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3年間で100万人は多い?少ない?確定拠出年金(日本版401k)の未来は【東京新聞】
http://www.asyura2.com/0411/hasan38/msg/125.html
投稿者 バルタン星人 日時 2004 年 12 月 10 日 19:01:50:akCNZ5gcyRMTo
 

3年間で100万人は多い?少ない?
確定拠出年金の未来は
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20041210/mng_____tokuho__000.shtml

 これまでの年金とは大きく異なる確定拠出年金(通称・日本版401k)の導入から三年。加入者は百万人を超えた。「十年後には三十兆円市場」と鳴り物入りで導入された日本版401kだが、三年間で百万人という加入者は、多いのか、少ないのか。この年金の現状と課題を考えた。

■撤退の新光証『コスト増、競争激化響く』

 「もうちょっと取扱件数はあるんやろうと思っていた。まさかウチともう一社だけやったとはねえ…」

 新光証券が十一月末、確定拠出年金(日本版401k)の運営管理業務から撤退した。同証券に、業務を委託していた大阪市のコンタクトレンズ販売会社「シンワメディカル」の担当者は驚きを隠さない。

 正社員五十人が加入していた中小企業退職金共済に加え、今年一月、新光証券と契約、社員の福利厚生強化の一環で401kを導入した。「社長が新光証券と株のからみで知り合いで、確定拠出年金を紹介され始めた」(担当者)という。運営管理業務は専門会社に引き継がれ、損害はなく、従業員にも動揺はない。

 だが、新光証券はみずほグループ系列の準大手証券だ。401k顧客がたった二社だったのは、前出の担当者ならずとも意外だ。

■勝ち組企業は『5つくらい』

 同証券は、撤退は「コスト増や競争激化で継続的に運営できるかどうか総合的に判断した」とするのみだが、すでに今年三月、401kを勧める「確定拠出年金インフォメーションサイト」のメール配信を停止しており、ビジネスとして難しい状況に陥っていることを暗示する材料はあった。

 ある金融関係者は「401kの制度開始後、三年がたち、優勝劣敗がはっきりしてきた。運営管理業務側で勝ち組と言えるのは五つぐらい」と漏らす。

 「証券会社では野村証券と大和証券はまあ商売になっている。そろそろ撤退かな、という印象の大手証券はある。生保では日本生命が成功している。地方銀行などは、専門知識を持った行員を養成することが難しく、地元企業が導入する場合、話を損保会社につないで事実上丸投げしているケースも多い」と業界地図を描いた上で「全体的には商売にならないなあという思いは強い」と話す。

 何が「商売」のネックになっているのか。

 特定非営利活動法人「確定拠出年金教育協会」(東京都中央区)の古井道郎事務局長は「加入者個々人の年金の管理を行うレコードキーピングという業務に金がかかりすぎる。手数料構造が複雑で、利回りより手数料の方が高いといった場合もある。結果として運営管理業務を行う会社間で過当競争が発生し、受託業務の報酬のダンピングが起こって運営管理業務会社の取り分が減る」と指摘する。

 一方、加入者側も「従業員が自己責任で資産運用する」という401kの理想像からはほど遠い。同協会などの調査では、株式、債権の運用を含む「投資信託派」と預貯金などの「元本確定派」は43%対46%。預貯金なら、ただ預けた方が手数料がかからず有利だ。

■人気が根強い『元本確保型』

 二十代は運用管理業務会社から送られてくるステートメント(報告書)すら読まない加入者が約四割。四十代は投信などリスク商品への関心も高いが、五十代になると、老後に向け十分な貯蓄がないにもかかわらず「リスクを取る年代ではない」と元本確保型を選んでいる。

 それでも「もう401k導入の流れは止まらない。三年以内に加入者は五百万人になるだろう」と古井事務局長は言う。

■始まりは企業年金の“崩壊”

 日本版401k導入の背景には、現在の年金制度の運営が難しくなっている面があるとされる。田中年金総合研究所の田中章二所長がこう説明する。

 「(企業年金である)厚生年金基金も適格退職年金も、5・5%の運用利回りをつけないと、(将来の給付に備えた)積立金が不足する。厚生年金基金の代行を返上する企業が増えている。積み立て不足を解消するために始まったのが401kだった」

