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社保庁の金銭登録機汚職 想定問答も矛盾だらけ【東京新聞】カワグチ技研問題
http://www.asyura2.com/0411/senkyo6/msg/270.html
投稿者 天地 日時 2004 年 10 月 18 日 06:28:26:IVYNMLFehyE6c
 

社保庁の金銭登録機汚職
想定問答も矛盾だらけ
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20041016/mng_____tokuho__000.shtml

 疑惑逃れの想定問答にもほころび−。汚職事件に発展した社会保険庁の金銭登録機(レジスター)導入をめぐる疑惑で、同庁は会計検査院の調査の目をごまかすために想定問答集を作成していた。だが、その問答は矛盾だらけで、年金積立金を無駄遣いしてきた同庁の姿勢が浮き彫りになる内容だ。この問答に沿って、事件の本質を検証した。 (星野 恵一)

■会計検査院かわす目的

 《問9 (金銭登録機の)仕様書はいつごろ、何社に求めたのか。

 (回答)案1 社会保険庁に携帯端末の製造・販売をしているメーカー名を照会し、そのメーカーから仕様書を取り寄せた。

 案2 社会保険庁から示された仕様と合致する機種を選定するため、数社から携帯端末機の機能仕様一覧(カタログ)を取り寄せた》

 これは今年に入って、社保庁内で作成され、全国の社会保険事務局(社会保険事務所の上部組織)に配布された内部文書だ。「会計検査院『金銭登録機』想定」と題され、B5判用紙二枚に計十三の問答が記載されている。

 「ウソをウソで塗り固めた文書」。問答についてこう言い切るのは昨秋、同庁の国民年金の年金保険料徴収業務に使う「携帯用金銭登録機」の受注をめぐる疑惑を暴いたジャーナリストの岩瀬達哉氏だ。報道を受け、今年に入り国会でも追及され、会計検査院も全国の社会保険事務所の調査に乗り出していた。文書はこの検査をかわすために作られ、配られた。

 岩瀬氏が話す。「収賄容疑で捕まった渡辺(俊之容疑者)は同庁の地方課だが、想定問答は経理課で作られた。組織的な関与を疑われても仕方ないのではないか」。これに対し、同庁の言い分はこうだ。「各事務局の依頼で、経理課職員が関係部署と相談して作成した。組織防衛の意図はない」

 では、問答に沿って、事件の背景や同庁の体質をみてみよう。

■費用4億4000万円 年金保険料から

 《問1 機器購入までの流れを説明してほしい。

 (答)平成15年3月11日付で国民年金事業室から導入についての連絡があったことを受け、購入した》

 「全くの虚偽の答弁」と岩瀬氏は断じる。「購入日を調べると、三月十一日の段階で、全購入台数の約四割が購入されている」。疑惑逃れの問答のハナからほころびがあった。

 登録機は、全国の三百十二の社会保険事務所で計約二千六百台購入され、費用は約四億四千万円に上った。この中には、故障時に用いる予備機も含まれている。これだけ大きな取引なら、値引きがあってもおかしくはないが、同庁のとらえ方はこうだ。

 《問2 購入価格は定価か…(略)購入台数等により当然値引きされるのではないか。

 (答)定価で購入している。購入価格は、対象となる物件に対する取引の実例価格、…(中略)数量の多寡(たか)等を考慮して定められ、すべてが値引きされるものではない》

 岩瀬氏はこの回答をみて苦笑する。「予備機だけで億を超える額になる。しかも、当初は機器が本庁とオンラインでつながっておらず、最新の未納者データが機器に入らなかった。それでは意味がないから、皆が持たず、一年間くらいホコリをかぶっていた」

 社会保険庁の姿勢は、次の問答に端的に表れる。

 《問5 …(略)どうして各社保(社会保険事務所)ごとに購入しているのか。無駄では…(略)

