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中国の産業高度化がもたらす資源争奪時代 (iijnet)
http://www.asyura2.com/0411/hasan38/msg/418.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 1 月 12 日 06:58:31:ogcGl0q1DMbpk
 

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中国の産業高度化がもたらす資源争奪時代
産業最適地の条件、基礎資源の自給可能地域へ
ー鉄鉱石・非鉄金属の世界的資源不足が顕在化ー

http://www.iijnet.or.jp/IHCC/north-china-industry-shigensoudatu01.html

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 ●現実化しだした中国の産業肥大化
 かねてから懸念されていた中国の産業高度化にともなう地球規模での鉄鉱石や非鉄金属の資源供給不足が現実のものとなりだす事態が始まろうとしだした。2003年度における中国の粗鋼生産量は2億トンを超えるものとなり、2010年度には日本と同様な規模の粗鋼生産量、約1億トンが上積みされ年間3億トンにも及ぶ粗鋼生産量が予測されている。この傾向は鉄鉱石需要だけにとどまることなく、すべての産業ベースに当てはまることになる。特に顕著な資源としては、@石油(参照:本欄「市場経済原理に基づいた原油供給体制」)A鉄鉱石B非鉄金属(銅・ニッケル・亜鉛・鉛など)がある。

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 【中国の原料加工産業の動向】

 ●アルミニウム生産
 国内における電解アルミ生産が急速に拡大したことで、原料となるアルミナ(酸化アルミニウム)の国際的な価格高騰と電力不足も加わって、中国の電解アルミメーカーは厳しい情況に追い込まれている。国家発展・改革委員会(国家発改委)の統計によれば、中国における電解アルミの生産量は546万トン。さらに、総計500万トンの生産能力を有する工場群の建設が計画されている。2002年当初、1トン当たり160ドルだったアルミナの市場価格は現在、450ドルまで高騰している。ーー(2004/1/28)

 ●上海宝鋼集団、ブラジルで製鉄所建設へ 
 上海宝鋼集団はブラジルの鉄鉱石世界最大手、「CVRD」(リオデジャネイロ)と合弁で製鉄所を建設する方針を固めた。中国の鉄鋼メーカーが海外に製鉄所を建設するのは初めて。両社は上海市内で、事業化調査の合意書に調印した。調印式には世界最大の鉄鋼メーカー、「アルセロール」(ルクセンブルク)も参加しており、3社による合弁事業への進展もある。粗鋼の年産能力は370万トン、「宝鋼集団」はすでに中国政府の認可を得ている。建設時期や稼働時期は未定。将来的には、安価で大量な鉄鉱石や鉄鋼製品の供給も視野に入れているかのようにもみえる。−−(2004年1月)

 ●EU、中国のコークス輸出規制についてWTO提訴を警告
 中国のコークス輸出規制について、欧州連合(EU)は「5月14日までに規制を解除しなければ、世界貿易機関(WTO)に提訴する」と警告した。英紙「フィナンシャル・タイムズ」(電子版)が5月10日伝えた。中国で冶金用コークスの輸出許可証(EL)発給が遅れている問題で、EUは中国政府への発給増加を働きかけていた。ーー(2004年5月)

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 【中国の石炭・コークス関連の動き】

 【中国の利用可能な石炭量は1,886億トン以上】 ≪メモ≫ 
 中国国土資源部が明らかにした、中国における利用可能な石炭量は1,886億トン以上(2002年末)。中国の石炭資源はあと100年間はもつ計算になる。さらに探査済みの石炭埋蔵量は3,317億トンという。また2003年におけるコークス精製量は1億7,800万トンで、世界のコークス貿易の56%を占める(註)。この石炭埋蔵量からすればあと200年は安定的にコークスを供給できる。しかし最近は、炭鉱での事故も多発しており、今後の石炭供給のネックにもなりかねない。

 (註:最近、中国における2005年度までの年間コークス生産能力が2億6,600万トンまで高まるとの報告がある。これにより今後、鋼材4億トンの需要が可能になるという。)

 【中国、2005年の第一次石炭輸出割当は6,400万トン】
 国家発展・改革委員会はこのほど、2005年の第一次石炭輸出割当を6,400万トンと発表した。年間の石炭輸出割当総量の80%を占める。

