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「大前研一ニュースの視点」
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投稿者 一般ピープル 日時 2004 年 10 月 13 日 01:08:34:zkY.B9mkzvW4Q
 

(回答先: ナイジェリア労組、燃料価格高騰に抗議してゼネスト突入 [ロイター]【世界7位の原油輸出国なのに燃料油を20億ドル輸入】 投稿者 あっしら 日時 2004 年 10 月 12 日 02:20:05)

それでは、「大前研一ニュースの視点」をお楽しみください。

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「ごく一部」の影響を受ける原油価格のカラクリ

NY市場で、原油先物の高騰が続いている。今月1日のニューヨーク・マ
ーカンタイル取引所の原油先物相場は、ナイジェリアの政情不安などで
続伸し、1バレルにつき50ドル12セントと、終値ベースで初の50ドル台
を記録し、取引を終えた。

ハリケーンの被害を受けた米国の石油供給力も低迷しているとの見方も
あると同時に、現在の「原油価格」決定の仕組みが見え隠れする。

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    ●わずか「0.6%」が全体の価格を決める不可思議●


原油先物価格が高騰し、先日開催されたG7ではOPECに増産要請が出され
ました。

まず始めに言っておきますが、この要請は「お門違い」です。アメリカ
や日本のメディアも誤解している点が多々あるので、今回の価格高騰を
「原油市場の構造」を踏まえる良い機会として、統括的に紐解いてみま
しょう。

これまで原油価格は、1バレル20ドルぐらいで推移していたので増産す
るインセンティブはありませんでした。これが上昇し、40ドル台が続く
ようになれば、代替エネルギーや代替井戸を活用する道を皆、模索し始
めます。

そして50ドル台になったとする。でもここで新たに井戸を掘ったり、閉
鎖されていた井戸を空けたりすると、またたく間に30ドル台くらいに下
落するものです。現在は代替エネルギーも十分あるため時間の問題さえ
片付けば、価格が長期的に高騰し続けることはありません。まずこの点
を理解しておいてください。

今回の米国産WTI原油の先物価格の推移をみると、7月あたりから40ドル
を超え始め、8月半ばで一旦落ち、また9月中にハリケーンの影響やナイ
ジェリア政情不安などで上がっていきました。注目したいのは、デマン
ドによって上がっていってるのではなく、ニュース報道によって上がっ
ていってしまう点です。

さらに「OPECに増産要請を出すこと」がいかにお門違いであるかを説明
します。今回対象となっているのは、ウエスト・テキサス・インターミ
ディエイトという油。米テキサス州沿岸部で産出する原油です。じつは
これ、日産100万バレルしかないので、7000万バレルという世界の総生
産高からみると0.6%にすぎません。

しかし1983年、ニューヨークの先物市場であるNYマーカンタイル取引所
(NYMEX)に、石油先物として上場しています。すなわち、世界の総生
産高からみると0.6%にすぎない先物の値段が高騰しているのです。総
生産高は世界の0.6%なのに、じつに取引量を見てみると、2億1000万バ
レルも一日平均でトレーディングされている。全世界の生産量の2.5倍
です。

なぜこうした現象が起きたのか。それはひとえに投機筋と呼ばれる人々
が介入している、つまりヘッジファンドが行われているからです。投機
筋は0.6%に対して買い入れ予約を行っている、ということはそこで167
倍の倍率になっているわけです。

全世界の石油を買うといえば莫大なリスクを抱えることになりますが、
最悪の場合でも世界中の需要の0.6%を買い入れれば済む、ということ
で、投資筋は悪びれずにどんどん介入してくる状況が生まれています。

こうした人々は、以前為替で遊んでいたが最近いい商品がない・・・と
感じていました。その矢先にこの市場をみつけて介入し、とんでもない
値段をつけはじめた。もちろん「実際に油を買いたい」というわけでは
なく、価格が高騰すると先物の予約権を売ってしまうことになります。

つまり、輸出機構に対して増産しなさい、というのはナンセンスなので
す。産出国は何の罪も、勢力も、価格決定力もありません。OPECも、世
界全体の石油生産の約40%を掌握しているだけにすぎない。

だからもし要請を出すなら、「あなたがたもNY証券取引所に上場してく
ださい」というのが、じつは正当なのです。わずか0.6%のWTIが価格決
定権を持つのではなく、世界全体の油を一箇所に集めて、そこに対して
値段をつけるような構造を産み出さなければなりません。

しかし、それはなかなか実現しないでしょう。価格が上昇すれば、OPEC
や石油会社も高値でさばけるからです。増産します、お客さんは大切で
す、と言ってますが、その実ホクホク。しらじらしいとしかいいようが
ありませんね。


●石油価格高騰に強い日本。ただし中国の余波を受ける可能性有り●


今回の価格高騰は、日本経済にどのように影響するのでしょうか。

じつは第一回目の石油危機の時、エネルギー全体に占める石油依存度は
80%くらいありました。それが今は原子力など他のエネルギーが台頭し
てきたため、50%くらいにまで下がってきています。エネルギー全体の
中で石油が占めてる割合は、じつは少ないのです。

次に、石油価格が上昇すると経済成長率がどれくらいマイナスになるか
を考えてみましょう。1バレルが25ドル→35ドルと10ドル高く推移した
場合を想定すると、世界平均では、0.5%GDPがマイナスになります。
ところが国によって、影響に差が出るのです。

アメリカみたいに自分で油田をたくさん保有しているところは-0.3%。
省エネが進んでいる日本は-0.4。逆にエネルギー効率が悪い中国は-0.8。
インドはもっと悪く-1.0%です。つまり、今回の高騰に関して言えば、
恐々とすべきはアメリカでもなく日本でもなく、中国やインドというこ
とになります。

さらにGDP1000ドルあたり、原油を何バレル使うかといった消費量の比
較をしてみると、日本は0.42バレル。非常に効率よく使用する国になり
ました。かたや、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)は効率が
悪く、中国は5バレルを要することになります。

中国は当初輸出国だったのが、90年代の初めに輸入国になってしまい、
今では一日470万バレル、世界生産の7〜8%を要するようになりました。
必要量を満たすため輸入に頼らざるをえない状況が、ひとつのプレッシャ
ーになっていることは確かでしょう。

まとめますと、石油依存度は50%で、生産性も高い日本。なおかつ82年
の第二次石油危機の時、為替が235円だったのが今110円。輸入単価を比
べてみると、当時で8500円、今4000円。第二次石油ショックを耐えた以
上、原油価格が1バレル70〜80ドルになっても、一定量の耐久力を発揮
すると思われます。

また、「70〜80ドル?かまわないですよ、日本の場合は大丈夫なんです」
と政府のしかるべき人が発言すれば、現在の投機家がコントロールして
いる価格は暴落することでしょう。「先進国は、さしてパニックになら
ない」という認識が生まれれば、売りが殺到して先物をはやし立てる風
潮はなくなると思います。

ただし怖いのは、前述した中国。この余波です。中国は石油の消費が急
拡大していることもあり、生産性からみても1バレル70〜80ドルになっ
てしまえばGDPは2〜3%落ちるでしょう。現在の日本の景気は中国に牽
引されている側面もあるため、間接的な影響は受けることになるかもし
れません。

以上、原油価格の仕組みは「需要と供給のバランス」という一筋縄では
いかず、投機家の動きやメディアが伝えるニュースなどが多大に影響し
ています。その影響を考えるにあたっても、各国のエネルギー事情によ
って様々な差異が生じることになります。このあたりの本質を踏まえて
整理し、今後どのような変動があっても冷静に判断していくことが最も
大切といえるでしょう。


                         −以上−
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