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拡大中東『妄想』の危機も(東京新聞)
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投稿者 彗星 日時 2004 年 6 月 11 日 15:57:47:HZN1pv7x5vK0M
 

核心
2004.06.11

拡大中東『妄想』の危機も
米は『自主性尊重』 採択されたが―

 主要国首脳会議(シーアイランド・サミット)で米国は、念願の「拡大中東構想」の採択にこぎつけた。だが、民主化の対象となるアラブ諸国の懐疑はぬぐえず、採択を認めた欧州勢も本音は反対。ブッシュ米政権の性格が強く出た同構想は、挫折の危険をはらんで第一歩を踏み出す。 (サバナ・沢木範久、久原穏)

■アラブの不信ぬぐえず

 拡大中東構想は、二〇〇一年九月以来の「テロとの戦い」の産物だ。

 軍事力だけでテロは根絶できない。独裁や宗教過激派による抑圧と扇動が、不満と暴力というテロの温床をつくり出すような社会に対しては、民主化、経済振興が必要になる−。

 ブッシュ大統領は昨年十一月、訪英時の演説で「地域安定を優先するあまり、抑圧的政権の存続を許してきた」過去の中東政策に決別を宣言。積極的に諸国の民主化を促す「自由の前方展開戦略」を表明した。

 構想はその具体化であり、「自由は神が米国に与えたものでなく、人類への贈り物」が口ぐせの大統領の性格がにじみ出たものだ。

 しかし、ことし二月、当時の「大中東構想」はアラブ紙に漏れ、猛反発を受ける。

 まず、「大中東」の範囲が明快ではなかった。アラブ諸国に加え、アフガニスタンやイラン、パキスタン、モロッコなどが対象とされたが「イスラム原理主義の影響による反米感情以外、共通性のない諸国を一緒にし、米国流の自由・民主主義を押しつける試み」と受け止められた。

 政府だけでなく市民社会との対話も重視するとしたことで、体制転覆への警戒を抱く国もある。

 これに対し、米国は構想の狙いが「自主的改革の支援」にあり「各国の独自性を尊重する」と弁明。正式名称を「拡大中東・北アフリカ地域とのパートナーシップ」として、押しつけ色の払しょくに努めてきた。

 九日、サミット八カ国(G8)と拡大中東首脳の昼食会で、ヨルダンのアブドラ国王は、昼食会への招待を断ったとされるサウジアラビアのアブドラ皇太子からの「わが国もG8の試みを支持する」との伝言を紹介。アラブ側の“軟化”との見方も呼んだ。先月下旬には、アラブ首脳会議が民主化への決意を示す宣言を採択、米国もこれを歓迎している。

 だが、採択の裏には、サミットを前にアラブ側が先手を打って「米国の押しつけでない民主化」を主張した側面もあり、事は単純でない。

■『移民』火種、欧州も異論

 拡大中東構想は、サミットの場で政治宣言を採択したにもかかわらず、大半の欧州勢が異を唱える奇妙な構図となった。

 フランスのシラク大統領は「この地域に民主主義の伝道師は必要ない。開かれた政治が地域に育つのを見守ればいい」と、真っ向から反対する。ブッシュ大統領の盟友ベルルスコーニ伊首相でさえ「計画を押しつけるべきではない」と強調。G8のある外交担当者は「ブッシュの妄想でしかなく、うまくいくはずがない」と言い切る。

 欧州勢が慎重になるのは、地理的にも歴史的にも中東地域と結びつきが深く、構想の失敗による影響は米国と比べようもないからだ。

 フランスは五百万人、ドイツも四百万人前後のアラブ系移民を抱え、移民の同化問題が国の土台を揺さぶっている。移民増加で治安が悪化、それが移民排斥を唱える極右勢力の台頭を招く。中東情勢が一段と不安定になれば、移民・難民がさらに押し寄せ、悪循環がエスカレートする。

 欧州には血で血を洗った異教徒との侵略、戦争の歴史がある。植民地政策の失敗の経験もある。イラク一国を攻撃したイラク戦争と違い、アラブ・イスラム世界全体を敵に回しかねない。

 アラブ人は誇り高い。民主化ドミノといったご都合主義では取り返しのつかないことが起きる。そんな不吉な予感が欧州にブレーキをかけているように見える。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20040611/mng_____kakushin000.shtml

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