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イラクの死者「小川功太郎さん最後のイラク通信」草の根通信転送
http://www.asyura2.com/0406/war57/msg/1105.html
投稿者 木村愛二 日時 2004 年 7 月 27 日 15:00:20:CjMHiEP28ibKM
 

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『亜空間通信』837号(2004/07/27)
【イラクの死者「小川功太郎さん最後のイラク通信」草の根通信転送を望む関係者に応える盆の痛憤】

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 転送、転載、引用、訳出、大歓迎!
 
 夏は「盆」の季節でもある。古代、いや、超古代、原初、大初の昔から、わが先祖たちは、死者を想い、供養を続けてきた。荘厳とは、死者を季節の花で覆うことであった。
 
 昨日(2004/07/26)、阿修羅戦争57掲示板に、以下の投稿があった。
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 明日(27日)で、橋田さんと小川さんがイラクで殺害されてから、2ヶ月が経ちます。心ある人は共に黙祷して下さい。
http://www.asyura2.com/0406/war57/msg/1069.html
投稿者 新世紀人 日時 2004 年 7 月 26 日 12:40:20:uj2zhYZWUUp16
余りに情勢が早く動くので、驚いています。四人の死は残念でなりません。
私達日本人の代表として殺害されたものと思っています。
彼等の死を通して自衛隊が引きずり込まれた(ずる賢い小泉自民党によって)ものと思います。
「貴方達の無念の想いは、必ず晴らす決意で居ります。
今は、安らかに御休みください。
大切なときには、必ずご助力をお願いします。
「国賊許すまじ」これは、残された我等の務めです。
感謝します。
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上記の「四人の死」には、昨年の夏の終わりに「惨殺」された奥さん、井ノ上さんが含まれる。

拙著、緊急出版、『外交官惨殺事件の真相と背景』は、「奥さん、井ノ上さん」の追悼の場として設定された本年、2004年1月30日のワールド・フォーラム例会の配布資料として、昨年12月からの2ヶ月間に仕上げたものである。
 6日前の7月21日には、「小川功太郎さん最後のイラク通信」に関して、雑誌や新聞の掲載よりも、草の根通信としての転送を望むとする関係者の回答を得た。その関係者は、わが亜空間通信の配信を希望してきた。本通信は、その関係者の希望に応えるものである。

以下が、関係者の考え方の要約である。(個人を特定できる字句は避けた)
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 この世の中には様々な情報通信(通達)手段があります。
 雑誌、テレビ、ラジオ、インターネット、広告。
 メールで情報通達することの独自性はなんでしょう?
 私は「即時性」と「双方向性」だとおもいます。メールを転送するという行為の背景に「この人に、この事を知ってほしい」という思いがあります。つまりある意味では「草の根」的な行動ですよね。
 では、雑誌によって情報を発信することの独自性は?「一拠点からの放射状的な発信」、つまり万人が同じ内容を知る。と言うことですよね。なんか小川さんのメールの内容をそもそも転送した私の本意にそぐわないのです。
「Share (シェア)」と「Scoop(スクープ)」の差です。今回のメールを読んで、これを誰かに転送しようとしたときに、先ほど言ったように「この人に、この事を知ってほしい」という気持ちが相手に対して発生しますよね。ここで、情報を共有したい・・つまり「Share (シェア)」の念が発生します。また、この場合情報を発信した人と受け取った人の立場は対等です。
「Scoop(スクープ)」となるとどうでしょう。その関係は情報を「発見」した人と、稀有な情報を受け取った人という立場が発生します。
 これは対等ですか?
 対等ではないですよね。少なくとも情報を「発見」した側にエゴが発生しますよね。これはつまり、情報が発信されるにあたって不必要な付加価値がついてしまっているためです。
 小川さんが現地でなくなる前に書かれたメール。と言うこと事実自体は非常に貴重なものだとおもいます。できるだけ多くの人に知って欲しい。それには私も賛成だったからメールを転送したわけです。 ただ、それに不必要な付加価値つけることは別事だと思います。
 それをせずにみんなが対等な立場でコミュニケーションできる。それがインターネットの意義なのではないでしょうか。
 いずれどこかの雑誌や新聞が小川さんのメールを掲載するでしょう。それは間違いないことだとおもいます。
 ただ、私はそれが将来起こった時に、そもそも私が小川さんのメールをどういう意図で発信したのかを明確にしておきたくて、ここで意見を書いてみました。
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以下は、私が、上記の「小川さんのメール」の転送を受けて、さらに、イラク関係の問題に詳しい某氏に、個人宛に転送した時の返信の抜粋である。
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 これは超ど級の貴重な資料です。インターネットで流すだけではあまりにももったいないと思います。関係者を説得して新聞か週刊誌に掲載されるよう至急手配したらどうですか。(某週刊誌編集者に)連絡すればスクープとして掲載するでしょう。イラク戦争の実態と日本政府の罪が証明されるでしょう。
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 私は、この転送メールの再転送の際、以下の意見を付け加えていた。
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 奥大使も似たような批判的通信を外務省に送っていました。
 CIAがそれを知り、始末したのかもしれません。
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 私は、10年以上も前から、CIAに関する膨大な資料を蓄積し、何度も論じてきた。
 ヴェトナム戦争直後のアメリカでは、市民の電話盗聴、「国民監視」が問題になり、一応は禁止された。
 しかし私は、その後も別の方式で続いていることを、かねてから知っている。
超大型、スーパー・コンピューターの連結による大量情報の処理が、今も、エシェロンのコード・ネームで知られる諜報機関を中心として、行われ続けており、これは、かなり、知られてきた。
 さらに、最近、イラクで、大量の知識人の暗殺がおこなわれているとの、アラブ情報を受け続けていたから、インターネット通信の盗聴による特定個人の監視、抹殺が行われている可能性を、即座に考えたのである。

