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龍馬に関する最良の書・『坂本龍馬と明治維新』
http://www.asyura2.com/0406/idletalk10/msg/784.html
投稿者 野田隼人 日時 2004 年 10 月 12 日 16:33:46:rgym1W9ZU3nMk
 

(回答先: 第五章 解き明かされる明治維新の裏(新潮社) 投稿者 エンセン 日時 2004 年 8 月 04 日 05:12:49)

『近代日本とフルベッキ』の「第二章 坂本龍馬」をアップしましたのでお知らせ致します。ご参考までに、冒頭にマリアス・ジャンセンの著した『坂本龍馬と明治維新』を取り上げていますので、以下に転載致します。なお、「第二章 坂本龍馬」の全文を読みたい方は以下をクリックしてください。
http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/index.html

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1.龍馬に関する最良の書・『坂本龍馬と明治維新』
 本シリーズの連載を開始するきっかけとなった『ニューリーダー』誌の対談記事、「近代日本の基盤としてのフルベッキ山脈」が『賢者のネジ』に収録され、6月30日に発行されてから早四ヶ月が経った。偶然にも、出版元のたまいらぼ出版の玉井禮一郎社長と知己の間柄であったことから、同書の編集の一部を手伝う形になったのであるが、そのお陰で本の企画から出版に至るまでの一連の流れの大凡を知ることが出来たのは貴重な体験であった。結局、たまいらぼ出版には月に2回程度のペースで編集のお手伝いに行ったことになるが、そうした編集作業の合間に玉井社長との何気ない雑談もあり、今から思うに大変有意義な雑談であった。そんなある日、たまたま坂本龍馬のことが話題になり、「幕末から明治を描いたもので、一番優れた本は何だと思う?」と玉井社長が尋ねてきたので、即座に「『坂本龍馬と明治維新』(マリアス・ジャンセン 時事通信社刊)だと思います」と筆者は答えている。『坂本龍馬と明治維新』には未だ一度しか目を通していないが、龍馬の手紙を活用して見事に龍馬像を描き出しており、同書が高い評価を得ている理由がよく分かったものである。果して、『賢者のネジ』の「近代に日本の基盤としてのフルベッキ山脈」でも以下のように『坂本龍馬と明治維新』を高く評価していた。

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藤原肇:徳富蘇峰は変節漢だけでなくインチキ男です。権力に懐柔されて御用言論人になってしまい、政府のプロパガンダの旗振り役でした。だから、弟の徳富蘆花からも変節を理由に義絶されており、行き着いたところはファシストの権化でした。三宅雪嶺が歴史の資料に手紙を活用したように、マリアス・ジャンセンも『坂本龍馬と明治維新』(時事通信社刊)の中で、手紙を使って心理分析と状況判断をしており、幕末から明治維新にかけての時期を描いたものでは最高です。続いて大仏次郎の『天皇の世紀』(朝日新聞社刊)があり、その次には奈良本辰也が書いた各種の歴史評論がある。その後に、萩原延寿の『遠い崖』(朝日新聞社刊)や村松剛の『醒めた炎』(中央公論社刊)になる。しかし、小説は10位以下というのが私の判定です。
小島直記:小説はフィクションとして読者に迎合するから、どうしても面白くしなければならないので無理がある。あれだけ国民に人気のある司馬遼太郎でも、かなり嘘を書いているのに、読者はそれに気がつかないで、小説を歴史と取り違えている。小説を書くときの悩みはそれをどう克服するかであり、そこに小説や文学の限界を感じた。そのために、私は同じ小説でも伝記を書くことに人生の路線を改めました。そして、人間を描くことを通じて彼が生きた時代に迫り、歴史の空白部を埋めることができないかと思って、これまでなんとか仕事を続けてきたが、雪嶺の『同時代史』を読んだ時には衝撃を受けました。
『賢者のネジ』(藤原肇ほか たまいらぼ出版)P.142
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ところで、過日副島隆彦氏のHPを訪問しましたが、「気軽にではなく重たい気持ちで書く掲示板」という名の掲示板に副島氏本人が投稿しており、偶然にも『坂本龍馬と明治維新』を評価していた箇所に目に留まりましたので、その一部を以下に引用します。

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[3856]私の考え 投稿者:副島隆彦投稿日:2004/09/25(Sat) 07:00:39

監督をした、エドワード・ズーウィックという人は、プリントン大のマリウス・ジャンセンという、ライシャワー系統の日本学者(日本あやつり人間の系譜)の弟子だ。M.ジャンセンは、『坂本龍馬と明治維新』という本を、1961年に書いて、1964年に翻訳されている。
この本は、平尾道雄(ひらおみちお)という高知新聞の人が、(この人は『海援隊始末記』(中央公論社 1976年刊)と書いたのだが、)翻訳をしている。ジャンセンの本が、ひどい謀略本であって、それを下書きにして、司馬遼太郎が、後世ばれないと思って、『竜馬が行く』を書いた。

本当は、坂崎紫潤(ジュン?)という明治の人が、『坂本龍馬 海援隊始末記』という本を書いていて、それをいろいろに改作したのが、上記の人たちだ。
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ここで、藤原ブッククラスタであれば、上記の副島氏の投稿を読みながら、ニヤリとしながら『理は利よりも強し』の第五章・「アメリカの対日強硬派の虚実」を思い出したのではありませんか?

幸い、『理は利よりも強し』の第五章は過去の脱藩道場総会のテキストとして採用され、以下のURLに全文が載っていました。
http://www2.tba.t-com.ne.jp/dappan/fujiwara/sokai/02s/ri05.htm

むろん、ジャンセンの親分であるライシャワーも取り上げていますので、この機会に一読の上、皆様のご意見をお聞かせいただければ幸いです。第五章を読めば分かりますが、副島氏が日頃持ち上げているチャルマーズも形無しです。また、第五章には丸山真男についての記述もあり、副島氏の著した『日本の秘密』にある「付 章 丸山真男の死」と好対照をなしていますのでご注目ください。

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 専門分野や特殊領域には別の指標を使うが、日本の政治や戦略への関心を測るためには、丸山真男の「戦中と戦後の間」(みすず書房)、小室直樹「危機の構造」(ダイヤモンド社)、永井陽之助の「現代と戦略」(文芸春秋)の三冊をもっぱら利用している。
 これらの本は日本語版しかない名著であり、日本の政治を知る上で必要文献に属す。だから、その図書館が何冊これら本を保有してどれだけ借り出されたかを調べ、そこの大学の頭脳水準を測る目安としている。
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追伸
蛇足ながら、たまいらぼ出版の出した『「日米対決」と石原莞爾』という本の原作者・マーク・R・ピーティはジャンセンの弟子であり、ライシャワーの孫弟子に相当します。ジャンセンが何故ピーティ氏に石原莞爾を書くように勧めたのか、上記の謎解きと併せて今度の週末にでも思索を巡らせてみると面白いと思います。

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