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八木啓代ウェブサイト「MONOLOGUE」5月22〜29日分より
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投稿者 あややの夏 日時 2004 年 5 月 30 日 08:14:10:GkI4VuUIXLRAw
 

八木啓代ウェブサイト「MONOLOGUE」5月22〜29日分より


http://www.nobuyoyagi.jp/japanese.htm

(5月29日 記)
 イラクで日本人ジャーナリスト2名が死亡。
 例の人質バッシングを知って、橋田氏は自分が死んでも、政府に助けを求めるな、本望でしたと言えと夫人に言っておられたという。そして、夫人も、微笑みさえ見せて、そのとおりにおっしゃっていた。
 たしかに、戦場ジャーナリストの配偶者なり恋人を持つということは、そういう覚悟を持つということだ。その点で間違いはない。
 しかし、その点をあまりに強調した報道と、またもや官邸からの自己責任だから云々という言葉を耳にすると、なんだか戦時中の軍国の母を思い出してしまう。
 サマワ派遣の自衛隊員に死者や重傷の怪我人が出たら、家族はにっこり微笑んで「覚悟していたことですから」というのだろう。言うまでもなく、号泣して小泉首相を責めたりすれば、待っているのはヒステリックなまでのバッシングと嫌がらせなのだから。

(5月28日 記)
 あの北朝鮮訪問で、小泉首相の支持率が上がったという。米国ですら、ブッシュ大統領の支持率はかつてなく下落しているというのに。
 それどころか、今度は、拉致被害者家族にも嫌がらせだそうだ。
 なんとまあ、とんでもない国になったのだろうか、この国は。

 この状況で、小泉首相を支持し、人質家族や拉致被害者家族に嫌がらせを行う人々というのは(実際に行動に移さなかったとしても、心情的に、こういう人たちに共感した人々も含め)、おそらく、強い日本が大好きで、日本国民は優秀であると信じ、世界最強国であるアメリカと日本は同格なのだから、ブッシュと電話で話せる小泉氏はすばらしいし、北朝鮮・韓国・中国・その他アジアを蔑視することで、優越感を保つのだろう。
 小泉氏の言葉は、きわめて簡潔明瞭だ。ほとんど感情的かつ直線的な、好き嫌い。だから、誰にでも彼の意見はよくわかる。国際情勢や外交、そのさらに奥にある、違う文化や歴史への理解のうえに立った判断といった複雑なものは、そこに存在しない。現実の世界はきわめて複雑で錯綜した微妙な色合いの綾織りのようなものであるという認識はそもそもない。それを理解するためには、それなりの努力が必要で、それはとても面倒な作業だからだ。
 わからないものは、すべからく「間違っている」か「劣っている」、あるいはもっと直線的に「嫌い」で、すませることができれば、なんの努力も知性も必要ではない。
 そういう意味で、彼はブッシュ大統領と極めて似ていて、だから、親近感を持つのはよくわかる。
 そこにあるのは、おそろしいほどの想像力の欠如だ。
 そういった人々には、直線的にだけ物事を伝え、好き嫌いで発言する小泉首相はとてもわかりやすく、彼の言葉は心地よいのだろう。彼は単に幼児的であるというだけのことなのだが。
 しかし、どっぷりと平和ボケで、TVのバラエティー番組やアニメが生活の主体になっている人たちには、その短絡的な幼児性がとてつもなく快いというのも、またわかるような気がする。
 平和ボケといわれようとなんと言おうと、いまだ日本は豊かであり、手を伸ばせばヴィトンの財布だって手が届く。いったい、これのどこが悪いのだ。
 そういう大多数の声が、小泉首相の後ろにいるのだ。そして、彼もそれを知っている。
 ローマもスペイン帝国も大英帝国ですら、永久に繁栄しなかったように、いつか、衰退の時期が来たときに、日本はどうするのかを考えている人たち、あるいは、その来るべき衰退を少しでも回避または遅らせるために、いま努力している人たちの存在は、彼らの目には入らない。