 以下が、最初の転送メールである。改行、一部の字句訂正以外は、原文をそのままにした。
 
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★★★ 小川功太郎さん 最後のイラク通信 ★★★
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 突然ですが、一通のメールを転送させて頂きます。
 このメールは 先日イラクで亡くなられた叔父・甥の記者の方がいらっしゃいましたが、甥の方の小川功太郎さんは、我息子の友人がNHKで同期でご友人だったそうです。彼のところに送られてきた最後のメールです。
 英雄化するためにこのメールを転送するわけではありませんが、ご自身で見られた方の文章は何かしらの重みがあるような気がします。
 小川功太郎さんが、何を伝えたかったのかを出来るだけ多くの人に伝えることだと思います。
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----- Original Message -----
From: "Ogawa Kotaro"
Sent: Friday, April 30, 2004 3:27 AM
Subject: FROMイラク

 前略。
 皆様、お元気でしょうか。私はイラクにいます。
 バクダッド到着日に新たに2人の日本人が人質になり、その次の日に3人の人質が解放、その2日後に2人も無事解放と人質関係の仕事ばかりしてました。
 その後はサマワに行ったりしたけど(その模様は30日金曜日に報道ステーション」で放送予定)、今は、はっきりいって暇です。
 米軍の報道規制が厳しいのと誘拐の恐れがあるのでバクダッドから動けないのです。同行したジャーナリストの叔父も早々に引き上げ、今は通訳と2人で午前中は難民キャンプなどの取材、午後は読書とチグリス川で釣りをする毎日です。
 大手テレビ局が引き上げたので、何かあったときのためのスタンバイという感じです。
 日本では人質事件以降イラク報道の熱が冷めたように聞いてるけど、本当ですか。イラクは実は今こそ酷いことになってます。
 特にファルージャという町での米軍の蛮行は目に余るものがあります。スナイパーが面白半分に通行人や子供を撃ち殺し、町は手当たり次第に空爆、でも報道規制があまりに厳しいため、こうした現実は町から命がけで逃げ出してきた避難民の証言でしか伝えられません。
> 2週間で1000人近い人が死んでる。
 これはもう戦争というより虐殺です。罪のない無実の人間を殺す、これこそテロ以外に何者でもないと思う。
 今イラクのみならず、アラブ世界全体が「ファルージャを救え」と叫んでいます。すでに10万人近い市民が町を脱出したけど、脱出途中に撃ち殺されたり、無事抜け出せても住むところもなく、バクダッドに急遽できた難民キャンプで不自由な生活を強いられています。イラク全土で憎しみが増幅しています。
 もちろん米兵も沢山死んでいます。
「大本営発表」の倍は死んでる。ここまで死人を出してアメリカが守りたいものが結局「石油」や「復興ビジネス」でしかないのだと思うと、怒りを通り越して虚無感を覚えます。
 人質がバッシングの嵐に遭っているそうですね。
 かわいそうなことだと思います。2回目の2人は地元の人の忠告を無視して危険地帯に突っ込んだので仕方ないにしても、最初の3人を責めるのは可哀想だと思います。
 彼らが通った陸路は我々も3月に通って何の危険もなかったごく一般的なルートでした。何よりもかれらはそれぞれイラクのために役立ちたいと考えて来たのに、まるで罪人あつかい。
 自衛隊の活動に迷惑がかかるというが、自衛隊も外交官もNGOもジャーナリストも各々がイラクの役に立ちたいという共通の願いを持って来ていて、その思いに上下貴賎はないと思うのですが。
 むしろ、自衛隊は守りが堅固で攻撃したくても難しいから民間人が狙われたのです。こんなこと言ったら今の日本ではバッシングの対象ですか。
 個々の自衛隊員には全く罪はないし、とても大変な任務を頑張っていると思うけど、狙われているのは残念ながら事実です。
 ここ20年、日本のNGOもジャーナリストも世界の紛争地で危険にさらされることなく活動してきた。
