★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産38 > 543.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
[ldFn]増谷栄一の経済コラム: 米金利、今年前半までに3.25%にまで上昇の予想広がる
http://www.asyura2.com/0411/hasan38/msg/543.html
投稿者 愚民党 日時 2005 年 1 月 24 日 04:28:44:ogcGl0q1DMbpk
 

[ldFn]増谷栄一の経済コラム: 米金利、今年前半までに3.25%にまで上昇の予想広がる=先週のFRB幹部の一連の講演で

[ライブドア・ファイナンシャル・ニュース 23日 東京] 来週の2月2日に開かれるFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合であるFOMC(米連邦公開市場委員会)を間近に控え、米金融市場では先週、全米各地で相次いで開かれたFRB幹部の講演内容に注目、FRBは今後どこまで、どんなスピードで利上げを進めていくのかを探ろうとしている。

  FRB幹部の講演は、18日のミネアポリス、フィラデルフィア、クリーブランド、リッチモンドの各地区連銀総裁に加え、スーザン・バイズFRB理事が相次いで、2005年の経済成長とインフレに対する見通しについて発言したのを皮切りに、19日にはFRBのベン・バーナンキ理事、20日にはセントルイスとサンフランシスコ、ミネアポリスの各地区連銀総裁、そして、週末の21日にはリッチモンド地区連銀総裁とバイズFRB理事が再び壇上に上がった。

  結果的に、市場の共通認識となっているのは、FRBは2月に続いて、3月、5月、6月のFOMC会合で0.25%ポイント刻みの“measured”(徐々にゆっくりとした)ペースで、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を現在の2.25%から3.25%まで引き上げる確率がかなり高く、年内までに3.5%に上昇するというものだ。

  多くのFRB幹部は、2005年の米経済は、実質3.5−4.5%成長の強い伸びを示すものの、インフレは十分抑制され、緩やかなインフレが継続すると楽観的な見方だ。インフレの上昇が加速しない限り、現在のきわめて低い金利水準から、景気を刺激もせず、また、抑制もせず、経済の潜在成長率を達成可能にするニュートラルな金利水準にまでFF金利の誘導目標を徐々に引き上げていく必要があるとしている。

  しかし、問題はニュートラルな金利水準とは、具体的にどのレベルなのかについては、アラン・グリーンスパンFRB議長ですら、「知っている人がいれば、教えてほしいというくらい」というほど、人によってさまざまだ。サンフランシスコ地区連銀のジャネット・イエレン総裁は3.5−4.5%と見ているが、やはり、市場はアラン・グリーンスパン議長はどう見ているのか知りたいところ。2月中旬には同議長は年2回(2月と7月)のFRBの金融政策に関する議会報告を行う予定で、市場は、FRBは、3.25-3.5%から先の利上げはどこまで進めるのか、手がかかりをつかみたいとしている。

  もう一つの問題は、利上げのスピードをこれまでの0.25%ポイント刻みの“measured”(徐々にゆっくりとした)ペースを速めるかどうかだ。昨年は6月以来、12月まで5度にわたって、0.25%ポイントの利上げを実施してきた。とくに、昨年12月14日のFOMC会合ではこのペースにかかわるタカ派発言が出てきて、市場を驚かせている。

  年明けの4日に、昨年12月のFOMCでのFRB幹部の発言要旨が公開されたのだが、それによると、インフレ懸念をめぐって、最終的には「インフレは抑制されている」という見方が大勢意見となったものの、タカ派のメンバーは、ドル安とエネルギー価格の高騰、労働生産性の伸びの鈍化によって、物価上昇の可能性があると指摘。また、タカ派はここ数ヵ月、インフレ連動債の価格の推移に見られる長期のインフレ期待は上昇傾向にあり、これはインフレ期待が昨年の夏時点で見られたほどには安定していないとし、インフレ懸念を表明していた。

  これに対して、楽観論のメンバーは、賃金は抑制されており、ドル安の価格上昇リスクも過大評価されているようだと主張。また、高水準の企業利益で、労働生産性の伸びの鈍化による労働コストの上昇は、当面、相殺できるとして、インフレリスクは依然低いと主張している。