(5月24日 記)
 年金問題をうやむやにするべく出かけていった北朝鮮。
 じつに頭のいいカードの使い方だと、小泉首相は内心得意だったに違いないが、結果のところは、交渉力のなさを露呈しただけだった。さすが、世界のカモ日本ですね。
 これだけブッシュの子分として、尻尾を振っているのに、ジェンキンズ氏問題ひとつ片づけられないというのには、情けなさを通り越して、失笑してしまう。

 以前にも書いたように、私は北朝鮮との国交回復を視野に入れた交渉と拉致問題に関する交渉は、別に考えるべきと考えている。拉致問題が小さなことではないのは確かだが、だとしても、そのことに引きずられて、もっと大きなことが論議されなくなるのだとすればそれはもっと問題だ。
 しかし、そういう大きな視野に立っての訪朝交渉にしては、タイミングが中途半端すぎる(選挙狙いと年金問題隠し見え見え)。これでは、相手に足元も見られても仕方がない。
 どうせ、選挙対策で、目先の点数を稼ぐのだけが目的だったのなら、それはそれでもうちょっと頭を使えばいいのに、それもやらないから、家族の帰国も中途半端というわけだ。

 もちろん、米国はジェンキンズ氏が来日したら、引き渡しを求めるだろう。
 これだけイラクでの虐待問題がマスコミに取り上げられてしまったし、だいたい、脱走後、良心的兵役拒否を宣言した青年が、こともあろうにヒスパニックで、しかも、メヒア=ゴドイ家の人間だったからだ。
 ヒスパニックは、現在、米国で、無視できない勢力を持つ。
 しかも、日本ではほとんど無視されてはいるが、好きか嫌いか真っぷたつに二分されるとしても、ヒスパニック系で、メヒア=ゴドイ家を知らない者はいない。
 一昨日書いたように、単に、ニカラグアの有名なシンガーソングライターというだけではなく、彼の父カルロス・メヒア=ゴドイは、サンディニスタ革命の英雄であり、革命後は国会議員をつとめた。彼の最も有名な作品である『サンディニスタ賛歌』では、「人間性の敵、ヤンキーと戦おう」とまで歌われる。
 つまり、それが時代のせいであったとしても、いやおうなく、カルロス・メヒア=ゴドイは、好意的に言えば、「中米で、米国の後ろ盾のもとで虐殺拷問を繰り返していた独裁政権と戦った英雄」であり、嫌いな人間から見れば「身の毛もよだつ共産主義者(実際は、サンディニズムは共産主義ではないので、単なる無知による事実誤認)」であり、いずれにしても、きわめて「反米」イメージの強い人間だ。ヒスパニックの人間なら、彼の歌の一つや二つとともに、皆それを知っている。
 その息子が、いま良心的兵役拒否者として、注目を集めているのだ。
 この裁判の判決は延期になったが、それはそうだろう。
 無罪にすれば、その泥沼状態だけに、兵役拒否者は続出するだろうし、どんな内部告発が出るかわからない。米国内の反共勢力も黙ってはいないだろう。
 その一方で、有罪にすればしたで、カミロ・メヒア青年が良心的兵役拒否の理由として主張している、イラクでのアブグレイブ刑務所以外での捕虜拷問問題と民間人虐殺問題に、米国内だけではない、全スペイン語圏が注目することになるのだ。
(註:時間差で知ったが、禁固1年の判決が結局、下されたらしい。ただ、支援団体は乗員での関門を求めている)

