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天木直人・メディア裏読み(12月20日) 戦争責任の謝罪は国民にも向けられるべきではないか ほか
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投稿者 天木ファン 日時 2004 年 12 月 21 日 11:23:37:2nLReFHhGZ7P6
 

天木直人 12月20日 メディア裏読み

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◆ 戦争責任の謝罪は国民にも向けられるべきではないか
◆ 誤認逮捕に苦しめられたイスラム・ヒムさん
◆ 「日本国」抜き!
◆ 公文書管理法の制定の動き
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◇◆ 戦争責任の謝罪は国民にも向けられるべきではないか ◆◇

私はかねてから不思議に思っていたのであるが、満州事変から太平洋戦争に至った無謀な戦争について、アジアの近隣諸国への謝罪は当然としても、否応なく戦争に借り出され死んでいった国民、戦禍に苦しめられた市民に対する日本政府の責任と謝罪が論じられた事があったのだろうか。それとも戦争を許した国民はすべて共犯であるということなのか。不肖にして私はこの点についての議論にお目にかかったことがない。

そんな中で19日付けの毎日新聞に掲載された「A級戦犯は日本国民へも責任」と題する横浜市の中島守正さん(66)の投書に注目せざるを得なかった。投書のなかで彼はこう述べている。

「・・・私も靖国神社にまつられている240万の英霊と、14名のA級戦犯を同列に置くことに抵抗を感じています。戦犯というのは戦勝国の言い分ではありますが、少なくとも戦争を命令した責任者です。もしこの人たちが、もう少し早く戦争終結の政治決断をしていたならば、東京などの大空襲も避けられたし、広島・長崎の原爆投下はなかったのではないでしょうか。・・・A級戦犯の方々は中国だけではなく、日本国民にも責任があるのです。」

勝つ見込みが100%なくなっていた45年6月の御前会議においてさえ、なお本土決戦の方針を決定し一億玉砕を求めた政府の、国民に対する責任は間違いなくあると思う。


◇◆ 誤認逮捕に苦しめられたイスラム・ヒムさん ◆◇

そういえばそんな報道があったなぁと思い出す。しかしここまでひどい事件だったのかとあらためて知った。19日付の東京新聞は今年5月26日に、「国際テロ組織のメンバー」、「アルカイダの資金調達をやっていた」、「米軍を狙ったテロを準備中の疑い」などと大々的に報じられたバングラデッシュ生まれのイスラム・ヒムさん(34)の誤認逮捕事件の人権侵害振りを特集記事で書いていた。

カナダ滞在中の1995年に日本人女性と知り合って結婚し来日したヒムさんは、アルバイトや自動車部品工場で働いて資金を貯め、98年には国際電話回線の取次ぎやプリペイドカード販売の会社を設立し順調に売り上げを伸ばしてきた。ところが今年5月26日、外国で逮捕されたアルカイダメンバーと見られる人物が日本にいたことが判明し、その間にヒムさんの会社からプリペイドカードを買ったことがあるというだけで逮捕され、43日間も拘束された。マスコミは一斉に大々的に報じ、警察からリークされたテレビ局は隠し撮り映像まで放映した。

結果はシロであったがこの誤認逮捕と大報道でヒルさん一家は大きな被害を受けた。取材陣に追いかけられた家族はおびえて外出も出来なかった。プリペイドカードは大量に返品され、売掛金も回収できない。会社は家主から立ち退きを迫られた。銀行口座からの送金も出来ない。クレジットカードも解約された。マレーシアとバングラデッシュに設立した会社は倒産した。故国の両親は寝込んでしまった。一連の出来事で2億円もの損失を出した。

あれから半年たっても、マスコミも警察もヒムさんの名誉挽回のけじめをつけていないという。自分がヒルさんの立場だったらどうしただろうかと思う。この世には権力の横暴の前にこうして泣き寝入りしている人が多いに違いない。個人の権利が確立していない国だ。


◇◆ 「日本国」抜き! ◆◇

20日付の毎日新聞に飯田哲也という環境NPO所長の面白い囲み記事があった。先般アルゼンチンで開かれた地球温暖化防止会議での「経済産業省」と「環境省」の対立が国際社会における日本の地盤沈下を招いていると指摘し、むしろこれからはNPOの役割に期待が求められるという記事だ。私も政府の国際会議の実態を嫌というほど見てきた。飯田氏の意見に共感を覚える。以下彼の文章を要約して紹介する。

「・・・さまざまな分野の人と話すと、国際的なルール作りの会議で日本政府の振る舞いは驚くほど共通している。ルールづくりの場に出ない、出ても発言しない、発言しても的外れで知的貢献がない。そればかりか省益で足を引っ張る行為が目に余る。
日本のメディアは『官報』に頼っているから、こうした実情をあまり報道しないが、主要8カ国の間ですら、『日本不要論』は根強いという。首相が戦略を語れず、国際的な協議に貢献せず、各国の首脳と個人的な親交すら結べずに孤立している上に、米国の言いなりであり(そんな国なら)不要というわけだ。・・・今年6月の自然エネルギー・ボン会議のフォローアップが10月に開かれたが、国際機関や各国政府に交じり日本からはNPOの私が指名された。機能不全に陥った『日本国』の中抜きが始まっている」

そんな日本が安保理常任理事国入りで世界から幅広い支持を得ているという報道がしきりに流される。額面どおり受け取ることはとても出来ない。


◇◆ 公文書管理法の制定の動き ◆◇

同じく20日付の毎日新聞に奇妙な一段記事を見つけた。公文書の保存や有効利用を進めようと、自民、公明両党の議員らが近く「公文書館制度強化推進議員連盟」(仮称)を発足させるという。作成から管理、保存までを総合的に規定する文書管理法の制定や、公文書の集中管理システムづくりを目指すという。呼びかけ人は福田康夫前官房長官、公明党の浜四津敏子代表代行ら9人。日本は欧米各国のような文書管理法がないため、選別は省庁任せ。戦後の重要資料が断片的にしか残っていない。だから文書管理法を制定してこうした状況を改善するのだと福田氏らが指摘しているという。

 俄かには信じられない話だ。情報公開法が成立するときを思い出している。法律が制定される前に駆け込みで出来るだけ文書を破棄しようとしていた外務省を私は見てきた。政府関係機関が独立法人化されたため情報公開法に縛られる事はなくなったとして、独立法人は文書の処分や不公開に走った。それらを考えると、この文書管理法なるものが国民の側から見て有意義な法律になるとはとても思えない。この法律が情報不公開の隠れ蓑にならないように監視していかなければならないと思う。もっとも報道によれば福田氏の政治活動再開を印象付ける目的の議員連盟であるらしい。真面目に仕事をする組織とは思えないので心配する必要もないか。


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