  ただ、多くのエコノミストは、FRBは今後、ゆっくりとしたペースで利上げをしない可能性がある警戒感を持ったのも事実。また、議事要旨では2.25%のFFレートは、FRBがインフレを抑制し、潜在成長率を維持するのに必要な金利の水準よりも依然、低い水準にあると述べており、エコノミストらを驚かせた。

  タカ派のひとり、クリーブランド地区連銀のサンドラ・ピアナルト総裁は、18日の講演で、「我々の金融政策はもはや金融緩和でないといいうことをより明示できるほどまで、利上げを続けるべきだ」とし、「インフレはディスインフレ(インフレ率の縮小)から明確に方向転換したのだから、FRBは警戒態勢に入るべきで、インフレ予防的な対応は、インフレ期待の悪化を待って、厳しい対応策を模索するよりもずっといい」と言い切っている。

  リッチモンド地区連銀のジェフリー・ラッカー総裁も21日の講演で、「労働生産性の伸びが鈍化すれば、雇用の伸びが高まり、賃金の伸びを抑える圧力も弱まる(つまり、賃金の上昇圧力が増す)ので、今よりも早いペースの利上げが必要だと警告する。

  また、バイズFRB理事も21日の講演で、インフレは十分抑制されており、“measured”(徐々にゆっくりとした)ペースで引き続き、金利を引き上げていくことが可能としたが、米経済は今後、インフレの加速を伴って、成長する余地があると慎重な見方だ。

  特に、雇用市場はまだ完全に回復しておらず、低迷感が残っており、若年層や婦人労働者が雇用市場に戻ってくるようになれば雇用が増加し、個人所得の増加につながり、原油価格の低下で家計の可処分所得も改善されることから、今後、FOMCはインフレの動向を注視していく必要があると警告している。

  また、同理事は、米国の巨額な経常赤字もドル安傾向を助長するので、インフレ要因となることから、「日本と欧州はもっと自国経済を強くして、米国製品をもっと買うべき」とも主張している。

  他のFRB幹部も原油の高騰がインフレ期待を悪化させ、インフレが加速的に上昇するようであれば、今よりも速いペースで利上げをすべきという点では異論はないが、その実現性に対する判断で温度差がある。

  ミネアポリス地区連銀のゲイリー・スターン総裁は20日、「利上げのペースを速める前に、インフレの悪化を確認する必要があるが、そのようなことは起こらないだろう」と述べている。また、12月のFOMC会合では、金融緩和の環境下で、銀行の利ザヤが極めて縮小したり、アパートや一戸建て住宅の価格が急騰したり、IPO(株式新規公開)が急増するなど、「リスクの取り過ぎ」(投機的な動き)が見られるとして、利上げのペースを見直す必要性を指摘する声もあったが、同総裁は「そのようなことを示す証拠はない」と否定的だ。

  原油高騰への懸念についても、12月下旬から1バレル当たり約7ドル反発してきているが、同総裁は「運輸業界を除いて原油上昇を製品へ価格転嫁するケースはほとんどな」とし、米経済は柔軟性と回復力に富んでいると指摘する。

  バーナンキ理事は19日、インフレ抑制要因である労働生産性の高い伸びが、第2四半期(4−6月期)の年率3.9%から第3四半期(7−9月期)には1.8%に低下傾向にあることから、「生産性の伸びが鈍化すればインフレ率を押し上げるので、金融引き締めが必要になる」と指摘したが、セントルイス地区連銀のウィリアム・プール総裁も20日の講演で、「FOMCはインフレが加速するようであれば今より早いペースで利上げをする用意がある」とした。

  プール総裁は、また、2005年の労働生産性は伸びが鈍化しても、依然高い水準で、+2.5%に落ち着くと見ており、米経済も実質4−4.5%成の強い成長を予想されるとし、原油価格もニューヨークマーカンタイル取引所(NYMEX)の標準油種であるWTI(ウエスト・テキサス・インターメディエート)の2007年12月ものがここ半年以上、1バレル=30ドル以上となっていることから、しばらくは高止まりするとしながらも、「技術の進歩と規制緩和で米経済は高い原油にうまく適応していくことができる」と楽観視している。  (了)

増谷栄一記者
(参照:http://blog.livedoor.jp/cowboymstn/

23日23時22分
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__951186/detail

 次へ  前へ

国家破産38掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。