 そんな時期に、ジェンキンズ氏問題を持ち出されても、米国は、彼を恩赦にはできない。

 だとすれば、日本政府に唯一可能なのは、断固として引き渡しを拒否することだが、実際問題として、これも難しい。そんな法律は日本にはないし、そもそも日本は政治亡命者の受け入れを拒否しているのだ。ひとつの特例は、ドミノ倒しにたくさんの特例を作ってしまうことになる。同じく、本国で訴追され、日本政府が匿っているアルベルト・フジモリにたとえる意見もあったが、この場合、日本政府が盾にしているのは、フジモリがもともと日本国籍所持者であったことと、ペルーと日本との間に犯罪者の引き渡し条約がないことにある。ジェンキンズ氏はそのどちらにも当てはまらないのだ。
(もちろん、強きにへつらい弱気には横柄という、日本政府の本質的なモラルハザードが、この対応の根底にある。断固として引き渡さないと言ってしまえばそれまでだ。金大中事件を起こした軍事政権時代の韓国と違って、米国がCIAを送り込んで、ジェンキンズ氏を実力行使で奪還することはあり得ない)
 それでも方法はあった。日本はイラクの件で、これだけ米国に『貢献』しているのである。今、米国が一番やってほしくないことを切り札にして交渉することで、「もちろん形式上訴追はされるけれど、日本政府は、先に北朝鮮での事情を聞くということにして、なかなか引き渡さない状態で、時効が来るまで時間を稼ぐ」という形で灰色合意できたはずである。もちろん、強いものにへつらうことを外交としか思っていないブッシュのポチに、そのような交渉力はなかったわけだ。(註:ここにひとつ筆者の誤解があった。現段階では、米政府当局は、ジェンキンズ氏の時効を認めない意向だそうだ。しかし、そこをなんとかするのが、外交交渉というものだろう)
 
 いずれにしても、国民の税金を大盤振る舞いしてくれたものです。イラクで日本のイメージを高めてくださった人質からはお金を取ったくせにね。

 ところで、マイケル・ムーアが、カンヌ映画祭パルムドール受賞。
 政治的な受賞だなあ。でも、これで、どれだけフランス人が、ブッシュを嫌っているかがよくわかる。


(5月22日 記)
 先にBBSに書いたのですが、改めて。
『サンディニスタ賛歌』をはじめ、『武装するギター』などの革命歌は言うに及ばず、『ニカラグア・ニカラグィータ』や、ニカラグア初のOTI受賞曲『愛しい君の香のように』などのラブソングやコミックソングなど、なかなか幅広くニカラグアを代表するシンガーソングライター、カルロス・メヒア=ゴドイの息子さんの一人がいま、アメリカで話題になっています。

米軍曹がイラク任務途中に兵役拒否 19日に軍法会議

米陸軍の軍曹としてイラク戦争に動員された中米出身の青年が、戦場の現実に耐えられずに兵役拒否を申し立て、19日から南部ジョージア州で軍法会議にかけられる。米軍施設での虐待も拒否の一因にあげており、任務の途中で公然とイラク戦争に反対を唱えた初めての事例だ。ヒスパニック系移民の若者が良心の葛藤(かっとう)に悩んだすえ選んだ道が、軍の手で裁かれる。
(引用は、asahi.com)

BBCにはもっと詳しい記事があります。
「ぼくは暴力の道具だった。これからは平和の道具になりたい」
という彼の言葉が、写真とともに大きく紹介されています。

 彼は、カルロスとコスタリカ女性マリッツァ・カスティージョさんとの間の子どもで、両親が別れてから、3歳ぐらいで母の母国コスタリカに移住、その後、USAに移住して10年前に正式な移民として米国籍を取得したようです。が、父カルロスと絶縁状態ということではなかったようです。

 良心的兵役拒否は、ベトナム戦争時に有名になった言葉ですが、今回のイラク戦争でも、出ました。

 基本的に私は、親が立派だから子も立派とは考えない人間なのですが、このケースに関しては、蛙の子は蛙、というか、カナリアの子はカナリア、というべきか。

 軍法会議は19日でしたが、はっきりと、アブグレイブ以外の刑務所での「虐待」についても詳細を証言しているということで、再審理になった模様です。上院での喚問の可能性もあるようです。

 とにかく、友人の家族の問題でもあるので、急遽、ニカラグアに連絡してみましたら、父カルロスが公開書簡を送ってくれましたので、ここに翻訳を掲載いたします。(原文はこちら)

 
愛する息子よ

ばかげて恥知らずな戦争に参加し続けることを拒否するという、君の尊厳と勇気ある行為ゆえに、君が裁かれるであろう軍法会議まで、あと数時間だね。

ニカラグア人としての君の心は、いま、平安であることを私は知っている。君の成長を少しづつ見守ってきた君の両親は、君が子どもの頃から、意志の強い子であることをよく知っている。だから、いま、君の人生のもっとも重大な時点で、きみが勇気ある行動に身を委ねたまっすぐで勇敢な精神によって、
この重い試練にさらされていることを疑いはしない。

