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「ヒトラーとインナーチャイルド 〜インナーチャイルドとワンダーチャイルド〜」(上)
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投稿者 たそがれ竹べえ 日時 2005 年 5 月 05 日 20:46:22: EzRc1UvJydDio
 

「ヒトラーとインナーチャイルド 〜インナーチャイルドとワンダーチャイルド〜」(上)
2005年5月5日

「幻聴が聞こえたら」ホームページ内「インナーチャイルドとワンダーチャイルド」(上) より
http://www.gennchougakikoetara.com/


はじめに

 先日、ジョン・ブラッドショー[著]新里里春[監訳]『インナーチャイルド 〜本当のあなたを取り戻す方法〜』(NHK出版)を読みました。この本は既に改訂版が出ていますが、私が読んだものは1993年に発行された初版になります。今回は、この本の内容について触れていきます。

 本書は、傷ついた心を回復させるための実践的なワークブックになっており、精神的により良好な状態を目指す人々にとっては、読む価値のある本であるように感じました。著者自身、自分の傷ついた心を治癒するために試行錯誤の時期を経験しており、同様の苦しみを抱えた人々に対して、同じ目線の高さから優しい気持ちで執筆されているようです。

 私自身の感想は、最後まで読みましたが、現在、読み終えたという感覚はありません。読み進める中で様々なワーク(手紙を書いたり、瞑想をしたり)をしてきたのですが、今後もワークの必要性を感じており、私の中ではこの本の内容が継続しているという感覚です。それで、本書におけるワークは繰り返し行う必要があり(後述します)、私にとっては今後も手放せない一冊になっております。

 本書における治療法について、その概要は、今まで心の奥に仕舞い込んできた過去の苦しい体験を、再体験していくことにより少しづつ癒されていく、というものになります。それでは、インナーチャイルドとは何なのでしょうか。


インナーチャイルドとは?

 インナーチャイルドは、過去の子ども時代に傷ついた心のことで、交流分析理論の「適応的(または順応的)子どもの自我状態」のことである。
 私が今わかっていることは、子どもの成長が抑えられ、感情、特に怒りや傷ついた感情が抑制された時、その人は、怒り、傷ついた子どもを抱えた大人になるのだということです。この子どもはその人の大人としての行動を自発的に汚染しているのです。(本書より)

 つまり、インナーチャイルドとは、両親から精神的に自立する前に、不健全な家庭環境により傷つけられた子どもの心なのだそうです。そして、その傷ついたインナーチャイルドを抱えた大人は、そのわだかまりがネガティブな影響を本人に与え続け(神経症の原因となったりと)生活を汚染するとのことです。


インナーチャイルドが傷つく原因

 共生関係、犯罪行動、自己愛的障害、信頼問題、 行動化・内攻化、 魔術的な思いこみ、親交の機能障害,しつけられていない行動,中毒・強迫行動,思考歪曲,空虚(無気力、抑うつ)

 家族システムがが不完全だと、その家庭の子どもの心(インナーチャイルド)は傷つけられていくのだそうです。

 子育てとは、その子どもの一生をある程度決めててしまうくらい、非常に大切なことです。しかし、両親がいくら子どものために一生懸命になっているつもりでも、両親のインナーチャイルドが傷ついたままであったら、同様にその子どものインナーチャイルドが傷つけれることになりかねない、そういう可能性があるということです。(子どものことを顧みない親であったなおさらです。)子どもの心が健康的であるためには、まず親が健康的にならなくてはならないのです。

 性的な虐待を受けた子どもが、大人になり性犯罪者になる。それは、自分が受けた虐待を再現しているのだそうです。そして、第二次大戦中に非常に残虐な行為を行ったヒトラーは、実は、子ども時代にサディスティックな父親によって中毒的に傷つけられていた、とのこと。このような負のスパイラルの実際を知ると、なんともやりきれない気持ちになります。本人の力ではどうしようもないところで、運命が決まってしまっているのですから。

 自分の心が傷ついていたら、それを直視しないといけないと思います。そして、良好な状態になるためには、どうするべきかを考えていくべきなのではないでしょうか。不条理な負のスパイラルは、それに気づいた本人のところで止めなくてはならないと、私は思うのです。


ワンダーチャイルドの特徴について

 驚き、楽天性、純真さ、依存、情動、回復力、自由な遊び、独自性(唯一無二)、愛、など

 私たちの心は、本来的に驚きや好奇心に満ちあふれており、純真なのだそうです。その天真爛漫な心を(インナーチャイルドに対して)ワンダーチャイルドといいます。それは私たちの成長に不可欠なものであり、詩人や芸術家、独創的な思想家が創作活動をするための原動力にもなっているのだそうです。そして、そのワンダーチャイルドが、機能不全の家庭環境により傷つけられることが問題なのであり、傷ついたインナーチャイルドを生む原因になっているとのことです。

 それでは、どのようにしたら精神的な回復を行うことができるのでしょうか。著者は、オリジナルペイン・ワークを行うことにより、ワンダーチャイルドの心が取り戻せることを示しています。


オリジナルペイン・ワークとは?

 オリジナルペイン・ワークとは、抑圧されている過去の辛い記憶を再体験する治療方法なのだそうです。再体験し悲しむ(グリーフする)ことにより、感情のわだかまりが解きほぐされ、自然に癒されていくとのことです。

 グリーフ・ワークがどの程度の時間を要するかは、人によって違うので、正確には誰にもわかりません。
(中略)時々、人々は解き放される必要があります。それで、悲哀の順序や段階が行きつ戻りつします。ある日、自分が良くなっている感じを受けたかと思えば、三日後には逆戻りすることもあります。それでもこのようなサイクルをくり返しながら進み続けるのです。その感情を感じることが最も大事なことで、感じられないことは癒すことができないのです。(本書より)

 最初のオリジナル・ペインワーク「乳児期の自己を再生する」(第4章)では、具体的な内容として以下のワークがあります。

*質問項目による判定
*生育歴の調査
*乳児期を親友とシェアーリングする
*手紙を書く
*瞑想

 まず最初に、質問に「はい」か「いいえ」で答えることにより、自分の乳児期のインナーチャイルドがどの程度傷ついているか、その深さを知ることができます。「はい」と答えた数が多いほど、乳児期の自己は傷ついているのだそうです。

 次に「生育歴の調査」があります。乳児期の自分がどのような子どもであったか、両親に聞くなどして「家族システムのすべての情報を、できるだけ多く集めていく」という作業をします。この作業は、子ども時代の事実関係をできるだけ正確に知るために必要なのだそうです。ここまでは、正確にはオリジナルペイン・ワークではなく、ワークを始めるための作業です。

 それが終わると、オリジナルペイン・ワークとして、乳児期を親友とシェアーリングする、乳児期の自分に手紙を書く、逆に、乳児期の自分から現在の自分に対して手紙を書く、瞑想をする(退行催眠)、といったワークが始まり、これらのワークの流れは、乳児期から、次に歩行期、学童前期、学童期と、過去から現在へ向かっていきます。

 それでは、途中ですが今回はここまでの内容として、オリジナルペイン・ワークの詳細については、次回触れていこうと思います。最後に、一つ書いておかなければならないことは、この本を一度読んだだけでは、オリジナルペイン・ワークの効果はほとんど期待できない、ということです。つまり、「継続は力なり」と言いますが、、効果を得るためには腰を据えて、長期間に渡って定期的にワークを行っていく必要があります。

 それでは、今回は以上の内容になります。

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