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時空を超えて
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投稿者 竹中半兵衛 日時 2004 年 11 月 12 日 10:33:01:0iYhrg5rK5QpI
 

せごどん:おはんたっが芋っつのはどげないもじゃろか?下んほで「いも煮会」ん話が出っちょりまひたな。タゴとゴンベが言うちょりまひたろ。

最上義光公(以下義光):あん?あんあれだべか?おらの知んね範囲だでや、いも煮会なんつ言葉がわがんねなっす。おらの領地では五人組ならなんすてもええっつて放任すてんだ。

せごどん:あてがとこではじゃひど、いもはいもっつてもからいもでごわす。年がら年中旱魃がごわひょ、飢饉さ見舞われまひてな、青木昆陽の農法さ学んでからいもば植えもひた。桜島のシラスで水はけがよすぎまひてな、からいもは最適じゃひた。

義光:んだか。おらの領地ではからいもはねぐでも、さといもで十分いけただよ。んだから、それほどに愛着があんべすた。「いもこ」っつだよ。ほれ、絹の原料の繭、その生産手段たるかいこっておんべすた。今からゴンベたつといも煮会やんべすた。おめも一杯やれや。

せごどん:どうもでごわすな。呼ばれますたい。あたいがとこもかいこは盛んでごわした。いもはぐぁひな、薩摩汁いいもひて、サトイモば入れもひど。大根、人参、ネギ、とんがらし、なんでもごっちゃでごわす。

義光:んだからおらの領地では、・・・・んげね、おら何言おうとすてたんだべ、年のせいだにゃ。あ、んだんだ、かいこもおらだの生計さ役たってたべな、んだからかいこば「おこさま」っつてかわいがってただよ。子供の遊び道具、今でいうペットだべな、桑の葉ば置いててやればおこさまが透き通ってくらあな。ふんで繭ば作りはずめんだ、これが。

せごどん:あてがとこも同じでごわす。南北どちらでもかいこはかいこでごわす。

義光:んね、かいこはおこさまだにゃ。ま、こらどでもえんだっすな。んで、おらの領地では・・・・、あ、んげね、また忘れた。

せごどん:どげんかされもひたかな?

義光:島津の、おらの領地ではこの絹さな、紅花で色ばつけんだよ。

せごどん:ほ、ほう。ほらあてが属国の琉球のびんがたみてな色合いでごわんしょ。あてが奄美さ居りもひたときゃ、ほれ、大島紬って藍染でぐわんど。

義光:んだか。琉球は儲かっただな。ふんで倒幕の資金ば稼いだってもっぱら聞いてるだが。奄美もあんたら大変なこつすたらすいな。なあすてそっだらこつすんだかや?おらの領地では、・・・・、あらの隣の領地では、あんニックキ正宗じゃねど、会津だよ、会津、なんかすたべな。

せごどん:んにゃあ、それは話しがあべこべでごわすたい。

義光:んねべ。おあの領地では、・・・・、おらだは先ば見越すて朝廷方さささと根がえったべな、奥州連合作ったときでもおらだは、分のわりいそれさは加盟すねがった。んでも徹底抗戦すた会津は今のイラクの抵抗勢力と一緒だべな。おらの隣の領地だよ。ふんで、おまいらの子孫はあんだ、ありゃ?

せごどん:おっしゃるこた耳がいてずら。ん、なんか言葉が似通ってきただすな。ずらって、ところで、静岡方言でようぐ使われるっつなこったなもす。

義光:話しばずらさねでけらっしゃい。

せごどん:まま、義光どん、ここはおいどんが悪(わ)りぐぁひたな。おいどんも、ほれ、このとおり、首ばいつでもはずせまんがな、城山で切腹ひもひたがな。かんにんや。

義光:んだな、なんかみっともねな。はよ首つけなはれ。よす、そんでええ。ええか、せごどん、領民つのはだな、飯を食わす、年貢は必要以上とらね、金持つからはがっぽり搾り取る。いも煮会も五人組なら許す。こっだら経世済民の術もとれねえアメリカ幕府はなんなんだ、ありゃ。

