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ダイエーも西武も独裁的経営が破綻した結果である。有能な社員が去り、無能な忠誠心の高い社員が残った。
http://www.asyura2.com/0411/hasan37/msg/378.html
投稿者 TORA 日時 2004 年 10 月 22 日 18:44:10:CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu81.htm

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ダイエーも西武も独裁的経営が破綻した結果である。
有能な社員が去り、無能な忠誠心の高い社員が残った。

2004年10月22日 金曜日

◆<Vol.199:緊急時事問題:事業の破綻> 吉田繁治
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000048497

■6.ダイエー問題の本質

「結果としてのダイエー再生」ではなく、なぜダイエーがここまでひ どい事態に至ったかということを見ます。要点は単純で、たった4項 に絞ることができます。

▼(1)1土地含み経営が破綻

ダイエー問題はわが国の大手総合スーパーに共通します。端的に言え ば、「土地含み資産の増加部分」を真の資本とする経営だった。これが銀行融資の不動産担保至上主義と結びついていた。

【無視された営業利益経営】
含み資産が本来の営業利益経営をないがしろにする結果を生んだ。不 動産投資と企業買収は中内CEOの独断だった。役員も、全人事権をもち強烈な人間不信のカリスマの意志に従うだけ だった。「CEOの意向です」という言葉に、皆が服従していました。

【土地というマネー発行装置】
最初は商店街のはずれに、次は郊外に、あらかじめ周辺の土地を買い 占め、店舗を作った。団塊の世代の住まいは、郊外へ移動しつつあり、地価は年率2桁で上昇していた。 銀行へは金利だけを払えばいい、店舗の営業での利益は必要ない。銀行も、返済より確実な資産である土地担保のある会社への融資増加を 求めていた。「そごう」の水島氏、西友の堤氏も同じだった。

【不動産業が小売りを兼業した】
ダイエーは利益から返済をする気はもともとなかった。不動産が利益 だった。不動産では非公開の関連会社にもたせたものがあり創業家はその株をもっていた。不動産を本業とする中内家にとって小売業は兼 業のように見えるのです。資本の内容から言えば、ダイエーは不動産業です。

▼(2)意思決定の方法として衆議独裁の世代

【独裁】
「『衆議独裁』という言葉がはじめて出たのは、1963年(昭和3 8年)、西宮本部で開かれた経営会議の席でした。『皆よく協議して くれ。しかし決めるのは私が決めるから』という発言でした。一瞬、 凍りついたような空気が部屋中に流れた。(『選択・中内力自伝』04 年8月刊)。」と弟の力氏は述べています。 株主から委託される経営においては、社長が結果の責任をとらねばな らない。だからと言って、複雑に多角化し、多地域への出店で巨大に なった経営全体にわたって1人ですべてを見通すことができるか?  実務では不可能なことです。

【ダイエーと西武グループ】
経営資源の集結は図られても、その結果では、独裁の意思決定の誤り が運営の至るところに生じます。これについては西武流通グループも 同じです。 ダイエーの失敗の原因は、まずはここにある。ほとんどが結果は失敗 した様々な小売業態、百貨店、プロ野球、新歌舞伎座、警備会社、清 掃会社、ホテル、レジャー開発、レストランを含む事業全体を、1人 で決定し運営することなどできるはずがない。

トップに都合の悪い情報が上がることは途中で遮断される。情報が上 がっても、現場確認を行った判断はできない。それくらいダイエーの事業全体は複雑です。中内氏が意図的に複雑にしたと言っていい。根 底の理由は、私財の確保です。資産査定だけでも、250人の専門家が2ヶ月を費やし終わらないく らいです。鱈(たら)のように大味なダイエーの経営と店舗は、こうした独裁と、現場情報からの遮断が原因でした。

▼(3)店舗戦略の錯誤:駐車場が不十分で、運営コストが高い多層 階の店舗

【小型で多階層店】
ダイエーの最初の失敗は、80年代初期の「首都圏レインボー作戦」と 言われた首都圏への参入戦略でした。ダイエーは個人経営の小型の食品スーパーを買収するという方法で東京区部へ参入した。物件価格は 高かった。

