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Re: “奇蹟”の周縁
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投稿者 Carry That Weight 日時 2004 年 12 月 10 日 14:24:15:JJIy3maLdB0sk
 

(回答先: “奇蹟”の周縁 [Carry That Weightさんへ] 投稿者 如往 日時 2004 年 12 月 10 日 06:22:36)

如往さん こんにちは
興味深い事例提示をありがとうございます。

>自身の体験で唯一つ否定が難しいのは、一心不乱に祈っているときの、
>あの感性が解き放たれたような法悦(エクスタシー)の状態でしょう。
>錯覚かも知れませんが、そのとき不思議にも周囲の人達の感性と
>同調したような感覚になることです。それを単にカタルシスの所産と
>片づけてしまうのには幾許か粗雑な分析の感が否めません

この記述を一瞥した瞬間に、戦争板にアップされていた「礼拝中に被弾したモスクの映像」を想起しました。中には一心不乱を超越し、万感極まり全身で「神を讃える自分」に陶酔するようにも見える信者の様子を映した映像を見ただけで、如往さん同様「違和感が私の心身を支配」しました。そこに映る「敬虔で熱心なイスラム教徒」の方達に「エゴ」があるとは到底思えないほどの没我状態が見てとれました。彼らの文化圏においてはそれが当然としても、私には「生まれながらの洗脳状態」のまま、「生かされている」のだと感じました。勿論彼らの全てに言えることではありませんが、少なくともあの空間に身を置いた信者には間違いなく言えることだと認識しています。この場合社会心理学、特に集団心理と自意識との関わりを考察してみることが蟠りを紐解くひとつのアプローチになるかも知れません。
一般に、人はまず自身を取り巻く環境におけるあり方を模索しようとしますが、徐々に
自意識の定義へのこだわりが薄れていきます。自分は自分として認識した上で周囲と調和する自分を新たに認識していく訳です。自己洞察・分析が可能になると、多角的観点から自意識の深化の段階に入ります。周囲の状態・方向性と自己のそれを明確に認識し、状況に応じて同調したり自らのスタンスを貫いたりします。最終的には自然環境等との一体感により、未知なる自分のあり方や周囲との関係を客観的に顧みることができる状態になります。この段階では周囲(集団)と自己(自意識)とを分離して捉えることが可能且つ第3の視点であるべき姿を判断することができます。お分かりと思いますが、初期の段階ほど自意識は集団心理に幻惑されてしまいます。私は大多数の宗教信者が「調和」の段階で思考停止になっていると考えています。集団心理の根底にある要因のひとつ、即ち「不安感」を「同調行動」によって解消し心の安定を図るという心理操作がこれほど見事に適応されるシチュエーションもないからです。人は、自らが特異な存在として周囲に認識されることを恐れます。よって、意に反しても周囲に合わせることを優先して「恐怖・不安」から身を守ります。これがよく言われる「同調」です。しかしながら一般の生活においては、10人が10人同じ行為に及ぶことはまずありませんので、前述した「スタンスの使い分け(社会性を重んじるかどうかにもよりますが)」が可能となり、バランスの取れた行動が可能です。これが教会での集会となると話は変わってきます。ポイントは2つです。1つは自分を取り囲む他者が100%同じベクトルを向いており、彼らと違うことを行うこと=憎悪の対象にさえなりかねないという「強烈な恐怖心」が喚起されるということです。もう1つは教会という「周到に造り込まれた環境」に身を置くことにより、自らの行為が「社会性」を保ち「良心の呵責」に耐え得るものでなければならないという「暗黙の脅迫」を受けるということです。この2つが与える「恐怖」が齎すものは「同調」という名の「服従」であり、「恐怖」が大きい分同調したことによって得られる「安心感」も相当なものであることが考えられます。この「途方もない安堵感」こそが如往さんのお感じになられた法悦に他ならないのではないかと思うのです。ですが、それは一時のもので、我を殺さざるを得なかった状況(如往さんのように揺ぎ無い精神をお持ちの方にはそれで済んでも、人によってはこの体験を通じて洗脳されてしまう可能性もありますが)から開放されれば、悪夢に魘されていたかのような感覚が残存するだけではないでしょうか。
「奇蹟」についての考察ができませんでしたが、改めて議論させていただければと思います。稚拙な私見ではありますが、取り急ぎご回答まで。

今後とも宜しくお願い致します。

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