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 【伊藤忠、中国でコークスを合弁生産】
 伊藤忠商事は2006年からブラジルの資源大手リオドセ、中国の石炭会社と合弁で、中国で製鉄原料であるコークスの生産を始める。総額約300億円を投じて年産能力200万トンの工場を建設、このうち年100万トン程度の輸出を目指す。中国は世界最大のコークス輸出国だが国内需要の拡大で輸出を削減しており、世界的にコークス需給はひっ迫している。今回想定する輸出量は中国の今年の輸出量の約1割に相当する規模。伊藤忠が5%、リオドセが25%、中国第3位の石炭生産会社、エン礦集団(山東省)が70%を出資して、山東省に合弁会社「山東エン礦国際焦化」を設立する。資本金は8億8000万元(約110億円)。コークスのほか副産物としてのメタノールも年間20万トン生産する。中国は内需の増加に対応するため、2004年のコークス輸出量を昨年実績の4割減に相当する900万トンにする方針。ただ、伊藤忠などが年100万トン程度の輸出を目指しても、中国政府が内需向けを優先して合弁会社への輸出権発給を絞る可能性もある。−−(「日本経済新聞」、2004年7月13日)

 【伊藤忠、中国の石炭会社に出資・製鉄用など安定調達】
 伊藤忠商事は中国の石炭資源大手、黒竜江省龍煤鉱業に出資する。600万ドル(約6億3000万円)を投じて同社の新株を取得し、日本での石炭販売や排出権取引、炭鉱ガスの有効利用などの事業を共同展開する。日系企業が中国の石炭資源会社に出資するのは初めて。資源需給のひっ迫で鉄鋼原料炭などの価格が急騰するなか、調達先を分散。安定供給体制の確立を狙う。龍煤は黒竜江省の4大石炭資源会社が統合されて27日に発足する新会社。鶴崗、双鴨山、七台河、鶏西の4社が合併し、伊藤忠の出資比率は約1.5%程度になる見込み。龍煤は長期的なパートナーとして鉄鋼、電力、商社などの業界から1〜2社、海外からは1国1社の資本を受け入れる方針で、日本からは伊藤忠を選んだ形となる。出資を機に、伊藤忠は龍煤の年間生産量5500万トンのうち、50万〜200万トンを日本に輸入する契約を結ぶ方針。製鉄に使う原料炭、発電などに使う一般炭の割合はほぼ半々の見込み。

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 【鉄鋼原料炭、2005年度価格2倍・業界で費用4000億円増】
 新日本製鉄が豪州やカナダの資源大手と進めていた2005年度の鉄鋼用原料炭の価格交渉が、前年度比約2倍、過去最高の一トン当たり120ドル台で決着した。値上げは2年連続。JFEスチールなど他の鉄鋼大手も同水準で決着する見通し。業界全体で約4000億円のコスト増になる。新日鉄などは自動車メーカーなど国内主要顧客との間で年明けにも鋼材の値上げ交渉に入るもようで、鋼材価格の一段の上昇が避けられない情勢となってきた。英豪系BHPビリトンやカナダのエルクバレー・コールなどの資源大手は今回、鉄鋼生産の世界的拡大に伴う原料炭需給のひっ迫を理由に大幅な値上げを提示、新日鉄も原料を安定確保するため受け入れた。値上げ対象は強粘結炭と呼ぶ鉄鋼用の石炭。日本の鉄鋼業界は2003年度で約6400万トンの原料炭を使用、そのほぼ全量を輸入している。強粘結炭はこのうち45%を占める。世界の鉄鋼生産は中国を中心に増加が続いており、粗鋼ベースで04年に初めて10億トンを突破する見通し。−−(「日本経済新聞」、2004年12月11日)


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 【日・韓鉄鋼業界の動向】

 ●日本の鉄鋼業界、鋼材値上げ方針
 JFEスチールは、鉄鋼原料費の上昇分を鋼材価格に転嫁していく方針を明らかにした。新日本製鉄も値上げ方針を表明しており、高炉各社は2004年度出荷分について値上げ交渉を本格化する。ーー(2004年1月)