【無視】
すでに必須になっていた十分な駐車場と、広い売場面積(正確には部 門の、利益適正規模)をとる余地はなかった。これが、あとの致命傷になる戦略ミスでした。

【怨恨に近い情念】
「レインボー作戦」は、IY堂への対抗だけを目的にした出店だった。 レインボー(虹)作戦が、結果として黄昏(たそがれ)作戦になった。店舗戦略のミスは、運営の戦術では回復することはできません。 ダイエーは1兆円を超えた首都圏戦略の直後(84年)に、赤字に陥る。その後の、営業利益重視のV革を推進した中心人物が、現社長の高 木邦夫氏と、前副社長として再建に招聘されスキャンダル絡みで辞任した平山敞氏です。

【土地バブル】
しかし85年の米ドル切り下げのプラザ合意以降、86年から首都圏では 土地バブルが始まる。日銀が米国への資金還流を促すためと、前川リポートが示した内需拡大の目的で利下げと大幅な金融緩和をした。

【絶頂期を迎える】
過剰流動性になったマネーは、土地と株投機に向かいスパイラルに価 格を上げ、ダイエーと西武流通グループの土地含み経営は90年に絶頂を迎える。 店舗の営業利益で必要な商品部と店舗作業の改革は無視され、ダイエーはリッカーや不動産事業のリクルートを買収します。

【没落した現在】
直近の、4大量販の比較データを見れば以下です。
   04年8月      売場面積        1店面積
     売上  前年比 (平米) 店舗数 月商  (平米)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
イオン 1488億 +0.5%  338万  378店 3.9億  8730
IY堂  1100億 +2.1%  170万  177店 6.2億  9600
ダイエー1030億 −6.7% 187万  265店 3.9億  7060
西友   808億 −3.6%  148万  402店 2.0億  3700
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ダイエー(総合スーパー単体)は98年には全国に378店をもってい た。97年に赤字を出し、苦境に陥って以降、不採算の小型店110店余を閉鎖した残りが上記の265店です。 類似の商品領域の総合品種スーパー・ストアであっても、イオンとIY堂は、郊外型で駐車場を確保できている店舗が多い。出店数で先行 した西友とダイエーは、都市部の店舗では駐車場に問題をもっていた。

【何を超えたSuper?】
ダイエーと西友は、近代化以前の商店街のシェアを奪っていた。しか し80年代以降は、競争の中身は大型店間の競争になってきた。スーパーとは「超える」という意味です。 ダイエーと西友は、プレ・モダン(前近代)の商店街型の店舗は超え、百貨店の低価格部分と零細店のシェアを奪うことはできた。しかし 総合品種での大型店間のポピュラープライスの競争では、弱い店舗を多く抱えた。 小売業では、店舗の三分の1が採算割れでも、三分の2が収益を出していれば、経営は維持できる。しかし半数で利益を出せなければ、そ こで経営は終わる。ダイエーの経営は店舗毎の採算をとる経営法ではなかったのです。

▼(4)2倍の資本を使った

【たった0.9回転】
ダイエーの最大の弱点は、総資本回転率(年間売上高÷総資本:ROA :Return On Asset)の低さです。04年2月期ではたった0.9回転 (連結)です。1店舗が100億円の総資本なら90億円の売上しかな い。 IY堂は1.3回転(100億円の総資産に対し売上高130億円) 、イオンは、1.5回転(同150億円)です。いずれも関連会社を 含む同年の連結での比較です。 総資本回転率は、設備投資に対し回収される売上高を示します。ダイ エーの店舗投資は、売上に対し2倍も大き過ぎる。投資計画に初歩的 な誤りがあったと言えます。店舗の営業利益は全く無視したとしか思 えない過剰投資での出店です。

【本質】
仮に地価下落がなかったとしても、店舗の営業利益の赤字で、破綻す る必然の経営であったと言うことができます。ここにダイエー問題の 本質が見えます。 (注)賃借のテナントの時は、テナント料から設備コストを算出し、 仮想的な設備投資分として総資本を計算します。西友はテナントが多 いため見かけ上の総資本回転率は1.8回転ですが、実質はダイエー 並みです。