 第二次大戦以降、日本人がここまで明らかに政治的意志を持って狙われたのは今回が初めてだという事実をもっと真剣に受け止めるべきじゃないのかと思います。
 誘拐は追い詰められたファルージャの人々の「窮鼠猫をかむ」的行動でした。
 でもなぜ日本人かというと、日本がイラク戦争に賛成し、今も軍隊を駐留させているから狙われた、それだけのことです。
 自衛隊が人道援助に来ているというのはサマワの半数ぐらいの人とバクダッドの一にぎりのインテリしか知らないことで、大多数のイラク人は残念ながら「日本はアメリカに味方して軍隊を送っているとしか思っていません。
 それでも、バクダッドなどのイラク人は相変わらず親日的なので、町を歩けば皆笑いかけてくれるし、誘拐事件のことは「卑劣な行為だ」とまるで我が事のように同情してくれます。
 しかし、ファルージャなどの追い詰められた人々はそんな余裕はありません。もちろん、アメリカの占領に対して武力でしか戦わないイラク人にも問題はあります。
 アメリカはイラクの占領政策について「日本のGHQをお手本にする」と言ったそうだけど、日本とイラクでは事情が違いすぎます。
 アラブ人は千年前は自分たちが世界の中心だったという強烈な自負と誇りがあり、決して抵抗を諦めないでしょう。
 それがデモなどの政治運動に繋がればいいのだけど、彼らはそれよりも武力を信頼しています。
 身の回りに武器があふれていて、政治活動という回りくどくて勝ち目のない戦いよりも、操作さえ覚えれば敵を殺せる「武力闘争」のほうがはるかに説得力があって、どうしても惹かれてしまうのです。 日本で言えば戦国時代の思想なんだけど、武器だけは近代的だというのが問題です(それも結局アメリカ製だったりするんだけど)。ここでは「兵器」という名の「思想」がはびこっています。
 それでも結局彼らに勝ち目はないでしょう。兵力に差がありすぎます。
 人質事件が起こった今こそ、日本でもイラク問題に関する根本的な議論が行われてもいいと思うのだけど、バッシングだけで終わってしまうとしたら寂しいことです。
 世界の中で日本がどうあるべきか、ということを考える近年まれに見るよい機会だと思うのですが。 でも、日本にいるとそんなこと考える余裕がないというのも確かだと思います。
 僕自身、働き始めてからはそうした問題はなるべく考えずに避けて通ってたし。仕事に追われ、そのうさを晴らすように腹いっぱいメシ喰って、ポンだチーだと叫んでやり過ごしてた。

 でも、今回ばかりは・・・という気がします。

 前回イラクから帰って心から思ったけど、やっぱり平和というのはいいものです。日本で満開の桜を見て、それを楽しむ人たちを見るだけで涙が出そうでした。有難いことだな、と。できれば世界中の誰もがこの幸せを感じられればと思うのだけど、自分に出来ることといえば、目の前で起こってることをなんとか伝えることと、こうして心ある人にメールを書くことくらいです。

 安全には十分注意を払い、現地大使館とも連絡をとりながら、なるべくおとなしく暮らしています(今の大使は立派な人で、外務省の退避勧告が出てるのに、私ごときの駆け出しジャーナリストを応援してくれます)。いのしし歳なので、ときには理不尽な現場に突撃したい衝動にかられるけど、ぐっとこらえてチグリス川の川面を眺めています。きっといつか役に立てる日が来ると思いながら。

 なんだかわからない何かを知るために。

 少々飲みすぎて感傷的なメールになってしまいました(イスラムの国でも「不良」のためのヤミ酒屋があります)。あと1ヶ月くらいはバクダッドにいる予定です。

また、メールします。再見。
 小川功太郎

5月初旬発売の月刊『現代』に前回ファルージャに行った時のことを書かせてもらいました。

 よかったら読んでください。
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以上。

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電網速報『亜空間通信』(2001.09.01.創刊 2004.07.27.現在、837号発行済)
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