君の一族は、君を支えるために、かつてなく結束している。そしてまた、何千ものニカラグアの人々が、路上で、家々で、君の問題への連帯の証として小さな蝋燭をともしている。

がんばれ、息子よ。
神と、君の良心的兵役拒否は尊重されるであろうという希望を信じて、君に抱擁を、私と君を応援するすべての人々から。

君の怒りに感謝する。愛しているよ

カルロス・メヒア=ゴドイ

2004年5月18日、マナグア、ニカラグア
アウグスト・セサル・サンディーノの誕生日に

 原文はもっと名文ですが、翻訳のため、そういった部分が割愛されてしまったことはご容赦願います。

http://ch.kitaguni.tv/u/1023/%bb%fe%bb%f6%a1%f5%bc%d2%b2%f1%cc%e4%c2%ea/0000081426.html

(4月9日 記)

イラクで日本人が拘束されました.

期限は3日で, 自衛隊撤退が条件.

(略)

その一方で, 「自衛隊を撤退させるのは, 国際社会の信用に関わる」という識者の論調, なんなんでしょうね. そんなことはありません. むしろ, 撤退させる口実になります. スペインだって, 列車テロを理由に, さっさと撤退表明しているじゃありませんか. これで, スペインの国際社会での信用はなくなったか, というと, そんなことはない. それどころか, そろそろ嫌気がさしているポーランドなども, さっさと同調している有様です.

たとえば, 今回, 人質を取られたのが, ポーランドなりスペインなら, ほんとに, これ幸いと撤退しちゃうでしょうね. だって, そもそも大量破壊兵器が嘘, っていうこと自体で, イラク戦争は間違っているのだし, 米軍の占拠も間違っているし, その米軍の要請を受けた派兵だって, 間違っているのだもの.

「自衛隊を撤退させるのは, 国際社会の信用に関わる」んではなくて, 「米国の機嫌を損ねる」と言い換えるべきでしょう.

しかし, その米国でも, 「イラクのベトナム化」が問題になってきています. このままでは, ブッシュの再選は危ういでしょう. そのブッシュの「忠犬」ぶって, ほめられて嬉しいか, 小泉.

テロに屈しないと偉そうに言うなら, 米国主導のテロ行為にも, 断固としてノーと言えなくてはならなかったのだよ.

(4月10日 記)

テロに屈しない, という, 一見, 正論っぽい論調に同調している人たちがいる.

しかし, はっきり言おう. それは, 根本的に間違っている.

なぜなら, 今のイラクの状況は, 明らかに「戦争状態」だからだ.

その戦争状態のところに, 軍隊である, 迷彩服着た自衛隊を送り込んで, イラクでイラク人を大量に殺している米軍の人員や物資の輸送を手伝っておきながら, 「軍隊じゃなくて人道支援」などというの自体, 国際常識からかけ離れた間抜けな論法なのだ.

戦争の理由であった大量破壊兵器はなかった.

このことを, 日本政府は認めていない. 日本は, 米国と並んで, 大量破壊兵器はどこかにあるはずだと主張し続けている数少ない国である.

すでに, 「戦争終結」とされて以後, 米兵は600人以上死んでいる.

このことも, 日本政府は認めていない. 現在の戦争状態を, むりやり「テロ」とこじつけている, 数少ない国の一つである.

日本は, イラク戦争に参戦しているのである.

その事実から目を背けてはいけないし, これほど重要なことを, 人道支援などという言い換えでうやむやにしてきた日本政府に, 国民はあっさり騙されてちゃいけないのだ.

もっとも, 惨敗といっていい敗戦を, 終戦などと言い換えられて平気な国民なんだから, 騙されやすさと洗脳されやすさは, ぜんぜん直っていないのかもしれないのだけれど.

民間人を人質に取るのは, 卑怯だと怒る論調がある.

笑わせるなと言いたい. そんなことははじめからわかっている.