【ROAの必要値】
04年での成長小売業では、投資基準とすべき総資本回転率は2回転 あるいはそれ以上です。貸借対照表上の総資本(=総資産)の少なく とも2倍の売上を確保する出店でなければならない。 80年代のレインボー作戦で中内CEOは設備投資額と売場のバラン スを無視し、IY堂への首都圏での対抗だけを眼目にしていた。利益 は地価の上昇だった。 首都圏を地盤にしていたヨーカ堂の伊藤雅俊氏への異常な対抗意識( カット・スロート)が、営業利益経営の常識を誤らせたと言えます。 情念は仕事の動機にも、失敗の原因にもなる。

【ベンダーからの割引リベート】
店舗で営業利益を出し採算をとる利益経営ではなく、流通規制下の商 権と売上高の規模によって、ベンダーからリベートを受け取る経営が ダイエーを支えていました ダイエーを筆頭とする大手量販は、実は流通規制によって、地域[商 権]という利益を得ていた。サンクスコスト(埋没コスト)の逆です。 商権利益が、ダイエーの本質の1項であることを見ていないと、ダ イエー問題は解けない。

【驚愕】
経営の末期では、翌年分の取引契約までを担保に、前倒しで割引リベ ートをとっていた。不動産のホールディグング・カンパニーを中核に 作り、ダイエーに店舗に貸す方式であり、店舗は赤字を出さなければ いいとしていた。 情報開示が必要な公開会社である自社店舗からの高いテナント料の一 部は、不動産をもつ非公開の関連会社から、中内家に流れている構造 です。税を払わないことと私益への敏感で、中内氏くらい本能的な嗅 覚をもっている人は珍しかった。

【背任的な経営】
株式を公開し、一般株主から資産運用の委任を受ける経営者として、 事実上の背任行為です。社員に罪はない。オーナーが私的自己利益を 図る経営構造に問題がある。

【CEOとしてのモラル・ハザード】
中内氏の精神には、株式公開会社としての基本的なところにモラル・ ハザードがあった。公開会社である西武鉄道と非公開のホールディング・カンパニーであ る「コクド」の不明朗な関係と同じです。西武グループも堤家の私的カンパニーです。こうしたことを民度が高まった国民は許容しない。

株を公開しているのにもかかわらず、どこまでも中内家の私的な会社 であるという意識が、経営の基本的を誤らせたと言えます。 ダイエーの社員も役員も、こうした基本構造の問題について進言がで きなかった。店舗にとっての不動産コストの高さを私的利益にする構 造です。

堤氏も中内氏も、会社では王だった。誰も抵抗できない。これは戦後 第一世代の、旧タイプの権力による統制経営(コマンド&コントロー ル)です。現場訪問の時は、天皇の行幸のときのような準備がされた。 公開会社のCEOは、株主から経営権の委任を受けているという意識 はない。「俺の会社だ!、何が文句あるか?」という誤った認識です。 ここにも問題の根源がある。

【顧客】
店舗コストの高さは顧客が負担する売価になる。わが国の戦後流通を 代表してきた企業として、極めてお粗末に思えます。

▼価値観への罪

中内家に流れたマネーは売上に対する構成比は小さくても、社員の全 員が感じる経営の価値観では小さなことではない。価値観と行動様式 こそが暗黙の企業文化を構成する。 裏が見えればトップが公式の場で言う「顧客のために」は表向きのお 題目になる。これでは社員のエネルギーを束ねて引き出し、方向付け ることは永久にできない。

株主はマネーを出す。しかし社員は人生の 時間を捧げます。マネーと人生の時間のどちらに重みがある?流通革命の理念に共感し集まった多くの有能な社員が、ダイエーを既 に去っています。様々な想い出が混じった無念な思いで、見つめていることでしょう。とりわけ初期にダイエーに集まった人々には、品格 はともかく仕事の面では有能な人がいた。

それでも中内CEOに対し、幹部の中に熱い思いを寄せる人もいます。 彼には稚気愛すべきところもあった。 戦中派世代として、貧困からの脱出を目標にしていた。カネと資産へ の執念は並はずれていた。人間不信の権化だった。 神格化された中内氏の精神には「自分しか信じない」という諦念があ った。人を殺し自分が生きる、フィリピン前線での戦争体験はこうし た、いびつな個性を作った。

