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水俣病関西訴訟:最高裁で15日に判決 行政責任どう判断[毎日新聞]【経済成長と自己保身のためなら一般人がどうなろうと..
http://www.asyura2.com/0411/senkyo6/msg/197.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 10 月 13 日 17:54:24:Mo7ApAlflbQ6s
 


 熊本、鹿児島両県の不知火海沿岸から関西に移住した水俣病の未認定患者45人が国や熊本県の責任を問う「水俣病関西訴訟」の上告審判決が15日、最高裁で言い渡される。行政責任が認定されれば、責任を棚上げにしたままの政府解決策(95年)は正当性を失う。さらに国の認定基準まで否定された場合、未認定患者の怒りが再燃し、政治問題に発展しかねない。被害の発生・拡大を問う訴訟としては唯一の最高裁判決に注目が集まる。【小林直、井上秀人、河内敏康】

 ◇国の言い分、うそ

 02年1月、水俣病に関する約540枚の資料が情報公開された。91年に8回開催された環境庁(当時)の「中央公害対策審議会・環境保健部会水俣病問題専門委員会」の速記録。水俣病医学の権威、井形昭弘鹿児島大学長(当時)ら14人が、水俣病の「総合対策」を話し合ったとされる。

 「東京・水俣病を告発する会」の鎌田学さん(44)は、この速記録を見て「国の言い分は、やはりうそだったのか」とあきれ果てた。

 速記録には、以前の認定基準だった「(昭和)46年次官通知」よりもハードルを上げ、認定申請の9割近くを水俣病と認めなかった「(昭和)52年判断条件」について、「100%医学的な基準ではない」とあった。

 さらにこんな記載が続いた。「(認定棄却者が)水俣病ではないという(国の)主張は、医者たるもの多少じくじたる思いを持っています」「水俣病と公的に認めない方がいいと思っているのは、水俣病と認めると医療費をチッソないし国は持たなければいけなくなりますね。その額はものすごい大きな額になるんです」。いずれも井形学長の発言だった。

 国は、水俣病と認定するには「感覚障害だけでなく運動失調や視野狭さくなどの症状の組み合わせが必要」と主張。井形学長は関西訴訟の控訴審に証人出廷し、国を擁護した。だが、速記録では「(感覚障害だけの水俣病は)ありうるが、裁判ではありえないと言ってきた」と述べていた。

 速記録について環境省は、毎日新聞の取材に「正式な議事録ではなく、内容が事実かどうかも分からない」と見解を明らかにしない。しかし、同省幹部は最近、「敗訴も覚悟しているが判断条件だけは守りたい」と周辺に漏らし始めた。最高裁で判断条件を否定されれば、未認定患者から行政責任を追及されかねないからだ。

 ◇研究をないがしろ

 国は水俣病の教訓を生かすための根本的な研究をないがしろにしてきた。「意味のある研究はボランティアで実施されたものだけ。日本は世界に何も発信できていない」。水俣病に詳しい岡山大医学部の津田敏秀講師(環境疫学)は嘆く。

 01年10月に熊本県水俣市で開かれた第6回水銀国際会議。各国の412人の水銀学者が「微量の水銀が人体や胎児にどの程度の影響を与えるか」に注目した。しかしこの発表をしたのは海外の研究グループだった。

 日本精神神経学会によると、環境庁は73〜97年に延べ160人以上の研究者に水俣病関係研究費25億円近くを出した。だが、論文を発表した学者はほとんどいない。

 研究の大前提となる患者総数すら把握できていない。被害者は約1万4000人といわれてきたが、未認定のまま死亡した多くの患者や、差別を恐れて認定申請自体さえできない人は含まれていない。実際の被害者総数は数万人とも言われるものの、国は一度も実態調査をしていない。

 ◇川上団長「国は私たちが死ぬのを待っとる」

 自社さ連立政権が発足し、水俣病の政治的解決を目指す動きが高まった94年11月7日、82年の提訴時から原告団長を務めた岩本夏義さんが、がんで亡くなった。71歳だった。通夜で後任の原告団長、川上敏行さん(79)は1枚のメモを受け取った。「秋風とともに去りぬ 川上たのむ」。震える字で書かれた岩本さんからの遺言だった。

 岩本さん亡き後、川上団長は社会党国会議員らから政府解決策の受け入れを打診された。「国の出らん(参加しない)和解はありえん。夏義(岩本さん)もそう思っているいるはず」。他の患者5団体は政府解決策を受け入れて和解したが、川上団長は迷わず拒んだ。

 村山富市首相(当時)は95年末、「結果として長期間を要したことを素直に反省しなければならない」と談話を発表したものの、国の責任には言及しなかった。同時に発表した政府解決策は、原告を「患者」と認めず、一時金260万円を支払って医療費などを支援する内容だった。

 川上団長は「国は私たちが死ぬのを待っとるとしか思えん」と憤る。

 <水俣病>

 1950年代半ば、水俣湾周辺の住民にけいれんや感覚障害などの症状が広がり、保健所が「原因不明の中枢神経疾患が多発」と報告を受けた56年5月1日が「公式発見の日」とされる。国が「チッソ排出の有機水銀が原因」と見解を出したのは68年9月。今年8月末現在、新潟水俣病を含めた認定患者は2955人。95年の政府解決策を受け入れるなどして公的補助を受けている人が約1万1000人。認定申請棄却者が1万6282人(数字はすべて死亡者を含む)。

 <水俣病関西訴訟>

 国と熊本県、チッソに約20億円の賠償を求め、82年10月から6次にわたり提訴した。大阪地裁は94年7月、「当時、原因物質が不明で、行政は規制権限を行使できなかった」とチッソだけに2億7600万円の支払いを命じた。しかし大阪高裁は01年4月、「原因が有機水銀と高い確率で分かったのに行政は排水規制を怠った」として国、県、チッソに約3億円の賠償を命じた。チッソは上告を断念し、最高裁では行政責任だけが争われている。45人の原告のうち15人が死亡した。

毎日新聞 2004年10月13日 0時03分

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20041013k0000m040141000c.html

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