せごどん:じゃひな。もっともでごわす。島津ではちとひでこつしすぎでぐぁひた。あては明治政府さ士族の不満ばぶつけもひたが、本来士族じゃなく、明治政府からの沖縄解放と農民・労働者の解放ば掲げて戦えば、こえが全国におよんで、あん汚ねか金権政府ば打倒できもひたかもな。

義光:んだ。領民の食い扶持ば確保する。これがねげれんば時の政府ば打倒する。ほれ、民権家の植木枝盛も言ってんべすた。政府打倒の権利を国民は有す、憲法草案ば作ったべすた。

せごどん:まっこて今のポチ公は打倒対象ぐぁひな。あてんとこの大砲でもぶちこまにゃ気がすんもはん。吉田松陰先生が生きて、高杉が生きて、竜馬が生きてたら日本もどげなよか国じゃひたか。生き残った三流の連中がなあ、自分のこつばっか追求しもひたな。民・百姓をあそこまでいじめたらあかん。秩父困民党も悲劇でごわす。今、ようやく彼らが日の目ば見るようで同慶の至りでぐぁひな。

義光:あんでもあにゃ、にゃにか、映画っつもんがでげて、映画館とやらが大盛況らすいにゃ。「草・・」「「草の・・」、んだ「草の乱」だべ。ありゃほれ、おこさま問題だべ。暴落すたとかいう。んだんだ、あんでおらの領民もひで目さあっ田だよ。今じゃもうなあ、養蚕農家もねぎおなっつまっただなあ。

せごどん:じゃいもんど。かごんまもその例にもれちょいません。あたいがとこは封建制の極北っつわれまひてな、明治維新の原動力んなったなんて言っちょりますが、例の琉球支配と厳しい年貢で、明治に入ってもなんら変わらず。未だに男尊女卑でごわす。民百姓はいけなこつなっとたか、もうちょい考えば及ばせにゃないもはぐわひたな。

義光:んだから百姓一揆が頻発すたんだべ、明治さなってもよ。今じゃあの一枚岩のスターリンの末裔がよ、シナで崩壊しつつあんだべすた。ゴリスタマオイストから修正主義ば導入すて改革解放だなんてってもよ、ほれ、万元戸はでけてもシナの内陸部ではよ、百姓一揆が起きてるっつじゃねの。その規模がすんげべなっす。10万人だよ。

せごどん:じゃひか。あてはもう何も言いもはん。ほれ、このとおり、首ばはずひもひょ。

義光:んね、ほっだらこつすては、なんにもなんねべよ。ええか、せごどん、金持ちからは惜しみなく奪え、これがおらの鉄則だ。武家政権のえがったとこはだよ、士農工商のとぎはもう政権の安定だけだべな。んだどもおらは戦国の殿様だ。武力で金持ちば惜しみなく奪う。農民さわける。これが平定の鉄則だど。んだからみろや、おらの領地では百姓一揆はおらの治世中は一度もねがったんだってば。

せごどん:まこっですか?まっこち一揆がねかったんじゃろかい?

義光:まこっじゃがね。あ、おらもおがすぐなったな。気ば取り戻すてまいっど言うだよ。「本間さまには及びもせぬがせめてなりたや殿様に」ってな歌があるくれだ。つっとばっかすい時代はちげてもな、おらの真似は誰でもでげた。ほいがな、あ、またおがすぐなった、ええと、徳川政権でおらの家計は断絶すたんだども、常に革命あんだよ、誰でも革命ば起こせるっつこったびゃあ。人さ飯ば食わす。これが一番大事なんだ。

せごどん:(首をつけなおして)ほーすたい。義光どん、今の政権はまっこちほが打たんな。

義光:なんだあ?ほが打たんってや?

