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【経済コラム】ドル安で「ブレトン・ウッズ2」体制崩壊か:A・ムカジー  [ブルームバーーグ]【アジア各国中銀の憂鬱】
http://www.asyura2.com/0411/hasan37/msg/618.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 11 月 10 日 16:12:50:Mo7ApAlflbQ6s
 


  11月9日(ブルームバーグ):ブッシュ米大統領の2期目は、アジア各国中銀当局者にとって試練の日々となるかもしれない。

  ブッシュ政権下で財政赤字はさらに拡大するとの観測を背景に、ドルはユーロに対し8日に過去最安値を付け、下落圧力が高まっている。加えて、過去3年間とは異なり、ドルの下落は対欧州通貨だけにはとどまらない可能性もある。

  米銀大手バンク・オブ・アメリカ(BOA)は、中国はドルにペッグ(連動)する人民元の変動幅の拡大を、早ければ2005年第1四半期(1〜3月)にも容認すると予想。米国の過去最大規模の経常・財政赤字と人民元切り上げの可能性を総合し、来年はアジア通貨が軒並み上昇する可能性を指摘する。

           ブレトン・ウッズ2体制

  米カリフォルニア大学のマイケル・ドゥーリー教授と、ドイツ銀行の調査部門責任者のデービッド・フォルカーツランダウ氏とストラテジストのピーター・ガーバー氏は、こうした為替調整は「修正版ブレトン・ウッズ体制」とでもいうべき固定相場制に準じた現在のアジアの通貨体制の終わりを意味するのかもしれないと語る。

  修正版ブレトン・ウッズ体制、別名「ブレトン・ウッズ2」体制は、第2次世界大戦後の国際通貨体制の構想を定めたブレトン・ウッズ協定を再び具現化するものといえる。元々のブレトン・ウッズ協定は、金ドル平価を基準に固定相場制を維持するもので、1オンス=35ドルでの金兌換(だかん)がこの体制を補償していた。ほかの国々は自国通貨をドルにペッグさせていた。

  ブレトン・ウッズ体制は1973年に崩壊したものの、それに代わる世界金融の「中核」である米ドルと、その「周辺」のアジア諸国通貨との関係は今も続いており、双方に利益となっているようだ。周辺通貨国は、米国が必要とする資金を供給する限り、通貨相場を低位に抑制することで輸出拡大が容認されてきた。

  ドゥーリー教授とドイツ銀行の2人のエコノミストは昨年のリポートで、「アジア諸国にとっては対米輸出が主要な懸念材料。輸出イコール成長だからだ。輸入は伸ばさず、アジア政府は米金融資産の購入に前向きだ。アジア諸国の成長能力は天井を打つには程遠いため、米資産購入には際限がない」と説明する。ブレトン・ウッズ2体制の中心は、十分な仕事がない中国の農村部の2億人だ。著者3人は「この人口が労働市場に吸収されたところで、大量の失業者を抱えたインドが次に控えている」としている。

ドル安

  中国農村部とインドの失業問題が解決するまで自国通貨相場を低位に抑えたいというのがアジア各国中銀当局者の意向だとすれば、ブッシュ政権2期目の今後4年間でアジアの通貨政策が変更される理由は何か。

  強い理由があるのだ。米国側の問題は政治的なもので、雇用が危険にされされているということだ。債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の投資責任者ビル・グロス氏は、弱いドルこそ「米国経済に真に必要なもの」と言う。一方、アジア諸国が通貨高を容認せざるを得ない理由はインフレだ。中国は9年ぶりの利上げを行うことで、インフレ問題を深刻に受け止めていることを示唆した。しかし、中国が金利を大幅に引き上げた上で人民元を1ドル=8.3元程度にペッグし続ければ、投機資金が一層流入し、インフレ加速につながりかねない。

  ニューヨーク大学スターン・ビジネス・スクールのヌリエル・ルービニ経済学教授は、ブレトン・ウッズ2体制が崩壊する大きな理由はほかにもあると語る。現在の金融システムは、アジアの中銀がカルテルを組んで、現在および将来の外貨準備を米ドルで保有する以外には持続不可能だからだと説明する。しかし実際には公式なカルテルは存在せず、結果としてアジア中銀は個々にドル安による保有資産価値の目減り回避を目指すことになる。言い換えれば、あるアジア中銀にとっての利益は、他のアジア中銀にとっては利益でないということだ。

  ルービニ教授は「他のアジア中銀が保有資産の投資先変更を試みないとすれば、どの中銀も気は楽だろう」とし、「しかしドル下落リスクが高まるなかで、どの中銀も損失回避に躍起だ」と話す。世界の中銀が保有する外貨準備は3兆4000億ドルで、アジア中銀はうち2兆2000億ドル強を抱えており、損失は甚大となる恐れがある。国際通貨基金(IMF)によると、昨年末時点で世界の中銀が保有する外貨準備のほぼ64%がドル建てだった。

  アジア中銀がドル建て資産離れをみせれば、ドル相場はさらに低下するだろう。ルービニ教授は、アジア中銀は「ほかに先んじてドルからユーロ資産にシフトするか、ユーロ・ドルのヘッジ取引に動くかによってのみ、自己防衛が可能となる」と語る。

  こうした通貨調整は痛みを伴うだろう。しかし、ブレトン・ウッズ2体制の崩壊を懸念する者には、米国消費者とアジア輸出業者にとって手遅れとなる前に調整が行われることはまだましなことだろう。

  (ムカジー氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:Can Asia Dump Bretton Woods II as Dollar Falls?: Andy Mukherjee (抜粋) {NXTW NSN I6VQ2N1A74E9 }

更新日時 : 2004/11/10 14:22 JST

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=apjrItXD.Gh0&refer=jp_home

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