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選手会スト 何が学べるか【東京】何らかの学習効果があったことは否定できないだろう、僅かかもしれないが、、、。
http://www.asyura2.com/0406/idletalk11/msg/186.html
投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 9 月 25 日 10:44:34:WmYnAkBebEg4M
 

選手会スト 何が学べるか【東京】何らかの学習効果があったことは否定できないだろう、僅かかもしれないが、、、。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20040925/mng_____kakushin001.shtml

 グラウンド外の「メークドラマ」だった。プロ野球の労使交渉は労組・選手会側が完勝した。しかも、団体交渉・ストライキという労働運動の基本戦術を駆使しての勝利だ。世論の応援が勝因だったのは間違いない。支持した人々も、重苦しい閉塞(へいそく)社会に吹き込んだ一陣の風に酔った。ただ、このドラマは社会一般に当てはまるのだろうか。選手会の闘いから、何が学べるのか−。

■「御用組合でも声上げるべき」

 「ストがなければここまで事態は進展しなかった。選手会はよくやった。自分自身、会社にいたころは組合なんてあてにならないと思っていたけど」

 東京・西新宿のハローワーク新宿。求職窓口に並んでいた埼玉県の元会社員男性(55)はこう話す。五年前、会社の経営悪化から失業した。「会社の労組は御用組合で、雇用対策を真剣にやる感じはなかった。でも、やはり声を上げるべきときはあるんだと思った」

 同じく求人窓口に並んでいた都内の元ファミリーレストラン店員の女性(32)は「主人が熱心にニュースを見ていて、古田敦也選手会長のファンになった。選手会側が勝ったときは二人で喜んだ。ファミレスのパート従業員ではストなんて考えもしなかったけど、代わりにやってくれたような感じもある」と感慨深げだ。

■「金持ち同士のけんか」の声も

 もっとも、厳しい見方もある。求職中の都内の男性(52)は「いま申し込もうとしている仕事は月給十七万円。古田(選手会長)の年俸は億単位のはず。ストとかいっても、金持ち同士のけんかで興味が持てない。ナベツネ(渡辺恒雄前巨人オーナー)とか分かりやすい悪役がいたから、盛り上がったんだろ」と語る。

 「よもや」と半信半疑だったストが、労働界では素人集団ともいえる組合で打たれた。この余波は、リストラの嵐に覆われる社会全般にも及ぶのだろうか。

 大手銀行の単組とは別に、銀行業界の従業員すべてを対象とする銀行産業労働組合(銀産労)の大谷邦孝書記は「銀行員は高給取りだと批判されてきたが、行内の従業員全体でみれば、女性社員やパート労働者はひどい扱いを受けている。今回のストは高年俸の選手も、そうでない選手を思って行動した点がすばらしいと思う」と話す。

■粘り強い交渉世論を見方に

 UFJ銀行がボーナスの八割カットを発表したことに対し、銀産労大阪支部は「プロ野球選手会のようにがんばろう」とするビラを作り、配布した。大谷書記は「ねばり強く交渉し、ストを打つにしても世論をうまく味方に付けた。元気づけられた」と評価する。

 東京都教職員組合では、自発的に選手会のストを支持する署名活動を手伝った人も少なくなかった。若い組合員からは「ストライキって格好いい」という声も上がったという。

 折しも入学、卒業式での君が代斉唱、日の丸掲揚の完全実施をめぐり、労使関係の緊張が続いているが、ある役員は「ファンと子どもたちは違うけど、ともに裏切ることはできない。その重みを抱えて、交渉する点では似ている」と振り返る。

 「上が決めたことに従えという姿勢では、石原慎太郎都知事と渡辺前オーナーはそっくり。しかし、それが必ずしも通用しないことが世の中に知れた」

 傘下にダイエーホークスの親会社ダイエーの労組を抱えるUIゼンセン同盟は、高木剛会長が「スト支持」を言明していた。岩田直樹総務局長は「今は賃金のボリューム論争では経営側に勝てない。その点で選手会のストは給料の話ではなく、雇用と経営者の姿勢をめぐり争った。だからストを打っても支持されたのだろう」と解説する。

 さらに古田選手会長の交渉術を絶賛した。とりわけ、労使交渉の不調を発表する十日の記者会見で、経営側の瀬戸山隆三・ロッテ代表との握手を拒んだ場面が印象的だったという。

 「握手は妥結した後でやること。無造作に手を出してきたロッテの代表は、労使交渉の原則を知らなかった。一方、古田さんはそこがよく分かっていた」

 こうした労働運動の現場での高い評価について、元衆院議員でジャーナリストの保坂展人氏は「一致団結してスクラムを組めば、現状を打破できることを一般の労働者にも思い起こさせる機会になったのではないか」と肯定的にみる。

 「リストラどころか、会社自体が譲渡されるM&A(企業の合併・買収)が多い時代。社会全体に『強い者には巻かれよう』という意識が強まっている。そんな中、選手会が実際にストを打った意義は大きい。世間一般にはストを否定的に考える意識が強く、プロ野球の経営者たちは選手会に対するバッシングが起きることを期待していた。だが、現実は逆。ストに対するイメージを回復させた」

 東京大学の高橋哲哉教授(哲学)は「欧米諸国ではストは有効な闘争手段として機能しているのに、日本は最初からあきらめムードが先に立つ。選手会のストが短期間で成果を収めた経緯は、目標を失っている労働運動にとっても参考になるのでは」と指摘する。

■「解雇の恐怖で飼いならされ」

 しかし、高橋氏は同時に今回の選手会ストは例外であり、一般的な波及効果は期待できないとみる。

 「フランスでは日本と同じように国立大学法人化が打ち出されたが、教員ストなどで撤回された。だが、フランスのような成功は日本では考えられない。教員に限らず、労働者がリストラに対する恐怖心で飼いならされているからだ」

 学習院大学の篠沢秀夫名誉教授(仏文学)も「選手会のストはプロ野球存続のために年俸減ものむ、という大義名分があった。しかし、業界ごとの利害で動いている労働団体には世間に通じる大義がない。むしろ、こうした大義が打ち出されたことで、かえってストを打ちにくくなったのではないか」と否定的だ。

 「一般の労組の闘い方に適用できない」という点では東京都立大の宮台真司助教授(社会学)も同じだ。

 「今回のストは企業側に余裕があり、選手を解雇すると、経営者側も試合ができないという関係の中で成立した。ところが、現在の社会では強引に組合がストを打てば、企業が倒産してしまうケースが大半だ」

 とはいえ「閉塞感に覆われた社会に勇気を与えた。社会を変えていく契機になりうるだろう」と元衆院議員の野中広務氏は積極的に評価する。

■球界取り巻く権益浮き彫り

 前出の宮台氏も「不透明なシステムに風穴を開けようとした選手会の活動は、球界が政治家、官僚などあらゆる権益集団が取り仕切る日本社会の縮図であることを浮き彫りにした」と前置きして、こう期待した。

 「人々はやじ馬であれ、社会の縮図のドラマを見た。この“学習”が社会改革につながっていけば」

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