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「大義」の崩壊・むなしくなる首相強弁・米追随反省し転換の機会に(琉球新報9月20日社説)
http://www.asyura2.com/0406/war60/msg/346.html
投稿者 シジミ 日時 2004 年 9 月 22 日 21:12:25:eWn45SEFYZ1R.
 

(回答先: パウエル氏『大量破壊兵器ない』(東京新聞) 投稿者 彗星 日時 2004 年 9 月 22 日 20:56:34)

http://www.ryukyushimpo.co.jp/shasetu/sha28/s040920.html

「量の多少はともかく、備蓄はあると信じていた。しかし、備蓄の発見に至っていないし、今後も見つかることはなさそうだ」。先週十三日、パウエル米国務長官が、米上院政府活動委員会の公聴会で、イラクの大量破壊兵器について証言したが、その内容はわれわれには衝撃だった。

 あれほど「戦争の大義」として叫び、強引に突っ走った根拠を、あまりにもあっさりと否定した。

 世界もあ然としたに違いない。多くの国が開戦を疑問とし、反対の声を上げたのに、何ごともなかったかのような発言だからだ。これでは、「あの戦争は何だったのだろうか」との疑問しか残らない。

 イラクは、いまだ混乱のさなかにある。米兵だけでも千人以上の死者だ。イラク国民は、その何倍、何十倍も犠牲が出続けている。国家の再建もスケジュール通りに進むかどうかは分からない。眼前の「混乱」だけしかみえず、その先の「希望」が全く描けない。その国民に、攻撃の根拠とした「大量破壊兵器はなかった」と説明したら、理解してもらえるのだろうか。


国民への説明は義務


 われわれ日本も、あの「根拠」に追随して将来に禍根を残す事実をつくった。戦後、越えてはならないとされた一線を越えた。憲法で固い錠を差していたはずの、「軍隊」の「海外派兵」が、国民に意を問うことなく、いや逆に意に反して、強引に実現されたからだ。

 その面で、日本国内でこそ、より強く、「あの戦争は何だったのだろうか」は問われるべきだ。

 米国は、イラク開戦に際し、生物・化学兵器を大量集積しているとして、「武装解除で国民を解放し、世界を大きな危険から守る」と強調、各国に支持を求めた。だが、それは米国の勝手な論理にすぎなかった。昨年二月の国連安全保障理事会では、「証拠」も示し説得したが、承認は得られず、国連決議もないまま一部の国の支持だけで突っ走った。

 その支持した国の一つが日本だ。

 イラクの生物・化学兵器に否定的な意見には、「米国から信ずるに十分たる資料を提示された」などと説明した。さらに開戦後も追及が続くと、小泉純一郎首相はこうも言っている。「大統領が見つからないからといって、いなかったとは言えない。大量破壊兵器も見つからないからといって、なかったとは言えない」と。そんな乱暴な論理まで持ち出して、大量破壊兵器の存在を肯定し、イラク戦争を支持し続けてきた。

 だが今、日本に支持を求めた米国が、自らその存在を否定した。今回のパウエル長官の発言以前にも、今年一月に米政府調査団団長が「開戦前にあったとは思えない」と語っている。そのうえのパウエル証言だ。もはや、大量破壊兵器の存在を信じ、イラク戦争を正当なものだったと主張し続けることは困難だ。

 小泉首相もここまで来れば、そう認識するしかないはずだ。そうであるならば、首相は国民に説明する義務がある。憲法を大きく踏み外した「海外派兵」という事実を、国民の反対を押しきり、戦後の歴史に記した意味は大きい。首相が、存在を信ずるに足るとした根拠を、国民の前に明らかにするのは当然の務めだ。


新たな共存の道探れ


 まだ政府内からは開戦支持理由を「安保理の度重なる決議に従わなかった」ことを挙げて、支持の根拠をすり替えようとする動きがある。

 政府が、それを理由とするのなら、度重なる国連決議に一切耳を貸そうとしないイスラエルに、もっと強硬な姿勢で臨むべきだ。だが、現実はそうでない。逆に、もし各国がイスラエルを先制攻撃の対象にするのなら、米国とともに反対することは、これまでを考えれば明らかだ。

 この期に及び、見苦しい弁明をするより、あの戦争の不当性を認めることから政府は始めるべきだ。そして、何が米国支持へと踏み切らせたかを検証し、その反省のなかから、今後の道を探るべきだ。そのことが、今後の日本と世界の在り方を導いてくれる。米国だけに目がいくと、誤った道もあり得ることが、今回は明確になったのではないか。

 「テロとの戦い」の時代と言われる今、強力な軍事力で先制攻撃を行おうとする政策に、限界があることを、世界も気付きはじめている。力による政策は、一方の側の反発を生むだけで、時間とともに世界各地に拡散する結果を招いている。

 今、必要なのは、異なった価値観が、共存出来る道を探ることだ。その役を担える国の一つが日本と信じる。常任理事国を目指すのなら、その役割を進んで果たすべきだ。反省を将来に生かさねば「負の歴史」しか残らない。今回は「力の政策」と一定の距離を置く契機ではある。

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