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検証・ライブドアの野望
フジ資本の“穴”奇襲
ライブドアがニッポン放送の大株主になった。同社は、フジサンケイグループ全体との関係強化も視野に入れる。昨年、プロ野球参入に失敗したライブドアの次なるターゲットはマスメディア進出なのか。「株の高値売却が目的では」との見方もある中、ライブドアの“野望”を検証した。 （経済部・桐山純平）
■着目
「なぜフジテレビ株を購入したかというと…」。ライブドアの堀江貴文社長は記者会見で、「ニッポン放送」と「フジテレビ」を言い間違えた。買収劇の狙いは、ラジオよりむしろテレビにあるのが浮き彫りになった瞬間だった。
ニッポン放送は、巨大メディアであるフジテレビの２２・５％の株式を所有する同社の筆頭株主だ。ニッポン放送を手中に収めれば、売上高で約五倍のフジテレビに対し大きな影響力を持つことが可能になる。堀江社長が目をつけたのは、「小」が「大」を傘下に置くニッポン放送とフジテレビのいびつな資本の構図だった。
現時点で、ライブドアはフジテレビとの具体的な提携案は示していない。しかし、「ニッポン放送はグループの中核企業」と堀江社長はすでに、テレビだけでなく、レコード会社のポニーキャニオンなどからの音楽配信なども念頭に置く。自身のインターネット事業と、テレビ、新聞、出版社などフジサンケイグループとの総合的なメディア事業構築の夢を描く。
■ねじれ
突然の奇襲に対して、フジテレビは「ライブドアの動きは想定外」（境政郎常務）と驚きを隠せない。
ニッポン放送株については二〇〇三年から、旧通産省（現経済産業省）出身の村上世彰氏が運営する投資ファンド（通称・村上ファンド）が買収攻勢を仕掛け、役員を派遣する要求などを突きつけてきた。
このため、フジテレビは村上ファンドによるこれ以上の株式の買収を防ぐため、先月から株式の公開買い付け（ＴＯＢ）を開始したばかり。その直後の「伏兵」の登場だけに、今後の防戦の決め手が見当たらない様子だ。
村上氏の会社と同じ六本木ヒルズに入居する堀江社長は「村上さんの意向も聞いた」と明かす。村上ファンド側は「ノーコメント」とするが、市場関係者の多くは「堀江社長が株を買ったのは村上さんからではないか」と、今回の取引の背後で「堀江−村上連合」が組まれている可能性をささやく。
■練り直し グループ再構築に暗雲
「フジテレビを中核とする、グループ経営体制への転換の始まり」。日枝久会長がＴＯＢに際して示したグループの再構築は早くも揺らいだ。
「新しい事態を踏まえ対応を検討する」とフジテレビ側は戦略の練り直しを示唆している。ライブドアのニッポン放送株取得が影響し、八日の東京株式市場で、同社株は前日比で千円も跳ね上がり、一時、ストップ高に。終値は六千八百円とフジテレビが示している買い付け価格五千九百五十円を超えた。フジテレビが株式取得をさらに進めようとすれば、買い付け価格引き上げを提示せざるを得なくなり、“出費”が増える可能性は高い。
今後、フジテレビは昨年九月末で１２％のニッポン放送の株式保有比率を５１％以上にし、子会社にする考え。しかしライブドアの持ち株比率はすでに株主総会で、合併、増資など重要事項すべてに否決権を持つ３３・４％を超えており、グループ運営には常にライブドアとの協議が必要。交渉が円満に進まなければ結局、フジテレビが高値で、ライブドアのニッポン放送株を買収せざるを得なくなる可能性が高い。
「それこそが、堀江氏の真の狙いではないか」（大手証券アナリスト）との見方も出ている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20050209/mng_____kakushin000.shtml
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。