イラク５都市で同時多発攻撃、死者７０人超す　米軍応戦

　イラク中部と北部の５都市で２４日、米軍や警察署などを狙った自爆テロなど武装勢力による同時多発的な攻撃があった。米軍はイラク警察などと合同で空爆を含めて激しく応戦。イラク保健省などによると、イラク人７０人が死亡、２６８人が負傷した。米兵３人も死亡した。イラク暫定政府発足後、１日の死者としては最大。今月３０日の主権移譲を控え、今後も暫定政府の揺さぶりを狙った攻撃が続発する恐れがある。

　イラクでは、２５日ごろから武装勢力による大攻勢があるとのうわさが広がっている。イラク駐留米軍高官は２４日、記者団に対して「今後数日間、あらゆる攻撃が起こりうる。危険度が極めて高いので、外出はなるべく控えてほしい」と警告した。

　最も激しい攻撃があったのは、北部の都市モスル。警察署５カ所や税関などに対し、自動車爆弾による自爆テロなどの攻撃が相次いだ。中心部では市街戦があり、米軍ヘリコプターが空から反撃した。イラク保健省によると、４４人以上が死亡、けが人は２１６人にのぼった。米兵１人も死亡した。

　バグダッド北東のバクバでは、午前５時半ごろから、小型ロケット砲や自動小銃を持つ武装勢力が警察署やイラク国家警備隊、政府庁舎などを相次いで襲撃。ロイター通信によると、市庁舎など４カ所を占拠した。米軍は武装勢力が立てこもる民家をレーザー誘導爆弾などで空爆。イラク人の市民や警官１３人のほか、米兵２人が死亡した。

　武装勢力はイスラム系過激派組織「タウヒード・ワ・ジハード（統一と聖戦）団」を名乗り、制圧した建物に黒い旗を掲げている。同組織は韓国人男性を殺害したとされ、背後にアルカイダ幹部ザルカウィ氏がいるとされる。

　中部ファルージャでは、武装勢力が早朝から攻撃を始めた。ＡＦＰ通信によると、米軍の攻撃ヘリ１機が撃墜された模様だ。一部の住民が、戦闘を避けて市外へ逃げ始めているという。西方のラマディでも警察署や行政施設、米軍に迫撃砲などが撃ち込まれた。両都市での死者は９人、負傷者は３７人とされる。

　一方、バグダッド南部で正午過ぎ、イラク警察と米軍の検問所が爆弾攻撃を受け、イラクの治安要員４人が死亡した。

(06/24 20:28)

http://www.asahi.com/international/update/0624/010.html

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