 (答)定価で取引されている物件で、一括購入であるか、各社保事務所ごとの購入であるかを問わず国費の無駄にはなっていない》

 つまり、定価購入だから、庁としてだろうが、各事務所ごとに購入しようが、差はないという言い分だ。だが、岩瀬氏は「そもそも(同庁は機器を一台約十七万円で購入したが)他のメーカーは一台二万円で作れる、と言っていた。結局、カワグチ技研から、なるべく高く買ってあげたかっただけだ。見返りがあるから」と反論する。

■社保庁の姿勢は「使ってしまえ」

 さらに「機器購入の財源は、国費ではなく、国民の年金保険料(積立金)。税金について、国民は使途まで関与できないが、年金保険料は、老後のために預けてあるお金。老後の生活費の原資で、無駄なく有効に使ってほしいが、社保庁の姿勢は『とにかく使ってしまえ』で、答えは詭弁(きべん)を超えている。国民が納めた保険料を使っているという意識が全くない」と憤る。

 《問4 類似機器はないのか》

 これに対する答えは、冒頭の「問9」と同じ二案が記されている。「答えの意味は全く違う」(岩瀬氏)のに、二つの答えがあること自体がおかしい。では、実際に同社が契約に至る経過はどうだったのか−。

 関係者によれば、社会保険庁は同社と随意契約に至るまでに同社を含めたメーカー六、七社に、機器について問い合わせている。機器の運用には新システムの構築が必要なため、即座の導入は困難だったにもかかわらず、同庁は「年度内の導入」を条件にした。

■随意契約 汚職の温床

 「このため、最後まで機器の納入に意欲を示していた大手メーカーはソフト開発に時間がかかることから、競争から降りた。社会保険庁がよくやる特定業者が契約できるように条件を提示するやり方だ。では、なぜカワグチ技研が間に合ったのか」(岩瀬氏)。事前に発注情報を得ていない限り、間に合わないはずだ。

 さて、事件の本質にかかわる問答が問12だ。

 《問12 なぜ随意契約となっているのか。

 (答)…会計法29条の3第4項(緊急の必要性)並びに第5項(少額である場合)の規定に基づき随意契約としている》

 会計法は、省庁の調達物に緊急性がある場合や、競争にそぐわない場合などの例外を除き、百万円以上の業務委託での随意契約(随契)を禁じている。

■『検査院も検査院…』

 岩瀬氏は「社会保険庁は同社に利益誘導をするため、年度内導入の条件をつけて緊急性を装い、競争入札をくぐり抜け、随契にした。随契の規定を最大限に使った」と指摘する。実際、同社と関連会社は、登録機以外にも、随契で同庁から六年間に三十八億円を受注していた。

 岩瀬氏は、出版関連会社「選択エージェンシー」をめぐる汚職事件でも随契が悪用されたことなどにも触れ、「随契は、不透明な部分があり、その不透明な背景には、汚職事件があることが今回、立証されたようなものだ。随契のあり方を考えるべきだ」と提案し、返す刀でこう批判する。

 「検査院の職員は今回の機器購入をめぐる調査で、『各事務所が同じ答えをし、あきれて途中から説明を聞かなくなった』と話していた。が、社保庁の国民を見下した腐敗体質もさることながら、公金チェックをする検査院も検査院だ。同院の官僚は、これまでに九人が、厚労省・社保関係の団体に天下っている。李下(りか)に冠を正さずだ」

<メモ>

 「金銭登録機」汚職事件 警視庁は先月27日、社会保険庁が使う金銭登録機の受注で便宜を図った見返りに、業者から現金を受け取ったとして、収賄容疑で同庁地方課長の渡辺俊之容疑者(56)、贈賄容疑で情報処理機器会社「カワグチ技研」社長の川崎義幸容疑者(56)を逮捕した。

 金銭登録機は数年前、同庁で年金未納者の個人情報が記されたカードの盗難事件が相次ぎ、その対応策としてオンラインで情報管理するために導入を決めた機器。保険料の収受に携わる職員が携行し、未納者が納付した額を登録できる。

 一昨年度から昨年度にかけ、全国の社会保険事務所ごとにカワグチ技研と随意契約を結び、機器が納入された。渡辺容疑者はこの契約をめぐり、競争入札ではなく、随意契約で受注できるようにするなど便宜を図った疑いが持たれている。

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