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歴史的古文書(笑) ワープロソフト「松」開発秘話 
http://www.asyura2.com/0406/it06/msg/132.html
投稿者 バルタン星人 日時 2004 年 8 月 21 日 16:12:42:akCNZ5gcyRMTo
 

(回答先: 技術再発見――松:事実上最初のパソコン用日本語ワープロソフト【IT_Pro記事】本でパッケージの写真だけは見たことがある 投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 8 月 20 日 10:21:49)

「事実上最初の日本語ワープロソフト」とありますが、その前に管理工学研究所
から、その名も『日本語ワードプロセッサー』(社内コード「竹」)というソフト
が出ていましたね。
当時UNIXプラットホームではWnn(うんぬ)とかSONYのNEWSに乗っていたsj3とかの
IMはあったと思いますが、LaTEXの様なマークアップ言語による文書整形ソフトが主流
だったと思います。(オムロンのdp-NOTEが出るのはその後か?)

当時の記憶だと『松』が『一太郎』に負けたのは「コピープロテクト」の有無に
つきるんじゃないかと思いますよ。当時はフロッピーベースでソフトを動かして
いたんですが、「松」はユーザーレベルではバックアップがとれない。
フロッピーが壊れたら「交換に新しいFDを送ってもらう」という今では信じられない
使用許諾条件でしたね。
それに対して「一太郎」は事実上コピーフリーで値段も安いのだから敵うわけが無い。
あと後発だけに
1)ワープロ本体とIM(当時は「フロントエンド・プロセッサー」FEPとか言っていた)
  であるATOKを分離した。
2)「松」の文書ファイルがバイナリだったのに対して、バルタン.jxwというテキスト
  ファイルとバルタン.ctlというようなコントロール.ファイルになっていた。

つまり「一太郎」のない環境でもテキスト・ファイルとして使い回しが可能な「オープン」
な仕様だったわけです。当時はエディタ(Mifes)で10個ぐらいのテキストを同時に開いて
切ったり張ったりして文書を書いて出来たテキストファイルを「一太郎」に流し込んで整形
して(文字飾り等)印刷してましたから、「松」が如何に高速でもエディタには逆立ちして
もかないませんでしたね。

あとMS-wordに押されて昔日の勢いは無いけどジャストシステムは浮川ご夫妻の二人三脚
があれだけの大会社になった。やっぱ心情的に肩入れしたいというのもあったかもしれません。

当時管理工学研究所(K3)で開発をやっていたのが中村正三郎氏なんですが
http://www.asahi-net.or.jp/~ki4s-nkmr/#info

当時のK3と「松」を取り巻く状況については以下参照
(っていまどきこんなもの誰も読まないか(苦笑))
-----------------------------------------------------------
「歴史的和解の顛末」中村正三郎  「The BASIC] 1988年4月号

ぼくは、管理工学研究所(こんな長い名前で字数を稼ぐのは忍びないので、以
後はK3と略記します。KKKでもいいんですが、あのKKKと問違えられるかも
しれませんので、K3でいきます)でプログラマをやっています。
本誌「TheBASlC」とK3は、パソコン界の歌丸、小円遊であるという説もあ
って、世問では仲が悪いと思われているようです。ぼくはこの雑誌に好感を持っ
ています(だから引受けたのだ)が、読者の中には、なぜあのK3の奴がここに
書くようになったのか、不思議に思うかもしれません。手始めに、ぼくがここに
書くに至った背景を紹介しましょう。

ことの発端は日経MIX、こうとしか言いようがありません。日経MIXは流行
りのパソコン通信のひとつですが、以前ここに日本語ワープロの議論をするword
会議があって、いくつかの製品ごとに分科会があり、word/mamという松の分科
会もあったのです。始めは他の分科会と同様、大人のネットと呼ばれるMIXにふ
さわしい落着いた雰囲気の会議でした。ところが、ローマ字入力かかな入力か、
勾読点は「、」「。」「、」「。」をどう使い分けるのが正しいか、など周期的
にやってくる渡り鳥のような話題がやってきてからは、この分科会は異常な進化
をとげ、MIXの裏街道を疾走する会議になってしまいました。
この沸騰状態になった会議に本誌編集部のKさん、Mさんが書込みを始めたの
が、本誌とK3のファーストコンタクトでありました。SFにおいてもファースト
コンタクトものは1ジャンルを形成するほど面白いもので、我々のファーストコ
ンタクトも例外ではなかったのです。特に、word/matulOO番にKさんが書い
た、「ユーザに自由を!」と題するメッセージは、100番というジャストナンバ
ー(MIXではジャストナンバーを取るごとに異常な執念を燃やしている人が日夜
略闘を続けています)にふさわしい立派な青年の主張で、これこそ新松の開発に
一役買った歴史的記念碑です。褒めすぎたな。

当時、新松はすでに基本的な編集ができるくらいには育っていましたが、この
メッセージによって、キーの割当てをユーザに開放する決心がついたのです。
彼は、おれの指はWordStarになっているのだ、エディタは謙虚でキー割当てだ
ってユーザができるのに、ワープロってなんて傲慢で愚鈍なんだ、と主張しまし
た。同感でした、体がWordStarの奴、EMACSになってる奴、MIFES命の奴、開
発者にもそんな連中がいたのです。
以前からキー割当てくらい、ユーザができたっていいよな、と思ってはいたの
ですが、そこがそれ、パッケージソフトのプログラマのつらさ、自分がやりたい
ことやってりゃいいってもんでもなし、サポートのことを考えると躊躇していた
のです。
ユーザ「おたくのワープロね。ファンクションキーの5番押したの。そしたら
    いきなり終了しちゃったんだけど、どうなってんの」
K3「ははあ。終了しましたか」
ユーザ「そ、終了しちゃったの。いきなり」
K3「はあ、いきなりねえ。はあ。すみませんが、その5番って何ですか」
ユーザ「辞書って書いてあるけど、辞書じゃないみたいね、どうも」
K3「ほほお、じゃあ、誰かがいたずらして、辞書を押すと終了するように設定して
  るんでしょうね、きっと」
ユーザ「う一ん、昨日買ってきて、友達がこれで大丈夫って設定してくれたんだ
けど。そうか、あいつが、おれをハメたんだな、あのヤロー」
貴重な友人をなくす事態すら考えられたのです。
やっていいんだな、ほんとにやっていいんだな。
ついにプログラマは膝を打ち、清水の舞台から飛び降りる決心をしたのです。

