7

33.5

食事指導を

受けた人 (%)

 開始時

12.7

16.1

18.7

20.6

  6年後

27.4

34.6

36.7

40.2

編者のコメント:「食事指導あり」の方が心臓病になる危険性が 3倍も高かった。

現在、日本の医療の現場では一般に、(1)飽和脂肪酸( S)の摂取量を減らし、(2)コレステロールの摂取量を減らし、(3)多価不飽和脂肪酸( P、実質的には植物油のリノール酸)を増やし、(4) n-3系脂肪酸の摂取を増やすことが勧められている (厚生省・日本医師会など )。

(1)と(2)の脂質は体内で作られる成分であり、摂取制限をしても心疾患を増やすとは考え難い。

植物油のリノール酸 (n-6)は多くの酵素の段階で n-3系脂肪酸と競合的であり、 n-6系とn-3 系の両方を同時に増やす栄養指導((3)と(4))は矛盾している。食事指導を受けた群の心臓病が多かった原因は、リノール酸摂取過剰にあると解釈できる。リノール酸摂取を増やす栄養指導は心臓病を増やし(資料 29,30)、それを下げる栄養指導は心疾患の二次予防に有効であることが示されている(後述、資料 50)。

 

7.動脈硬化の傷害―炎症―虚血説

【資料 58】       Modified from Okuyama H ら (2000) J Health Sci 46:157-177

 血管の傷害―修復は高頻度で起こっていると考える。修復過程に炎症反応が関わっているが、リノール酸カスケードが亢進すると炎症が持続する方向に働く。また、リノール酸カスケードの亢進はエイコサノイドのアンバランスな産生を生み( TXA/PGI比の上昇)、血栓性を上げ、虚血に導く。炎症⇔虚血により作られる活性酸素が酸化 LDLを増やし、また増殖促進刺激となり、動脈硬化を進展させる。

一方、 SREBPを介したコレステロール合成促進作用は、飽和脂肪酸( S)、一価不飽和脂肪酸( M)≧リノール酸≧α−リノレン酸> EPA、DHA (、AA)の順になり、動物性脂肪( S、M に富む)と高リノール酸植物油の間では、この作用の差は大きくない。S 、M、リノール酸などはプレニル中間体レベルを上げ、 NO産生抑制、細胞増殖促進、血小板凝集促進作用などを介して、動脈硬化を促進する。 TC値が上昇すると HMG-CoA還元酵素はフィードバック抑制されるが、長期的には S、M 、リノール酸などのSREBP を介したコレステロール合成促進作用が優先するようである。

n-3 系脂肪酸、とくにEPA 、DHAはリノール酸カスケードを競合的に抑制し、コレステロール合成を抑制し、β -酸化、熱産生を促進し、動脈硬化の進展を抑制すると理解できる。

 動脈硬化の原因が完全に明らかになったわけではないが、コレステロール以外の危険因子(炎症の持続)の関与がわかってきた。

 

8.どこがまちがっていたのだろうか?

三つのキーワードがある。
食事介入の期間が問題

 高リノール酸油を増やし動物性脂肪を減らす( P/S比を上げる)、あるいはコレステロール摂取量を減らす、という介入を行うと、血清コレステロール値は 1週間後に顕著 な低下を示すが、1 ヶ月頃に差が少なくなりプラトーに達する( Keys式などが基盤とした)。しかし数年後にはほとんど差が無くなる。短期間の結果を長期の成人病予防にそのまま適用した点が誤っていた。
対象集団中の家族性高コレステロール血症( FH)や類似の先天性遺伝子異常者の割合

病院を中心とした調査と一般集団 (Community-based survey, General population) では、FHなどの割合が異なる。 FHは細胞内にLDL が取り込まれないのでLDL- コレステロール値は高くなり、一般人より10 倍も心臓病を発症しやすい。したがって、FH の割合が多い集団では、コレステロール値と心臓病の相関が見かけ上高くなるが、コレステロール値の高いことが、動脈硬化 -心臓病の原因になっているとはいえない。 FHと非FH を区別した解析が必要であり、FH の多い集団での調査結果を、一般集団にそのまま適用している点に誤りがある。
高コレステロール血症ではなく、摂取脂肪酸の n-6/n-3バランスが主要な危険因子
コレステロール値が高いと動脈硬化になる、という考えはくずれた。同じコレステロール値でも心臓病の発症率は、集団によって 4~8倍も差がある。薬(スタチン類)の有効性は証明されたが、これらはコレステロール低下作用の結果というより、プレニル中間体を介した作用が中心である。リノール酸、アラキドン酸などの n-6系の摂りすぎとα -リノレン酸系(EPA,DHA など)の減少が、身体細胞組織の炎症性を上げ、これが心臓病、癌、アレルギー過敏症などの主要な危険因子となっている。動物性脂肪( SとM に富む)の摂取が多くても、n-6/n-3 比が低いと心疾患は低く保たれる(グリーンランド、アラスカ先住民の例)。コレステロールのみを指標とした食事指導はむしろ心疾患を増やしており、 n-6/n-3バランスを中心とした食事指導に早急に変える必要がある。

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