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天木直人・マスメディアの裏を読む─8月18日、19日 日本の国連常任理事国入りをめぐる日本の迷走 他
http://www.asyura2.com/0406/senkyo5/msg/254.html
投稿者 天木ファン 日時 2004 年 8 月 19 日 19:40:44:2nLReFHhGZ7P6
 

8月18日 日本の国連常任理事国入りをめぐる日本の迷走/夏休みを理由に面会に応じなかった小泉首相

   日本の国連常任理事国入りをめぐる日本の迷走

 久し振りにスカッとする記事に出くわした。
18日付の毎日新聞の「記者の目」という署名記事で吉冨裕倫という若い記者が
「・・・日本が本当に常任理事国になりたいのなら、米国の支持をあてにするのではなく、
国連改革を求める国々との連携を重視すべき・・・」と主張している。
まったくその通りである。そしてその通りであるからこそ日本は常任理事国には決してなれないのである。
そんな当たり前のことを知っていながら外務官僚は他に世間受けする仕事が見つからないので
またぞろ常任理事国入りにむけてパフォーマンス外交を再開しようとしている。
もうすぐ首になることがわかっている川口外相は自分の最大の成果である外務省の機構改革の目玉として
常任理事国入りにむけて大使を任命し対策本部を作ったと自慢している。
外交を玩具にしてきた小泉首相は長い夏休みが終わればいそいそと外遊し立ち寄り先のニューヨークで
国連総会に出席し常任理事国入りを訴える演説を行うと言う。
なんというピンとはずれな外交である事か。壮大な税金の無駄遣いであることか。

吉富記者は自らの取材に基づいていくつかの重要なポイントをついている。
日本が常任理事国になろうとすれば他の国もなりたがる。ただでさえメンバーを増やしたくない米国にとって現状維持が一番いいのだ。
さらに米国にとってドイツを無視して日本だけを常任理事国にする選択肢は無いがドイツが
イラク戦争に反対したことでドイツの常任理事国入りは遠のき日本の加入も遠のいたのだ。
面白かったのは引用されている国連NGO代表の次の言葉である。
 「・・・米国は常任理事国になりたいなら日本は我々に反対しないほうがいいと言うだろうが、
その一方で米国の本音が安保理改革に反対なのは皆知っている。日本政府と国民は馬鹿にされているのだ。
目の前にニンジンをつるされて・・・」

 まったくその通りなのである。
若い新聞記者でさえこれだけ実態を掴んでいるのである。そんな中で今更ながらに外務省は省を挙げて、
国をあげて常任理事国入りを目指そうとしている。
在日米軍の見直しとか拉致被害者の救出とかもっと緊急にやるべきことがあろうが!


  夏休みを理由に面会に応じなかった小泉首相

 いくつかの新聞が小さく報じているだけだったが、米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落した事件で
稲嶺沖縄知事が小泉首相との会談を申し入れたにもかかわらず夏休みを理由に断ったという。
これが本当ならば大問題である。いったいこの男は国政と言うものをなんと考えているのであろうか。
その一方で自らのパフォーマンスについては頼まれもしないのにメデアに登場する。
オリンピックで日本選手が金メダルをとったといってわざわざ国際電話に呼び出して祝意を述べる姿を映し出す。
歌舞伎を鑑賞したからといって聞かれもしないのに「よかっただろう、いつ見ても泣かされるねえ」と赤穂浪士の一幕を、
ぴんときていない若い記者に話しかける。

今日本の総理が涙すべきは別のところにある。
ここまで沖縄住民の生活が危険にさらされているというのに責任追及どころか
事実関係の究明さえもさせてもらえない日米関係の現状に対する怒と悔しさの涙こそあなたは国民の前で見せるべきだ。
たとえそれがパフォーマンスであったとしても。


8月19日 見落とせない出来事
8月19日

 連日のオリンピックのニュースの氾濫と夏休みのためにロクなニュースが報じられない毎日であるが、世の中の動きをよく観察すると見落とせない出来事があまりにも多いことにきづく。今日のメデアを読むでは、趣向を変えて私の所感を一行コメントで連射してみる。

【中東支配】
 イスラエルが武器や国防システムの輸出拡大に力を入れ始めていると報道された。パレスチナとの衝突激化で大幅に拡大した国防負担をまかなう為という。そのイスラエルは国際的非難を無視してパレスチナ自治区のヨルダン西岸にユダヤ人入植を継続し17日にも新たに千戸以上の住宅建設の公示を行っている。パレスチナ指導者の殺害も連日行われている。ついには混乱のイラクまで手をのばし米国と協力してイラクの軍隊にテロ組織との戦いの訓練まで始めた。アメリカとイスラエルの中東支配はとどまるところをしらない。これでは平和はこない。