 企業の退職金や企業年金を含めた退職給付債務の不足は、二〇〇〇年度末で三十八兆円とする民間シンクタンクの試算もあり、企業会計は深刻なようだ。

 また、経済評論家の三原淳雄氏は「国が公的年金に失敗して社会の指弾を浴び『民間で代わる制度を作ったらどうですか』『国民が自分の老後設計できる制度を作りましたよ』ということで始まった制度。自分の責任を国民に向けようとしている。新光証券が撤退したことを厚労省は考え、反省すべきだ」と批判する。

 「マーケットが大きくなれば、企業は資金調達が楽になり、企業が成長すれば401kの拠出も増え、国民が豊かになる。制度としては評価すべきだ」としつつも「制度の使い勝手が悪すぎる。仏を作って魂入れずの状態だ。だから百万人しか入っていない。老後に年金が欲しい人は、何人いますか」と皮肉を込める。

 田中氏はすそ野が広がらない理由として「米国などでは小学生から投資教育をしている。だが、日本は法を作ったが、それきりで軌道に乗っていない。退職金の債務が発生する意識がない企業が多い」と、制度を取り巻く環境を挙げる。

■『得か損か』は評価分かれる

 さて、加入者のメリットは、勤務先が変わっても、それまでの年金を持っていくことができるポータビリティーと、公的年金と違って資産残高を確かめることができる点とされる。企業にとっては、企業年金では運用利回りが、予定利回りを下回った場合、差額分の負担が必要となるが、401kでは運用リスクについての責任を背負わなくて済むことがメリットの一つ。

 三原氏は「401kは企業に社員教育、説明の責任を負わせているから、コストが高くなる。ポータビリティーも、商品を管理する会社にとって採算が取れないから、参入に積極的でない。従業員が元本確保の商品を選べば、金利以上の管理手数料がかかり、目減りする」と指摘。将来の受給額が運用成績次第、自己責任が伴うことから、現制度では「リスクがあってメリットはない」と酷評する。

 田中氏は「限度額(非課税枠)の上限が十月から引きあげられ、今の枠なら十分。投資教育のコストがかかるといっても、適格退職年金などでも事務費はかかっており、デメリットは少ない。元本確保の商品では目減りしない。公社債中心ならデメリットもない」などと話しており、401kの評価は定まっていない。

 米国は一九七八年に401k導入を決めた。加入者の資産は株価が一万ドル台に乗せ大きく増加。だが、二〇〇一年末、通信大手エンロン社崩壊の際、同社株を組み入れていた人々が老後資金を失うなど、企業統治の失敗で社会問題にも。

■先駆者米国の『失敗に学べ』

 米国人で汎用コンピュータ用ソフトウエア商社アシストのビル・トッテン社長は「日本は米国のまねしかしていない。(年金が良くなるかどうかは)株しだいというばくちの世界で、自己責任になる。それは、ごまかしだ。米国では401kを導入、退職年金をやめた結果、働くことをやめられない人が増えている。失敗した人が圧倒的。なぜ日本は他国の失敗を調べないでやるのか」。

<メモ>

 確定拠出年金(日本版401k) 個人が掛け金を自分で運用し、掛け金と運用益によって給付額が決まる年金。運用する株式や債券などの商品は、保険会社や証券会社などの運営管理機関が選定・提示する。2001年10月導入の企業型と02年1月からの個人型がある。給付は60歳からで、所得控除や免税など優遇措置がある。

 一方、企業年金で、受け取る年金額を基準に掛け金などを決める方式を確定給付型年金という。

 民間サラリーマンの場合、勤務先の企業が厚生年金に加え、企業型を導入していると企業型に加入し、企業が掛け金を払う。企業型を導入していない企業勤務の場合は個人型に加入。掛け金は給与から天引きされる。

 自営業者、その妻の専業主婦で、ずっと国民年金だけに加入している場合、国民年金基金の上乗せ年金として個人型に加入する。夫がサラリーマンの専業主婦や公務員は加入できない。

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