 ●鉄鋼大手、家電用鋼板値上げ
 新日本製鉄やJFEスチールなど鉄鋼大手は、家電・電気メーカー向けの薄鋼板を値上げする。4月出荷分から1トン当たり約5,000円の値上げ。家電向けの値上げは2002年以来、計4回目となる。鉄鋼各社は自動車、造船メーカーにも鋼板価格の値上げを要請。早ければ4月から5〜10%の値上げとなる見通し。−−(2004年3月)
 
 ●韓国、鉄鋼価格が急騰 対策に苦慮
 POSCO(ポスコ/旧浦項(ポハン)製鉄)は昨年末に続いて2月9日の契約分から主な内需向け鉄鋼板材類製品の価格を平均12%引き上げることにした。これを受け、熱延鋼板は1トンあたり35万5,000ウオンから40万5,000ウオンに、冷延鋼板は47万ウオンから52万ウオンにそれぞれ上昇する。東国製鋼も1月28日から鉄筋販売価格を平均4万9,000ウオン引き上げ、1月26日の注文分から船舶用鋼板価格(46万ウオン)も4万ウオン引き上げた。このほか、INIスチールや起亜特殊鋼も内需価格をそれぞれ引き上げた。韓国は2002年に鉄鋼材の純輸入国に転換し、昨年の熱延鋼板の輸入は500万トンに達した。中でも造船業界は厚板の価格が1年前に比べて20%以上上昇し、大手造船業は年間数百億ウオンの原価負担を懸念している。ーー(韓国「朝鮮日報」、2004年1月28日)

 ●韓国、中国産の安い鉄鋼材が逆輸入
 2004年11月現在、中国産の鉄鋼製品の韓国内輸入規模が380万トンと、2003年(180万トン)に比べ2倍以上に増加。昨年下半期に中国が景気調整に入ったことで、中国の鉄鋼需要の増加率は年5%台に落ち込んでいる。その分、アジア向けの輸出が急増している。アジア・ウォールストリート・ジャーナル(AWSJ)も最近、「鉄鋼材の純輸入国だった中国が輸出国に転じたことで、これまで好況に沸いていた世界の鉄鋼業界が供給過剰に陥る可能性がある」と指摘している。中国製は10%以上安いため、国内製とは競争にならない、という。ーー(韓国「朝鮮日報」、2005年1月5日・要約)


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 そのうち、中国の原料用鉄鉱石について見てみると、世界有数の埋蔵量を有してはいるがその自給率は60〜70%ほどで、採掘量は年々減少傾向にある。たとえば、1999年の鉄鉱石の採掘量は2億5,600万トンであったが、2002年度は2億3,100万トンへと低下している。この要因として、市場に流通する鉄鋼製品のうちで、国内産で通用する鉄鉱石品位が低く(通常は60%ほどであるが、中国産はそれよりも低い)、中間工程も含めればコスト高になるという現実がある。それにともなって、輸入鉄鉱石量は逆に増加傾向にあり、2001年度は9,200万トン、2002年は1億1,100万トンに達している(なお、2003年度における中国の鉄鉱石輸入量は1億4,600万トン=対前年比31.5%増)。

 ところで中国はこれまで産業用や民生用の一次エネルギーの大部分を自国内で産出する「石炭」で賄ってきた。しかしこの「石炭」に依存した社会・産業構造は、地球温暖化や砂漠化をもたらす元凶でもあるCO2(二酸化炭素)の大量排出をもたらすという世界的な流れもあり、中国も環境負荷への影響が軽減される天然ガスや石油への転換を図りつつある。そのため一時期は石炭の産出量を抑制する方向が打ち出されたこともあったが、近年においては予想以上の電力需要の増加もあり、再び電力用燃料として「石炭」が見直されつつあるのも事実である(一時期、年産14億トンを切っていた石炭の産出量だが、2003年度は16億トンに上り、過去最高を記録している)。