プログラマは何かやりたくてうずうずしている時があります。たいてい仕事と
はほとんど関係なく、今度作る時は、あそこにこっそり秘密の機能を入れてしま
おうとか、俗にいうハックバリュー(hackvalue;本筋の機能とはあまり関係ない
けど、動かすと、こいつ、おもしれえじゃん、とニヤリとするものです)を付加
しようと虎視眈眈と狙っている、そんな時があります。
トリガーを引くのは、その時です。プログラマは、飛び降ります。
一旦飛び降りれば、あとはもうなるようにしかならない雪崩状態。新松はわず
か数日後に、キー割当てを変更できるようになり、画面の色からなんだかんだの
神田明神で、数百項目も変更できるようになり、ついには売り文句にまでなって
しまったわけです。
もののはずみと青年の主張は恐ろしい。今月の教訓です。

これ以外にも、MIXからは多くの意見を取り入れました。もちろんユーザから
頂戴したお手紙からの意見も反映させたつもりですが、何しろパソコン通信は反
応がダイレクトです。いまや手紙だと、飛脚に「小田原までやってくんな」と頼
んでるようなもので、しかも返事を書いた人にしか伝わらないのですが、パソコ
ン通信だと見ているみんなに伝わります。
「あ、それはバグです。サポートに連絡してください」というのを1回書けば
いいので、雑事に追われることなく本来の仕事に専念できて実に快適です。
というのは全く嘘です。ハマります。すでにK3のプログラマの何人かはハマ
ってしまい、ろくに仕事をしません。わしじゃ、わし。
K3でいうところのMIX廃人になってますが、会社もまだ大目にみてくれてい
るので、勤務時問中にも、あのメッセージにはどう答えようかとか、このギャグ
。よ使えるなとか、そんなことを考えながら西麻布の夜は更けていきます。

--中略--


歴史的和解の背景を少し説明しよう。
当時盛んだったソフトのコピーとブロテクトの話になる。ソフトは簡単にコピー
できる。作っているソフトハウスはたまらない。そこでコピーできないようにプロ
テクトをかける。そのプロテクトを破ってコピーするためのコピーツールが出回る
といった具合で、パソコン業界は大騒ぎだった。ハードメーカはコピーが出回れ
ば。ハードの拡販につながるので内心は大喜びであり、黙認を決め込んでいた。ハ
ードメーカが真剣にコピー問題を考えたことは一度もない。ソフトハウスは危機感
を持っていた。
そんな中で。本誌ザベは、プロテクト反対論やプロテクト破りの方法が充満して
いる雑誌だった。私には、反対論の多くが、単にコピーしてタダでソフトを手に入
れたい、さもしい連中の言い訳めいたものにみえたが、ともかくザベはここに金
脈を見つけて部数を伸ばした。ユーザの自由を守るという建前で、コピーツールの
広告を大々的に載せ、コピーユーザに訴えて雑誌として軌道に乗った。私にはこう
思えたのだ。
一方K3は、プロテクト賛成論の代表的ソフトハウスだった。他のソフトハウス
はこういうユーザを刺激するような発言は決してしない。商売人として抜け目がな
いし、狡猜だからである。この点、K3の経営感覚は学者だ。
K3の主張で一番ユーザの神経を逆なでしたのは、当時あったソフト情報という
に載った公開質問に答えたものだ。ある人が、「K3のソフトの販売法はおか
しい。プロテクトをかけているのにバックアップソフトがついていない。ソフト
は、ミスなどでいつ壊れるかもしれないのに、もう1枚バックアップ用にシステム
フロッピーをつけないとは、これでは怖くて業務に使えない。ソフトが動かなくな
った間、業務が止まってしまう。こんな販売法は間違いだ」と主張した、これに対
する反論が大反響を巻き起こしたのだ。
K3の反論はこうだ。「ソフトは壊れやすく、壊れたらその間業務が停止する。
だからバックアップをというが、ハードは大丈夫なのか。ソフトだけバックアップ
をつけろという主張は片手落ちではないか。ソフト軽視ではないか。ほんとに大事
な業務なら、ハードもバックアップ機器をもう1セット用意して運用するものだ。
それほど大事な業務であればソフトをもう1本買うことをなぜ惜しむのか。さらに
は、業務が停滞するというが、こちらからは直ちに代替品を送る体制がある。それ
ではなぜダメなのか。ハードが壊れたときと同等の保守体制を敷いても、なぜソフ
トだけは、こういう要求をされるのかわからない」
これ出しちゃうと嫌われ者になるのは目に見えていて、みんなやだなあと恩った
が、当時この問題について正面きって話をするソフトハウスは、ひとつもなかった
から、出したら面白いということになって、出てしまった。もう「ユーザの敵、悪
魔」としてめちゃくちゃ叩かれましたね。他のソフトハウスがニヤニヤしてるのが
見えるようだった。「泣く子と地頭には勝てないんだよ。おれたちみたいにうまく
立ち回ってればよかったのに」ってね。

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