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(回答先: 国連事務総長：「イラク戦争違法」発言に有志連合反発 ［毎日新聞］ 投稿者 外野 日時 2004 年 9 月 18 日 20:59:20)
イラクに兵の派遣を行っている国のほとんどは、アメリカが”対テロ戦争”の安全保障問題で使い出した”有志連合（Coalition of the willing)”の”有志(the willing)”として派兵を行っており、国連、あるいは同盟国としての派兵ではありませんでした。
これらの派兵国の国々の事情については次のものが参考になります。（外野）
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大橋巨泉「内遊外歓」
悪役フセインがヒーローになっていく皮肉
http://www.kyosen.com/naga/naig_443.html
3月25日(火)
語るに落ちるとは、まさにこういう事を指すのだろう。米英豪の対イラク戦争に「支持」を表明しているのは30ヵ国、そのうちいわゆる先進工業国は日本を含めて僅か6ヵ国と、先週のこのコラムに書いた。すると〆切りのあと、本誌編集部から連絡があって、ホワイトハウスがあと15ヵ国つけ加えているがどうしましょうという。わざわざインターネットの毎日新聞の記事まで送ってくれたが、ボクは大同小異だから原稿を直すこともないと言った。しかしよく読んでみると、逆の意味でこれは看過すべきでないと考えたので、改めてこの事に触れたい。
先週も書いたように、ブッシュだって人間だ。良心のカケラくらいもっていよう。だからこそ憔悴した表情をみせているのだと思う（チェイニーやラムズフェルドが平然としているのは恐ろしい）。だからこそ、今回のアメリカの「単独行動主義」や「先制攻撃」を何とか正当化したいのだ。本当は国連の決議を得て、「多国籍軍」で戦いたいのである。しかしこんな不正義の戦争に世界が賛同するわけもなく、結局“見切り発車”せざるを得なくなった。しかもロシアや中国の反対ならまだ言い訳もできるが、長年の同盟国であるドイツやフランス、隣国のカナダやメキシコも反対しているとあっては、余りにも立場がない。そこで国連の安保理の「賛成票」こそ得られなかったが、せめて“支持”を表明して欲しいと電話攻勢をかけたようだ。そして発表されたのが30ヵ国、そして新たに「匿名」だったが、今回明記してもよいとなった15ヵ国を加えて、「何と45ヵ国も支持」していると訴えたかったのである。
こんな子供だましに乗りたくない（乗る人なんか居ないか!?）ので、しっかり分析してやろう。まず先週書いたように、先進国といえるのは、デンマーク、イタリア、オランダ、スペイン、韓国、日本（但し戦後処理に協力）の6ヵ国に、ポルトガルを加えようか。目立つのは、旧共産圏の東欧諸国である。アルバニア、ブルガリア、チェコ、エストニア、リトアニア、ラトビア、ハンガリー、マケドニア、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、グルジアと12ヵ国もいる。ついで中米諸国で、ニカラグア、エル・サルバドール、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ、ホンジュラス。アフリカのエリトリア、エチオピア、ルワンダ、ウガンダ。中央アジアからはアフガニスタン、ウズベキスタン、アゼルバイジャン、モンゴルの諸国、東南アジアのシンガポール、フィリピンも含まれている。更に凄いのが、マーシャル諸島、ミクロネシア、ソロモン諸島、パラオらの名があることであろう。イラクに国境を接するトルコ、クウェートには米軍基地がある。
最初に「語るに落ちる」と書いたのは、国名を見ただけで「内容」がバレていることだ。大多数を占める発展途上国は、アメリカの経済援助を渇望している国々で、「良心」を捨てて「実益」を取ったのは目に見えている。次に「イラクを民主化するため」という名分をかかげながら、民主主義とはほど遠い政治体制の国が含まれていること。中には独裁国家と言ってもよい国さえある。もっともこれはアメリカの常套手段で、自分の言う事を聞くなら、平気で独裁者に力を貸した歴史をもっている（当のサダム・フセインもイラン・イラク戦争の時はアメリカの援助を受けた）。
更に日本や韓国のように、北朝鮮の脅威があってアメリカにノーと言えない国――ただし韓国の国会は派兵の議決が出来ないでいる。この韓国をはじめ、カナダ、ニュージーランドなどは、必らずといって良い程アメリカの戦争には協力、派兵して来た歴史をもつ、文字通りの同盟国である。彼らが参戦や賛成をしないことが、すべてを物語っている。最もみっともないのは、支持国のひとつに「アメリカ合州国」が入っていることで、まさに「恥も外聞もない」あせりようである。
結論はどう繕っても、正義は買えないということである。力の差があり過ぎるから、結局はアメリカが勝ってイラクは負けるだろう。（前にも書いたが）ブッシュ一派の狙いは「クィック・ウォー」――すばやくフセインを倒して親米政権をうち立てることだ。しかしたとえ数週間でそれが成し遂げられても、結果はアメリカの思惑通りにはなるまい。瓦礫の中から浮び上るのは、喜びよりも怨みの声の方が大きい筈だ。ここオーストラリアに亡命しているイラク人、ロウアイ・アルザハール氏の言葉を聞いて欲しい。氏は12年間も地下組織に加わってフセイン大統領と戦って来たジャーナリストだ。彼は言う。「フセインは怪物であり、人間ではない。しかし爆撃はもっと“邪悪”である。一匹の魚を殺すために、すべての魚を殺すというやり方は間違っている」。
何回も書いて来た。サダム・フセインは最悪の独裁者である。しかし、だからといってその国に無数の爆弾を落して、多数の無辜の市民を殺すことは決して許されない。こんな事をしていたら、今にフセインを「殉教者」か「英雄」にしてしまう。そうなったら、これは民族や文化や宗教の戦争になり、未来永劫終ることはないだろう。愚かなアメリカの指導者たちは、パンドラの箱を開けてしまったのだ。
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題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。