■7.「いいものをどんどん安く」

戦後日本を代表する流通企業とされていたダイエーが経営目標にして いたことは「いいものをどんどん安く」でした。この言葉に、ある程度の内容があった時期、およそ70年代までは、ダ イエーも発展していました。顧客の固定的な支持もあった。紳士用スーツや学習デスクなどを象徴に、販売数量で日本1になった 品種は多かった。こうした品種では、確かに百貨店や商店街店舗よりは価格を下げていたからです。庶民の味方に思える時期があった。

▼円高以降の変転

80年代は、まず東南アジアが工業化した時期で、日本への輸入も増加 しました。これは皮肉にも、ダイエーを不動産と企業買収に走らせた プラザ合意(1985年)以降の円高によるものだった。 円は短期間で2倍の価値になって、輸出メーカーは五月雨のように東 南アジアに工場開発をしていた。

【最初の会社は青山商事だった】
青山商事が、ダイエーよりはるかに少ない販売数量という制限で、サ ラリーマンの制服と定義した紳士服を、開発輸入したのもこの時期からです。これによって、紳士服のポピュラープライスの水準は、2万 円以下に下落した。(現在は1万円〜8000円です)

【ニトリ、ユニクロが続く】
その結果、ダイエーのポピュラープライスは青山の1.5倍くらい高 くなった。90年代はニトリが家具・ホームファニシングの開発輸入によって価格水準を下げる。 94年以降はユニクロは、米ドルにリンクしている中国の元安を利用し、カジュアルウエアの価格を約三分の1に下げる。 チェーンストアは価格を下げるには仕入れ規模が必要だとしていた。しかし、価格革命はすっと規模の小さな企業が果たした。規模を求め たダイエーは、90年代は価格を安くすることができなかった。

▼調達と店舗運営の弱点を露呈

総合品種量販は、今に至るまで、店舗の品揃え計画(商品計画)と開 発輸入で必要になる買い取り調達が整合して機能する仕組みが弱く、 輸入すれば物流センターに輸入在庫があふれる。 理由は、バイヤーが国内問屋の在庫管理に依存した流通網と在庫管理、 および返品許容の商取引とリベートに慣れてきたからです。リベー トの要請が、荒利益率を上げる方法だった。

PBとは言っても、商品に最終責任をもってこなかった。 調達と店舗の商品計画が連動せず、調達だけが先行する。商品調達の前工程は、店舗の商品計画です。店舗での販売計画から出 発し、その後に調達という仕組みがなければならない。ダイエーで食品スーパー部門だけが残ると言われる理由は、とりわけ わが国の食生活で重きが置かれる生鮮食品の流通では、少量の個店地域品揃えでも対抗できるからです。 生鮮は、量を必要としない地域店舗で経営を行うことができます。

量 を確保しようとすれば、逆に品質基準を落とさねばならないことがあ る。他方、中国・アジアからの開発輸入が主力になったアパレル(衣)と、 家具・ホームファニシングを含む住関連では、開発輸入を行う新興の専門店チェーンに比べ、すでに競争力がありません。 家電では、80年代から家電量販に対し品揃えと価格での競争力を失った。

1坪当たりのコストを30万円以下に低くした専門店チェーンと ディスカウンティング店にとって、総合量販からラインロビングすることは容易です。 ラインロビングで大きくなったダイエーや総合量販は、今、海外調達の専門店チェーンから、部門の専門化をベースにした逆ラインロビン グを受けている。総合量販が負ける理由は、部門の適正規模を確保していないためです。

■8.ブランド・アイデンティティの喪失

▼ブランド・アイデンティティ

企業はその原点、言い換えれば「ブランド・アイデンティティ」とも 言うべきものの内容を失ったとき生命を終わる。ダイエーにとっての アイデンティティは「いいものをどんどん安く」でした。 ブランド・アイデンティティは企業の原点と言ってもいい。社員の仕 事の拠り処でもある。これがなくなれば単に食べるための服従の仕事 に陥る。

いい仕事はブランド・アイデンティティから生まれる。仕事の意義付 けをするのがブランド・アイデンティティです。企業の存在意義、仕事の動機と言ってもいい。ミッションと言い換えても同じです。日本 語では、物事の「義」に忠誠であることです。

