【社説】韓国・韓国人の善意に背を向けるな

韓国軍の撤退を求め、カナ貿易職員の金鮮一（キム・ソンイル）氏を拉致（らち）したイラクのイスラム武装グループが提示した２４時間が、２２日未明を過ぎた時点で、期限切れとなった。金氏の状況が確認されず、残念でならないが、不吉な情報が出ていないとのことに、期待感を寄せたい。

韓国は、金氏が無事帰還することを、平和を愛す全世界の市民とともに念願している。韓国政府と関連諸国、各団体が連係し、金氏の早期釈放に向けて倍の努力を注いでくれるよう改めて要請したいところだ。いかなる理由であれ、罪のない民間人を相手にした拉致と殺害は許されない。それは、卑劣で野蛮な行為であり、イスラムの大義にもかなわない。

イスラムは、平和の宗教だ。他人の命を非常に大事にする。こうした平和的なイスラムを信奉しているイラクの人々が、拉致とテロ行為を行う犯人らを容認するわけがない。たとえ韓国がイラクに派兵しているものの、それは戦闘やイラク人を脅かすためのものではない。イラク復興を支援し、イラク人を助けるための派兵である。こうした事実はすでにイラクで活動している徐煕・済馬（ソヒ・チェマ）部隊を通じて立証付けられている。

そのため、多くのイラク人は、韓国軍の平和活動に共感し、感謝の意を示している。韓国の追加派兵も、やはり復興と平和活動のためのものだ。金氏を拉致した武装グループは、こうした事実を明確に認識してほしい。大半の韓国人は、イラク人を友として受け止めている。韓国は、遠くない過去に植民支配時代を経験しており、独立直後にも混乱と戦争を経ていて、イラク人の心情と傷付けられたプライドを、誰よりも深く理解しているからだ。

イラクに自由の独立政府が設けられ、活気に満ちた国家再建が実現するのを、多くの韓国人は願っている。韓国の過去の経験は、こうした自由イラクの建設にプラスになり得る。韓国とイラク、韓国とイスラムの美しい縁は、今後も続けて発展していかなければならない。両国関係の発展のためにも、金氏は即時釈放されるべきだ。イラクに対する韓国と韓国人の善意に、背を向けてはならない。イラクの繁栄と和平を心から助けようとしている友好勢力を、「敵」にしてはならないだろう。

2004.06.22 18:48

http://japanese.joins.com/html/2004/0622/20040622184856100.html

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