【外交と外遊】
 米国国防次官のボルトンは17日ワシントン市内で開かれたセミナーでイランの核開発問題について国連安保理付託を要求し、今後のイランの動向次第では軍事行動に踏み切る可能性があることを明らかにしたと報道されている。そんなボルトン次官の発言も知らずに、日歯連疑惑で政治家として終わりになった橋本龍太郎がイランに外遊しイラン高官にイランと石油開発に対する日本の方針は変わらないとリップサービスをしている。北朝鮮の核の解除についての米国の立場も固い。それにもかかわらず金正日と仲良くして国交正常化を急ぎジェンキンス問題で米国に借りをつくる小泉純一郎の外交センス。外務官僚は政治家に何を助言しているのか。それとも馬鹿な政治家のいいなりになっているのか。

【外務大臣】
 川口外務大臣ほど外務省の存在の無さを証明した大臣はいなかったであろう。その川口大臣が9月末の内閣改造でお払い箱になる前に外遊しまくっている。8月25日から9月2日まで中央アジア四カ国とモンゴルを訪問するという。その後はニューヨークの国連総会に出席するという。彼女は一体二年半もどんな外交をやったのか。テレビに出ても政策は何も語らずいつも言い訳に終始している。この間もサッカー・アジア杯での中国人観客の反日言動で自分の管轄下にある日本大使館の公使の車が破損させられるという深刻な事態が生じたにもかかわらず他人事のように淡々と語った。それを見てそのあまりの平然さにキャスターが思わず「川口さん、怒りというのはないのですか」と問い詰めていた。あらゆるやっかいな外交問題に直面するととにかく過小に、穏便に、何も問題は無いごとく振舞ってきた川口外相を外務官僚は扱いやすかったと喜んでいるのだから開いた口がふさがらないのである。

【豪州外相】
 どこの国でもやることは同じなのか。よせばいいのに豪州のダウナー外相は北朝鮮を訪問して核放棄に対する米国提案を呑むように説得してあっさり断られたという。あたりまえだろう。六カ国協議という北朝鮮にもっとも影響力のある主要国がよってたかって北朝鮮に圧力をかけても話は簡単に進まないのに何の影響力も無い豪州の外相が説得できるはずがない。豪州と言う国は私も勤務したことがある。いい国、いい人たちであるが何しろ自分たちの国際社会における存在感があまりにも小さい事を気にするあまり余計なおせっかいをする国なのである。欧米からもアジアからも相手にされない寂しさを宿命的に感じる国らしい。もっと自信をもてばよいのである。自然や環境に恵まれている。それにあんなに人口が少なくて遠い国を誰が攻めようとするのか。独自路線を貫けばいいのである。いい格好をする必要はまったくない。それにもかかわらずハワード首相はブッシュ大統領に擦り寄ってイラク戦争に小泉首相以上に擦り寄っている。そのうちまちがいなく国民に見捨てられるであろう。

【沖縄の事故顛末】
 米軍ヘリコプターの墜落事故をめぐる日本政府の対応に国民の不満は募る一方である。まず日本政府の対応が真面目さを欠いている。沖縄知事や宜野湾市長の緊急の面会要請にもかかわらず小泉首相は夏休みを理由に面会を拒み続けているという。報道によれば小泉首相は事故の当日、六本木ヒルズを散策し映画を鑑賞している。翌日は終日アテネ五輪をテレビ観戦、15日には金メダル獲得選手にわざわざ電話で祝福するパフォーマンス。16日は歌舞伎を見物する余裕を見せ記者団に「いつみても泣かされるねえ」と感想をのべてみせた。住民からは小泉首相は現場を見に来るべきだという不満がたかまっているという。
親分がこの調子だから部下は右へ倣えである。外務省の沖縄大使も沖縄関係者の申し入れに出て来ない。部下に対応させて逃げている。沖縄大使の仕事はこういうときの対応しか役目は無いのにである。外務本省での対応も担当官に任せるのみである。考えられない不誠実さである。
笑わせられたのは在日米軍海兵隊司令官の発言である。民主党の国会議員らが民間所有地にもかかわらず県警の立ち入りができないことにつき「日本をイラクと同様に考えてもらっては困る」と抗議したところジェームズ・フロック准将は
「沖縄県警には共同捜査を申し入れたが人手が無いので海兵隊でやってほしいといわれた」と述べたことである。
これに対して県警は憤慨し
「肝心の現場の捜査に関してはまったく応じず周辺の道路規制などの警戒を手伝えという馬鹿にした申し入れだから断った」と述べているらしい。
どこまでも日本はなめられているのであるが、それを日本の首相が容認しているのであるから国民は救われないのである。

