日銀は17日に発表した12月の金融経済月報で、景気の総括判断を「生産面などに弱めの動きがみられるものの、基調としては回復を続けている」とし、前月より表現を下方修正した。総括判断の下方修正は11月に続き2カ月連続。福井俊彦総裁は同日の記者会見で「ＩＴ（情報技術）関連の在庫調整などを背景に、景気は踊り場的な局面になっている」と語った。

　日銀は電気機械などＩＴ関連業種を中心に生産が鈍化し、鉱工業生産指数が低下傾向にあることから、景気回復の起点になってきた生産の判断を引き下げた。12月の企業短期経済観測調査（短観）で大企業製造業の景況感が1年9カ月ぶりに悪化したことを受けて「企業の業況感にも一部に慎重さがうかがわれる」と指摘した。

　一方、日銀は設備投資については「企業収益が改善するもとで、引き続き増加傾向にある」とした。雇用者所得が下げ止まっていることから、個人消費も「底堅く推移している」と分析。景気の先行きに関しては「当面、ＩＴ関連分野の在庫調整の影響が残る」としながらも「回復を続けていく」との見方を維持した。 (19:39)

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20041217AT1F1701O17122004.html

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