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広島原爆忌：
平和憲法擁護 ２０２０年目標に核兵器廃絶
平和憲法が揺れる中、被爆の記憶を刻み続けるヒロシマは６日、５９回目の「原爆の日」を迎えた。広島市中区の平和記念公園で催された平和記念式典（原爆死没者慰霊式・平和祈念式）には約４万５０００人が参列。広島市の秋葉忠利市長は平和宣言で、政府に平和憲法の擁護を求めるとともに、米国が小型核兵器の研究を再開したことなどを挙げて、核兵器を巡る世界の現状に危機感を示した。そのうえで、同日から被爆６０年となる来年８月９日（長崎原爆の日）までを「核兵器のない世界を創（つく）るための記憶と行動の一年」にすると宣言。それを足がかりに核兵器廃絶の目標を被爆７５年の２０２０年に設定した。
泥沼化の様相を見せるイラクへ派遣された自衛隊は、議論が尽くされないまま多国籍軍に参加し、それと並行するように改憲論議も進むなど、戦後日本の歩みが大きな曲がり角にきている中で迎えた「８・６」。この状況に対し、秋葉市長は平和宣言で「政府は、世界に誇るべき平和憲法を擁護し、国内外で顕著になりつつある戦争並びに核兵器容認の風潮を匡（ただ）すべきだ」と求めた。
また、このような現状を招いた要因として「私たちの多くは時代に流され惰眠を貪（むさぼ）り、将来を見通すべき理性の眼鏡は曇っている」との認識を示した。
さらに、小型核兵器の研究を再開した米国について、「自己中心主義はその極に達している」と痛烈に批判。暴力と報復の連鎖によって、テロへの依存や北朝鮮などへの核拡散が生じたとした。
被爆６０年を前に、新たな希望の種が必要との考えから、「記憶と行動の一年」を宣言。来年５月にニューヨークで開催されるＮＰＴ（核拡散防止条約）再検討会議で、２０年までの核兵器廃絶を目指した行動プログラムを採択するよう世界の人々とともに求めていくことで、その種は芽吹くとした。
式典は午前８時に始まった。秋葉市長と遺族代表２人が、この１年間に死亡、または死亡が確認された被爆者５１４２人の名簿２冊を原爆慰霊碑下の奉安箱に納めた。１９４５年８月６日以降に亡くなった人を記載した原爆死没者名簿は計８３冊、死没者数は２３万７０６２人に上る。
続いて、小泉純一郎首相、伊藤一長・長崎市長らが献花。原爆投下時刻の午前８時１５分、参列者は「平和の鐘」が鳴り響く中で１分間の黙とうをささげた。核保有国からはロシア、パキスタンの駐日大使が参列した。
広島市立段原小６年、河田早紀さん（１１）と同市立亀山南小６年、百合野光哉君（１１）は「被爆の悲惨さや平和の尊さを語り継ぐことを誓います」と、「平和への誓い」を朗読した。
【牧野宏美】
毎日新聞 2004年8月6日 10時27分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20040806k0000e040020000c.html
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。