しかし, その前に, 「ありもしないものをあると主張して, 喧嘩を仕掛けるのは卑怯」だと, 言う方が先だろうし, そういう卑怯なやつの言うままに喧嘩に参加して, しかも, 自衛隊は軍隊ではないなどというむちゃくちゃな屁理屈を, 日本人相手ならともかく, 外国に押しつける方が, よほど卑怯なのだ. こちらが卑怯なことをしておいて, 相手にフェアプレーを求めるのは, 笑止千万だ.

卑怯だの自分は怒っているぞとか言ってる暇があったら, 真面目に考えてもらいたい.

テロに屈しない. と, 小泉首相は主張する.

では, テロとは何か.

ベトナムで最終的に米国は撤退したが, あれは, テロに屈したことにならないのか. (たしかに, 米国は国際的評判を落としたが, あれは, ベトナムから撤退したそのこと自体が問題ではなく, 泥沼化させたあげくの撤退だったからだ)

イラクで最終的に, 泥沼化になって, 結果, 米国で反戦世論が高まるなり, 今後の選挙で民主党が勝利して, 米軍が撤退を決めたとしても, テロに屈しない日本は, 自衛隊最後の一兵となっても, テロに屈さないのだろうか.

「覚悟を決めていっているはず」の民間人が3人殺されても, テロに屈しないはずの国家が, 「もっと覚悟を決めているはずの」自衛隊員の10人や20人殺されたからって, びびって撤退はしないだろうねえ.

もちろん, 小泉首相の言っていることは, そういうことなのだろう.

それとも, 米国が撤退を決めたら, 忠実な子分はあわてて撤退を決めて, それこそ, 世界の物笑いになるのだろうか.

いずれにしても, 今後, 自衛隊は, もう簡単に街には出られない.

これが, たとえ身代金目当ての犯行であったとしても, 同じことである.

イラクで戦争をするために行っているわけではない(ことになっている)自衛隊は, 市街戦になったとしても, 防戦以上のことはできないし, その能力もない. すでに, 人道支援は不可能なのだ.

いままでだって, 莫大な国費を使って, 2ヶ月もいて, 文房具を配るぐらいのことしかやっていないのだ. 同じことをやれば, 民間のNGOのほうが, 1/10以下の経費で, はるかに効率よくやれるだろう. そもそも, 先にバグダッドで活動をしていた民間のNGOの人々は, 「自衛隊派兵は, NGOを危険に陥れる」という理由で反対していたのだ.

いまなら, 「日本は人道支援のつもりで来たが, イラクの現状は, それに適合しない. イラクが, ジュネーブ条約でいう民間人に対する攻撃の禁止すら, 守られないほどの戦争状態である以上, 平和憲法を持つ日本は, きわめて遺憾ではあるが, イラクに一定以上の平和が戻るまでは, 憲法9条の原則に則り, 撤退せざるを得ない」といえば, 国際的にも, 最小限の傷で押さえられる.

(この場合の「国際」とは, もちろん全世界であって, 米国のご機嫌伺い, ということではない)

あまり恥をかかず, 撤退できる最後のチャンスだ.

いずれにしても, 兵法も外交も, ケースバイケースである. 硬直した思考と行動は国を滅ぼす.

また, 交渉というのは, いかなる場合でも, 最も重要なことだ. その交渉を自ら放棄するのは, ハリウッド映画の見過ぎではないかと思われる.  そういうことがわからないことこそが, 平和ボケなのだ.

(4月11日 記)

人質日本人3人の解放が決まったようです.

(略)

しかし, そうなると, これら一連の騒動は, 第一段階の「警告」とみるべきで, 今後, 対自衛隊への戦闘行為が活発化する可能性はありますね.

そして, このような事態が起こった以上, 自衛隊は, NGOが有効に使えば, たくさんのイラク人を助けられるはずの莫大な国費を, 維持費だけで垂れ流しながら, 宿営地から出ずにこもっていることになるでしょう.

ということで, 人質が解放されたあとなら, 日本は, 「テロに屈したことにならず」, すでにイラクは安全地域ではないということを理由に, 撤退できるはずです.