せごどん:ほらすまんでごわす。おいどんが里では間抜けばいろはにほへとの「ほ」がないこっでごわす。こいを敷衍して「ほが打たん」とは「だめだ」っいうこでえごわす。

義光:んだか。ようぐわがった。明治さ戻すんでねぐでよ、戦国時代さ戻すびゃ。上杉謙信さおらももう一度挑むべな。

せごどん:あても琉球侵略前さ戻りまひょ。

義光:ま、芋も煮えてきた。いもこだ。ギュウはねえよ。鹿だ。

せごどん:滅多なことば申されるな。鹿や犬はご法度でごわす。

義光:あーにがご法度じゃい。おらの領地では、・・・」

せごどん:鹿も犬も食わせる、・・・、でんな。

義光:おはんは一体全体どこの人?ま、ええがな。飲めや。シンタさんが差し入れすてくれた「酒」があんだ。

せごどん:「酒」でっか。あては白波でごわすが、ひょうちゅうはありもんそか?

義光:バカコケ、あっだら熊襲ののみもん、・・・、なんかだるまさんがころんだ、っていう事件があったな、そういや。今じゃひょうちゅうが時流に乗ってるらすいな。おらだのは純粋の米の酒だ。ほれ。

せごどん:(首そしっかり固定して)あ、こりゃどうも。ズズー。ん、この酒うまかあ。

義光:ほれ、そっつの、タゴ、ごんべ、こっちゃきて飲まんかい。

タゴ・ゴンベ:(一斉に)いただきやす。この杯はあの杯(柱。読者は居ないと思うが、念のため、「あの杯」とは馬見が崎川の対岸の杯山を指す)。それにしても殿様、城門が復元すてめでてえなっす。殿様の銅像まで立派にたってやす。

義光:おまいら、おらの銅像ば見たら、おらさ続けや。日本革命ばすろ。聞くところさよれば、民はゆで蛙さなってんだっつべな。

タゴ:んだっす。殿様。おらだは台風さやられ、年貢ば取り立てられ、おらが死んだら相続税で家がつぶれるだよ。ハウスもめちゃめちゃ、大根なんて3回も植えなおすたとこだ。
ま、ネギはほれ、鍋さはいてんべすた、雨さ強えんだよ。

ゴンベ:おらいの芋は根腐れた。稲もやられた。来年はどうすんべか。あ、どうもすんましぇん、殿様からお酌すてもらって。そっつのかたどなた?

義光:おらの知り合いだ。名は伏せとく。

せごどん:義光どん、それにゃおよびもはんど。タゴどん、ゴンベどん、おいどんは西郷隆盛と申すもんでごわす。

ごんべ:・・・・
タゴ:・・・・

ごんべ:おや、あっつから誰か来たど。

タゴ:んだな。腰さ刀ばぶら下げて。いまどき珍しな。

せごどん:ありゃ東行先生でぐぁんひょ。

高杉:おう、せごどん、ひさひかぶいでごわすなあ。

せごどん:こりゃこっだらとこで会うのは百年目でごわすな、まっこち。おまんさあもかごっま弁がうもないもひたな。

高杉:じゃいもひか。じゃっどん、おはんな首ばもがれたって聞きもひといまひたが、つながっともひな。

せごどん:そげなこつ言やんな。今は世がよじゃきにー。ま、酒でもたもんせ。

タゴ:お武家様、見たところ素浪人、ひょうひょうとすてますが、おまえさまが高杉晋作さんですたかや。会津ばあんたさまがおりなしゃったらあっだらひでこつせんでも(と横のせごどんに目をくれる)・・・。

せごどん:ま、ほりゃほれ、このとおり(と首をはずしてまた戻す)。反省しちょいもんど。

高杉:あ、こりゃこりゃ。あいがとぐぁひな。たもんそ。うん、こりゃこりゃこりゃ。ズズーッ。ああ、うまかあ。おいどんは今諸国巡業中の身にすて、東北も見ちょっとこぐぁひど。よかとこじゃ。

義光:どこが「よかとこ」じゃひか?

高杉:女子(おなご)でごわす。それに温泉。

タゴ、ゴンベ:がくっつ。

以下、気の向いたとき連載。

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