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朝日新聞の小林慶一郎は確信犯なのかバカなのか?マクロ経済を理解できていない日本の知的エリート達
http://www.asyura2.com/0411/hasan37/msg/954.html
投稿者 TORA 日時 2004 年 12 月 06 日 15:10:14:CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望

http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu84.htm
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朝日新聞の小林慶一郎は確信犯なのかバカなのか?
マクロ経済を理解できていない日本の知的エリート達

2004年12月6日 月曜日

小林慶一郎はバカなのか確信犯か?(たぶんバカ)

◆「財政再建」について ニュースと感想 12月6日 コイズミの波立ち
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/main.htm

小林慶一郎の記事がまた出ている。(朝日・朝刊・解説コラム 2004-12-05 )
 前回の記事の続きという形。ついでに、私も前日の言及の続きの形で述べておこう。

 今回のコラムは、前回のコラムほど、メチャクチャではない。とはいえ、やはり、一番の基本が間違っている。

「財政再建には、歳入増加か歳出削減か、どちらかしかない」と述べているが、これは、とんでもない話だ。ここには、マクロ経済学の視点がまるきり欠けており、そのせいで、とんでもない結論になっている。

 歳入増加は、増税を通じて、GDPを減らす。
 歳出削減は、支出削減を通じて、GDPを減らす。

 だから、どちらも正しくない。では、正しくは? 「GDPの増加」である。GDPの増加があれば、歳入増加も、歳出削減も、どちらもしないでよい。

 国民レベルで言えば、増税も福祉削減も、どちらも困る。かわりに、「労働増加」があればよい。たとえば、百万円分働いて、七十万円をもらって、三十万円を納税する。これなら、国民も政府もハッピーだ。……それがつまり、「GDPの増加」であり、「労働増加」である。

 一般に、古典派というものは、「パイの配分」ばかりを考えている。パイの切り方を巡って、

 ・ 政府が多い方がいい
 ・ 国民が多い方がいい

 とカンカンガクガクだ。小林の主張は、「前者か後者か」という命題を立てた上で、前者がいい」という主張だ。

 もちろん、これは誤りである。正しくは、パイの配分をどうこうするのではなくて、「パイそのものを大きくすること」だ。それが「GDPの増加」である。

 マクロ経済学を理解できない人って、本当に困りますね。本人は正しいことを主張しているつもりだが、国中に嘘をばらまいて、日本経済を破壊しようとする。「救います」と述べながら、殺そうとする。

◆「財政再建と増税」について 12月5日

「財政再建のために増税を」という意見が結構ある。朝日のコラムから引用しよう。

 「経済理論が教えるのは、政府の債務がふくらんでも歳出の削減や増税ができなければ、超インフレが起こる、ということだ」(朝日・夕刊・2面・コラム 2004-11-30 )

 これは、いかにももっともらしい主張だが、デタラメである。こういうデタラメを言うのは誰かと思って書名を見たら、「小林慶一郎」とあった。やっぱりね。

 この主張が間違っているということは、現実を見ればすぐにわかる。現実は、どうか? 今、政府の債務がふくらんで、歳出の削減や増税ができない。で、超インフレが起こったか? 逆に、デフレが起こっている。

 要するに、現実を見ればわかるとおり、上記の主張はまったくのデタラメである。

 ま、非常に長期を見れば、上記の主張は正しい。しかしケインズの言うとおり、「長期的にはわれわれはみんな死んでいる」のだから、非常に長期を考えたって、意味がない。

 たとえば、バブル期の前に、莫大な財政赤字が蓄積したことがあった。あのころも、「財政赤字が大変だ」と大騒ぎだった。で、そのあと、超インフレが起こったか? 別に、起こらなかった。そのあと適当な時期に歳出削減などが進んだから、特に大きな問題は起こらなかった。(なお、バブル期の資産インフレは、過度の金融緩和が原因であり、財政赤字とは直接の関係はない。)

 要するに、非常に長期を考えれば、「ずっと財政赤字」ということはなくて、いつかは解決の時期が来るのだから、短期的に財政赤字を大問題にする必要はさらさらない。「いつかは増税が必要だ」という主張は正しいが、「今すぐ増税が必要だ」という主張はまったく正しくない。(このことを小林は故意に書き落としている。彼はやたらと経済をモラルで論じるモラリストだからだ。モラリストというのは、誉め言葉ではありません。エコノミストになれない、という意味。)

 では、正解は? 

 上記の主張が成立するには、一つの条件がある。それは、次のことだ。

 「国民が消費を増やせば」

 この条件が満たされれば、上記の主張は正しい。なぜなら、国民の消費と、民間の投資と、政府の支出とがぶつかりあって、需要の奪い合いが起こるからだ。当然、超インフレが起こる。

 一方、この条件が満たされなければ、上記の主張は正しくない。なぜなら、国民の消費と、民間の投資とが、ともに減るので、政府の支出とがぶつかりあわず、需要の奪い合いも起こらないからだ。当然、超インフレは起こらない。(むしろデフレが起こる。)

 この問題は、「国の借金とは何か?」を論じるミドル経済学を理解すると、本質がわかる。そして、ミドル経済学を理解しないと、「国の借金とは何か?」と問われて、単に「借金である」と答えて、「借金は悪いことだから、さっさと借金を減らそう」というモラルを主張することになる。

 小林が示しているのは、経済学ではなくて、エセ経済学(正確には経済道徳)なのである。そして、経済を道徳で論じると、「正しいことをなそう」としたあげく、ひどい結果を招くことになる。素人というものは、そういうものだ。素人というよりは、嘘つきと言うべきかもしれないが。

