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皇位剥奪 (ヨルダンも皇位継承は直系男子)【JANJAN】
http://www.asyura2.com/0411/bd38/msg/126.html
投稿者 バルタン星人 日時 2004 年 12 月 11 日 05:24:47:akCNZ5gcyRMTo
 

皇位剥奪 2004/12/09
http://www.janjan.jp/world/0412/0412041309/1.php

 中東の国“ヨルダン”、正式名称はヨルダン・ハシュミテ王国。日本と同じ立憲君主2院議会制民主主義国だ。ハシュミテ王家は日本の皇室とも親交が深く、現国王のアブダッラー2世は、皇太子時代も含め5回も来日している。

 読者諸兄は、ヨルダンと聞いて何を連想されるだろう?イラクの隣国で、農業以外に主要な産業が無い経済小国?PLOと血みどろの格闘(黒い9月事件))をして、イスラエルと国交を持たざるを得なかった弱小国?映画インディー・ジョーンズシリーズの舞台となった遺跡の国?

 1度でもヨルダンを訪れたことのある人なら、首都アンマンに翻る「超巨大国旗」を思い返されるかもしれない。筆者に取ってのヨルダンのイメージは、“アラブ人国家なのにドライバーが信号と車線を守る稀有な国”だ。

◆憂鬱なヨルダン国民の希望だった王家
 国王アブダッラー2世は、経済改革、全方位外交による国の安定に血の滲むような努力をしておいでだが、最大の貿易国であったイラクが崩壊し、石油優遇(イラク前政権とは、石油輸入の代金に関して半分無料、半分が優遇価格という破格の優遇措置を受けていた。イラク崩壊後は湾岸諸国の好意で、今年中は優遇価格での輸入が継続できる)が近いうちに消滅。国内販売価格との差額による国庫収入の激減は必須で、これといった輸出産業の無いヨルダン経済は、“ジリ貧”という悪夢が現実化しつつある。

 また、ヨルダンは先に述べたとおり、経済活動の多くをイラクに頼ってきた。“湾岸”“イラク”の2大戦争は、ヨルダン社会に大打撃を与えたが、カリスマ的な故フセイン国王、海外留学や王室外交にこだらない活動で見識を広めてきたアブダッラー皇太子(現国王)への国民の期待感は、社会が不安定になることを良く防いできた(ヨルダンは、憲法で皇位継承は直系男子と規定されているから、カリスマ崩御の後でも有能な国王が誕生することが補償されていた)。

◆憲法違反?王家のスキャンダルは国を滅ぼす
 アブダッラー皇太子に、まだ子供がいなかった“フセイン国王崩御”の時、ヨルダン議会は(あせる必要もないのに)弟王子ハムゼ殿下を皇太子に指名した。「ハムゼ王子は、故フセイン国王第4夫人の長男で、ヨルダン陸軍の大尉として勤務した後、政治的な活動には手を染めず、海外の留学先で芸術や学術研究に専念していた」(AFP)

 勿論、この時点の国民は、先王・現国王・次期国王ともに特色があり、国の安定と発展が期待できることを喜んでいた(家康以降の“徳川3代”にも似た役割分担説を、まことしやかに言う素人解説者も多数いた)。

 しかし、新国王に王子が授かった場合、ハムゼ皇太子と“憲法に規定された”皇太子が出現することになる。ハムゼ皇太子は穏和な人柄から国民の人気は高い。それぞれの皇太子を支持する勢力が王位継承で争うことになれば一大スキャンダルとなったであろうことは確実だ。

 ヨルダン人口の民族比率はヨルダン人3に対してパレスチナ人7である。ハシュミテ王家はベドウィン系ヨルダン人(王家は“特権を握る少数民族”なのだ)だ。

 王家に皇位継承問題が発生し、“貧しいながらも安定した”国を不安定にするようなことがあれば、多数派のパレスチナが安定を求めて革命を起こしてもおかしくはない。

 アブダッラー2世の王妃がパレスチナ人なのは、多数派のパレスチナ人への政治的な配慮があったと勘ぐられても仕方ないだろう。もっとも、国王でなくとも心を奪われるそうな“才色兼備”の女性だが。

 その王妃に王子が授かったのは、もう10年前になる。しかし、皇太子はハムゼ殿下のままだった。

◆突然の皇位剥奪
 先月末、そのような状況に変化が起きた。レバノン日刊紙デイリースターが報じたところによると、こうだ。

 「11月28日、ヨルダン国王アブダッラー2世は、突然ハムゼ皇太子の王位継承権を剥奪すると発表した。その時点での後継皇太子の指名は無かった。国王は『この措置は、彼の行動の自由を確保するために必要なものだ』と語っており、当の“元”皇太子ハムゼ殿下は2日後の新聞インタビューに『国王の裁定は当然のものです。私は陛下の決定に異を唱えるつもりはありません』と笑顔で答えている。アブダッラー2世のステートメントには、『この決定は王家を騒乱の渦に貶める物ではない。これからも王子はハシュミテ家の一員であり、国の発展のために尽くすことを余に約束した』としている」(レバノン日刊紙デイリースター11月30日・31日版)

 また、同紙の12月2日版は「アブダッラー2世の長男王子(10歳)が皇太子に指名された。ヨルダン国内に皇位継承問題の波紋の広がりは見られない」と報じている。

 果たして、ハムゼ王子は国民全体が納得するほど「学者肌」だったのだろうか?アブダッラー国王の行為は額面どおり「弟王子を“王室の鎖”から解き放つ善行」だったのか?それともハムゼ王子の「人間」が出来すぎなのだろうか?

 俗物な筆者としては、「CNNリポーター出身の王妃(※)」というのも見てみたかったところだが、若いアブダッラー国王の寿命は私より永いだろうし、今回の騒動が無かったとしても“ヨルダン次期王位継承”を見るのは元々無理だったと、諦めておくことにしよう。


※CNNリポーター出身の王妃:ハムゼ王子の妃はアラブ系米国人で、CNNの「Corespondent(特派員)」として活躍していた。

参考資料:外務省ホームページ「各国・地域情勢」

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