1985年以降の専門店チェーン開発輸入によってダイエーの安さの 比較価値に中身がなくなって以降、「いいものをどんどん安く」をブ ランド・アイデンティティとするダイエーの小売事業は終わっていた。 その後の10年は不動産経営だった。不動産経営が破綻したのが、地 価が下洛した93年以降です。

▼同業で世界最高のコストになってしまった

ダイエーの最大の問題は、売場1坪当たりのコスト(56万円=総コス ト÷売場坪数)の高さです。ヨーカ堂・イオン・西友もほぼ共通します。いずれも1坪(3.3平米)当たりでは50万円を超える水準で す。3社とも同業で世界最高のコストです。こうした高い、顧客にとって無駄なコストを抱えながら、「いいもの をどんどん安く」提供することはできない。

ウォルマートはその半分の26万円/1坪の運営コストです。最近の、 ウォルマート・スーパーセンターを真似た新興ディスカウンティン グ店の、1坪当たりのコストも26万円から20万円を競争ポイントに します。 世界的な流通競争の根幹が、この26万円/1坪という店舗運営コス トです。流通はもう国内競争、地域競争ではない。

▼常識は常に誤る、常に遅れる

日本は地価が高く建物コストが高い。人件費も高い。だから小売のハ イコストは許容されるという経営常識に、誤りがあります。すでにウォルマートを下回る20万円〜25万円の1坪当たりのコスト の企業、および店舗モデルが出ています。地価は三分の1〜四分の1以下、建物コストは半分以下に下がっています。 作業整備と情報システムおよび物流センターによる商品在庫管理で、店舗の1人当たりカバー面積は倍増できます。これによって、1坪当 たりの総コストを25万レベルかそれ以下にすることができる。

▼日米比較

わが国の小売総額は135兆円です。総売場面積は1億3000万平 米。消費人口1人あたりの売場面積は1平米であり年間購買額が100万円です。 この単位面積当たりの売上げは世界最高です。世界最高売上げで、世界最高の高いコストの経営をしているのが日本の小売業です。 他方、米国は総売場面積が日本の約4倍、消費人口1人当たりの売場面積では日本の2倍の2平米です。

【半分のコスト】
米国は、わが国の半分の1平米当たり店舗コストで競争しています。 今後の日本の小売業の競争ポイントもここです。

▼30兆円の空白マーケットがある

試算では135兆円のうち30兆円(イオンの売上高の約10倍:人 口1人当たり年25万円)は、今後のディスカウンティング・マーケ ットです。本格的なディスカウントストアは、わが国では真空です。 ウォルマートが日本を機会として進出する理由が、これです。 1坪当たりの店舗コストでは、量販大手の半分以下の20万円が競争水 準になる。これを経営のKPI(key perfomance indicator:鍵とな る経営指標)とすべきです。

ディスカウントとはまずは店舗のコストダウンであって、20%以下の 低い値入率(値入額÷[値入額+仕入原価])による売価は、店舗の必要コストを低めた結果です。 店舗の運営コストが高いまま、仕入れ原価の低減のみを求める。高付加価値(高い粗利益率)とは、顧客にとっての高い付加価値ではなく 、自分にとっての高付加価値になってしまっていた。

ある地方都市で、経営者の共感を得てディスカウンティングの実験を していますが、それを一部実行した結果、売上高はここ半年間、前年 比130%です。その会社が属する業界の平均前年比売上は93%です。 ダイエーの経営方式が行き詰まっても、「よいものをどんどん安く」 という理念とディスカウンティング・マーケットの将来は確実です。

■9.ある高齢の主婦

再生機構送りになった翌日、ダイエーしかない東北の町で、TVに出 た高齢の主婦が「ダイエーがなくなると困るんです」と言っていた。 夕食の買い物に来ていた。 高木社長とスタッフは、これを聞けば、泣くかもしれない。こうした 顧客の声に応えることが、ダイエーの再生です。仕事の原点は、顧客 への感動です。情感が仕事のベースになる。 高木社長は「ダイエーをピカピカの会社にする」と就任した。遅くは ない。

ダイエーうち優良な店舗は、所有が変わっても残る。 所有者が仕事をするのではない。残った社員の方々は「いいものをどんどん安く」するために仕事をして欲しい。これは小売業の普遍理念 です。店舗が1円のコストを余分に使えば、その1円は顧客が負担します。 商品の割には高いというのが顧客のダイエーに対する素直な感想です。自店のコストを正当化し自己弁護の商売を行ってはいけない。