いまが, かっこよく撤退できる最後のチャンスです.

もちろん, 小泉政権はやらないでしょう. いまだに, あの戦争は正しい, 大量破壊兵器はあるはずだ, 抵抗しているのはテロ集団だ, と主張している, ブッシュのもっとも忠実な子分なのですから.

国民としては, せいぜい自衛隊員に被害が出るのを静観し, 次の選挙で共和党が敗北して, 民主党政権が米軍撤退を決めたときになれば, あわてて同調するであろう, 小泉や国際感覚の欠如した「残留論者」に主張してやりましょう. (国際感覚の欠如した人間ほど, 「国際的な評判を落とす」といわれると, あっさり信じてしまうものです)

もちろん, 自衛隊員に死者が出たら, 一人1億の弔慰金が国庫から支出されます. 20人死ねば, 20億, 100人死ねば, 100億です. いうまでもなく, 滞在費用は膨大なものとなるでしょう. その費用は, 現在不況の日本で役立てれば, かなりいろいろなことができる金額です. しかし, それは, 小泉政権のような政権を結果として選んだ日本国民の高いつけということです.

(略)

(4月18日 記)

無能な人間ほど, 自分が何もできなかったときに, 責任を他人に転嫁する.

そして, 愚かな人間ほど, そういう低次元な責任転嫁に簡単に引っかかる.

そして, そういう人間がどうしたか.

江戸末期の攘夷派は大量の殺戮をもたらし, 太平洋戦争末期には, 終戦交渉もできずに広島と長崎原爆投下を招いた.

そういった歴史の教訓から学ぶことを知らない民族とは, どういうものか.

そういうことが本当によくわかった数日間だったとしか言いようがない.

テロリストとの交渉はしないという, 小泉首相のせりふは, まったくもっともだった.

交渉というのは, それなりの情報力と, 分析力と, 機敏な判断力と知性がないとできないものだからだ.

もっとはっきり言おう. 情報力もなく, 分析力もなければ, 状況判断もできないようなバカには, 交渉などできない.

たんなる愚かさから発せられる強硬論ほど, しかし, 現実を見たくない, というか, 現実を把握する能力のない, もっと愚かな連中の耳には快く響く. 一時的に, 自分は強くて, かっこいいという錯覚に浸れるからだ. チンピラやくざが, 弱いものを脅すように.

別にこれは誹謗中傷ではない.

小泉首相は, すでに, はっきりと発言している.

「自衛隊の派遣されるサマワは, 非戦闘地域なので, 危険はない」

「イラクにおいて, 戦闘地域と非戦闘地域の区別など, 自分にできるわけがない」

これが事実であるならば, イラクは, 原則として危険はないはずであって, 政府の退去勧告というのが, そもそも矛盾しているわけだ. そんな退避勧告に, 意味があろうはずがない.

人質になった人々や家族を誹謗中傷する卑劣な人たちというのは, その程度の論理もわからないとみえる.

そして, こういう人たちの常套句. 「みんな, そう思っています」

それはそうだろう. 「みんな, そう言っている」から, 赤信号だって渡れるし, みんなやっていたら, リンチにでも虐殺にでも参加するが, あとになって, 行動を非難されると, 「自分は騙されていた」とかなんとか, 責任逃れをするのだろう. 要するに, 人の尻馬に乗っかって, 池に落ちた犬に石を投げて喜んでいるような, 最低に卑劣で幼児的な人間だからだ.

100歩譲って, 彼らがタダの脳天気なバックパッカーであったとしても, 国家には, 彼らを保護する「義務」があるのだ. それが, 「近代国家主義」の大原則であることすら知らない人が日本の大多数であるという無知には, 愕然とする.

なにより, 人質家族に浴びせられた誹謗中傷のえげつなさと陰湿さだけをもって, はっきりと言える.

あの連中は, まさしく, 日本人のもっとも嫌らしい部分を拡大再生産させた人間のクズである. そして, それゆえに「自称・多数派」なのだ.

人質救出に莫大な金がかかったという政治家がいた.

