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イラク派遣:半年の陸自活動、本格援助望む地元と隔たり (毎日新聞)
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投稿者 彗星 日時 2004 年 8 月 08 日 05:22:27:HZN1pv7x5vK0M
 

イラク派遣:
半年の陸自活動、本格援助望む地元と隔たり

 陸上自衛隊の本隊第1次部隊がテロや砲撃の続く「戦地」イラクに派遣されて半年が経過した。青森市では8日、第3次隊の隊旗授与式が行われる。過酷な気象条件と不安定な治安情勢の下で任務をこなす隊員たち。だが、サマワ市民の本格援助を要望する声は、日増しに大きくなっている。「早く政府としての大規模支援プログラムを明示しないと、地元の要望とのギャップは修復できなくなる」。防衛庁内では焦燥感が強まっている。【滝野隆浩、バグダッド竹之内満】

◇宿営地に引きこもり

 サマワの最高気温は40度を超える日が続く。7月9日には51.2度を記録した。隊員たちは熱中症を避けるため、給水などの支援活動は可能な限り夜間にし、日なたに出る際は冷却シートを額や首筋に張るようにしている。それでも軒並み体重が10キロ以上落ちるという。

 活動は「給水」「医療」「学校・道路などの補修」が3本柱。特に給水は夏季で需要が高まり、7月下旬からは連日200トン以上に達している。さらに7月24日からは古代メソポタミアの都市国家・ウルク遺跡保護のため外柵(さく)(全長13.3キロ)の補修にも乗り出した。「生活」から「文化」まで、支援の幅を広げている。

 ただ、宿営地から出てこないという「引きこもり」批判は続く。背景には治安に対する不安がある。4月には、宿営地に着弾しなかったものの、迫撃砲による攻撃に2度さらされた。「他国の軍隊はなぜか迫撃砲の危険情報を得ていたが、うちは取れない。危ない時間はコンテナに入ってやり過ごすしかなかった」(帰国した隊員)。

 そこで陸上幕僚監部が打ち出したのは徹底した訓練と“要塞化(ようさい)”だった。

 山梨県の北富士演習場内に実際の6分の1のミニ宿営地を建設。派遣される隊員はレーザー光線を使った訓練装置で「実戦訓練」を繰り返す。一方、サマワ宿営地内の宿舎はコンテナを積み上げ、さらにその周りを土のうなどで固める工事を進めている。国内でどのくらいの攻撃に耐えられるかの強度実験を行い、現地にデータを送り、それを工事に生かしている。さらに、夜間でも運用可能な暗視カメラを搭載した「無人監視ヘリ」4機を近く導入する。

 まさに「完全防護」だ。ある陸幕幹部は「攻撃をしない我々はカメだ。カメは甲羅を目いっぱい厚くする」と宣言する。

◇軍事組織の支援、もう限界

 サマワ宿営地から毎日、陸自研究本部(東京都練馬区)の教訓センターにリポートが届く。センターは昨年12月、各部隊の活動の中から教訓となるべき事項を抽出してデータベース化するために新設された。その初仕事が「イラクでの教訓収集」だった。

 リポートはA4判2〜3枚で、センターから派遣された若手幹部がつづる。部隊の幹部が誰に会い、何を寄贈し、どんな話をし、どんな効果をもたらしたか、あるいは武器や車両などの改善点は−−などがテーマだ。

 そこでは、何気ない陸自の活動が、実は意図を持っていることが浮き彫りにされている。3月中〜下旬、部隊は子供たちに文房具を贈り始め、音楽バンドが小中学校でミニコンサートをやり出した。これは陸自車両へのささいな投石事件がきっかけだった。「住民感情の変化ではないのか。放置できないと感じた」。第1次部隊でリポートを送った笠松誠2佐は話す。文房具贈呈もコンサートも、「ご近所対策プロジェクト」と名付けられた住民対策の一環だ。

 4月初めから5月5日の「こどもの日」までは、市内各所にこいのぼりが掲げられた。迫撃砲攻撃が続き緊迫した時期。「テロリストたちへの強いメッセージでもあった。自衛隊は子供の将来を思っているのだ、と。それを丁寧に地元に説明して回った」(笠松2佐)。

 教訓センターはリポートを専門的に分析し、「人道復興支援活動の教訓」をまとめている。タイトルは「情報戦と部隊防護」。「情報戦成功の鍵」として「イラク国民の心を獲得すること」とあった。「今後の課題」は「きめ細かい配慮による、不平感、不満の抑制」としている。

 5月6日、約100人のサマワ市民による「自衛隊支持デモ」があった。陸自は「情報戦が成功した」とみる。

 だが、「もうそれは限界」と防衛庁幹部は吐露する。「自衛隊の活動はいまやっていることが精いっぱい。地元の不満は高まっている」

 軍事組織である自衛隊の支援内容や規模には限界があることは、派遣前から言われていた。笠松2佐は「自衛隊は復興支援の土台をつくってきたが、今後はJICA(国際協力機構)や商社など、オールジャパンの支援がぜひ必要」と話す。

◇住民、目に見える効果期待

 「自衛隊の貢献度と言っても、私には分からない。実際に彼らの活動を見たことがないから」。サマワ市内の総合病院に勤務する医師、ドゥヘール・ズヘールさん(28)は言う。「当初、自衛隊が来れば街は大きく変わると期待した。しかし、この半年で何かが変わったとは思えない」と不満げだ。「給水作業など緊急の案件に資金を使っているが、地元の部族長を手なずけるだけのものではないか」と厳しい見方だ。

 弁護士のハリド・アジズさん(48)も自衛隊について「尊敬すべき人たちだが、数も少なく、何かを達成するのは難しい。皆が求めているのは企業関係者ら復興の専門家だ」と話す。「サマワの治安は格段に良くなった。ぜひとも国際的な企業に進出してほしい」

 「白いニワトリ」。平和・平穏の象徴になぞらえ、イラク人は最近、サマワの住民をこう呼んでいる。イスラム教シーア派が住民の大多数を占めるものの、反米指導者のムクタダ・サドル師らの影響力は乏しく、治安が安定しているからだ。それだけに、自衛隊派遣から半年がたち、住民たちは目に見える効果を求め始めたと言える。

 内務相顧問のサバー・カーディム氏は、毎日新聞に対し「自衛隊派遣には感謝しているが、その活動は単純な内容がほとんどだ。そろそろイラク人にできることはイラク人に任せ、新たな支援策を考えてほしい。失業対策にもなるし、サマワ復興に直接結び付く」と述べ、日本に対する新たな支援要請を検討中であることを明らかにした。

■陸上自衛隊・活動実績■(6日現在)

(1)給水量  総量15896トン

(2)医療指導   44回

(3)補修

 ●道路    6カ所

 ●学校    10校

 ●スタジアム 1カ所

 ●水道管   1カ所

 ●診療所   1カ所

 ●遺跡 ウルク遺跡外柵

(4)現地雇用 約500〜600人

(5)40度を超えた日  88日

毎日新聞 2004年8月8日 3時34分
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20040808k0000m040118000c.html
 
 
 
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武装した米兵の輸送という大切な実績が抜けてるよ。
http://www2.asahi.com/special/jieitai/TKY200404080210.html

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