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イラクの“爆薬” クルド問題 (東京新聞)
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投稿者 彗星 日時 2004 年 7 月 21 日 11:47:58:HZN1pv7x5vK0M
 

特報
2004.07.21


イラクの“爆薬” クルド問題

イスラエルが水面下で介入!?

 暫定政府の樹立で安定化へ動き始めたかにみえるイラク情勢だが、実は大きな「爆薬」を抱えている。北部のクルド人問題だ。特にアラブ、イランが警戒するイスラエルとの「共闘」が報じられ、地域にはただならぬ緊張が漂う。イラク情勢は難しく、クルドなんてピンとこない、というのが日本人の平均的な感覚かもしれない。だが、イラク戦争の本質にこの問題は直結しかねない。 (田原拓治)

■『軍と情報機関、居住区で民兵訓練』と米誌 

 一九九一年春。湾岸戦争の終盤、反フセイン政権を掲げて決起したものの、敗走するクルド人たちを取材するため、隣国シリアを訪ねた。その合間、同国のパレスチナ難民に会った。

 「なぜ、クルド人に同情するんだ。彼らはイスラエルとつるんでるんだぜ」

 クルド人には二つのイメージがある。国を持てない不幸な民。日本ではこれが強い。もう一つは「イスラエルと結ぶ裏切り者」。これはアラブで支配的だ。クルド人、イスラエルともアラブ人と対立する位置にあり、この地域では珍しくない「敵の敵は味方」の論理が両者を結び付ける。

 その現実が先月、米誌の報道で再浮上した。アブグレイブ刑務所の虐待報道で注目された米誌「ニューヨーカー」の記事で、筆者も同じユダヤ系米国人のシーモア・ハーシュ記者だ。

 「イスラエルの軍と情報機関はイラク北部のクルド人居住区に潜入、クルド人民兵に訓練を施している。当面の目標は米軍ができない作戦、すなわちイラク全土に潜行し、秘密情報を収集し、反政府勢力の頭目たちを暗殺することだ」

 「クルド地区での拠点化でイラクばかりか(反イスラエルの隣国でクルド人居住区を抱える)シリア、イランにもイスラエルの目と耳は大きく広がった」

 記事には「訓練水準はミスラタヴィム並み」という記述があった。「ミスラタヴィム」とはヘブライ語で「アラブ人になること」。イスラエルに建国前からある秘密特殊部隊の名称でもあり、アラブ人を装い、非公然活動に従事した。

 実は昨年七月、前触れがあった。エジプトの半国営、中東通信(MENA)が「イラク北部アルビルを支配するKDP(クルド民主党、クルド勢力の最大組織)のバルザーニ議長がイスラエルに訓練目的で軍司令官を派遣するよう要請した」と伝えていた。

 真相は公には明らかにならないだろう。当然ながらKDP、イスラエルとも即座にハーシュ記者の報道を否定した。だが、トルコ紙「ビルグン」のメフメット・イソット記者は本紙の問いに「記事は間違いない。トルコ政府も情報をつかんでいた。そもそも、バルザーニ家とユダヤ教聖職者の関係は百年以上に及ぶ」と指摘する。

 トルコは親米、親イスラエル路線だが、クルド人問題は国内最大の懸案。自治権すら認めず、徹底弾圧してきた。イスラエル閣僚が今月上旬、トルコ訪問を計画したが、イソット記者の言葉を裏付けるように同国のエルドアン首相は「スケジュール問題」を理由に会談を異例にも断った。

■内戦の火種周辺国に引火も

 どうして「イスラエル−クルド人」同盟が“火薬庫”になるのだろうか。

 「反イスラエル」を掲げるイラン、シリアは明らかだ。国内のクルド人居住区に自由に出入りされれば、足元をすくわれかねず、みすみす看過できない。

 トルコは前述の通りだ。イラク系クルド人の活性化は自国のクルド勢力を鼓舞しかねない。それゆえ、トルコ政府は米国がイラク戦争開戦前、巨額の経済援助と引き換えに国境付近での米軍部隊の展開などを求めた際も、あえて蹴(け)った。

 何より、イラク国内では内戦機運が高まる。宗派を問わず、アラブ人の大勢は「反イスラエル」。アブグレイブ刑務所にイスラエルからの尋問官がいた、と同刑務所責任者カーピンスキー准将による証言(イスラエルは否定)でその警戒心を強め、親イスラエル右派のネオコン系団体「中東メディア調査研究所(MEMRI)」のバグダッド事務所開設でその念を深めた。

 一方、クルド勢力は三月に制定されたイラク基本法で「連邦制」など自己主張を織り込むことに成功したが、主権移譲にまつわる国連決議一五四六ではこの部分が削られ、不満を膨らましている。国内最大七万五千人もの民兵の能力向上を求める根拠はあるのだ。

■安定めざす米政権と利害対立

 最も困惑するのは米国だろう。十一月の大統領選を前にブッシュ政権はイラクの泥沼から何とかはい出ようとしてきた。だが、内戦の導火線に火が付けば、この間の努力は水泡に帰してしまう。無論、日本の自衛隊など吹き飛びかねない。

 アジア経済研究所の酒井啓子参事は「トルコのクルドまで含めたクルド独立の動きが近々あるとは考えにくい」と前置きしたうえで現状をこう懸念する。

 「イラクには現在、イスラム主義、部族勢力、アラブ民族主義、そしてクルド勢力の四大勢力がある。その勢力バランスが崩れかねない。クルド・イスラエル問題は隠された爆薬だ」

 すでに不審な兆候が出始めている。ことし三月、シリア北部ではクルド人が反政府行動を展開。少なくとも二十五人が死亡し、二千人が拘束された。シリア当局はイスラエルの関与を指摘する。トルコでも最大の反政府勢力、旧PKK(クルド労働者党)が五年ぶりに戦闘再開を宣言した。

■ネオコン戦略不気味に光る

 しかし、もう一つ大きな疑問が浮かぶ。米国を窮地に追い込む動きをイスラエルのシャロン政権が採るだろうか。ここで同政権と緊密なネオコンのシンクタンク「先端政治戦略研究所」が九六年に発表した「完全な断絶」が再び不気味な光を放つ。イラク戦争のシナリオといわれた報告書だ。

 「(イスラエルは中東和平を説く)米国との関係を根底から見直さねばならない。重要なのはイスラエルの『力による和平』という哲学を共有させることだ」

 クルド勢力へのテコ入れも、イスラエル右派が目指す中東における「力による和平」の一環とみれば、不自然ではない。国際政治に詳しい同志社大客員研究員の松永泰行氏はこう語る。

 「クルド地区はイスラエルにとって戦略上、足場として極めて有効だ。ネオコンはイラク戦争で場面ごとの反省はしているが、ブッシュ政権内で淘汰(とうた)されてはいない。『完全な断絶』はいまだ現在進行形だ」

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20040721/mng_____tokuho__000.shtml

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