★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産38 > 342.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
バブル崩壊後の負の遺産を清算する。
http://www.asyura2.com/0411/hasan38/msg/342.html
投稿者 hou 日時 2004 年 12 月 29 日 07:32:40:HWYlsG4gs5FRk
 

金融「普通の国」へ急げ、国家管理脱却を――不良債権峠越える(アングル)2004/12/29, 日経金融新聞,

 御用納めの二十八日、産業再生機構はダイエーとミサワホームホールディングスへの支援を正式に決めた。記者会見した高木新二郎・産業再生委員長は「早期事業再生のモデルを示すことができた」と再生機構の果たした役割に胸を張った。
 ちょうど二年前。日本の金融界は「竹中ショック」に揺れていた。〇二年秋の内閣改造で金融担当相を兼ねた竹中平蔵経済財政相が打ち出した金融再生プログラムでは、大手銀行の不良債権処理に数値目標(〇五年三月末までに不良債権比率を半減)を課し、経営健全化が進まなければ国有化も辞さないと迫った。大手銀行首脳はそろって緊急会見を開いて抵抗したが、新政策が全面撤回されることはなかった。
 「日本の監督当局は逃げているだけだ。本当にやる気を出せばできるはずだ」。竹中プランの出る一年ほど前。日本政府と交渉を続けてきた元米財務省幹部は、日本の当局者が「民間金融機関の経営には介入できない」と言い訳を繰り返すのにいらだっていた。
 金融再生プログラムはこうした国際的な批判にある程度こたえ、官主導の不良債権処理にカジをを切ったものだった。同時に創設した産業再生機構もあわせ、非常時の金融国家管理に突き進んでいった。
 「あと一点とられたらゲームセットという状況で、攻撃陣も守備陣も一緒になってゴールを守らざるを得なかった」。金融庁首脳は当時の状況をサッカーのゲームにたとえてこうふり返る。
 金融・為替政策も応援にまわった。日銀は量的金融緩和を追加、時間軸効果を使って長期金利も一%台の低い水準に抑え込んだ。財務省も〇三年から〇四年初めにかけて総額三十兆円を超す空前の規模の円売り為替介入で、市場を管理した。
 金融機関、金利、為替市場に強力な国家介入をして、バブル崩壊後の負の遺産を清算する。この戦略に沿って日本はようやく金融再生の足がかりを得た。
 問題はこの先だ。異常な政策の積み重ねは、異常を異常と感じなくさせる怖さがある。「銀行預金は政府が守ってくれるので安全」「金利の低位安定はまだ続く」「円高が再燃したら政府・日銀が大量介入でまた助けてくれる」――。金融の国家管理に慣れすぎてこんな新たな神話が生まれていないだろうか。「土地・株の右肩上がり神話」や「銀行不倒神話」で痛い目にあったのはついこの間のことだ。
 市場経済というのは本来不安定なもの。その変動をもとに利益をあげるのが、投資家や起業家の仕事だ。その変動を政府が抑え込み管理すれば、長い目でみると市場経済のダイナミズムを殺してしまう副作用もある。
 「市場の失敗」に対応した国家管理はあくまで緊急避難策。そこからうまく撤退する出口戦略が必要になる。金融庁は二十四日に金融再生プログラムの後継の金融改革プログラムを公表した。その副題は「金融サービス立国への挑戦」。目標は立派だが、まず「普通の国」になることを目指すべきではないか。(金融再生プログラムは2面「ミニ辞典」参照)
 台風、地震、津波――。自然が猛威をふるった二〇〇四年がもうすぐ終わる。金融界でもUFJ・三菱東京の統合など大型再編や産業再生機構のダイエー支援をめぐる迷走など激震が走った。七転八倒の末、バブル崩壊後の懸案だった不良債権・過剰債務問題はようやく峠を越しつつある。次の課題は金融の国家管理という異常事態を早く脱し、「普通の国」に生まれかわることだ。(編集委員 藤井彰夫)
=関連記事3、4面に

 次へ  前へ

国家破産38掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。