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「筆跡鑑定」が暴いた自民党機密費 小泉首相、山崎補佐官に「偽領収証で税金横領」の重大疑惑【週間ポスト】
http://www.asyura2.com/0411/senkyo7/msg/289.html
投稿者 天地 日時 2004 年 12 月 18 日 03:38:38:IVYNMLFehyE6c
 

<TWP特報>
「筆跡鑑定」が暴いた自民党機密費
小泉首相、山崎補佐官に「偽領収証で税金横領」の重大疑惑
http://www.weeklypost.com/jp/041224jp/news/news.html

(1) 領収証署名欄に異なる3つの筆跡


 小泉首相が政権に就いた3年前の2001年、その年の自民党の年間収入は328億円に達した。国民の税金である「政党交付金」が半分の約145億円を占め、残りは企業・団体や個人からの献金、党費、繰越金を合わせて183億円ほどになる。実は、その中から58億2051万円が闇に消えた。カネは党本部から『政策活動費』の名目で自民党の全国会議員に渡されたが、具体的にどんな活動に使ったかは一切明らかにされておらず、追跡できない。残っているのは議員個人名の大量の領収証だ。政治とカネの最も不透明な部分、自民党の≪機密費≫と呼ばれるものである。
 自民党本部が総務省に提出した政治資金収支報告書には、それらの領収証が添付されている。取材班は1年分で938枚にのぼる自民党の≪機密費領収証≫を入手した。その1枚1枚を丹念に追っていくと、驚くべき闇の正体に突きあたった。
 さて、その年、自民党総裁・内閣総理大臣に就任(4月)した小泉氏には、党本部から5回にわたって合計1億3500万円の『政策活動費』が渡された。領収証は全部で5枚。驚かされるのは、明らかに筆跡が違う3人の字で書かれているうえ、5枚とも日付さえ入っていないことだ。
そのうち2枚の領収証には同じ筆跡でこうサインがあった。
<小泉純一郎
    代理 ××××>
 伏せ字は情報公開にあたって総務省が黒塗りした部分であり、実際に署名したのが誰かわからなくされている。その筆跡が、小泉首相の実姉で政策秘書を務める信子氏が法務局に提出した資料のサインの筆跡と一致することをつかんだ。
 問題は残りの3枚だ。5000万円の領収証2枚はそっくりな字で、
<小泉純一郎
     代 ××××>
 とある。計1億円分の領収証は、小泉首相の資金管理団体『東泉会』の政治資金収支報告書の「事務担当者」の欄にある飯島勲・総理首席秘書官名のサインとも、あるいは自民党神奈川県第11選挙区支部の収支報告書に記入された小泉氏の義弟で第一秘書・鍋倉正樹氏名のサインとも、筆跡が異なっていた。
 最後の1枚、2900万円の領収証にある<小泉純一郎 代>のへたくそな署名も、それらとは全く別人の筆跡だった。一体誰が領収証を書き、カネを受け取ったのかを小泉事務所にぶつけると、
「回答できません」
 という信じ難い態度だ。
 自民党の政策活動費は議員の事務所や資金管理団体に支給されるのではなく、あくまで議員個人に渡される。政治資金規正法上は、領収証1枚でいくらでも引き出せるが、税法上は、1億3500万円は小泉氏の雑所得となる。
 小泉首相が1億3500万円すべてを政治活動に使ったことを証明できなければ、所得税法違反、すなわち脱税の疑惑が生じる。

(2) 似せて書かれていた「山拓」

 01年の自民党政治資金収支報告書の会計責任者は、時の幹事長だった山崎拓・首相補佐官である。
 自民党の機密費(政策活動費)は幹事長決裁で支出されるといわれ、山崎氏の使いっぷりは群を抜いている。この年5月に幹事長に就任してからの7か月間だけで39回、総額7億1170万円の政策活動費を引き出していた。
 山崎氏の39枚の領収証を専門家に依頼して筆跡鑑定にかけた。山崎氏の場合、代理人の署名は3枚しかなく、あとの36枚はすべて本人のサインのはずだった。ところが、筆跡から“2人の山崎氏”がいることがわかったのである。筆跡鑑定人は、01年10月31日の「400万円」の領収証を、他のほとんどの領収証の筆跡とは別人だとした。
 小泉首相のケースでわかるように、自民党の政策活動費の領収証は、代理署名でもなぜか問題にされない。山崎氏の代理の者が正規の手続きで400万円を受け取ったのであれば、正確に「代理」と書けば筆跡を真似る必要などないはずだ。ならば、何のために領収証を偽造したのか。

