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“奇蹟”を懐いて
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投稿者 如往 日時 2004 年 12 月 27 日 04:35:56:yYpAQC0AqSUqI
 

(回答先: 根源的な“奇蹟” 投稿者 Carry That Weight 日時 2004 年 12 月 24 日 16:45:06)


 Carry That Weightさん、レスをありがとうございます。


 >如往さん こんにちは。忙殺され、レスがまたも遅れまして恐縮です。

 気に留まった個所に絞って気軽にレスしていただければと思っています。私の方こそ、仕事の緩急に鑑みても、加えて年齢(とし)のせいか大分反応が鈍くなってきていますので、適当に間を置いたやり取りの方が助かります。

 >脳の構造・働きの解明によって「地球環境への適応の積み重ね」が進化の源泉であることは明白ですから、原始のホモサピエンスに「神という概念」があったとは思えません。最小限のコミュニティが形成された後のあるタイミングから「突然神は現れた」訳です。人為的に。それは偏に「集団統治」「凝集性の維持」の手段としてです。

 そのような基本的認識をより広汎に人々と共有したいと思うのですが、時代は少しずつ逆行した道筋を辿りつつあるようですし、特にそれは大統領選挙にも象徴されたように昨今の米国におけるキリスト教原理主義の動静に顕著になってきてもいます。

 >生命の営みと人類が獲得した叡智の齎す進化は、皮肉にも地球環境を修復不可能に、つまり「奇蹟の後継」を不能にせしめんとしているのが実態です。にもかかわらず、どの宗教もその点に言及せず、見てみぬフリをしていることが不思議です。

 互いが苦界を生きている者同士という宿命論的認識が基本にある仏教界も、日本において自国の人々の救済に乗り出しているようには見えませんし、さらに、何年か前の世界宗教者会議の開催以後、国際的にも目立った活動が見られません。どうして、「見てみぬフリをしているのか」、私も非常に疑問を感じています。宗教者の心まで病んでしまっているほど世界が末期的な症状にあるとは考えたくはないのですが。

 >「軍事・経済的優位性を振りかざすマジョリティによる、世界中に散在する資源争奪過程におけるエゴイスティックなマイノリティ虐め」と、マイノリティのレジスタンスとしての「テロ行為」の構図は、本来的な生存のための戦いとは全く無関係です。際限のない「Greed」が、獲得した叡智を専ら自らを太らせることだけに働かせているのです。

 「Greed」の統御のためにも神なる概念が必要なのだという、悪魔的で際限なく逆立した論理が提出されてきそうですし、その一方で宗教はマイノリティが懐く行場がない憤懣のガス抜きの役目をも果たしてしまっていると思います。

 >力によるパクス・アメリカーナはもう限界に来ていると思っています。それは自由主義・近代資本主義システムの終焉を意味しており、前述したように地球環境の劣悪化の修復と共に、新たな秩序体系が求められていると私も思います。この10〜20年はその過渡期としての様々な対立が予想されますが、それ以上に地球からのしっぺ返しが顕著になり、自滅を回避するために自然と秩序立てられていくのかも知れません。

 希望的観測を加味すれば、私も「力によるパクス・アメリカーナはもう限界に来ている」と思いたいのですが、決して予断を許さないとも考えています。アメリカの秩序や新世界秩序の樹立の担い手であると自負しているコアの層は、遠隔に起り得る災禍について顧慮するフリはしても内心では全く気に留めていないのではないでしょうか。

 >必要なのは確固たる政治・経済・信条的見解を有する「独立した個人」として、他者との繋がりを築いていくことだと思っています。その意味で宗教システムも「情報」「糧」として冷静且つ客観的に捉えることが肝要だと思います。宗教で一番問題なのは、宗教そのものではなくそれを悪用する輩の存在です。良くも悪くも、心理学がそれに加担していることもまた皮肉なことです。

 人間の自立性に関わる問題を探究することの難しさを感じます。心理学も自立性の確立のために色々と腐心してきた経緯があります。日本では比較的早くから心理学が立教大学や上智大学等のキリスト教系の大学に設置されことは、精神医学分野に並行する形で心理療法が導入されて来たことを物語っていると考えますが、何故キリスト教系の大学で心理学が持て囃されたのか、その理由ははっきりしていません。話題とは多少ずれることになり恐縮ですが、Carry That Weightさんの見解を伺えればと思っています。

 >私が思い出した「至福この上ないであろうMatrixのようなものに抱かれる心情風景」はタヒチです。そこに存在するだけでトロケそうな「あり得ない風景」と「おおらかで心の豊かな人々」と共に暮らせたら、他に何も要りません(笑)。地球の懐の大きさを実感しました。

 稜線上にて夜空から恰も降り注いでくるような星の輝きの中で、身が打ち震えるほどに宇宙の悠久さを感じたことが幾度もあります。しかし、それは一時の状況における感性の拡張を表象したもので、地球に抱かれているという確かな感覚を伴なうものではありません。それは何故か、おそらく人(身体性)の不在が起因しているのかも知れません。
 タヒチは、必ず一度は行ってみたいところです。やはり、Matrixは母なる海に限りなく繋がるところにこそ見い出し得るのではないかと想っています。Matrixへの回帰は人間の本能に纏わる究極的なDestinationと言えるのかも知れません。

 今回は多少悲観的なレスに終始してしまいました。けれども、こうした認識を基に何とか問題の解決点を見い出したいと、小躯の非力と凡夫の非才を傾けている次第です。

 また、会いましょう。

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