◆小林慶一郎の東大、通産官僚、朝日新聞論説委員、シンクタンク研究員の華麗なる経歴に騙されるな。
http://www.asyura2.com/0406/hasan36/msg/1082.html

小林慶一郎(こばやし・けいいちろう)

独立行政法人「経済産業研究所」研究員。平成元年東大工学部卒、同3年東大大学院修士課程修了(数理工学専攻)、同年通産省入りし産業政策局配属。同10年シカゴ大大学院博士課程修了(経済学)。経済産業省課長補佐を経て、同13年から現職。専門はマクロ経済学だが、主な研究分野としては内生的経済成長理論、一般均衡理論、景気循環論など。主な編著書に「日本経済の罠−なぜ日本は長期低迷を抜け出せないのか」(日経新聞社)「バランスシート再建の経済学」(東洋経済新報社)がある。


(私のコメント)
朝日新聞の論説委員の小林慶一郎氏が日本の経済問題を論じていますが、マクロ経済学者と自称していながらマクロ経済学を理解していないデタラメな論説を朝日新聞に発表しています。これに対して朝日新聞は何の疑問も持たずに掲載しているのだろうか。

「歳入の増加」にしろ「歳出の削減」にしろ正しい政策ではない。どちらもデフレをより深刻にさせるだけであり、小泉内閣は二重の間違いを犯して日本経済をより深刻な方向へ導いている。財政の再建を果たすためにはマクロ経済的に言えば経済成長、すなわち日本はGDPの拡大をしなければ財政再建はむずかしい。この基本が小泉内閣は理解していないのだ。

つまり、年収200万円の人が払う税金は限りなくゼロに近い。しかし年収が倍の400万円になれば支払う税金は50万円ぐらいになるだろう。そうなれば国や地方の税収は数十倍から数百倍に増えて財政再建問題は一気に解決する。ところが小泉内閣がやっていることは、400万の年収に人を200万に引き下げたり、あるいは失業して生活保護をもらう政策をしている。

つまり先日、政府税調の石会長が「恒久減税の廃止」を答申しましたが、増税をすればそれだけ消費が減り税収はかえって減るだろう。歳出の削減も税収の落ち込みとなって返ってくる。ならばどうしたら税収が増えるのかと考える頭のある人ならば、国民所得の増加を図るようにするのが正しい道であることがわかるだろう。

ならば日本のエコノミストや学者達はどうしたら日本経済が拡大して国民所得が増加するかを考えて、政策提言するのが役割なのですが、小林慶一郎氏を見ればわかるようにマクロ経済学を全く理解していない。日本の学界も小林氏に「あなたの政策提言は間違っているよ」と指摘されないところを見ると、日本の学界が彼と同じような意見の持ち主なのだろう。

日本経済の不振の根本原因としては、昨日書いたように製造業の進歩発展に比べて、情報産業(サービス産業)の進歩発展が遅れてしまっていることだ。手足が大きくなっても頭脳部分が子供のままでは満足な仕事が出来ないのと同じで、情報産業も一段のレベルアップが図られないと経済の不振は脱却できない。

そのためには国も公共事業として情報環境の充実や、研究開発に対する積極的な投資が望まれますが、政府は歳出カットでそれらの芽を摘んでしまっている。日本の大学教授たちのレベルアップも図らなければ、日本の大学生の学力レベルも低下して中学生並みになっている。これでは日本の産業競争力も落ちるのは当たり前だ。

小林慶一郎氏の経歴を見れば、東大を出て通産省のキャリアとなりシカゴ大学に留学して、現在は通産省系のシンクタンクの研究員だ。マクロ経済学を満足に理解できないような低脳学者が、どうして東大出たりキャリア官僚になったり出来るのだろう。要領さえ良ければペーパーテストは何とかなるのだろう。竹中平蔵のように旨く権力者にとりいれば大臣にまでなることが出来る。

日本からノーベル経済学賞をとるような学者は出ないだろう。エコノミスト達は満足な政策提言も出来ず、日本経済の実態すら掴むことが出来ない。だから増税だの歳出カットなどのメチャクチャの政策提言しか出来ないのだ。パイの切り方ばかり論じていてパイの拡大に全く触れようとしないのはなぜか。マクロ経済学が理解できていないからだ。その証拠に内閣は次のようなアンケートを取っている。発想そのものが間違っているからだ。

◆財政再建「増税より歳出削減」6割超す…内閣府調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041205-00000215-yom-bus_all

 経済財政諮問会議が策定する「日本21世紀ビジョン」に関連し、内閣府が実施したアンケート調査で、財政再建の手法として、増税よりまず、歳出削減を優先させるべきとの意見が6割に達したことがわかった。

 調査は、1人当たり560万円を超える国と地方の借金を将来世代に先送りしない方法について、全国1500人にインターネットで聞いた。その結果、「すべて歳出削減で対処する」との回答が31・3%で最も多かった。「増税で4分の1、歳出削減で4分の3」は29・3%で、歳出削減優先派は計60・6%に達した。

 ただ、「増税で4分の1、歳出削減で4分の3」に「増税で2分の1、歳出削減で2分の1」(21・8%)や「増税で4分の3、歳出削減で4分の1」(4・4%)などを合わせると、増税に一定の理解を示している割合も58・0%に達した。歳出に大なたを振るえば増税も容認するという姿勢が読みとれる内容となっている。

 年金や医療など社会保障負担のあり方については、「現在の負担水準を維持して、サービス水準を引き下げる」が36・4%と最も多く、負担引き上げの容認派は25・6%しかなかった。
(読売新聞) - 12月6日0時33分更新

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