しかし, はっきりいって, 「なにひとつ効果を上げなかった計画」などは, それこそ, 政府の自己責任なのだよ.

政府のやったことと言えば, 不用意な発言で解放を遅らせた. 要するに足を引っ張っていただけで, 実際に解放に役立ったのは, 「人質自身の経歴」と「官邸前で政府を批判するデモをやった人々の姿」と「イラク聖職者協会の説得」(註1)だったのだ.

そして, 「官邸前で政府を批判するデモをやった人々」にも, 「イラク聖職者協会」の中には誰一人, 人質になった人たちやその家族に「謝ってほしい」「感謝しろ」などという人はいないことは断言できる.

そういうことをいう人間は, 実際には, 「人質救出には何もできないし, やりもしないし, また, その能力もない」ような連中なのだ.

そして, その最低の連中が, でかい顔をしているのが, この国というわけだ.

人質の自己責任論を言い立てる人たちがいたが, では, 訊きたい.

そういう人たちは, すべてのニュースが「大本営発表」であるような国が理想国家だと本気で信じているのだろうか. だとしたら, 本当に救いがない.

それが, 使命感であろうと, 功名心であろうと問題ではない. 危険を賭して, 敢えて「大本営発表ではないニュース」を求めるジャーナリストがいるから, 戦争の惨禍が明らかになり, 国家の犯罪や, 政治家の汚職や, 財界の汚点が白日にさらされ, 断罪されることがあるのではないか.

それが, 愛情であろうと, 自己満足であろうと問題ではない. 危険を賭して, 敢えて, 困っている人々のために何か行動しよう, と考え, 実行する人々がいるからこそ, 世界で多くの人が救われ, しばしば歴史さえも動くのだ.

戦後, まだ日本が貧しかった頃, いったいどれほど日本は, NGOの援助を受けてきたのか, 愚かな人たちは, そのことすらもう忘れている. いや, 恩知らず, というべきだろうか.

そもそも, 彼らが解放された理由の最大の一つのは, まさに, 彼らが, 危険を賭してイラクでボランティア活動を行ってきたことについては, 誘拐組織も, 認めざるを得なかったからだ.

イタリア人の一人が殺されたことは, 誘拐組織が(この点について, 結局, 八木のコメントは当たっていた), べつに単なる脅しや, 一部の間の抜けた「中東情報通」の言っていたように, 金だけを目的に, この事件を起こしたわけではないことを明らかにした.  同じ日本人であったとしても, それが自衛隊員なり, 米国の会社に雇われた人間であれば, 間違いなく殺されていただろう.

そういう意味では, 小泉氏は, 彼らが, 彼らの活動のおかげで無事に帰れ, その結果として, 彼の政治生命に危機が訪れなかったことを認識し, 彼らに感謝するべきなのだ.

むろん, 彼は, それどころか, まったく反対の暴言を吐いた.

いうまでもなく, 簡単な論理すらわからない愚かさのゆえに.

外国であるなら, 戻ってきた3人は, 英雄のような扱いを受けただろう.

いやしくも, 政府の中枢近くにいる人々が, 彼らを非難するようなことはあり得ないだろう.

情けないのが, もっともまっとうな彼らに対するコメントが, パウエル国務長官の発言だったことだ.

(以下引用)

「危険な地に行くときは誰もがそのリスクを負わねばならないが, もし, 誰もが進んでリスクを負おうとしないならば, 我々は決して前進しない. 世界を前進させられない. だから, 私は3人の日本人がよりよい目的のために自ら進んで危険に身をさらしたことをうれしく思う. 日本の方々も, こうした市民がいること, そして, 進んで危険を負っている自衛隊員のことを誇りに思うべきだ.

そして, もし, その危険のせいで, 捕らえられても, 『おまえが危険を選んだのだから, おまえの落ち度だ』などと言うべきではない. そうではなく, 我々は, 捕まった人々を安全に取り戻すことに全力を尽くさなければならない. 彼らについて真摯に配慮しなければならない. 彼らは我々の友人であり, 隣人である. 彼らは, 我々の仲間である市民なのだから」

関連サイトとして, 在米記者で, この言葉を直接聞いた金平茂紀氏のサイトをご紹介する..