 ●電力の供給不足がアキレス腱に
 中国はいま、産業高度化への一つの「関門」である、「電力供給」の不足という新たな事態に遭遇することとなった。過度の工場群が集積したことによって、上海市周辺の江蘇省や浙江省などでは今夏の猛暑も加わり、普及しだした家庭用や業務用冷房器具などによる電力過使用のため定期的な電力供給停止を余儀なくされた。この傾向は暖房用器具の使用による冬場においても電力供給不足の解消しぬくい状態は続く。そのため、石炭輸送用列車を1万本増発して、1,000万トン分の石炭輸送に努めるなど、対策を施しているが抜本的な解決には程遠い。2009年における「三峡ダム」の完全竣工による総発電量1,800万kwの送電までには、まだまだ時間がかかり当分綱渡り状態は続くことになる。

 ●中国、原発2020年までに30基新設
 中国は2020年までに原子力発電所を新たに30基建設し現在の5倍以上の3,600万kwへ拡大する。現在、浙江省と広東省で9基の原発が稼動しており発電能力は合計で700万kw。浙江省で2基建設中で、これらを含めて2020年までに沿岸部で出力が100万kw前後の発電施設を30基建設する。中国核工業集団などの国有発電会社が外資から資金や技術を導入しながら建設する。原発燃料のウランは国内に豊富にあり、原発の拡大は電力の安定供給につながるとみている。−−(「日本経済新聞」、2004年5月13日・夕刊)

 今後、中国における産業基盤(鉄鋼・造船・自動車・化学・建設ーー等々)の成長力次第によっては、地球上の鉱物資源(石油・鉄鉱石など)の採掘量激減に多大な影響を及ぼすことになる。また中国政府の現状における資源政策を見ると、自国内における各種資源の「保存」策とも受け取れなくはない(参照:本欄「大慶石油・ガス田の位置図」)、近年の輸入海外原料(石油・鉄鉱石等)への依存が目につく。さし当っての中国産業基盤における将来の需要増加が予想される部門とその規模としては以下のようなものが考えられる(下記の「表」参照)。

 なお、2020年頃における中国のGDP(国内総生産)は最低値でも3,000ドルで落ち着くものと思われる。ところで、この2020年時点の中国における産業基盤の生産量が、下記のような数値で長期にわたって推移することは、全地球規模における資源埋蔵量確保という視点からしても好ましいものではない。これらがすべて中国独自において新規需要として賄っていくことは、限られた供給量からしても適切ではない。したがって、これらのうちの何割(希望的可能性としては2〜3割程度(註1))かは完成品としての「輸入代替」で賄わざるを得ない事態も当然予測できる。またそのほうが全地球的観点からも望ましいであろう。

 (註1:この「2〜3割」という数値のうち、最大値の「3割」(「カッコ」内は代替輸入比率が2割の場合)を各項目に具体的に当てはめると、代替輸入製品としての数量は大概ーー@自動車(註1-1)が300万台(200万台)、A鉄鋼製品(註1-2)で1億5,000万トン(1億トン)、B石油製品(註1-3)で1億5,000万トン(1億トン)ーーなどとなる。なお、造船の完工量はほぼ中国国内で賄えるものといえる。これらの数値は、今後において中国が海外からの原料輸入を需要通りに賄えなかった場合を仮定しての数値となる。ここからいえることは、将来的には中国は意外と大きな製品輸入国となる可能性があるといえることである。例えば、本来なら2005年5月まで期限があった鉄鋼製品の「セーフガード」が、2003年12月に解除された。中国・商務省は表向きは、「鉄鋼貿易の情勢が進展した」と説明しているが、これには日・欧などの大手鉄鋼メーカーとの合弁計画が軌道に乗ったとの思いもあろうが、それよりも中国における自動車生産の急激な進展により、2005年までの鉄鋼製品の輸入禁止事項が実際的に難しくなってきたと解釈するのが自然であろう。)

 (註1-1:2002年度における中国の自動車生産台数は約325万台で、そのうち「ノックダウン」生産用を含めた自動車全体の輸入台数は約12万7,000台で、輸入比率はおよそ4%ほどである。なお、中国における現行の自動車輸入台数はおよそ4%ほどと、現時点における代替輸入品として、20%までを予想することは少し無理があるかもしれない。しかし今後の自動車生産の増大にともなう、自動車用鋼板の供給力次第では、社会経済環境の高度化による代替輸入車の急増(具体的には10%=100万台=前後まで)は十分にあり得る。)

