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アメリカ共和党政権を乗っ取り、
全世界をハルマゲドンに向けて誘導しようとする強大な思想集団、
キリスト教原理主義勢力にとって、
残された最後の牙城は「ローマ法王庁」の世界的権威あるのみである。

ブッシュ政権が必要以上に欧米対立図式を演じて見せるのには理由がある。
それは世界の貧困と戦争の泥沼に対して、
「ローマ法王庁」がいかに無力なものであるかを欧州民衆に知らしめ、
あらたなる宗教権威の出現を渇望させることにある。

キリスト教世界における旧来の全権力・全権威に超越して立つ、
新法皇の登場によってキリスト教原理主義者の宿願が果たされるわけである。
彼等はそのための人物を用意しており、
欧州を戦禍に巻き込む次期中東大戦の後、頭角を現して来るものと思われる。

サパテーロが言うような現実は、政治家自身の存在根拠でしかない。
「人類の歴史は悲観的なことばかりだ。多くの国は未だ民主主義ではなく、
拷問も行われ、５００万人がエイズ感染者だ。
しかし、この現実を何とか変えていこう」

このような大言壮語の演説内容は、「ローマ法王庁」に任せておけばよい。
「３１１」テロ事件によるスペイン軍の撤退など、
善悪２元の思考形態と行動様式で民衆を操るためのお決まりの政治ショーに過ぎない。
テロ戦争をめぐる善悪２元対立への囲い込みそのものがブッシュ本来の政治戦略なのだ。

共和党ケリーが大統領に選出されればイラクからの米軍撤退と引き替えに、
反米の御旗であるスペイン軍を先頭に、
欧州全域から国連平和維持軍が再編制されて大規模部隊が派遣されることは明らかであり、
これこそがキリスト教原理主義勢力の望む中東ハルマゲドン政策の密約事項である。

サパテーロは大統領就任後の演説で、
自己政権の最優先事項を「テロとの闘いである」と述べたと聞く。
だとすればアルカイダに対する基本認識がブッシュ政権と何等変わらのであり、
未来に待ち受ける陥穽に気づけば、その化けの顔をはがすことも困難ではないだろう。

「ローマ法王庁」の無力化を企図する政治的アジテーションの初期段階。
それが反米の役回りを仰せつかったサパテーロの政治的使命なのだろう。
勇ましく登壇したスター政治家の歯の浮くような美辞麗句こそが、
この世界を破滅に導くための伏線であることに留意しなければならないのだ。
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