【情報公開と文書整理】
19日の朝日新聞の社説に「歴史を眠らせるな」という意見が載っていた。よれによれば歴史を検証するに欠かせない公文書を保存し公開するのが国立公文書館の役目であるにもかかわらず、そこに集まる公文書の数が激変していると言うのである。公文書館が独立法人化に衣替えをした01年度からその傾向が顕著であるという。その理由は、以前は公文書館は総理府の機関であったので各省庁と対等の立場で公文書の提出を求められたが、独立法人化になってからは各省庁の力が強くなり各省庁が文書を出さなくなったからだと言う。なんとも情けない話だ。
かつて私が外務省にいた頃、情報公開法が成立すると言うので省内の文書整理をタスクフォースまでつくって行おうと大騒ぎをしたことがあった。まだ使えるファイルをすべて捨てて新しいファイルに統一してみたり、文書の保存期間を変えてみたり、それまで黙認されていた偽文書づくりはもはや個人の責任とするなどイロイロ考えたが結局一番いい方法はできるだけ文書を残すな、後で不都合が起きてもいいからとにかく情報公開を求められた時に困る事のないよう捨てろということだった。今回の記事を読んで当時のことを思い出していた。
「戦後の日本外交を知りたければ米国の国立公文書館を訪ねろ」というのが研究者、ジャーナリストの常識であるという。隠さなければならないほど日本の官僚は自信の無い不誠実な仕事をしてきたということなのである。

【郵政民営化とヤマト】
何の為に郵政民営化なのか。最近の報道をみて郵政民営化に関する記事が出ない日はない。しかしそれはいずれも「小泉改革の本丸」とか「小泉首相と抵抗勢力の最後の戦い」などといった政局がらみの記事ばかりで、何のための改革か、誰の為の改革か、そもそも郵政改革とは何をどうすることなのか、といった本質的なことが殆ど語られていない。肝心の小泉首相自身が質問されて答えられなかったという笑い話さえあるくらいだ。そもそも野党はもとより自民党内部や公明党さえも今郵政民営化を急ぐ理由を見つけられないばかりか、何をどう反対していいかさえわからない。ただでさえ勉強不足なマスコミにわかるはずはなく従ってその記事も本質をついたわかりやすい解説記事は皆無である。そんな中で「ゆうパック」とローソンが提携すると言うニュースが19日の各紙をにぎわせている。これに対し宅急便のヤマトが民業圧迫であると不満を強めている。この騒ぎをどうみるか。今後の展開から目が離せない。
私の解釈は極めて明快である。鳴り物入りで郵政公社の総裁となったまではよかったがなんとか郵政民営化の成果を目に見える形にしなければならないと苦悩する生田総裁と、郵政公社にゴマをすって営業成績をあげようとあせるローソンの新社長の利害が一致したヤマトいじめである。周知のようにヤマトは郵政省の官僚規制と闘って自助努力で業績を伸ばしてきた会社である。その結果コンビにでも宅急便を扱えるように工夫してあっというまに各種コンビニストアでの宅配業務を独占してきた。そこに郵政公社が進出しようとした。ヤマトは「納税義務を果たしている我々と政府から各種優遇措置を受ける郵政公社とでは同じ土俵では戦えない」とローソンがゆうパックと黒猫ヤマトを一緒に扱う事にしたことに反発してローソンから撤退したのだ。
コンビニの最大手のセブンーイレブンは「コンビニで扱いやすいように改善を重ねてきたヤマトの独占契約は当然」とヤマトに好意的な態度を今のところ崩していないが、ローソンと郵政公社の提携の行方次第では他のコンビニでもゆうパックの取り扱いが普及する可能性もある。
これに対してヤマト陣営は「官業批判を続けるだけでは限界がある。郵政公社の低価格攻勢が予想されるがそれに対抗する新商品を出していく」と苦しい戦いに挑む決意を示している。

消費者にとってはコンビニにおいてゆうパックとヤマトが競争して取りよいサービスをより安くうけられるという選択の幅が広がることに賛成である。しかしこの勝負私はどうしてもヤマトを応援したいのである。

郵政公社は本当に民間企業なのか。それにしても生田という男の生き様に私は不快感を持つ。この男、日本郵船の社長時代によくNHKの政治討論番組に出て政治的発言をしていた。その時から政治の世界に色気をみせているなあと思っていた。ないものねだりなのか民間企業の成功者ほど官の世界にあこがれるとみえる。小泉首相は慶応大学卒業生らしいが竹中大臣と同様に生田も慶応卒だ。小泉は慶応大学卒を誇りに思っているのかどうかしらないが同窓を好むようだ。その誼からオファーされた郵政公社総裁というポストに生田はとびついて同業者の民を圧迫する役回りを喜んで演じている。日本郵船の社長でやめておけばよかったのに、こんな仕事はお前でなくても誰でも出来るのに、七十歳近くに見なってまだ権限と名声に未練があるのかとつくづく嫌になる。

http://homepage3.nifty.com/amaki/pages/ns.htm

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