 (註:内外の自動車アナリストによる中国の自動車生産・販売台数の将来における予想値は大方、2010年時点で1,000万台、2020年時点で1,500〜1,700万台と予想している。しかしこの数値は少し誇張し過ぎな感は否めない、とみる。おそらく2004年度における中国の乗用車生産台数は、大方が予想していた台数には届かず、240万〜250万台の範囲内と見られる。また今後の自動車生産・販売についても、これまでのような順調な成長率は期待できず、前年割れの年も当然でてくる。また今後の展開次第では、過去ここ2〜3年が購買のピークであったという結論がでないわけでもない。)

 (参照):本欄「【速報】 中国の月別乗用車生産台数」(2004年1月〜)
 (参照):本欄「中国の最近の乗用車輸入動向」

 (註1-2:2003年度における中国の鉄鋼生産量は1〜11月期でおよそ2億トンを記録、そのうち鉄鋼輸入実績(1〜10月期)は3,105万トンで、輸入比率はおよそ15%ほどである。なお、中国鋼鉄工業協会が2003年10月に公表した2010年度における鉄鋼生産計画では生産能力を3億9,100万トンとしている。))

 (参照):本欄「中国主要鉄鋼メーカーの技術導入状況」

 (註1-3:2002年度における中国の原油生産量はおよそ1億7,000万トンほどと見られるが、そのうち原油輸入量は6,940万トン(2003年度における中国の原油輸入量は9,112万トン(註1‐4))と、輸入比率はおよそ40%ほどとなっている。なお、今後の中国における国内原油生産量はよほどの大規模な新規油田の開発でもない限り、現行の1億7,000万トンを維持するのが精一杯とみられる。したがって、今後における原油の輸入比率は国内産出量のおよそ3倍となる。そのうち、石油製品というかたちで1億トン〜1.5億トンが代替輸入品となることを想定している。)

 (参照):本欄「市場経済原理に基づいた原油供給体制」

 (註1‐4:2004年上半期(1〜6月)における中国の原油輸入量は6,102万トン、このペースでいくと年間の原油輸入量はおよそ1.2億トンを突破する見込み)

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        中国における各種産業基盤の需要予測   (IHCC:予想値)

産 業 部 門 
生産量(2003年)
需要量(2020年)
  自動車産業 
  400万台    
     1,000万台(註1)
  鉄鋼(粗鋼) 
  2億3,000万トン    
     5億1,000万トン
  石炭(含、原料炭)
   16億トン    
  20.5〜22.1億トン(註2)
  造船業(建造量)
  450万トン    
    2,000万トン(註3)
  石油化学(石油消費)
   2億5,000万トン    
5億2,000万トン

 (註1:中国における自動車の生産台数については諸説がある。2003年時点で、年産400万台に達したことを勘案すれば、2010年までには年産1,000万台は可能との見方が多い。したがって、2020年における年産台数は北米や欧州並の1,500万台は優に越す数値となる。)

 (註2:中国の石炭生産については、その豊富な埋蔵量にもかかわらず、国内生産量については2010年の15億5,000万トンをピークに低下し、2020年には14億3,000万トンに下がると予測されている。その一方で、石炭需要は2005年は16億5,000万トン、2010年は18億トン、2020年は20億5,000万〜22億1,000万トンに達すると予測されている=〔予測値:中国石炭工業発展研究諮詢中心〕。将来における石炭需要に対する不足分は、2020年には年間7億トンほどに達することになる。)

 (註3:中国における船舶の実際の建造トン数は現時点(2002年=約200万トン)でもそれほど多くはない。しかし年間受注量は2003年は450万トンほどは確保する見込みで、現在計画が進められている各地の造船所の拡張計画が終了する2020年頃には、建造トン数もそれに見合った数値になるとみられる。)    


 【中国、石油消費量2020年4.5億トン前後に、原油不足2.5億トン】 ≪予想値≫

 中国の2020年時点における、石油製品関連の需給見通しがこのほど、国務院国有資産監督管理委員会(国資委)が主催して行われた座談会で、中国石油天然ガス集団の陳耕・総経理により公表された。