彼らはPTSDだという. 彼らの焦燥は, 人質になったことよりも, 日本という国の政府と国民の, 陰湿さと卑劣さのゆえのものだ.

この国は, 病んで, 腐臭を放っている. そして, 腐臭を放っている人間は, それに気づかない. 自分は多数派だと思いこむ卑怯な安心感の中で, 弱いもの虐めに快感を感じ, そして, それを利用する政治家に騙されて, 国を破滅にと追いやってゆくのだ.

(註1) ちなみにイラク聖職者協会の英訳は「the Muslim committee of scholars」で, 直訳すると, イスラム教義研究者委員会とでもするべきものだ. おかしいなと思って調べてみたら, やはりイスラム教には「聖職者」はいなくて, この場合のscholarは「法学者」という日本語定訳がちゃんと存在するのだそうだ. だとすれば「イスラム法学者協会」.

なんで, こういう誤訳がまかり通るのだろう.

さらに, いま話題のシーア派とスンニ派の違いとして, スンニ派では「神の意志とはイスラム法に従うこと」, シーア派では, 「イスラームの内面にひそむ精神的実在に従うこと」だという. (引用は,

http://www2.dokidoki.ne.jp/racket/

より)

問題のイスラム法学者協会はスンニ派だから, だとすると, イスラム法学者協会の「ご意見」が, 人質解放に決定的な意味を持つというのがよくわかるし, 彼らと連絡を取らない日本政府の「ハズしぶり」もよくわかる.

(5月6日 記)

イラクでの捕虜虐待.

ばれて, あわてて釈明.

これって, 「虐待」とかいうレベルではなくて, 立派な「拷問」以外のなにものでもないだろう.

それも, かなり醜悪な.

「女性収容者との性行為」って, それは他でもない「レイプ」だろうが.

CIAが指示していたという時点で, それは, 立派な「組織的犯行」だろうが.

はっきり書けよ.

CIAの支持で, 米軍が組織的に捕虜となったレジスタンスのイラク人に対して, 「凄惨な拷問を加え」, 「レイプ」し, 20人以上を「殺害した」と.

こういう言い換えで, ちょっとでも「罪が軽く」みえるように報道しているのだとしたら, (いや, 「だとしたら」というより, 拷問という単語はじっさい, イラクのフセイン時代を語る報道などでは使われているのだから, 明らかに偽善的な言い換えだ), なんか, ほんとに救いがない.

80年代の中米では, 米軍の後援を受けているニカラグアのコントラや, エルサルバドルの政府軍などのえげつない拷問やレイプや虐殺は有名だった(わりに, もちろん, 大きく報道されなかった).

私は, それらの「捕虜虐待」の被害者に何人も会ったことがあるが, それは凄惨なものだった.

目をえぐられ, 顔を焼かれ, 両手の指を全部切り落とされた人もいた. (もちろんひとりふたりではない). 性的拷問の内容については, とても書けるようなものではない.

はっきりいって, 単なるボランティアとして会っただけの私が, あとで悪夢を見るようなものだった.

救いは, 国際赤十字によって救出・保護された彼らが, 体と精神に残された恐るべき後遺症に向きあって, 前向きに生きようとしていたことだった.

チリやアルゼンチンでは, そこまでえぐくはなかったが, それでも, 軍事政権下での拷問はかなりあった. 外見的にはわからなくても, 度重なる暴行などで内臓器官をやられて, 体がボロボロになり, 釈放後, その後遺症で死ぬケースがかなり多かった. もちろん, 女性へのえげつないレイプも多かった. その結果としての精神障害を抱える人には何人も会ったことがある.

イラクのケースはどちらかというと, こちらに近いのだが.

で, あれも, コントラや政府軍が勝手にやっていたのではなくて, 幾分か(もしかすると, かなりの部分)はCIAの指示だったのだろうね. いま, 思えば.

なんと醜悪なことだろう.

そして, 拷問やレイプを受けた人たちが, どうか, 立ち直ることができるように.

信念と信仰が, その助けになることを願う.

●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

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