▼評論家、コンサルタントが言うまっ赤な嘘

「チェーンの売上規模と仕入れの量がすべてを解決する」というのは、 真っ赤な嘘です。評論的な言辞に過ぎない。その証拠に、過去は売上高で日本ナンバーワンだったダイエーの経営 は、見事に破綻した。一時、商品調達量で全米ナンバーワンだったKマートも破綻した。PB調達の量が決めるのでもない。小売業は1店 舗の経営です。始点も到達点もそこです。規模は結果であって、原因ではない。 資本は、不動産ではなく店舗利益が引き寄せる。事業規模は結果であって原因ではない。最良の1店舗は、志に技術を備えればゼロから作 ることができる。事業はいつでも始点です。


(私のコメント)
最近のニュースではダイエーと西武がプロ野球がらみで話題になっていますが、どちらもワンマン経営でも共通していた。株式日記でも会長の宗教団体の教祖を思わせるような経営を指摘しましたが、中小企業ならいざ知らず、ある程度の規模の企業になったらオーナー経営から近代的な経営体制に切り替えるべきだった。しかしながら個人商店のまま大企業になってしまった。

巨大スーパーがなぜ経営危機を迎えたかと言うと、新たに登場したディスカウントの専門店チェーンに価格競争に勝てなくなってしまったからだ。専門店はコストの安いアジアからの開発輸入によって巨大スーパーよりも何割もの安い商品を販売するようになった。それに対してはプライベートブランドなどの量産効果ではコストダウンに限界があった。

円高なのだから巨大スーパーなども世界各地から安い商品を輸入すればディスカウント専門店に対抗できるはずですが、ダイエーなどは80年代の首都圏へのレインボー作戦が裏目に出てバブルの崩壊の影響をまともに受けてしまった。それまでは不動産の含みから来る資金力で様々な企業を買収して経営内容を多角化して行った。しかしそれでは目が行き届かなくなりさまざまな方面から経営は崩壊し始めた。

ダイエーのような総合量販店と青山やユニクロのような専門量販店では、品揃えや商品開発力や流通在庫など管理体制で勝負になりません。例えばパソコンなどの商品は販売員も専門性が必要だし個別サービスでもきめ細かいアフターが必要だ。その点ではデパートや総合量販店では早くから諦めていたし、3ヶ月ごとのモデルチェンジなどに対応が出来ない。だから家電量販店などに客を奪われていった。

このように首都圏においても苦戦を強いられたし、地方においても駅前商店街に店を構えたダイエーやそごうなどは、商店街の客を吸収してきましたが、ディスカウントストアーなどは国道沿いの安くて広い敷地を確保してモータリゼーションに乗って駐車場を確保して客の流れを変えてしまった。つまり首都圏と地方とで両面で負けてしまったのだ。

もちろんダイエーや西友ストアーなどバブル崩壊後は店舗コストの安いところへ出店競争をかけたのでしょうが、すでに含み資産などの資金力はなくなっていた。巨大さが経営戦略の転換の妨げとなり現在を迎えてしまった。それに対して世界一のウォルマートが日本市場を狙っていますが上手く行くだろうか。先日世界第二位のフランス資本のカルフールが日本から撤退のニュースがあった。

◆仏カルフール、撤退か 業績悪化で、と米紙
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041012-00000047-kyodo-bus_all

【ニューヨーク11日共同】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は11日、世界第2位の小売りチェーン店の仏カルフールが日本の事業売却、撤退を検討していると報じた。
 欧州での販売不振や、競争激化を克服するための資金調達が目的で、日本事業の売却額は最高4億ドル(約440億円)の可能性があるという。
 カルフールは2000年に千葉市に第1号の幕張店を開店後、埼玉県狭山市、兵庫県明石市など全国に8店を展開中だが、03年までに13店開店との当初計画は達成していない。
 同社は売却先候補を明らかにしていないが、同紙は米ウォルマート・ストアーズ、英テスコ、日本のイオンを候補に挙げている。
(共同通信) - 10月12日10時46分更新


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