 それによると、
 @ 2020年、中国の石油消費量は年間4億5,000万トン前後に達する。このときの原油ピーク生産量は2億トン前後で、2億5,000万トン前後が不足し、対外依存度は55%を超える。

 A 2020年にはガソリン、灯油、ディーゼル油の需要が2億6,000万トンに達し、エチレンが2,300万トン、3大アンモニア合成素材が9,200万トンに達し、2003年の2倍以上になる。エチレンなど化学工業製品は40%前後を海外から輸入しなければならなくなる。

 B 2020年には天然ガス生産量は現在の340億m3から1,200億m3に増え、需要も300億m3余りから2,000億m3前後にまで増え、800億m3不足する。一次エネルギー構成の中で天然ガスの占める割合は3%から10%前後まで拡大し、石炭、石油に次ぐ3番目のエネルギーとなる。

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  日系の鉄・非鉄企業が開発する鉱山やプラント
 幸いというべきものなのかは疑問符もつくが、わが国の産業構造において鉄鋼・造船・電気・自動車などの製造部門が、安定経済成長(それでも基礎素材の使用量はいまだ膨大なものである)に移行し、さらに業種によっては中国やアジア諸国に製造基盤を移管することによって、日本全体としてみれば、これらの資源供給確保がその分、低減されたことは間違いない。しかし海外移管した単体の各企業では原材料の確保は日本においても世界のどこにおいても変わることはない。

 ●住友化学、サウジ石化合弁・投資規模折半で5,000億円
 住友化学工業は、サウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコとの間で、同国に石油精製・石油化学プラントを建設することで基本合意したと正式に発表した。総投資額は約43億ドル(約5,000億円)を見込み、折半で負担する。ガソリンや灯油、ナフサ(粗製ガソリン)などの石油精製製品と、汎用樹脂などの石油化学製品を一貫生産する統合施設としては世界最大となる。両社は、サウジ紅海沿岸のラービグに折半出資の合弁会社を設立するなど、基本的な枠組みを定めた覚書を締結した。来年中に事業化調査を終え、2008年後半の稼働を目指す。石油精製から石化製品まで合弁新社が1社で手がけることで、原料や副産物の最適配分により最も収益率の高い生産体制を構築できる。新合弁の年商は4,000億―5,000億円に上る見通しという。−−(出所:「日本経済新聞」、2004年5月10日)

 中国の全産業レベルでの高度成長時代に突入した現在、各企業は言うに及ばず、各国単位あるいは中国などでは各地域単位での、資源供給確保に向けての産業立地づくりへと移行していくものと見られる。中国など発展途上国に産業基盤を移管する立地条件として、これまでの「人件費の安さ」などの条件から、安定した「電力供給」や「給水」、さらには基礎資源の自給体制が比較的整えられた地域が、産業最適地として再認識される時代が到来するやもしれない。

 ●住友大阪セメント、インジウム高騰で中国に生産移転
 住友大阪セメントはパソコン表示装置用塗料の生産を中国に移転する。原料となるレアメタル(希少金属)、インジウムの国際価格が高騰しているため。原産地の中国に製品生産を移しコストを圧縮する。鉄鋼、セメントなどで中国での需要急増を背景にした資材価格の上昇が表面化しているが、情報技術(IT)分野でも日本メーカーに影響が及び始めた。中国子会社の「住竜納米技術材料(深セン)」に10月に生産移管する。パソコン用ブラウン管で電磁波防御に使う塗料で、インジウムを中核の原材料として使っている。これまで住友大阪セメントは中国で産出したインジウムを日本に輸入し塗料に加工した後で輸出していた。原産国である中国への移転で関税や輸送コストを省き、競争力を高める狙いがある。ーー(「日本経済新聞」、2004年7月3日)

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    (参照):本欄「【提言】中国・東北地方こそ、経済発展の原動力」

    (参照):本欄「基礎資源の自給体制が優劣を決す」


http://www.iijnet.or.jp/IHCC/north-china-industry-shigensoudatu01.html


http://www.iijnet.or.jp/IHCC/north-china-industry01-shuyaku01.html

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