(3)支出急増期に愛人に手切れ金


 400万円が支出された01年10月31日前後の山崎氏の行動を辿ってみた。折しも、国会では米国同時多発テロを受けて提出されたテロ対策特措法の審議が紛糾し、10月29日に自民、公明、保守新党の与党3党の賛成で成立したばかりだった。翌10月30日、山崎氏は公明、保守両党の幹事長と秘密会談を持っていた。
 偽のサインで党本部から400万円が支出されたのはその翌日のことだった。
 山崎氏の政策活動費の使い方が際立って多いのがこの年の7月だ。参院選(7月29日投票)を目前に控え、1か月間に2億9100万円を使った。選挙のテコ入れ資金とも思えるが、前半は外遊と重なる。小泉首相が自民党総裁選で靖国神社参拝を公約したことから、韓国と中国が反発し、山崎氏は公明、保守両党の幹事長とともに小泉首相の親書を携えて7月8日から11日まで両国を訪問し、当時の金大中大統領、江沢民国家主席と会談した。出発前の6日には5000万円、7日に6000万円の政策活動費を引き出したが、まさか靖国参拝問題をカネで解決しようと現金をバッグに詰めて持って行ったわけではあるまい。
 もっと奇妙なのは、自民党の収支報告書では山崎氏が韓国滞在中だった9日にも3000万円支出され、本人のものと思われる署名入りの領収証が添付されていたことだ。
 山崎氏は1000万円単位のまとまった金額で政策活動費を引き出すケースが多いが、時折、比較的少額の支払いが出てくる。前述の400万円の偽領収証の前後にも、10月22日に300万円、11月16日に300万円を受け取った。その頃、国会はテロ特措法に基づく自衛隊艦船のインド洋派遣問題で揺れていたから、様々な政界工作が行なわれていたことは想像に難くない。秘密会合もあっただろう。
 しかも、多忙な身の山崎氏にはプライベートでも大きな変化が訪れていた。山崎氏の元愛人、山田かな子さんが書いた『せんせい』によると、山崎氏は11月18日に彼女から別れを告げられた。そして運命の11月25日。
<「……退職金だ」 そう言うと、ばつが悪そうにそわそわしていた先生が、大きめの封筒をわたくしにポンと差し出されました。その中には帯のついた百万円の束が五つ入っておりました>
 かな子さんはそう書いている。山崎氏は政治的にも個人的にも物いりが続いていたようだ。
 その直後、11月28日には1日で1億円の政策活動費をドカンと引き出した。

(4)「党本部で裏金受領」証言


 自民党では政策活動費の領収証は誰のサインでもいいという党内ルールを利用して、裏金づくりが行なわれてきた。
 政治資金収支報告書の上では巨額の政策活動費をもらったと記載されている自民党有力議員が明かした。
「私はそんなカネは受け取ったことも、見たこともない。領収証を書いた覚えさえなかった。秘書が代理でサインしたという事実もない。どうやら党幹部の誰かが私の名前で領収証にサインしたようだ。いったん支払ったことにすれば、党経理の上でも政治資金報告書上も、処理済みの裏金をつくることができる。それを自分の政治資金にしたり、派閥に回す。そうしたやり方で派閥を拡大し、子分を増やした幹事長経験者もいる。ほとんどの議員は党本部の収支報告書など見ないから、勝手に名前を使われてもまずバレない」
 そうした裏金はどのように使われてきたか。野党関係者が語った体験談は生々しい。
「小泉政権ができる前の話だが、総選挙の公示後に党の幹部議員に呼ばれ、自民党本部に行って来てくれと指示された。これから選挙で戦う相手の本拠に何の用かと思いながら訪ねると、時の自民党国対委員長が1人で待っていて、『いやァ、よく来た。先生に選挙頑張ってくれと伝えてくれよ』と、分厚い封筒を渡された。200万円入っていた。戻って議員にそのまま渡すと、『交通費だよ』と1万円くれた」
 確かに、野党議員に渡す陣中見舞いなど、裏金をつくらなければ自民党の収支報告書に載せるわけにはいかないだろう。小泉政権になってからも、野党工作は重要な機密費の使い方の一つだ。
「テロ特措法やイラク特措法など安保関係の対決法案の採決の前には、民主党を切り崩して造反を誘うために党の機密費を使った。かつてのように国対委員長同士で話をつけて、巨額のカネが動くことはないが、そのかわりに個別の議員にピンポイントで実弾を撃ち込む」
 自民党国対幹部は何人かの野党議員の名前をあげた。そうした工作費をつくるためには、代理人でも偽サインでもフリーパスの政策活動費は好都合なシステムなのだ。

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