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大久保利通と小泉純一郎
http://www.asyura2.com/0406/idletalk10/msg/797.html
投稿者 野田隼人 日時 2005 年 2 月 08 日 17:43:06: rgym1W9ZU3nMk
 

(回答先: 第五章 解き明かされる明治維新の裏(新潮社) 投稿者 エンセン 日時 2004 年 8 月 04 日 05:12:49)

「近代日本とフルベッキ」の第六章・大久保利通を執筆しましたのでお知らせ致します。
http://www.ibd-net.co.jp/kaientai/index.html#7

以下に一部を抜粋します。


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 かつて大久保利通が欧米から帰国したとき、西郷、江藤新平らの征韓論が決定しかけていた。大久保は桂小五郎、木戸孝允らと共同戦線をはって猛反対した。
 そのために、西郷の運命が一転するのだが、このことだけで、大久保を平和論者とする者が多い。
 とんでもないことだ。大久保が反対したのは、ただ留守中にでき上った権力機構の中に自分の席を見出せなかったからにすぎない。
 事実、大久保が平和論者であったならば、翌七年の台湾出兵になぜ、賛成したのだろうか。朝鮮も台湾も、同じ立場だったはずだ。大久保がほしかったのは、大日本帝国を牛耳る権力だ。かつての盟友西郷は邪魔だった。西郷が政界にあるかぎり、自分がトップには立てない。
 その憎しみから反論をぶったにすぎない。
 もしも、本当に平和論者であり、権力志向ではなく、また人間的な血の通う人物だったら、下野した西郷とその私学校の連中が熱くなっているという噂を耳にしたとき、鹿児島にとんでいって、なぜ、なだめなかったか。
 『明治維新の偉人たち その虚像と実像』(早乙女貢著 山手書房新社)
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 大久保利通の名誉のためにも、ここは早乙女氏の記述に対して論駁しておこう。最初に、早乙女氏の大久保に対する第一の誤解は、大久保が大日本帝国を牛耳る権力を求めていたとする点であるが、これは余りにも大久保利通という人物を知らなさ過ぎる人の言う言葉ではないだろうか。現代日本のリーダーは無論のこと、同時代の他のリーダーと較べても、大久保利通は遙かに抜きん出たリーダーだったのである。そのあたりを分かりやすく説明するとすれば、現首相の小泉純一郎を例に取り上げるだけで事足りよう。例えば、小泉純一郎を著すキーワードの一つに「丸投げ」というのがある。「丸投げ」というのは、一つの難局を成し遂げるにあたって最良の方法を見出し、それが遂行可能という大凡の見通しを立てることが出来たら、後は全て部下に任せるという事であり、万一部下が失敗しても自分が全責任を負うという心構えでいることが本来の丸投げの原義であろう。小泉の場合、そうではないのは一目瞭然で、あれは単なる責任放棄型の丸投げに過ぎない。現役の国会議員の某秘書を務める人が語るところによれば、「秘書の私が首相をやる代議士に向かって、こんなことを言うのは僭越かもしれませんが、小泉流のやり方は責任放棄の丸投げだから、突っ込まれて聞かれると質問の意味が分からないし、見通しが立たないから答えも見つからない。そこですり替えと断定で論点をはぐらかすだけになり、国会の議論がふざけた応酬になるのです」(『財界にっぽん』2005年2月号)とのことであり、いかに小泉の丸投げは無責任なものかが分かろうというものである。

 その点、大久保の場合も確かに「丸投げ」を多用したが、小泉の丸投げとは全く異なるものであったことは上述から大凡は推測出来ると思うが、要は大久保の場合は部下を全面的に信頼した上で遂行を任せ、万一の場合は大久保自身が全責任を負うという丸投げだったのであり、大久保の丸投げと小泉のそれとは決してイコールではない。さらに、部下には手に負えない難局については、率先して自ら取り組んだのが大久保であった。岩倉遣外使節に同行した林董は、そうした大久保のことを以下のように評している。ち

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 維新直後に功臣は多く、無論大久保一人功績があった訳ではないが、しかしあの難局に当たって、一切の責任を自分で引き受けて、難きは自ら任じ、易きは人にさせるという、あの態度は外の人の真似のできぬところである。あの頃はほとんど難しいことだらけであったのに、公はその責めを一切自分一人で背負った。由来難局はこれを人になすりつけ、易きを自ら行うて独り功を修めるというのが政治家の通弊であって、随分偉い人でもこの弊には陥りやすいが、大久保は独りで難きを背負って立った。あの人は優に日本の大黒柱となり得る人だった。
『大久保利通』(佐々木克監修 講談社学術文庫)
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